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経営者の悩み「売上低下・コスト・資金繰り・人材育成…」を解決する考え方とアクション

経営者の悩み「売上低下・コスト・資金繰り・人材育成…」を解決する考え方とアクション
飲食店経営者が頭を抱える5つの問題といえば、「売上」「コスト」「資金繰り」「人材育成」「ブランディング」にまつわるものでしょう。これはどの業界のトップであっても直面する問題です。
本記事では、5つの問題への向き合い方と、解決に向けた具体的な方法を説いていきます。
 

飲食店経営者が抱える5つの悩み


飲食店経営にあたり、経営者の頭を悩ませるTOP5といえば、「売上」、「コスト」、「資金繰り」、「人材育成」、「ブランディング」の問題です。とくに中小企業の経営者であれば、うなずけるものがほとんどでしょう。
特に飲食店を経営する方の多くは、長年料理人として厨房に立ち、経営未経験のまま念願の独立開業を果たしたケースがほとんどです。総合的な判断力を持ち合わせていないのは、至極当然のことでしょう。ここで大切なのは、いま抱えている悩みや問題点に、きちんと目をむけて正面から向き合うことです。
 

「売上」の悩みとの向き合い方

まずは、「売上を伸ばす」という考え方をやめて、「利益を上げる」という考え方にチェンジしましょう。
売上を伸ばすことは、お店の規模を広げていくうえで大切なことです。しかし、「売上を伸ばすこと」と、「お店を維持していくこと」は、イコールではありません。いくら売上がたくさんあっても、そこから利益を確保できなければ経営難に陥ってしまいます。
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水道・光熱費を節約する、仕入先を見直して食材原価を下げる、食品ロスをなくすなどして「ムダ」を省く努力をすれば、利益率は上がっていきます。
しかし、そもそも売上が少なければ、利益率も上がりません。売上の向上を狙うときには、あらゆるものをデータ化し、お店の弱みをあぶり出すことが大切です。
たとえば、ターゲット層の来店が多い日と少ない日。よく出るメニューとそうでないメニュー。こういった売上に影響する要素をあげ、メニューやサービスの改善点を見出しましょう。
 

「コスト」の悩みとの向き合い方

人件費や水道光熱費、賃料、販売促進費など、経営にはさまざまなコストがかかります。コストカットをする前に、「それはお店にとって、本当にムダなコストかどうか」という点をもう一度よく考えましょう。削るべきではないコストを削ってしまうと、経営にダメージを与えることになります。
 
たとえば、売上につながるコスト(広告掲載や販促グッズなど)や、商品やサービスの質にかかわるコスト(食材や備品など)の削減を考えている場合は要注意です。ひとつ間違えればブランド力が損なわれるばかりか、「このメニューがおいしいから通っていたのに…」と、客離れを招きかねません。
人件費のカットが頭をよぎったときにも注意が必要です。少ないスタッフでお店をまわす場合、ひとりあたりの仕事の負担が増えます。そうすると、苦痛を感じて辞めるスタッフも出ますし、「あそこは大変だよ」と噂が広がって、求人を出しても応募がない…という悪循環に陥るかもしれません。
コストカットを叶えたうえで、問題を解決できる方法がないか、もう一度考える必要があります。
 
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「資金」の悩みとの向き合い方

月々の固定費や人件費を滞りなく支払い、資金繰りがうまくできているお店は、多少赤字でも営業を続けることができます。「資金繰りさえできていれば、赤字があっても大丈夫」という考え方を持っておきましょう。逆にいえば、資金繰りができていない場合、繁盛していても経営が立ち行かなくなることもあります。 

ポイントは、普段から「資金繰り表」をつくって収入と支出を把握し、お金の流れを可視化しておくこと。それでも、時として苦しくなる場合もあります。そんなときのための保険として、支払い期日を延ばすなどの対応を受けられるよう、仕入先や取引業者との信頼関係を築いておきましょう。
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「人材育成」の悩みとの向き合い方

まず大切にしたいのは、「店舗経営は、経営者ひとりの力で成り立つものではない」という考え方です。経営者は、スタッフの成長を願って教育にあたらなければなりません。従業員の定着率が低い場合には、教育方法を見直す必要があります。

おんぶにだっこ状態が当たり前の従業員は困りものですが、せっかく雇い入れた人材を成長させられないようでは、経営者である自分の手腕を疑われても仕方ありません。従業員の困りごとや迷っていることを聞きだし、抱えている問題を解決できる環境づくりをしましょう。
とはいえ、従業員数が多い場合には、目の行き届かないこともあるでしょう。そんな時には、各セクションに教育係の役目を担うリーダーを配置するのが有効です。
経営は、経営者ひとりだけの力だけで成り立つものではなく、一緒に働くスタッフの力があってこそのものであるという考え方が大切です。
 
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「ブランディング」の悩みとの向き合い方

「ブランディング」を展開するうえで、まず何をすればよいのかわからない方も多いはず。まずは「誰に、何を、伝えるのか」を明確にすることが大切です。
飲食店であれば、「〇〇産の野菜のおいしさを街の人に知ってもらう」など、どのお店にも事業の目標があります。開業資金の融資を受けるときには事業計画書をつくりますが、そのときにも目標を明確にしているはずです。

お店の理念に共感するお客さまを集め、目標を達成するためには、ブランディング戦略の立案が欠かせません。「これはほかのお店に負けない」というサービスや、「当店でしか味わえない」というメニューをつくりましょう。
たとえば、『〇〇産の甘~いにんじんのステーキ』で野菜好きをうならせること。野菜のスタンプを押したポイントカードで、お店の楽しい雰囲気を印象づけること。それらは、「〇〇産の野菜のおいしさを街の人に知ってもらう」という目標を達成するためのブランディングにつながります。
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5つの問題を解決するアクション


では、それぞれの問題に対し、具体的にどのような対策をとればよいのでしょうか。
 

売上

お店の存続に直結することであるため、売上の低下は経営者がもっとも頭を悩ませる問題です。その要因として考えられるものは以下ではないでしょうか。
 

要因①流行

毎年、ローストビーフ丼やチーズタッカルビなど、特定のメニューが爆発的に流行ります。「〇〇はじめました」と流行のメニューを取り入れるのも、売上アップには効果的です。

しかし、流行はいつか終わります。ブームが過ぎ去ったとたんに売上が落ちるようでは、安定した経営はできません。流行のメニューを取り入れなくても勝負できるくらいに、レギュラーメニューの味をしっかり固めておきましょう。
 

要因②環境の変化

大きな道路ができて店前の人通りが少なくなったり、新しくできたライバル店にお客さまを取られてしまったり。お店の周囲の環境は、いつ変わるかわかりません。
お弁当屋さんなどでは、「お客さまの8割が、ランチを買いに来る近くのサラリーマン」という場合もあるでしょう。でも、もし近くの会社が移転したら、売上の大半を失ってしまいます。

周辺環境がいまの売上に大きく影響している場合は、環境の変化に敏感になりましょう。人通りの減少が予想されるなら、集客範囲を広げるなど、早めの対策をとる必要があります。
 

要因③商品の質の低下

コストを抑えようとして、真っ先に食材の質を落とす経営者もいますが、長い目で見れば好ましくありません。「前よりおいしくなくなった」と思われたら最後、お客さま満足度は下がり、売上も落ちていきます。

それに、安いメニューばかり売れて、高いメニューが売れなくなると、利益の確保は難しくなります。品質より安さを求めるお客さまばかり来て、あなたのお店に心から惹かれて来る人はいなくなります。削るべきコストと、そうではないコストの線引きをしっかりおこないましょう。
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コスト

飲食店経営では、食材原価(30%)と人件費(30%)の合計が売上の60%以内に収まるのが理想といわれています。
 

①食材原価

食材原価を抑える方法をご紹介します。
・仕入先の見直し
複数の仕入先から見積もりを取って、最安値の業者を選びます。お肉でも「鶏肉はA社、豚肉はB社」と仕入先をいくつか持つことで、常に安いほうから仕入れることができます。

・同じ食材を使ったメニューを増やす
ひと玉のキャベツをバターソテー、塩昆布和え、スープにアレンジするように、同じ食材を使うメニューのバリエーションを増やしましょう。食品ロスを減らすことができます。

・オーバーポーションをなくす
オーバーポーションとは、規定量に対して食材や調味料を多く使ってしまうこと。無駄が生まれ、食材原価を上げる原因になります。メニューごとにレシピを設け、食材や調味料の分量を決めておきましょう。
 

②人件費

人件費がかかるからと、忙しいのにスタッフを雇わないお店もありますが、それでは満足なサービスの提供ができません。次のようなアイテムで業務効率化をはかり、少ないスタッフでお店をまわせるようにすることが大切です。

・POSレジサービス『blaynレジ』
テーブルごとの会計状況が自動で保存されるので、レジで金額を打ち込む手間がありません。売上データはPCやスマートフォンからいつでも確認できます。
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・デリバリーサービス『Uber EATS』
 クルーが料理をピックアップしてお客さまに届けてくれるので、お店側で配達に人手を割く必要がありません。
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・自動音声応答サービス『i-bot』
 お店が忙しい時間帯はもちろん、営業時間外や定休日でも、24時間自動で予約・注文を受け付けてくれます。
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資金繰り

資金繰りが苦しくなる原因は、おもに開業費と家賃の2つです。これから開業する方はぜひ知っておいてください。

①開業費


「おいしいものを食べるなら、雰囲気のいいお店で」。そんなお客さまの気持ちには応えてあげたいですよね。しかし、厨房機器を完璧に揃え、空調や照明、インテリアまでこだわり尽くすとなると、かなりの出費を覚悟すべきです。飲食店の開業には、トータルで200万円~1,000万円のお金がかかるといわれています。

自己資金ですべてまかなえればいいのですが、金融機関などから借りた場合は大変です。借入額にもよりますが、毎月数万~十数万円のお金を、数年にわたって返済に充てなければなりません。
できるだけ自己資金を多く貯めて、借金返済の負担を減らすようにしましょう。

②家賃


立地のよい物件は集客に有利ですが、家賃もかなり高くなります。売上に対する家賃の割合は10%以内が理想なので、家賃15万円の物件を借りた場合、毎月150万円の売上をつくらなければなりません。

飲食店は、経営が安定するまでに2~3年ほどかかります。あまりにも家賃の高い物件を選んでしまうと、お店が軌道に乗る前に体力が尽き、廃業ということもありえます。可能であれば、自宅を改装してお店を開くのがおすすめです。家賃も発生しませんし、毎日体力を削って通勤する必要もありません。体調不良でお店を休めばその日の売上がなくなってしまうことも考えると、自宅開業のメリットは大きいです。
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人材育成

近年、飲食業界全体が人手不足に陥っています。いくら募集をかけても人が集まらず、やっとの思いで雇い入れた人材も育たないうちに辞めてしまうと悩む経営者も少なくありません。以下の2点を見直しましょう。

①給与水準

『会社四季報 業界地図』2019年版には、業界別の40歳時点での平均年収ランキングが掲載されています。ランキングをみると、外食(平均491万円)は64業界中57位。1位のコンサルティング(平均1,316万円)と比べると、800万円以上の給与の差があります。

飲食業界では、光熱費や食材原価、人件費などのコストが多い割に利益率が低いため、給与水準が低くなっているのです。この問題を解決するためには、既出の売上やコスト面を見直すことが最善の方法です。

②不規則な休日と長時間労働


飲食店の書き入れどきは、土日祝日です。年末年始やGWも休めないことが多いため、家族や友人との時間が取れず、ストレスを募らせていくスタッフも多いです。
さらに、お店が人手不足であれば、一人ひとりのスタッフの負担が増え、長時間労働を強いられることもあります。
まずは、労働環境を整えましょう。週に何時間働けば社員になれて、ボーナスが支給される…など、スタッフが安心して働ける制度をつくるのもひとつの方法です。
 

ブランディング

飲食店のブランディングは、4つの切り口から戦略立案できます。
 

①メニュー

契約農園の野菜を使ったサラダ、シェフの手づくりケーキなど、「これだけは食べてほしい」というメニューを必ずつくりましょう。お店の顔となり、ブランディングに大きな役割を果たします。
 

②外観

店舗は、24時間絶えずお店の宣伝をしてくれる広告です。看板やエントランスに味を持たせて、お客さまがすぐにお店を認識できる外観をつくりましょう。
 お店が目立ちにくい場所にある場合は、案内板を近くの路地に置かせてもらうなどして、通る人にお店の存在をアピールしましょう。
 

③宣伝

グルメサイトなどを見ていて、「どのお店も似たり寄ったりだ」と感じたことはありませんか?いまは、どんなお店も簡単にネット上で宣伝ができる時代。せっかくコンセプト性のあるお店づくりをしていても、宣伝にそれが反映されていなければ意味がありません。
料理の撮影をカメラマンに依頼する、紹介文を熟考するなどして、ライバル店に埋もれない宣伝ページをつくりましょう。
 
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④口コミ

お店が自主的におこなう宣伝だけではなく、お客さまが広めてくれる口コミも、立派なブランディングになります。
「SNSで口コミをシェアしてくれた方は、次回ドリンクサービス!」などのキャンペーンをおこない、口コミの投稿をうながしてみてもいいですね。

まとめ

経営者には、自分の好きなようにお店づくりができる自由があります。その一方で、上記で取り上げたようなあらゆる困難に立ち向かわなければなりません。

「先月よりも売上が落ちた」「このコスト、削れないかな?」「資金繰りが苦しい」「人が育たない」「そもそも、ブランディングって何だっけ?」。そんな悩みの一つひとつと向き合いながら、お店をつくり上げる過程は苦しいながらも楽しいもの。経営力を高めながら、掲げた目標に向かって、お店を成長させていきましょう。

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