本記事では、オフィスにおけるデジタルサイネージの導入事例を業種別に6件、企業規模別に4件、合計10件紹介します。
あわせて、事例に共通する導入効果と、成功している企業に見られるポイントも解説します。読み終える頃には、「自社ならどこに置いて、何を流すか」の具体像が描けるはずです。
目次
▼この記事で紹介している商品
オフィスにおけるデジタルサイネージの主な活用シーン
導入事例を見る前に、オフィスのどこで・何のためにサイネージが使われているのか、全体像を押さえておきましょう。設置場所によって、役割は大きく4つに分かれます。
| 設置場所 | 主な役割 | 代表的なコンテンツ |
|---|---|---|
| エントランス・受付 | 来客向けブランディング | 企業紹介、実績、ウェルカムメッセージ |
| 執務エリア | 社内広報・情報共有 | 全社連絡、目標進捗、社員紹介 |
| 会議室前・通路 | 運用情報の案内 | 会議室の予約状況、フロア案内 |
| 食堂・リフレッシュスペース | エンゲージメント向上 | 社内イベント、部署紹介、福利厚生の案内 |
このように、オフィスサイネージは 「社外向け(ブランディング)」と「社内向け(情報共有・エンゲージメント)」の2方向で活用される のが特徴です。
デジタルサイネージそのものの仕組みやオフィス導入の基礎知識については、以下の記事で詳しくまとめています。

【オフィス向け】デジタルサイネージ導入ガイド|メリット・選び方・費用相場を徹底解説
導入メリットや活用シーン、失敗しないためのポイント、導入までの流れ、選び方、費用相場までを俯瞰して解説
詳しくはこちらここからは、実際の活用イメージが掴める10のモデルケースを、まず業種別に6件、続いて企業規模別に4件の順で見ていきましょう。
【業種別】オフィスのデジタルサイネージ導入事例6選
まずは業種別の事例です。同じ「オフィス」でも、業種によって解決したい課題と流すコンテンツは大きく異なります。
事例1:メールに埋もれる全社連絡をサイネージで可視化
企業情報:IT企業(従業員約300名)
導入前の課題
社内連絡はチャットとメールに一本化していたものの、日々の業務連絡に全社周知が埋もれ、「重要なお知らせを読んでいない社員が多い」ことが課題でした。
導入内容
エントランスに大型ディスプレイ1台、執務フロアの動線上に2台を設置。経営層からのメッセージ、プロダクトのリリース情報、新入社員の紹介などを週次で更新しています。
得られた効果
「見に行く」情報から「目に入る」情報に変わったことで、全社周知の到達度が向上 。特に社員紹介コンテンツは部署間の会話のきっかけになり、コミュニケーション活性化にもつながりました。
事例2:紙の掲示物を一掃し、本社と工場の情報格差を解消
企業情報:製造業(従業員約800名)
導入前の課題
安全目標や表彰、通達類をすべて紙の掲示板で運用しており、張り替え作業の負担と、掲示スペースの慢性的な不足に悩んでいました。本社と併設工場で伝わる情報に差があることも課題でした。
導入内容
本社エントランス、食堂、工場側の休憩室に計4台を設置し、同一コンテンツを一斉配信。安全スローガン、月次の生産トピック、社内表彰などを配信しています。
得られた効果
紙掲示の印刷・張り替え作業が大幅に減り、総務部門の負担を軽減。本社と工場で同じ情報が同時に届くようになり、 「現場だけ知らされていない」という不満の解消にも寄与 しました。
事例3:コンプライアンス周知と来客エリアの信頼感を両立
企業情報:金融・保険(従業員約500名)
導入前の課題
金融業ならではの課題として、コンプライアンス関連の注意喚起を全社員に確実に届ける必要がありました。また、来客の多い応接フロアの印象づくりも検討テーマでした。
導入内容
執務エリアには注意喚起・社内規程の更新情報・研修案内を配信するサイネージを、応接フロアには企業理念やブランドムービーを流すサイネージを、それぞれ役割を分けて設置しました。
得られた効果
繰り返し表示によって コンプライアンス関連の周知徹底がしやすくなり、研修の受講案内なども確実に届くように なりました。応接フロアでは、静的なポスターに比べて洗練された印象を来客に与えられています。
事例4:オフィス移転を機に採用ブランディングを強化
企業情報:コンサルティング(従業員約120名)
導入前の課題
採用競争の激しい業界で、オフィス見学に訪れる候補者や来客に対して、自社の実績とカルチャーを短時間で伝えたいというニーズがありました。導入内容
移転を機に、エントランスへ縦型サイネージを1台設置。プロジェクト実績、メンバー紹介、メディア掲載歴、採用メッセージをループ配信しています。
得られた効果
面談前の待ち時間に 候補者が自然と会社情報に触れられるようになり、面談の話題づくりにも貢献 。「オフィスに入った瞬間の印象が良い」という声が採用面接でも聞かれるようになりました。
事例5:朝礼に代わる「目標の見える化」を実現
企業情報:コールセンター(従業員約400名)
導入前の課題
シフト制勤務のため全員が揃う朝礼が成立せず、目標や連絡事項の共有が口頭伝達・紙頼みになっていました。時間帯によって情報の鮮度に差が出ることも問題でした。
導入内容
執務フロアの各エリアにディスプレイを設置し、当日の目標達成状況、シフト連絡、注意事項をリアルタイムに近い頻度で更新・配信しています。得られた効果
どの時間帯に出勤しても同じ情報が得られる体制になり、朝礼に依存しない情報共有が定着 。目標の進捗が常に見えることで、チームの一体感醸成にもつながっています。事例6:施工実績の発信で社内外の「分断」を解消
企業情報:建設・不動産(従業員約200名)
導入前の課題
社員の多くが現場に出ており、内勤と現場の間で情報の温度差がありました。また、来客に対して自社の施工実績を効果的に見せる手段がないことも課題でした。
導入内容
エントランスに施工実績・完成物件のフォトギャラリーを流すサイネージを、社内向けには安全情報や全社連絡を流すサイネージを設置しました。
得られた効果
来客への実績訴求が写真・動画ベースでできるようになり、商談時の印象が向上。社内向けには、現場から戻った社員が立ち寄るエリアに設置したことで、 全社情報のキャッチアップがしやすく なりました。
【規模別】オフィスのデジタルサイネージ導入事例4選
続いて、企業規模別の事例です。規模によって「何台置くか」「誰が運用するか」の最適解が変わります。
事例7:クラウド配信で全国拠点の掲示物を統一
企業情報:大企業(従業員数千名・多拠点)
導入前の課題
全国に拠点があり、掲示物の内容・更新タイミングが拠点任せでバラバラに。本社が発信したい情報が末端まで届いているか、把握できない状態でした。
導入内容
クラウド型の配信システムを採用し、全拠点のサイネージを本社から一元管理。全社共通コンテンツと拠点別コンテンツを出し分けて配信しています。
得られた効果
全拠点で同じ情報が同じタイミングで表示されるようになり、 社内広報のガバナンスが向上 。拠点ごとの掲示物作成の手間もなくなりました。
多拠点企業では、この「一元管理と出し分け」がサイネージ活用の最大の武器になります。
事例8:総務1名でも回る「テンプレート運用」でスモールスタート
企業情報:中堅企業(従業員約100名)
導入前の課題
社内広報の専任者がおらず、総務担当1名が掲示物を兼務で作成。手が回らず、掲示板の情報が古いまま放置されがちでした。
導入内容
まずは執務エリアに1台、エントランスに1台の計2台からスタート。コンテンツはテンプレートを数種類用意し、テキストと画像の差し替えだけで更新できる運用に絞りました。
得られた効果
1回あたりの更新作業が短時間で済むようになり、 兼務でも週次更新を継続できる体制が実現 。「まず2台・テンプレート運用」という始め方は、専任者を置けない中堅企業の現実的な成功パターンです。
事例9:1台のサイネージを「受付兼ブランディング」に兼用
企業情報:中小企業(従業員約30名)
導入前の課題
限られた予算の中で、来客時の第一印象を改善したいという要望がありました。受付が無人になる時間帯があることも悩みでした。
導入内容
エントランスに1台のみ設置し、来客向けの案内表示と会社紹介コンテンツを兼用で配信。汎用ディスプレイとセットトップボックスの組み合わせで、初期投資を抑えて導入しました。
得られた効果
無人受付の時間帯でも来客への案内が成立し、あわせて会社の雰囲気も伝えられる一石二鳥 の運用に。小規模オフィスでは「1台に複数の役割を持たせる」ことが投資対効果を高めるコツです。
事例10:KPIと「人」を映してカルチャー浸透を加速
企業情報:スタートアップ(従業員約20名)
導入前の課題
毎月のように新メンバーが入社する急成長フェーズで、会社の目標やカルチャーの浸透が採用スピードに追いつかないことが課題でした。
導入内容
執務スペースの中央に1台設置し、事業KPIのダッシュボード、入社メンバーの自己紹介、バリューを体現した行動の共有(社内表彰)を配信しています。
得られた効果
「いま会社がどこを目指していて、誰が仲間になったのか」が常に見える状態 になり、入社直後のメンバーの立ち上がりを支援。オンボーディング資料を読むだけでは伝わらない空気感の共有に役立っています。
10の事例に共通する導入効果
業種・規模はさまざまでも、事例を並べると得られている効果には共通点があります。オフィスサイネージの導入効果は、大きく次の5つに整理できます。
- 社内情報の到達率が上がる
メールや掲示板と違い、動線上で「自然と目に入る」ため、読まれない・見られない問題を解消 - 掲示物の作成・張り替え工数が減る
紙の印刷・掲示・撤去のサイクルがなくなり、総務・広報部門の負担が軽減 - 来客・採用候補者へのブランディングになる
エントランスでの第一印象を高め、実績やカルチャーを短時間で伝達 - 従業員エンゲージメントが高まる
社員紹介や表彰、目標の見える化を通じて、部署や拠点を越えた一体感づくりに寄与 - 緊急時・全社一斉の情報伝達手段になる
災害時の避難指示や急ぎの全社連絡を、確実に・即時に表示できる伝達経路として機能
事例から学ぶ、導入を成功させる3つのポイント
一方で、サイネージは「設置したのに誰も見ていない」という失敗も起こりがちです。成功している企業に共通するポイントを3つ紹介します。
ポイント1:目的とKPIを先に決める
「情報到達率を上げたい」「採用ブランディングを強化したい」 など、何のために導入するのかを最初に定めましょう。
目的が決まれば、設置場所・コンテンツ・効果測定の方法まで一貫して設計できます。逆に目的が曖昧なまま設置すると、コンテンツが更新されず放置される典型的な失敗につながります。
ポイント2:設置場所とコンテンツをセットで設計する
事例で見たとおり、エントランスと執務エリアでは求められるコンテンツがまったく異なります。
「誰が・どのタイミングで・何秒くらい見るか」を想定 し、場所ごとに最適なコンテンツを割り当てましょう。
コンテンツの具体的な作り方やデザインのコツは、以下の記事で詳しく解説しています。

【初心者向け】デジタルサイネージコンテンツの作り方ガイド|デザインのコツや無料の作成ソフトまで解説
デジタルサイネージコンテンツの基本と役割から、効果的な企画設計の3ステップ、PowerPoint®を使った自作方法、デザインのコツや外注の判断基準、そして運用・改善までを体系的に解説
詳しくはこちらポイント3:更新担当と運用フローを導入前に決めておく
サイネージの価値は「更新され続けること」で生まれます。事例8のように、 担当者・更新頻度・テンプレートをあらかじめ決めておく ことで、少人数でも無理なく運用を継続できます。
導入検討の段階から、運用体制まで含めて計画することが成功の分かれ目です。
自社での導入を検討するには?次のステップ
10の事例を通じて、自社での活用イメージは描けたでしょうか。実際に導入を進める際は、次の3ステップで検討するのがおすすめです。
- STEP1:導入の流れ(機器選定・設置~運用開始)を把握する
▶関連記事:オフィスにデジタルサイネージを導入する流れ|準備から運用開始まで - STEP2:ィスプレイや配信システムにかかる費用感を確認する
▶関連記事:デジタルサイネージの価格相場|導入・運用に必要な費用や選び方を解説 - STEP3:配信システムを比較する
▶関連記事:【無料・有料】デジタルサイネージ配信ソフト/システム比較20選!選び方や価格も解説
まとめ:事例を参考に、自社に合うオフィスサイネージ活用を
オフィスのデジタルサイネージは、業種や規模を問わず「社内の情報共有」と「社外へのブランディング」の両面で効果を発揮します。
重要なのは、他社の事例をそのまま真似ることではなく、自社の課題に合わせて目的・設置場所・コンテンツ・運用体制を設計することです。
とはいえ、「自社の場合はどこに何台置くべきか」「どんなコンテンツから始めるべきか」は、判断に迷うポイントでもあります。
Wizでは、オフィスの課題やご予算に合わせたデジタルサイネージの導入をご支援しています。活用方法のご相談から機器・コンテンツのご提案まで対応していますので、お気軽にお問い合わせください。
この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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