創業助成金って何?起業時に使える創業助成金のメリット・デメリット

創業助成金って何?起業時に使える創業助成金のメリット・デメリット
これから会社を設立しようとしている方や、個人で事業を始めようとしている方の中には、初期投資にかかる資金を少しでも抑えられないかなど、頭を抱えることも多いのではないでしょうか。
実は、起業時や創業時にもさまざまな補助金や助成金が登場しています。対象者や支給条件はありますが、これから起業を考えている方などは、この機会にぜひ活用したいもの。そこで今回は、起業・創業時に使える補助金や助成金を詳しくご紹介していきます。
 

創業助成金とは?

東京都及び、公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する「創業助成金」は、東京都内の開業率向上を目標とした「創業助成事業」の一つです。都内で創業予定の個人事業主や、創業間もない中小企業の方に対し、賃借料や広告費、従業員人件費など、必要な経費の一部を助成する仕組みになっています。
 

創業助成金の対象者は?

「創業助成金」の申請対象となるのは、主に『都内での創業を具体的に計画している個人または創業後5年未満の中小企業者のうち、一定の要件(※)を満たす方』となっています。
一定の要件というのは、以下の項目などの申請要件を、申請日までに満たしていない場合を言います。

・TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援終了者
・東京都制度融資(創業)利用者
・都内の公的創業支援施設入居者

また個人事業主や法人での登記上、代表者として通算5年以上の経営経験がある方の場合は、助成対象にはなりませんので注意ください。
 

創業助成金の申請条件は?

「創業助成金」を申請する際の条件として、都内の創業予定者又は創業して5年未満の中小企業者という点のほか、もう一つ条件があります。それは助成金を申請する事業を実施するために、下記18種類の創業支援事業を利用したうえ、いずれか一つを満たして申請用件確認資料の提出が可能な方が対象という点です。
 

申請要件

 
① 事業計画作成 TOKYO創業ステーション「プランコンサルティング」の
事業計画書策定支援を終了し、
過去3年以内にその証明を受けた方
② 事業計画作成 「多摩ものづくり創業プログラム」を受講後、
事業計画書策定支援を終了し、過去3年以内に証明を受けた方
③ 事業評価 「事業可能性評価事業」において、
当年度または前年度以前の過去3年以内に、
「事業の可能性あり」と評価され、継続的支援を受けている方
④ 事業計画作成 「商店街開業プログラム(商店街起業促進サポート)」
を当年度、または
前年度以前の過去3年以内に、受講修了した方
⑤ 施設入居 東京都や公社が設置した創業支援施設に入居している方、
または以前に入居していた方。
該当施設
・東京ライフサイエンスインキュベーションセンター(東京都)
・東京コンテンツインキュベーションセンター(東京都)
・青山スタートアップアクセラレーションセンター(東京都)
・ソーシャルインキュベーションオフィスSUMIDA(公社)
・ベンチャーKANDA(公社)
・タイム24(公社)
・インキュベーションオフィスTAMA(公社)
・白鬚西R&Dセンター(公社)
⑥ 施設入居 東京都インキュベーション施設運営計画認定事業の、
認定を受けた施設に、認定後6ヶ月以上継続して入居し、
申請する事業内容に関する個別具体的支援を、入居期間中に
継続して受けている方、または以前に受けていた方
⑦ 施設入居 独立行政法人中小企業基盤整備機構、都内区市町村、
地方銀行、信用金庫、信用組合、国公立大学、
私立大学が設置した都内所在の創業支援施設と、
1年間以上の賃貸借契約を締結して入居している方、
または過去3か年の期間内に入居していた方。
⑧ その他 青山スタートアップアクセラレーションセンターにおいて
アクセラレーションプログラムを受講している方、
または以前に受講していた方
⑨ その他 創薬・医療系ベンチャー育成支援プログラムの
選抜プログラムを受講修了した方
⑩ 事業評価 「TOKYO STARTUP GATEWAY」において、
前年度以前の過去3年以内にセミファイナリストまで進んだ方
⑪ その他 「女性ベンチャー成長促進事業(APT Women)」において、
国内プログラムを受講している者、又は以前に受講していた方
⑫ 資金調達 「女性・若者・シニア創業サポート事業」において、
取扱金融機関から融資を受け、その証明を受けた方
⑬ 資金調達 東京都中小企業制度融資(創業融資)を利用している方
⑭ 資金調達 都内区市町村が実施する中小企業制度融資のうち、
創業者を対象とした東京信用保証協会の
保証付き制度融資を利用している方
⑮ 資金調達 東京都が出資するベンチャー企業向けファンドからの
出資等を受けている方
⑯ 資金調達 政策金融機関の資本性劣後ローン(創業)を利用している方
⑰ その他 産業競争力強化法に規定する認定特定創業支援事業の支援を受け、
過去3年以内に都内区市町村長の証明を受けた方
⑱ その他 下記の機関より認定特定創業支援事業に準ずる支援を受け、
過去3か年の期間内にその証明を受けた方

・東京商工会議所
・東京信用保証協会
・東京都商工会連合会
・独立行政法人 中小企業基盤整備機構
※参照:TOKYO創業ステーション「申請要件」
 

創業助成金の上限金額は?

では、創業助成金で助成される金額の上限は、どのぐらいになるのでしょうか。「創業助成金」を申請して受給できるのは、100万円~上限300万円となっています。対象期間など、詳細は以下の通りです。
 
助成額 100万~上限300万円
助成対象期間 交付決定日から1年以上、最長2年間
助成率 3分の2以内
助成対象 賃借料、広告費、器具備品購入費、
産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費

創業助成金の申請方法は?

「創業助成金」は、オンライン上で申請書をダウンロードすることができます。下記から、募集要項と申請書をダウンロードして、必要事項を記載してください。またWeb登録も必要となるので忘れないようにしましょう。

募集要項全体
申請書

申請書に必要事項を記入したら、提出は郵送で送ってください。提出方法は、簡易書留・一般書留・レターパックプラス(赤色)で郵送することが可能です。
 

創業助成金の申請期限は?

令和2年度の創業助成金は、下記までに申請が必要です。

申請受付期間
令和2年10月1日(木)~令和2年10月9日(金)まで(期間中の消印有効)

申請書提出先
〒100-0005
東京都千代田区丸の内2-1-1 明治安田生命ビル低層棟2階 丸の内 MY PLAZA内
公益財団法人 東京都中小企業振興公社
事業戦略部 創業支援課 創業助成係
TEL:03-5220-1142
 

創業助成金の受給までの流れ

申請の流れ出典:TOKYO創業ステーション

創業助成金を申請し、受給されるまでには、ある程度長い期間を要します。申請書を作成し提出した書類は、書類審査と面接審査を経て、通過したものが交付対象に決定します。交付が決まったら、申請事業を実施します。
申請内容にそって事業を完了させたら、完了報告を行い、助成金が交付されます。なお1年経過後すると、助成金の中間払いも可能となっています。

全国の自治体でもが受けられる「創業補助金」とは?

東京都内の創業者が対象である「創業助成金」のほか、全国の自治体では「創業補助金」制度が設けられています。各年度ごとに名称を変えており、2018年から「地域創造的起業補助金」という名称になっています。
「創業補助金」の目的は、日本経済を活性化させるため、新たな需要や雇用の創出などを促すことにあります。補助金は、申請後に補助対象期間となる6ヶ月経過以降~さらに数ヶ月後に支給されます。
なお基本的に補助金は、返済不要という大きなメリットがありますが、補助金受給後の一定期間内に一定の収益をあげると、返還義務が発生することがあるので注意しましょう。
 

創業補助金の対象者は?

「創業補助金」は、創業補助金募集日以降に、新しく創業する者が対象となります。また産業競争力強化法に基づく「認定市区町村」で創業、もしくは創業予定で、1名以上の従業員を採用する予定の会社が対象です。申請を行うためには、補助事業期間が完了する日までに、個人開業または会社設立を行う必要があります。
認定市区町村は、令和2年現在、全国で1,455市区町村にのぼります。自身の住む地域や、開業する予定の地域が認定市区町村に当てはまるかは、中小企業庁のホームページにて確認しておきましょう。
 

創業補助金の申請条件は?

創業補助金の対象となる条件は、以下3つをすべて満たす必要があります。

・使用目的が事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
・交付決定日以降、補助事業期間内の契約・発注により発生した経費
・証拠書類などによって金額・支払いなどが確認できる経費

例えば補助対象となる経費には、店舗賃借料、設備費、人件費、マーケティング調査費、広報費などが含まれますが、消耗品費や水道光熱費、通信費などは対象となりませんので気を付けてください。
 

創業補助金の上限金額は?

なお「創業補助金」は、補助金という名称のとおり、かかった経費すべてが支給されるわけではありません。創業補助金の補助率は、対象経費の2分の1以内となっています。
補助金は「外部資金調達がない場合」は、50万円以上100万円以内で、「外部資金調達がある場合」は、50万円以上200万円以内が上限となっています。経費には、補助対象になる経費とそうでない経費があるため、支払いを証明する書類も必要となります。
 

創業補助金の申請期限は?

基本的に「創業補助金」は、毎年春頃に受付を行っています。申請期間は毎年変動するため、中小企業庁のサイトや近くの市区町村窓口などで、募集状況を常にチェックしておきましょう。例えば昨年は、令和元年5月15日(水)~令和元年6月14日が申請期間となっていました。
ただし今年、令和2年に関しては新型コロナウイルスの影響もあり、現状未定となっています。
 

創業補助金の申請方法・手順

創業補助金申請の流れは、大きく5つの手順となっています。申請方法の流れと併せて確認していきましょう。

1.申請書、事業計画書の提出
創業補助金の募集期間に入ると、事業計画書と申請用の書類を、認定市区町村の該当窓口へ申請します。なお地方自治体の窓口以外にも、毎年「地域創造的起業補助金事務局」の特設サイトが設けられているため、そこから電子申請することも可能です。

2.資格審査
書類を申請したあとは、申請者が募集の対象に適合しているのか審査が行われます。資格審査を通過すると、書面審査に移ります。面接審査などはなく、審査結果がかえってくるのは、申請から約1~2ヶ月後になります。

3. 審査結果を通知
審査結果が確定すると、書面にて申請者に交付の可否連絡が通知されます。提出した事業計画内容が評価され、補助金の対象と確定したら、そこから約6ヶ月間が経費補助期間になります。対象期間の経費に関しては、領収書や請求書などの証拠書類を最終的に提出するので、しっかり保管しておく必要があります。

4. 報告書の提出
6ヶ月ほどの経費補助期間が終わると、報告書と証拠書類を提出します。報告書を提出すると、提出書類のチェックに入るため、書類の確認におよそ数ヶ月かかります。その間に、報告書や証拠書類に不備があったら、都度修正が必要になります。

5. 補助金の交付
提出した書類のチェックが終わり、対象経費が目的通りに使用されたと認定されれば、補助金が交付されます。
ただし補助金が交付されたらそれで終わりというわけではなく、交付後5年間は事務局への事業報告が必要です。その際に、一定以上の収益を得ている場合には、交付した補助金の一部を納付しなくてはいけないことがあります。

創業補助金のメリット

創業補助金の大きなメリットとしては、実際に創業する前の事業者であっても申請が可能というとこでしょう。加えて、補助金を受給したあとに、返済義務がないことも嬉しいポイントと言えます。
本来、事業をスタートさせたり、会社設立するには最初の資金調達が難しいものですが、創業補助金を受けることができれば、事業の可能性が国に認められたという証拠になるため、会社の信用度を高めることにつながります。信用度が高まれば、それ以降に何かしら融資を受ける際に、受けやすくなるというメリットがあります。

創業補助金のデメリット

一方、創業補助金はメリットばかりではありません。
創業補助金は、申請した事業が完了した後の報告を受けてから支給されるため、原則として「後払い」になります。最初の審査が通った時点で、すぐに資金が入るわけではないため、今すぐ資金が必要という方にとっては大きなデメリットとなります。もちろん申請したら必ず審査がおりるわけではなく、その採択率は3分の1程度となっています。
さらに創業補助金の申請には、事業計画書の作成をはじめ、提出書類の作成に時間や手間がかかります。初めて申請するという方には、非常に大きな負担となるのではないでしょうか。また申請時だけでなく、審査通過後にも、実績報告書や完了後5年間は事業状況の報告が必要となっています。

創業補助金のデメリットの解決方法

創業時には非常に便利な「創業補助金」ですが、こうした負担を解消するには、どうしたらいいでしょうか。
初めて創業補助金を申請する方など、専門知識がない場合は、やはり専門家に相談することをおすすめします。全国には、商工会や商工会議所などのほか、税理士や公認会計士などが認定された「認定支援機関」という機関があります。高い専門性を持つ「認定支援機関」は、全国で30,000近くの機関が認定されており、さまざまな経営課題の悩み相談を受け付けているほか、補助金の交付に向けたサポートも行っています。

そのほか補助金や助成金の申請代行という方法も、手間のかかる作業を少しでも減らしたい方にはおすすめです。「助成金制度推進センター」では、雇用関係の助成金をはじめ、中小企業の事業者に向けて、さまざまな補助金や助成金の申請サポートを行っています。申請サポートまでの相談や、どんな補助金が活用できるかといった相談は無料で行っているので、お気軽に相談してみてはいかがでしょうか。
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創業補助金情報

今回ご紹介した「創業助成金」や「創業補助金」のほか、全国の各地方自治体で独自の創業補助金を設けています。ここでは、その一部をご紹介します。
 

神奈川県:創業おうえん資金

神奈川県横浜市内において、これから創業する方、すでに創業されている方で、下記それぞれの条件を満たす事業者を対象に、運転資金および設備資金を使用目的とするものに対して設置されている創業補助金です。

・これから創業する方
 ①1か月以内に市内で個人事業を開始する方
 ②2か月以内に市内で会社を設立し事業を開始する方

・すでに創業されている方
 ①個人事業を開始し5年未満の方
 ②会社を設立し5年未満の方
 ③個人事業を開始したのち、同一事業で会社を設立した方で、かつ個人事業を開始してから5年未満の方
 

融資条件

 
融資額 3,500万円以内
※ただし、女性おうえん資金、シニアおうえん資金との合計金額。
担保は原則不要。
利率(年利) 年 1.9%以内
融資期間 10年以内(据置12か月以内を含む)
保証料率 0.40%(1/2助成)
参照:横浜市 創業おうえん資金
 

大阪:地域創造的起業補助金

地域創業に特化した補助金で、全国的な創業補助金と同じように「外部資金調達をしていない場合、50万円以上100万円以内」「外部資金調達をしている場合、50万円以上200万円以内」で補助金を受けることができます。
ただしその交付条件として、以下のルールが定められているので、これらの条件を満たした事業者のみ申請するようにしましょう。

・事業の実施完了までに社員を1名雇わなければならない
・産業競争力強化法に基づいた認定された市区町村での創業のみでしか補助されない
・産業競争力強化法に基づいた認定市区町村もしくは、認定連携創業支援事業者による認定特定創業支援事業の支援を受ける

参考:地域創造的起業補助金
 

大阪:大阪起業家スタートアップ補助金

大阪府の事業者や、これから起業する方を対象にした、ビジネスコンテスト型の補助金です。大阪府のビジネスプランコンテストを勝ち抜き、最後のプレゼンテーションを経て、優秀提案者となった大阪府の事業者、またはこれから大阪府内で起業しようとしている方が対象となります。
コンテスト優秀者には、上限100万円の補助金が支給され、事業計画とその計画の達成率次第で、最大3年間継続して助成を受けることができます。ただし交付が決まった方は「事業計画で設定した目標の達成」を第一条件とし、交付決定時点でまだ未起業の方は1年以内に起業することが条件となります。複雑な交付条件はないため、しっかりと事業計画を作成し、準備していくことが重要となります。

参考:大阪起業家スタートアップ補助金
 

福岡:創業促進補助金

スタートアップ企業の支援に強く力を入れている福岡市では、新たに創業する方に対して、創業時に必要な経費の一部を補助する「創業促進補助金」を設けています。補助金の支給額は、100万円~上限200万円までで、補助率は2/3となっています。
ただし申請期間や募集内容は変更の可能性があります。
 

21道県:地方再生中小企業創業助成金

全国21の道県で行われている「地方再生中小企業創業助成金」は、地方再生事業を行う法人の設立、または個人事業を開業し、65歳未満の就職希望者を1人以上雇用した場合に給付される助成金です。
助成要件は、下記の21道県において地方再生事業を主な事業としている法人を設立、もしくは個人事業を開業して、雇用保険の被保険者として1名以上雇用することです。地方再生事業に該当する産業分野は、各道県にて定められているため、それぞれの労働局にて確認が必要です。

対象地域
北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

助成金の受給額は、300万円から上限500万円で、創業後6ヶ月以内に支払った創業経費の3分の1が対象となります。また雇用保険の被保険者1名あたり30万円が支給されます。(上限100人)

参考:厚生労働省 地方再生中小企業創業助成金

創業・開業時に申請・受給できる補助金・助成金

ここまでご紹介してきた補助金以外にも、創業・開業時に申請可能な補助金は数多くあります。
たとえば「創業支援等事業者補助金」は、地域創造的起業補助金と違い、創業支援を行う民間事業者を対象に、創業支援を行う事業者が利用できる補助金です。またこれは、市区町村や認定連携創業支援事業者が行う事業などで支援された創業者にも、メリットがあるので知っておいて損はない補助金といえます。
補助の対象となるのは、経営指導やビジネス研修、コワーキング事業など創業支援事業に必要な経費の一部です。補助金額も幅広く、50万円~上限1,000万円となり、補助対象経費の3分の2以内と定められています。

このように使える補助金は沢山登場していますので、気になる方は、こちらでチェックしてみてください。
 

まとめ

今回は、創業時や起業時に使える補助金、助成金について解説してきました。ここでご紹介したもの以外にも、業種や条件によって数多くの補助金があります。自身がどんな補助金・助成金を申請できるのかわからず、逃してしまうのは非常に勿体ないです。
この機会に、活用できる補助金についてチェックしてみてはいかがでしょうか。
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