そこで今回は、最近注目を集めている「RPA」について、どういった機能や仕組みになっているのか、またオススメのRPAツールについて解説していきます。
RPAとは?業務プロセスや作業を自動化するツール
そもそもRPAとは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略語で、主に定型業務を自動化した技術のことを言います。店舗や企業などでの、コピー&ペースト作業やデータ入力作業などを、ロボットが人間の代わりに行います。
毎日、毎月行われる定型業務に関しては、自動化することで人の手を介さず作業ができることから、人手不足の解消や働き方改革の支援が可能となります。
RPAを導入することによって単純作業を自動化でき、人手不足を解消することや、働き方改革を支援することが可能になります。また、業務の自動化でバックオフィス業務が減ることで本来の業務に注力する環境ができるため、売上UPにつながることもあるでしょう。ただ、1つ注意しなくてはならないのが、導入すればすぐに業務が自動化される、手間がいらないというわけではないことです。まずは作業を覚えさせる必要があり、業務が変わったらRPAもそれに合わせて変更を加える必要があります。最初に手間はかかってしまうことは把握しておくべきです。とはいえ、最初に設定さえしてしまえば、日々の業務を効率化できますし、設定に関してもプログラミングは不要で、使い方さえ理解すればIT技術に明るくない方でもソフトウェアロボットの挙動のルールを作成することが可能です。
現在、多くの企業で「RPA」の導入が進み、ビジネスシーンで大きなブームとなっています。その背景には、労働人口の現象や働き方改革の推進といった社会的背景があるほか、いくつかのポイントがあげられます。
RPAツールが大きく注目された理由として、業務効率化への意識が高まってきたことで「ロボットがあるといいな」というような考えを持つようになったこと、さらに第4次産業革命と言われる「AI(人工知能)」や「IoT(モノのインターネット)」などの技術革新が進み、その中でもRPAの技術はAIやIoTに」比べて評価しやすいという点があるようです。
RPAの効果は?
RPAツールを導入することで、どのような効果が得られるのでしょうか。
ミスが削減できリードタイムを短縮
RPAツールを使うことで、手作業だと起こりがちな人的ミスを減らすことができます。決まった形のある定型業務や単純業務であれば、ロボットの方がミスを起こさないので任せることができます。
またロボットは手作業よりもはるかに早いスピードで処理できるため、これまで時間を要していた作業や書類発行作業などが、大幅に短縮することが可能です。
本業に集中できる
定型業務や日々の単純作業をRPAを使って処理することで、従業員が本来やるべき業務に集中できるようになるため、導入した企業の多くでは、本業の作業効率が上がっているといいます。もちろんRPAの導入だけが要因ではないかもしれませんが、RPAによって事務作業が効率化、代行されることによって、通常業務へ注力できていることには違いありません。
RPAの仕組みは?
「RPA」は、人が普段行っている定型業務の操作を、パソコンなどに入れたソフトウェア(ロボット)に記憶させることで、単純な事務作業を自動化し効率よく作業を進める仕組みとなっています。
RPAツールに覚えさせたい作業を、ソフトウェアが入ったパソコン上で実施すると、RPAツールがその手順を「シナリオ」と呼ばれる動作ルールに置き換えて記憶します。次からは、そのシナリオをもとに代行して作業を行います。
ポイントとなるシナリオ作成は、複雑なプログラミング知識などは不要で、管理画面上で簡単に修正ができるほど、誰が見てもわかるよう可視化されています。IT専門部署がない企業でも、自身で管理が可能となります。
RPAの導入が必要な企業は?RPA導入による4個のメリット
RPAの導入が向いているのは、主にオフィスでの定型的な事務作業を行う企業です。毎日や毎月など、ある程度決まった形の業務に人員を割いている場合、RPAツールを導入することで大きな効果を見込める場合があります。ここでは企業がRPAを導入するうえでのメリットを4つ紹介していきます。
事務作業の自動化による生産性の向上
オフィスでの事務作業の代行が可能な「RPAツール」は、誰でも簡単に単純な提携業務の自動化が可能です。これまで人が対応していた事務作業を、RPAツールに覚えさせて代行させることによって、もともとの担当者は他の業務に時間を使うことができ、担当者の業務効率化に加え、全体の生産性向上が期待できます。
とくに人材不足に悩んでいる企業などは、RPAの導入で業務改善を進めることができるでしょう。
人的ミスを防止できる
人が行う作業は、柔軟性が高い部分はあるものの、意図しないところでミスが起こってしまうことがあります。どうしても人間の集中力には限りがあるため、特に単純作業の時などミスに気づかず進めてしまうこともあります。
また作業頻度の多さによっても変わり、月に1度や半期に一回といった頻度の低い作業になると、慣れていない部分や1回の作業ボリュームの多さなどで、ミスを引き起こしてしまいかねません。
しかしRPAツールであれば、一度記憶させた作業は正確に再現することができるので、人的ミスを発生させることはありません。どれだけ長い時間作業させたとしても、集中力が切れることがないので、精度が下がったり、作業スピードが落ちることもありません。
コスト削減
これまで人間が作業してかかっていた時間が、RPAツールを使うことで、その作業時間を大幅に削減することができます。さらにRPAであれば、時間に縛られずに作業を行うことができるため、長時間の稼働や休みの日の稼働も可能になります。これにより人間の日々の作業工数が削減できるうえ、休日出勤や残業もなくなり、人権費の削減に繋がります。
人手不足解消
現在、日本国内では少子高齢化などの要因による労働人口の現象が心配されています。労働人口が下がっていくことにより、企業や店舗では慢性的な人で不足が懸念されます。
そこでRPAツールを導入しておけば、専任を付ける必要のない、単純な定型業務などをRPAに任せ自動化することで、人が行っていた業務がきちんと精査されて、効率的かつ高い生産性の中で業務を行うことができます。これまでその作業にかけていた人員も必要なくなるため、労働人口が少なった際にも大きな役割を担います。
RPAを導入する懸念点・注意点
これからの企業に大きく役立つといえる「RPA」ですが、もちろん万能ではありません。RPAを導入するにあたって、注意しておかなければならない点があります。
まず第一に「RPA」が対応できるのは、自身の判断が必要ない単純作業に限られるという点です。単純な作業であれば、色々なバリエーションを持って作業ができますが、シナリオ通りにしかできないため、途中で違うことが起こっても、柔軟に回避したり対処することはできません。ちなみに自身で判断できるのは、人工知能である「AI」になります。
またRPAは、自身で判断して作業を行わない分、少なからず「人」の介入が不可欠な仕組みとなっています。事前に人間が工程の流れや基準を判断して、それをRPAに記憶させて作業させるので、例外の事象が発生した場合は人が確認して判断を下す必要があります。そのため、必ずしもRPAを使うことで人の作業がゼロになることはありません。
》RPAの導入で在宅ワークの管理もスムーズに!【新型コロナ対策】RPAツールの選び方と、おすすめ5選
ではRPAツールを導入したい場合、どんな点に注意して選ぶといいでしょうか。ここではRPAを選ぶ際にチェックしておきたいポイントを3つご紹介します。
RPAを使う業務や範囲を明確にする
RPAを導入する前に、現状のオフィス業務の中のどれを効率化、自動化したいのか検討しておきましょう。幅広い業務に対応できるRPAですが、結果的に人が作業した方が向いているという業務も少なくありません。
業務の全てをRPAに任せるのではなく、情報収集や入力作業など、ここまではRPAに任せて、その後を人による手作業にするなど、ある程度分担して作業することで、生産性の向上・業務効率化だけでなく、業務のクオリティも落とさずに稼働することができます。
機能や価格を比較する
RPAは国内外、数多くの種類が登場しているので、それぞれ機能や価格が異なってきます。さらに特長も色々あるので、企業の目的や重視したい機能、業務内容によって適している製品はさまざまです。
導入後に失敗に気づいてしまう事のないように、各社のRPAツールを金額や機能などで、しっかりと比較するようにしましょう。またいくら機能が良くても使い勝手が悪いなどあれば意味がないので、操作性や導入後のサポート体制なども抑えておきましょう。
RPAは人間とロボットの業務分担を実現
よく「将来的に、AIやロボットなどが人間の仕事を奪う」と言われていますが、RPAは人間の仕事を奪うというよりも、人間の仕事をサポートするロボットです。工数のかかる単純作業や定型作業をRPAに任せることで、人間がより専門的な業務や営業活動に注力することができます。
人が負担に感じていた業務をRPAが行うことで軽減してくれることで、そこに割いていた時間を業務に注力できるため、より満足度や質の高いサービスを提供することが可能です。
オススメのRPAツール 5選
サービス | 利用料金 | 初期費用 | 特長 |
WinActor Cast on Call | 38,000円〜/年 | 142,000円~ | 面倒なシナリオ作成が不要で、必要な時に必要な分だけ業務を自動化できる、クラウド型の従量課金制のRPAツール。 |
Robo-Pat | 要確認 | 0円 | 初期費用や保守費用なども不要で、ライセンス料のみで利用できるRPAツール。 |
Automation Anywhere Enterprise | 要確認 | 要確認 | 高度なセキュリティを備えており、アメリカにおいてのRPAツールではシェアNo.1を誇り、業務全体の可視化・効率化を可能にするRPAツール。 |
Blue Prism | 要確認 | 要確認 | サーバーによる中央管理型のRPAで、高いセキュリティ機能と汎用性に優れた機能性が人気。 |
Uipath(ユーアイパス) | 要確認 | 15万円~/年 | サーバーで中央管理可能なRPAツールで、大規模運用が可能なほか、デスクトップ型としても利用できるオールマイティなRPAツール。 |
他にも色々なRPAツールを紹介しています!
RPA導入事例
ここでは実際に、RPAツールを導入した企業の事例をご紹介していきます。
金融業界
ある銀行では、働き方改革のほか、社内でもさまざまな改革を進めていました。取り扱い商品が幅広く、さまざまな業務が行われており、少しでも行員たちの業務工数の削減が求められていました。
RPA導入の際、影響の少ない独立性のある業務をいくつか絞り、そこにRPAを導入。順次運用していきながら、検証を進めてきました。その結果、年間で約3,000時間以上の工数削減効果が見られました。実際の作業工数での結果もありますが、RPA導入時に必要な業務の精査・洗い出しを行ったことで、業務を把握できたことも大きな効果だったと言えます。
地方自治体
慢性的な人手不足に陥っていた地方自治体では、RPAツールを導入し、職員の給与処理や会計処理、ふるさと納税や後期高齢者の医療申請、介護保険などの手続きを自動化しました。これにより大幅な業務効率化を行った自治体では、人手不足による住民へのサービス・サポートの品質向上も可能にしました。
人材派遣業
多くの人材を抱え、数百~数千人規模の個人情報を管理する人材派遣業では、これまで情報変更や削除、メルマガの登録など、個人情報は全て手作業で行っていました。しかし量が増えたり多忙になると、どうしても人的ミスが発生することもあり、その際に登録者へ与える信用問題から大きな課題となっていました。
そこでセキュリティレベルの高い、クラウド型のRPAツールを導入したところ、個人情報の変更やメルマガ対応など、手作業でかかっていた時間が、毎月あたり60時間近く削減できました。
まとめ
今回は、近年さまざまな企業で導入がすすめられている「RPA」について解説してきました。人手不足に悩む企業や、単純作業が多く業務効率化を行いたい企業など、まだRPAツールを導入していないのであれば、今からでも遅くないのでぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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