今後、冷凍冷蔵便も宅配ボックスで受け取ることができるようになる?今後の可能性をリサーチ

自宅にいる時間の少ない人、共働きのご家庭などは特に、不在時に荷物を受け取ってくれる『宅配ボックス』は便利で生活に欠かせないものになりつつあるのではないでしょうか。 しかし、そんな宅配ボックスにも受け取れないとされているものがあります。その中の1つとして挙げられるのが生鮮食品などの『冷凍・冷蔵便』です。とはいえ、食品等も通常の宅配物と同様に宅配ボックスで受け取ることができるようになれば非常に便利ですよね。 今回は、今後冷凍冷蔵便も宅配ボックスで受け取ることができるようになるのかという点についてリサーチし、解説していきたいと思います。

現状宅配ボックスでクール便を受け取ることはできない

現状、多くの宅配業者が宅配ボックスに届けることができないものとして『生鮮食品』と開示しています。というのも、生鮮食品および冷凍冷蔵品は、気温や気候によって悪くなるものが多く、デリケートな荷物に部類されるからです。 また、もし宅配ボックスに預けて、預けられた生鮮食品が悪くなってしまった場合、責任の所在がどこに向けられるのかというのも問題点としてあげられるからでしょう。

冷凍、冷蔵機能付きの宅配ボックスの販売例はある?

パナソニックは2016年、福井県で宅配ボックスの導入を推進させるために、宅配ボックスを無償配布し実証実験を行いました。2018年までの2年間の調査により、宅配ボックスが再配達防止に役立ったことを証明しましたが、宅配ボックスが利用できなかった例が57例あったといいます。 その57例の大きな理由は『荷物が大きすぎて宅配ボックスに入らなかった』ということと『冷蔵、冷凍品だった』ということです。これらの問題を解消すべく、今後は生鮮食品を受け取ることのできる冷蔵機能付き宅配ボックスの製品化に参入すると伝えています。 パナソニックからの冷蔵、冷凍機能付き宅配ボックスの発表は未だありませんが、ここからは一部製品化されている冷蔵冷凍機能付きの宅配ボックスの例をご紹介していきたいと思います。

日本宅配システム【monocompo】

日本宅配システムが提供する宅配ボックスは暗証番号キー、ICカードキー、非接触キーで開錠施錠を行うことができ、荷物が預けられた際にはスマホなどにメールでお知らせしてくれる着荷メール配信サービスもついています。 特に生鮮食品などは忘れずに取り出しておかなければ、悪くなってしまうことが殆どですので、着荷メールが届くことで受け取り忘れを防ぐこともできるでしょう。 更には、宅配ボックスと提携しているネットスーパーで注文した食品を宅配ボックスで受け取ることができる機能もあります。ただ、このサービスの利用には会員登録は必須です。

株式会社フルタイムシステム【フルタイムロッカー】

株式会社フルタイムシステムが提供する『フルタイムロッカー』は、生協など食品を宅配で受け取ることが多い戸建て住宅に向けた冷蔵機能付き宅配ボックスです。 冷蔵できる宅配ボックスのサイズはSからLサイズまであり、大容量の要冷蔵荷物も宅配ボックスでの受け取りが可能になります。

アメリカでもクール便対応の宅配ボックスを試験導入

日本では、宅配業者自体がクール便の受け取りを宅配ボックスで行うことを認めているところが少ない為、導入事例や製品例は少ないですが、アメリカでは2018年に冷蔵冷凍の宅配便を受け取ることができる宅配ボックスを試験的に街中に設置しました。 宅配ボックスの仕様は駅などに設置されているような個別に鍵がかかるロッカータイプで常温、冷蔵、冷凍に対応しています。宅配ボックス自体に15インチのLEDタッチスクリーンがついており、そこで操作をして宅配ボックスを開錠し商品を受け取ることができます。 たとえば、『明日の朝に飲む牛乳がない』という場合でも、午前中にネットで注文し、夕方に職場近くのロッカーで受け取ってそのまま帰宅するということも可能になるわけです。 ネット注文が日常的になっている昨今、都市部を中心にこうした宅配ボックスの需要はかなり高いといえるでしょう。この宅配ボックスを開発したのはパナソニックの米国法人なので、日本ではまだ浸透していないとはいえ、これから日本での普及も十分に期待できるのではないでしょうか。

消費者の買い物はECサイトへシフト中

ここにきて、冷蔵冷凍機能付きの宅配ボックスが注目されているのは、ネット通販業界でも生鮮食品の宅配競争が激化してきており、今後更にニーズが高まってくると予想されているからに他なりません。 実際日経新聞が行った『食料品小売業のEC化率』の調査では、年々ECサイトでの食品の購買率は増えてきていることがわかりました。Amazonもフレッシュに力を入れていますし、コンビニでの受け取りも可能になってきています。 今後はこうした面からも冷蔵、冷凍機能付きの宅配ボックスの需要がますます増えてくることが予想できるでしょう。

まとめ

現状では多くの宅配業者が冷凍、冷蔵が必要な『生鮮食品』の宅配を宅配ボックスで行うことを認めていません。気候に左右されがちなことや万が一悪くなってしまったときの責任の所在がはっきりしないからという理由ももちろんあるのですが、宅配業者としては1つでも多く再配達をなくしたい意向でしょうから、今後冷蔵冷凍対応の宅配ボックスが増えてきた際には制限なく宅配ボックスでの受け取りができるようになるのではないでしょうか。 当たり前に宅配ボックスで生鮮食品が受け取ることができるようになれば、買い物帰りに重たい荷物を持たなくてよいうえに、買い物の時間が短縮されるというのは大きなメリットです。 とはいえ、冷凍冷蔵機能付きの宅配ボックスは後付けとなりますと、電気工事などの工事が必要となってきますので、まずは都心の新築タワーマンションなどに限られてくるかもしれませんが、今後の普及や新製品の登場に注目です。

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Wiz Cloud編集部

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