「クラウドPBXとIP電話との違いは?」
クラウドPBXは、昨今のテレワーク化に伴って需要が拡大し、ビジネスシーンにおける業務効率化やコスト削減の切り札として注目されています。
しかし、「従来のビジネスフォンとの違いは?」「どんな機能があるの?」といった疑問をを抱いている方も多く見受けられます。
今回は、今大きな注目を集めている「クラウドPBX」について、仕組みや詳しい概要、従来のPBXとの違い、さらに導入に向けてのメリット・デメリットを詳しく解説していきます。
おすすめサービスの料金比較も記載しているため、クラウド上PBXを検討中の方は必見です。
▶関連記事:クラウドPBXの仕組みを徹底解説!
クラウドPBXとは?仕組み・機能を解説
クラウドPBXの仕組み
クラウドPBXとは、物理的なPBXの主装置を置かずに インターネット上で交換機の機能を利用できるサービス です。
オフィスの場所や主装置設置におけるオフィスレイアウトを気にすることなくオフィスの電話環境を整えられます。
PBX主装置の購入・設置が不要となり、回線増減の設定などもクラウド上で行えるため、定期的なメンテナンス費用もかかりません。そのため、コスト削減にも効果的です。
▶関連記事:クラウドPBXの仕組みを徹底解説!クラウドPBXの機能
クラウドPBXは、オフィス電話に必要な基本機能を問題なく利用できるほか、スマートフォンから会社の電話番号を利用して発信することも可能です。
また、WEB上で留守電や履歴等の設定ができたり、IVRを使って要件別・部署別に受電を振り分けたり、通話音声の録音したりできるなど、多岐にわたる機能が搭載されています。
このようにクラウドPBXは、 コスト削減だけでなくオフィス電話としての効率化にも大きく貢献 してくれるサービスと言えるでしょう。
そもそもPBXとは?PBX、IP-PBX、クラウドPBXの違い
PBX(Private Branches Exchanger)は構内交換機を意味し、社内にある内線通話や外線取次、転送電話などを使う ビジネスフォンを設置する際に、回線の管理や応答を行うシステム です。
多くの企業で、こうしたPBXを利用したビジネスフォンが使われており、代表電話番号に電話をかけると、各内線への取次ができるようになっています。
また最近では、建物内に物理的な主装置を設置するPBXだけでなく、交換機の機能をクラウドで管理できる「クラウドPBX」など、さまざまな種類のPBXシステムが登場しています。
PBXには3種類がある
交換機を意味するPBXの中には、従来の「PBX」意外にも「IP-PBX」「クラウドPBX」の3種類があります。
PBX
従来から一般的に使われていた「PBX」は、物理的な交換機を建物内やフロア内に設置して利用します。
インターネット回線を使うIP電話は利用できず、電話回線のみ 使うことができます。
IP-PBX
「IP-PBX」も従来のPBXと同様、建物内に物理的な交換機を設置して利用します。
ただし、 電話回線ではなくインターネット回線を利用している 点が、従来のPBXと異なります。
PBXを社内ネットワークに接続するだけで内線電話が利用できるため、従来のPBXと違って配線工事も発生しません。
クラウドPBX
「クラウドPBX」は、 仮想のPBXをクラウド上に設置して電話交換を行う システムです。
インターネット回線に接続できれば、オフィス以外の場所でも自社のPBXを利用できるため、外出先からスマホを使って、会社の電話番号で発信することも可能です。
物理的な交換機を購入する必要が無く、設置・配線工事や保守メンテナンスも発生しないため、従来のPBXやIP-PBXよりも低コストで導入・運用できます。
PBXのメリット
PBX自体のメリットを以下で簡単にチェックしてみましょう。コスト削減
PBXを導入すると、異なる部署間の内線通話が無料で利用できるため、コスト削減に繋がります。
通話料の心配がなくなり、社員同士が通話しやすくなることで、コミュニケーションの活発化にも繋がるでしょう。
業務効率化
PBXを導入すると、オフィス内すべての電話機で、会社の代表番号にかかってきた着信に対応できます。
また、他部署宛にかかってきた外線電話もスムーズに転送でき、業務効率化に繋がります。
PBXのデメリット
次にPBXのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
コストがかかる
従来型のPBXは、 機器の購入費用や、建物内への設置・配線工事費用などが発生する ため、まとまった導入コストが必要となります。
また、定期的な機器メンテナンスも必要なので、保守費用が発生する点にも注意が必要です。
設置場所が必要
従来型のPBXを導入する際は、物理的な交換機を設置するため、オフィス内にある程度のスペースを確保しなければなりません。
特に、フロアのスペースが限られている中小規模の企業は、 レイアウトに支障がないか事前に確認しておきましょう 。
変更への対応が大変
会社の移動やオフィスのレイアウト変更などを行う際、PBXの電話システムの設定変更や配線変更には手間やコストがかかります。
基本的に専門業者への依頼が必要となるため、手配が遅れると社内の電話回線が一時的に使えなくなり、会社全体の業務停滞を招いてしまいます。
IP-PBXのメリット
ここでは、IPネットワークを使って内線通話を行う「IP-PBX」のメリットについて解説していきます。
メリット1:導入コスト・通信コストが抑えられる
IP-PBXは、従来の「PBX」と比べて導入コストやランニングコストを抑えられる点がメリットです。
インターネット回線を利用するため、電話線を建物内やフロア内に引く配線工事の費用が発生しません。
また、インターネット回線を利用して支社の電話回線もすべて内線化できるため、通話代も大幅に削減できます。
メリット2:運用・管理が簡単
従来のPBXでは、電話機の場所移動や、席移動などをするたびに、電話機へ割り振る内線番号を変更する必要がありました。
しかしIP-PBXであれば、電話機ごとにIPアドレス振り分けられているので、オフィスのどこに移動してもLANケーブルの差し替えだけで同じ内線番号を利用できます。
また、各種設定変更もパソコンの管理画面で手軽に行えるので、運用にかかる手間やコストを大幅に削減できます。
編集部
従来のPBXと違って、設定変更を業者に依頼する必要がありません!
メリット3:自由なカスタマイズ
IP-PBXは、 必要な機能を自由に追加して組み合わせられるカスタマイズ性 もメリットです。
例えば、パソコンと電話を連動させて、着信時に情報を表示するCTI機能を追加すれば、IP-PBXを活用してコールセンター環境を構築できます。
その他にも、着信の自動振り分けや自動音声応答システム、通話内容の録音など様々な機能を利用できるため、自社の業種や運用スタイルやに合わせて柔軟に仕様を変えられます。
編集部
機能追加も、WEBの管理画面などから手軽に行えます。
IP-PBXのデメリット
一方、IP-PBXにも注意しておきたいデメリットがあります。次は、このデメリットをチェックしてみましょう。
セキュリティ面の課題
IP-PBXはインターネット回線を活用するため、ハッキングによる乗っ取りリスクがあります。
万が一IP電話が乗っ取られてしまうと、勝手に国際電話をかけられて高額な通話料金の請求をされる可能性があります。
ルーターやPBXの設定、セキュリティの脆弱性をついたハッキングが多く 、乗っ取りに気づかないまま使い続けてしまうこともあるため、あらかじめセキュリティ対策を講じることが重要です。
クラウドPBXのメリット
クラウドPBXは、導入費用を抑えて利用開始できたり、場所の確保が必要ないなど、さまざまなメリットがあります。
ここでは、クラウドPBXのメリットを紹介していきます。
場所を問わずに内線設置
クラウドPBXは、クラウド上にある交換機をインターネット回線経由で利用するため、 外出先からでも場所を問わずに内線通話が可能 です。
転送もクラウド上で行うため、社内の電話機以外に、登録したスマートフォンやパソコンでも電話を受けることができます。
また国内外問わず内線通話が可能なので、通話料とかも抑えることができ、コスト削減効果も大いに期待できます。
スモールスタートが可能な価格設定
クラウドPBXは交換機をクラウド上に設置するため、 交換機設置のための工事費や配線作業などが必要ありません 。
そのため導入時の初期費用を削減することができ、導入時のコストが気になる方も安心して開始できます。
さらにクラウドPBXは、従業員の人数や企業規模に合わせて機能の拡張も可能なので、大規模な機器の設置が難しい中小企業などにもピッタリのPBXシステムと言えます。
簡単な設定変更
これまでのPBXシステムは、事務所の移転やフロア内のレイアウト変更があった際に、専門業者や提供元に依頼して、環境変更や配線工事を行ってもらう必要がありました。
しかしクラウドPBXでは、WEBの管理画面から簡単に設定を変更することができるため、 業者に依頼する必要がなく、作業費用も発生しません 。
自身で番号の追加や削除、設定変更などが行えるほか、内線・外線への転送設定や音声録音の管理も簡単にできます。
▶関連記事:クラウドPBXのメリット・デメリットを詳しく解説!
クラウドPBXのデメリット
クラウドPBXは、低価格で導入しやすいサービスである一方、デメリットがあることについても理解しておきましょう。
インターネット環境に左右される
クラウドPBXは、電話の音声品質がインターネット環境に左右されます。
そのため、 通信が不安定だと音質が下がったり、通話が途切れたりすることがあります 。
特に、外出先で利用する際は通信環境が安定しにくいため、電波がいい場所で通話するよう配慮したり、ポケットWi-Fiを活用したりするなど、対策を講じましょう。
かけられない番号がある
クラウドPBXの回線では、緊急時などに発信する「110」や「119」にかけられないことがあるので、緊急時の発信にはくれぐれも注意しましょう。
ランニングコストがかかる
クラウドPBXは、機器の設置工事や配線工事にかかるコストを抑えられる代わりに、クラウドの管理費用として毎月ランニングコストが発生します。
とはいえ、リモートワークの導入企業や、外回りの従業員が多い企業などは、月額料金を考慮してもメリットの方が上回るでしょう。
自社に必要な便宜性なども踏まえて、費用対効果が得られるか検討することが重要です。
クラウドPBXのサービス比較
NTT東日本・NTT東日本や、ソフトバンク・KDDIなどの大手キャリア以外にも、クラウドPBXを提供している事業者は数多く存在します。
今回は、多くの企業で導入がすすむ「クラウドPBX」の中でも、特におすすめの「CLOUD PHONE」を他社と比較してご紹介!
初期費用 | 月額費用 | 特徴 | |
---|---|---|---|
CLOUD PHONE | 0円 | 1,100円~ |
・会社あての代表番号をスマホで受信可能 |
競合A社 | 50,000円~ | 15,000円~ |
・24時間いつでも設定変更ができる |
競合B社 |
50,000円 | 10,000円~ |
・CIT、CRM機能搭載 |
クラウドPBXを比較する際のポイント
通話の品質
クラウドPBXを使った音声は通話品質が高く保たれているので、電波が著しく悪いような環境でない限り、問題なく通話できます。
また、今後5Gの普及でインターネットはさらに進化し、速度や安定性はますます向上していく見込みです。
とはいえ、メーカーによっては音声品質は大きく異なるため、音声の途切れや遅延などで顧客満足度の低下を招かないためにも、適切なメーカー選びを心がけましょう。
編集部
使用感や問題点などは、実際に使ってみないとわからないことが多いため、導入を検討している方は積極的に無料トライアルを活用しましょう。
サービスの実績
クラウドPBXを検討する際は、他社での導入事例など、サービスの実績についても確認しておきましょう。
大手企業での導入実績や、これまで数多くの企業で導入された実績などがあれば、技術力があり信頼できるメーカーである可能性が高いと考えられます。
また、幅広い業界で導入実績があるかどうかもポイントです。複数の業界で実績があるほど、様々な利用環境でのノウハウを持っている可能性が高く、柔軟なサポート体制が期待できます。
編集部
総務省が実施している通話品質調査結果などがあれば、さらに信ぴょう性が高くなるため、音声品質の良さに根拠があるか確認するのがオススメです。
既存システムとの連携
クラウドPBXを導入する前には、既存の外部システムに連携できるかもチェックしましょう。
CTIやCRMなどの、外部システムと連携できるものであれば、営業や顧客対応の効率はさらに向上します。
またクラウドPBXとCTIを接続すれば、自動音声応答機能(IVR)も併せて導入でき、電話応対の業務効率化を手助けできます。
外部連携が柔軟であるほど、将来機能を拡張したいときもスムーズに対応できる ので、十分に検討しましょう。
スマートフォンへの対応
クラウドPBXによっては、スマートフォンと連携することで、オフィス以外の場所からでも会社の固定電話番号を使った受発信が可能です。
場所を問わず会社の電話業務ができるようになることで、外出する社員が多い会社の業務効率化や、在宅ワークの推進に繋がるでしょう。
また、スマートフォンを使うことで、電話の配線工事や機材購入などに余計なコストをかけず、手軽にテレワーク環境を構築できます。
編集部
特に、今後リモートワークの導入を検討している企業は、必須の検討項目といえるでしょう。
まとめ
今回は、近年需要が高まっている「クラウドPBX」について、PBXの種類やその違い、メリット・デメリットを踏まえて解説してきました。
低コストで運用しやすい「クラウドPBX」は、これからテレワーク・リモートワークなども一般化してくる時代には、非常に適したPBXサービスと言えます。
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この記事を書いたライター
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