近年において、ネットでモノを購入する人が増加しており、ネット通販の市場規模は日々拡大しています。経済産業省のデータによると国内におけるBtoCのEC規模はおよそ18兆円まで増えるとされており、今後もスマホの利用者数増加に伴いネットショップの需要も伸びていくと予想できます。
本記事では、これからネットショップを開設したいと考える方に向けて、ネットショップの開設に必要な手順について解説します。
ネットショップの開業に必要な手続きってなに?
ネットショップを開設するには、まずは開業手続きを行う必要があります。これから初めて個人事業主となる場合は、「開業届」の提出と「青色申告」を行うかどうか決めることか必要となります。ここでは、開業届や青色申告の提出タイミングなどについてみていきましょう。
開業届を提出しよう
開業届とは、個人事業の開業・廃業届出書のことをいいます。法律上、事業を始めてから1ヶ月以内に税務署へ提出することが決められています。もし期間を過ぎた場合でも罰則自体はありませんが、税金の申告や事業を行うにあたり手続きが必要となるため、開業届を提出して開業日を決めるようにしましょう。
そもそも、「開業届を提出するメリットはあるの?」と疑問に思う方も少なくないでしょうが、開業届を提出することで得られるメリットはさまざまです。
開業届の控えがあることで、銀行で事業用の銀行口座の開設がスムーズになります。さらに、個人事業主の場合であれば、毎年税金を収めるために自身で確定申告をする必要があります。その際に節税メリットが大きいとされる青色申告を希望するのであれば開業届と併せて手続きするのがおススメといえるでしょう。
青色申告の事前申請も行おう
青色申告とは、確定申告を行うときに複式簿記等の方法により、記帳する申告制度のことです。青色申告には、以下のようなメリットがあります。
- 65万円の特別控除が適用される
- 家族の給与を経費扱いできる
- 赤字を3年繰り越すことができる
青色申告には、これらのメリットがありますが、あらかじめ「所得税の青色申告承認申請書」を提出しなければ青色申告として認められないため注意が必要です。申請期限については、青色申告を希望する年の3月15日までとなっていますが、開業から2ヶ月以内に申請することで1年目から青色申告が可能となります。そのため、ネットショップを開設する際は、青色申告の事前申請も忘れずに行うようにしましょう。
≫法人で登記簿謄本を取得する方法・手続きと場面
ECサイトの種類
まず「ECサイト」を開設するといっても、その種類はさまざまです。ここでは代表的な3つの手法を紹介していきます。自身の作りたいサイトのイメージに適した方法を選ぶことが重要なので、必ず確認するようにしましょう。
▶【無料DL】ECサイトの基礎を解説!ECサイト運用 完全攻略ガイド
モール型
最もメジャーなECサイトの形が「モール型」と呼ばれるタイプのサイトです。モール型のECサイトは、いわゆる大きなショッピングモールのようなもので、一つのサイトの中にさまざまな店舗が出店する形になっています。楽天市場やAmazon、Yahoo!ショッピングなど、大手ECサイトがこの形に該当します。
モール型のECサイトに自身の店舗を出店する一番のメリットは、集客力と知名度にあります。モールそのものに知名度があり集客力が高いと、お店にお客様が流れてくる可能性も高くなります。また利用者が多いことで、そのモール自体の信頼度もあがります。初めてECサイトを立ち上げる際にネックとなる、集客力や知名度を一気に解消するのが、モール型です。
ただしモール型に出店する場合、出店料や売上の一部ロイヤリティの支払いが必要となったり、ショップのブランディングが難しかったり、価格競争が起こりやすいといったデメリットもあるので、その点も考慮して検討するようにしましょう。
ASP
無料で手軽にECサイトの構築が可能となるのが「ASP」を活用したECサイトの立ち上げです。「ASP」は、Application Service Providerの略で、ネットワークを通じてさまざまなアプリケーションを提供する事業者のことを指します。
このASPは、ECサイトに限らず、会計管理や販売管理などさまざまなサービスがあり、必要な機能を選んで利用できるという点が特徴です。
ECサイト向けのASPでは、ショッピングカート機能や決済機能、配送管理などのEC運営業務に必要最低限の機能を、初期実装したものが多く無料で始められる場合もあります。
ECサイト向けASPを利用するメリットは、やはりモール型と比べて初期費用など低コストで利用開始できる点にあります。ECサイト運営に必要な機能が、すでに実装されているため、スピーディーな導入が可能です。さらにモール型と違い、顧客情報も自社で管理できるため、顧客取り込みを考えている店舗にはうれしい機能と言えます。なお、より細かい機能が必要であれば、有料ASPもあるので、さらに充実した機能を活用できます。
ただし、基本的にパッケージが決まっているASPは、独自のカスタマイズが難しい点や、既存基幹システムなどとの外部連携が難しい点などのデメリットがあるので、事前にサポート体制の確認と連携の可否を確認しておく必要があります。
クラウド型
クラウド型のECサイトは、クラウド環境のもとECサイトの構築から運用までを行うサービスのことです。一見、ASPと似ている印象を持つかと思いますが、常に最新のシステム環境を持ち、各社独自のカスタマイズやシステム連携が可能、という点が大きく違います。
ECサイトの構築・運用に必要なシステムを所有せず、レンタルすることで、サーバーやアプリの構築費用が不要となり、バージョンアップや保守サービスも、クラウド提供会社が行ってくれます。そのため、専門の社内リソースが必要なくなります。
こうしてクラウド型のECサイトは、安定したシステム環境と自由なカスタマイズ性が特徴であり、大きなメリットとなっています。会社の運用にあったツールとの連携ができるため、既存ソフトをサイトにあわせて入れ替える必要もなく、システム自体の管理も提供会社が行うのでサーバーダウンなどのトラブルも少なく、安心して運用することができます。
ただしクラウド型は、保守管理やレンタル費用など、月額数十万単位でランニングコストが発生するため、ASPよりもコストがかかってしまいます。また自社で何か変更しようと思っても、ソースコードなどが開示されていないため、保守管理やソースコードなどの把握ができないといったデメリットもあります。
「ASP」は無料で手軽に始められる
先ほど紹介した、ECサイトを作成する手法の中でも、最も手軽に始められるのが「ASP」です。個人事業主や、小規模店舗の方、ホームページ制作に詳しくない方でも、簡単に始められます。
ここでは、無料ASPの基本的なECサイト作成方法を紹介します。
▶【無料DL】ECサイトの基礎を解説!ECサイト運用 完全攻略ガイド
無料ASPサービスへ登録
無料ASPといっても、その種類は今や数多く登場しています。有名なASPでのECサイトといえば「BASE」や「STORES」などがあります。
希望の無料ASPサイトへ入ると、まずはサイトのURLを決め、ログイン用のメールアドレス・パスワードを決めていきます。サイトURLは、希望のURLを作ることができるが、基本的に有料オプションとなる「独自ドメイン」か、ドメインは決められているが、希望のワードをドメインの前に入れて作る無料の「サブドメイン」かを選択することができます。
ECサイトデザインのテンプレートを選ぶ
無料のASPには、数十種類以上のテンプレートが用意されており、自社の雰囲気やサービスのイメージに合うデザインを選ぶことができます。またテンプレートによっては、同じデザインで色合いを変更することも可能です。
その際、特に大きなこだわりなどなければ、基本的にシンプルなデザインのテンプレートを選ぶのがおススメです。
商品やサービスを登録
テンプレートが決まったら、ECサイト上で販売する商品を登録していきます。一つ一つ登録していくので、手間と時間がかかる作業にはなりますが、ここをしっかり対応しておくことが、売上に大きく影響します。
商品の紹介文言や、商品写真は、手を抜かずしっかりアピールできるよう充実させることが重要です。
ECサイト構築方法の選び方
ECサイトを制作する際、さまざまなサービスを使って構築することになります。その際、いくつかのポイントに注意して選んでいきましょう。
コスト
サイト構築に限らず、何かするには必ずコストが発生します。たとえ無料ASPであっても、すべてが無料になるというわけではありません。無料ASPを使ってECサイトを立ち上げたら、購入時の決済システムなどを活用しますが、ユーザーが決済したときにクレジットカードなどを利用する際の手数料が発生します。
他にも登録アイテム数が増えると、追加費用が発生したり、必要な機能を追加するためには月額費用でオプション追加が必要な場合もあります。もちろんASPだけでなく、クラウド型を利用するなら、クラウドのレンタル費用やサーバー費用などが発生することもあります。
サービスによって、どういった費用がかかるのか、作りたい形にECサイトを構築するには、導入費用はいくらか、月額のランニングコストはいくらかかるのかなど、しっかり確認して比較することが重要です。
機能
いくら費用が安いからといって、必要な機能が備わっていなければ、作っても意味がありません。サービスを検討していくうえで、標準装備の機能がどのぐらい充実しているのか、自身が必要なものはあるのかをチェックしておくことも、比較検討時には欠かせません。
ECサイト運営に必要な機能として、商品を販売するためのサイトデザインなどの機能や、受注や在庫管理など裏側での機能にわかれます。各システムやサービスで、基本機能だけでなくオリジナリティある機能を備えているものもあります。無料ASPに比べると、クラウド型やパッケージ型の方が、機能の充実度やカスタマイズ性は高いので、まずは自社に必要な機能を洗い出したうえで、サービスを見ていくといいでしょう。
セキュリティ
ECサイト運営にとって、セキュリティ対策は重要なポイントです。これまでにも大手ECサイトなどで、個人情報の漏洩やクレジットカード情報の漏洩など、さまざまな問題が起きています。ネットワーク犯罪のレベルが高まっている今、より注意して対策を行っていかなくてはなりません。
もちろんセキュリティ対策に100%のものはありませんが、自社の端末側のセキュリティ対策だけでなく、利用するサービスやツールの提供元でのセキュリティ対策についても、必ず確認しておきましょう。
万が一、個人情報が漏洩してしまうと、サイトの信用度が大きく低下するだけでなく、数ヶ月にわたって調査などが入るため、サイトの運営停止をせざるを得ない状況になるので、その損害は数千万になるとも言われています。こうしたことのないよう、システム・インフラ周り・サポートなど、あらゆる面でセキュリティ対策がどうなっているか、確認して見極めることが必要です。
サポート体制
ECサイトのシステム提供元や、ASPを提供している事業者を選ぶ際、とくに初心者の方などは、サポート体制の有無もチェックしておきたいところです。何かトラブルが起きた際や、わからないことがあった際、運用に関するバージョンアップなど、サポートといっても多岐にわたります。
各事業者によって、サポート体制の範囲や方法は異なりますが、どこまで対応してくれるのか、サポートの人員リソースはあるのかなど、事前に確認して検討材料にしましょう。
とくに無料ASPなど、コストがかからないサービスやプランの場合、サポートがついていなかったり、別料金となってしまうこともあるので、確認は重要です。
事業者別のECサイト作成ポイント
では、個人事業主や法人など、事業者別にECサイトを作成するポイントを押さえておきましょう。
個人事業主や初心者向けのポイント
個人事業主や、小規模店舗などは、ECサイトの開設や運用が初めてという方も多いため、極力リスクの少ない方法で始めたいのではないでしょうか。また大手企業などと違い、サイト制作や運用も自身で行う場合が多いため、ある程度パッケージ化されれいて、低コストで始められるものがおススメです。
例えば、無料で始められるASPの「BASE」や「STORES」であれば、手軽にECサイトを開設することができます。また比較的早く売り上げを立てるには、ECモールへの出店という方法もあります。集客力の高いECモールであれば、初心者でも早いうちから売上を立てられることもあるので、試す価値のある方法といえます。
法人向けのポイント
法人がECサイトやネットショップを開設する場合、会社の事業戦略を鑑みてサービスを選ぶ必要があります。初期費用を抑えるために、安価なサービスを使った場合、サイトが軌道に乗ったあとのシステムの乗り換えが難しくなることがあります。順調な売上を上げている時期に、無駄なコストや手間をかけないためにも、あらかじめ先のことを見越して準備しておくといいでしょう。
またセキュリティ対策は慎重に行い、安心して任せられるものを選びましょう。セキュリティに問題があるサービスだと、万が一顧客情報などが流失してしまった場合に、会社の信用に大きく関わってきてしまいます。
ネットショップ開設するための6つのSTEP
つづいては、ネットショップ開設の準備を行いましょう。ネットショップを開設するためには、次にご紹介する6つの手順を踏む必要があります。それぞれみていきましょう。
STEP①ショップ名とコンセプトを決めよう
ネットショップを開設する前に、まずはショップ名とコンセプトを決めましよう。コンセプトがない状態でネットショップを構築してしまうと、お客様にとってどのようなショップなのかかいまいち分からないものになってしまいます。商品の強みなにか?どのユーザーがターゲット層なのか?といったことを分析して、ターゲットを絞り込むといいでしょう。このようなコンセプトを設定することで、ネットショップでどのようなことをお客様に伝え提供していくのかが明確となり、最終的にお客様の心をキャッチしやすくなります。また事前に設定したコンセプトは、ネットショップを設計する際の商品カテゴリーやデザイン、販促コピーといったことにもつながるとても大切なものとなります。
≫集客促進にもっとも効果的で継続的な対策。売上が上がる4つのポイント。
STEP②商品写真を準備しよう
ネットショップでは、商品の写真や情報によってが売れ行きが左右されます。商品によってはスタジオを借りて撮影したり、プロのカメラマンに依頼する人もいるほど写真のでき映えがポイントになってきます。とくにリアル店舗とは異なり、ユーザーは商品を直接手に取ることができないため、商品の写真を沢山載せたり、機能性や特徴を分かりやすい説明文を交えながらユーザーへ伝えることが重要となります。ここは、一見難しそうなところですが、写真撮影の方法とコツをつかめば、だれでもプロ並みの商品写真を撮ることができます。事前に写真撮影や商品の説明文を作っておけば、ネットショップへの掲載準備に活用することが可能となります。
STEP③出店形態を決めよう
次に、出店形態を決めしょう。ネットショップを開設する方法は、大きく分けるとモール型と独自のショップ型の2つの種類があります。モール型のネットショップは、有名なものであれば、楽天市場やAmazonなどが挙げられます。出店するには、費用がかかる一方、モール自体に集客力があるので自力で集客しなくて良いという点はメリットといえるでしょう。しかしながら、ショップ独自のサービスを打ち出すことはできないため、ファンの獲得やリピーターに育てにくいというデメリットもあります。モール内で同類の商品を販売している競合店と比較されやすいう特徴もあるため、価格競争に強いショップはモール型とネットショップが向いているといえるでしょう。
一方独自ショップ型は、独立した店舗を構えるため、費用が低くオリジナリティ溢れるサービスを打ち出すことができます。しかしその反面、信用される店舗づくりから集客、販促まですべて自身で行う必要があるため、労力がかかるというデメリットもあります。とくに集客に関しては、広告を打ち出したり、SEO対策などを行う必要もあります。すでに店舗自体が認知度が高い場合は、独自ショップ型が向いているといえるでしょう。
STEP④ネットショップの決済方法を導入しよう
お客様は、リアル店舗と違い、販売者の顔が見えない分、決済方法などに少なからず不安を抱いているものです。安心してショッピングしてもらうためにもクレジットカード決済のほか、コンビニ決済や代金引換など3つの決済方法を導入するようにしましょう。これらの決済方法は、お客様にメリットがありながらも、店舗側にも入金を待たずにすばやく出荷できるため、お客様満足度を高めやすくなります。
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STEP⑤商品登録や配送の準備
ネットショップを開設した際は、サイトの品質だけでなく、配送・梱包なども高品質を維持するようにしましょう。たとえば、お客様の好きな時間帯に商品を届けられるような時間帯指定だったり、独自の特典などを添えたりすると顧客満足度も上がるでしょう。
また配送方法や梱包状態の説明は、ネットショップにもきちんと告知することで好印象を与えやすくなります。
STEP⑥サイト設計
最後は、サイト設計です。ネットショップを作成する際は、基本的に以下の手順を踏みます。
①ページ構成・設計図
ネットショップに必要となる要素とページをに書き出します。事前に決めたコンセプトに沿い、お客様に教官してもらいえるような内容や文章を作成しましょう。
②サイトマップ
サイトマップは、ネットショップの設計図や目次となるページです。①で書き出した全部のページを分類して、大カテゴリ、中カテゴリ、小カテゴリと階層化してキレイに整理したものとなります。お客様が情報を発見しやすいように整理するのがコツといえるでしょう。このサイトマップは、ネットショップの集客において重要な役割を担います。Googleの検索エンジンへサイトの全体像をお知らせし、検索結果への反映をバックアップする効果があるため、ネットショップを開設した際はサイトマップを設置するようにしましょう。
売れるECサイトデザインのポイント
これからECサイトを始めようとしている方だけでなく、すでにECサイトを開設しているけれど、なかなか売上に繋がらないと悩んでいる方も多いかと思います。ECサイトの売上アップを目指すのであれば、まずは「売れるためのデザイン」を意識して作る必要があります。
サービスや業態によって、基本的な形式デザインなどはありますが、それ以前に「自分自身」が満足するか、また「ユーザー」が満足するデザインかを意識して作成しなくてはいけません。
自分好みでオシャレなデザインのページを作って、個人的には満足していたとしても、実際にページを訪れるユーザーからすると「オシャレすぎてわかりにくい」「使いにくい」と感じることがあります。せっかく良いサイトを作ろうとして、運営も頑張っていたとしても意味がありません。
そこで、ここでは売れるECサイトデザインを考える際に、押さえておきたいポイントをご紹介します。
ユーザーファーストで考える
売れるECサイトは、ユーザーが購入しやすいデザインになっているものが多いです。性別や年齢、職業など、ターゲットとなるユーザーの属性を把握し、ターゲットに合ったデザインのサイトを作ると、サイトを訪れるユーザーに刺さるものが出来上がります。
たとえば、ターゲットが女性であれば「淡い色調でやわらかいデザイン」にしたり、男性向けであれば「シンプルでスタイリッシュなデザイン」にするなど、一つ一つ細かく考えるのではなく、基本のデザインを参考に作成するのがおススメです。初心者が、いきなりオリジナリティを出そうとすると、時間もかかるうえ、余計に見にくいデザインになりがちなので注意しましょう。
わかりやすくシンプルに
ECサイトを訪れる人が増えたとしても、すぐにサイトから出ていくようでは売り上げに繋がりません。サイトを見た人がわかりやすく、シンプルなデザインにすることで、ユーザーの滞在時間や回遊率を向上することができます。
「シンプル」と一言でいっても、その感覚は人ぞれぞれ違うものになります。基本的には、サイト内でどこを見れば何があるか、一目見てわかりやすく、余計な情報を省きながらも、ユーザーに必要な情報を伝えられているかどうかが重要です。シンプルなデザインを意識するための主なポイントは、以下です。
情報を規則的に配置する
サイトのページ上で、表示されている情報の配置がバラバラな状態だと、整列性もなくページ内が煩雑化しており、非常にわかりにくいです。
最初に見たときは、真ん中に必要な情報があったけれど、次のページに移ったりスクロールしたりすると、その情報が端の方に移動していたりすると、ユーザーはすぐにページを離れていってしまいます。
普段みなさんも使っているような、楽天やAmazonなどの大手ECサイトも、項目がわかりやすく整理された表示になっているため、回遊率が高いデザインとなっています。
関連する項目はまとめる
ページ上に表示される情報を整列して配置するには、掲載する商品やサービスの項目を整理しておく必要があります。カテゴリごとに分類し、大きなカテゴリからさらに細かく分けていくことで、ユーザーが欲しいものを探しやすく、それぞれの情報にアクセスしやすくなります。
きちんとカテゴリ分けをすることで、商品の情報をまとめることができるため、最小限の情報で効果的なアプローチが可能になります。
サイトデザインをシンプルにする方がおススメではありますが、ただシンプルにするだけでは売れるデザインにはなりません。あくまでも、サイトを訪れたユーザーにわかりやすい情報を提供して、滞在時間を伸ばし、離脱率の低下が目的です。
売上に繋げるためには、CVR(コンバージョン率)である「購入率」を上げることが重要です。購入率を高めるためには、ユーザーがサイトを訪れてから購入するまでに、どういった導線で誘導するかがポイントとなります。
TOPページから購入完了まで、いかに離脱を減らしてページを遷移してもらい、スムーズに購入まで導けるかが大切です。具体的なポイントとしては、以下を参考にしてみてください。
ファーストビュー
ECサイトを開いたときに、スクロールなどせず最初に見える部分のことを「ファーストビュー」といいます。
訪問者の多くは、サイトにアクセスしてから、わずか「3秒」ほどでそのサイトから離脱するかを判断すると言われています。ですから、サイトの第一印象ともいえるファーストビュー次第で、そのサイトの離脱率が決まるともいえます。
そのためユーザーの興味を引くようなキャッチーな情報や、特に伝えたい情報はファーストビューで見せるようにしましょう。また、パソコンとスマホではファーストビューで見える情報に差が出るため、それぞれに合わせた対応が必要となります。近年はスマホの利用率が約7割と言われており、従来よりもスマホ向けのファーストビューを意識して制作することが重要となっています。
商品画像はイメージをつけやすく
実際に手に取ったり、試してみることのできないECサイトでは、商品の写真が重要になってきます。ただ商品の写真を1枚撮影しただけよりも、洋服であれば着用画像、雑貨や家具などは実際に利用したり、置いてみた画像なども掲載するようにしましょう。ユーザーが購入後をイメージしやすい商品画像にすることで、購買意欲も高まり購入率もアップします。
直観的でシンプルな操作性
ECページを訪問してから、商品を購入してもらうまでには、ユーザーを商品ページから決済画面まで誘導する操作性が非常に重要となります。いかにスムーズに遷移してもらえるかで、売上に大きく影響してきます。
商品ページにある購入ボタンの位置や大きさ、色など、ページ内でいかに目立つか考える必要があります。たとえば立体的なボタンにしたり、後ろに影をつけたりして形式的に目立たせたり、緑や青などクリックされやすいと言われる色をボタンの色にするなど、その方法はさまざまです。
またスマホの場合は、画面も小さくなるため、同じ比率だとボタンが小さくなってしまい、見えなくなることがあります。そこでスマホで見たときは、購入ボタンが画面の横幅いっぱいに表示されるなどの工夫をするといいでしょう。
PC・スマホのどちらでも見やすくわかりやすいデザインに
先ほども触れましたが、近年はパソコンよりもスマホを活用するユーザーが7割以上となり、年々スマホで見るページのデザインが重要視されるようになりました。パソコン・スマホのどちらから見てもわかりやすく、使いやすいサイトデザインが求められています。
そこで増えているのが、デバイスごとの画面幅に自動で反応し、見やすい表示に切り替える仕組みの「レスポンシブデザイン」です。これまで、パソコンで表示されているページをスマホで見ようとすると、文字や画像が小さくなったり、ページ幅が合わず見づらくて離脱するという状況がありました。しかし「レスポンシブデザイン」を活用することで、パソコン・スマホそれぞれに対応した表示を、自動で切り替えてくれるので、スマホ・パソコンそれぞれのページを作るといった工数もかからずに、ECサイトを構築することが可能です。
ECサイトデザインの参考にしたいギャラリーサイト5選
ここでは、これからECサイトを作っていくにあたって、サイトデザインのギャラリーサイトをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
MUUUUU.ORG
「MUUUUU.ORG」は、特にスマホなどで使われる縦長サイトを中心に、クオリティの高いデザインが人気のギャラリーサイトです。業種別やデザイン別、色別などのカテゴライズがわかりやすく、参考にしたいECサイトの検索がしやすいのが特徴です。
ECサイト以外のサイトデザインも含めると、合計3,000サイト以上が掲載されています。全体的に優れたデザインのサイトが多く、トップページのイメージに悩む方には参考になるでしょう。
※参照:MUUUUU.ORG
EC幹事
ホームページ制作の比較サイト「Web幹事」の兄弟サイトである「EC幹事」は、業界や色別、サイトイメージなど、さまざまな切り口から検索することが可能なギャラリーサイトです。
ECサイトに特化したデザインサイトなので、TOPページデザイン以外にも、商品一覧ページや詳細ぺージなど、下層ページのデザインも掲載しているので、サイト全体の雰囲気をチェックしたい方にはおススメです。
※参照:EC幹事
SANKOU!
「SANKOU!」は、国内のサイトデザインが豊富なギャラリーサイトです。サイトの種類や業種別、サービス別で検索できるほか、レイアウトや配色別など、複数のカテゴリで条件を絞ることができるので、効率の良い検索が可能です。
ECサイトに特化しているわけではなく、ランディングページやコンテンツページギャラリーもあるので、より充実したECサイト制作の参考になると思います。デザイナー目線でのカテゴリも豊富なので、また違った角度から探せるのも人気です。
※参照:SANKOU!
I/O 3000
WEBデザイギャラリーサイト「I/0 3000」は、国内外のサイトが多数掲載されており、ECサイトだけでなくさまざまな分野のサイトがまとめられています。
「I/0 3000」は、国内外の事例が毎月20件ほど追加されるほど、更新頻度が高く、国内外のトレンドデザインを追いかけるには最適といえます。シンプルなデザインで、操作性もスムーズなため、ごちゃごちゃしたサイトが苦手な方には、非常に使いやすいギャラリーサイトとなっています。
検索する際は、カテゴリやタグ、色別で絞るほかに、数ある事例をランダムで表示するシャッフル機能もあります。検索に詰まった場合や、イメージが固まっておらず色々なものを見たいときに使うと、また違ったアイデアにいきつくかもしれません。
※参照:I/O 3000
イケサイ
日本人が制作している「イケサイ」は、オシャレでかっこいいサイトを中心に集められたギャラリーサイトです。カテゴリわけがシンプルでわかりやすく、先述したレスポンシブデザインというキーワードでも探すことができます。近年の主流であるレスポンシブデザインのサイトを参考にしたい方は、ぜひ活用してみてください。
「イケサイ」は、毎日数サイトが更新されており、最新のトレンドをキャッチすることができるほか「オンラインショップ・ECサイト」のカテゴリで、ECサイト向けのデザインを見ることができます。
シンプルで見やすいデザインのサイトが多く掲載されているので、ECサイト初心者の方でも参考にしやすいのではないでしょうか。
まとめ
今回は、これからネットショップを開設したいと考える方に向けて、ネットショップの開設に必要な6つの手順を分かりやすく解説しました。ネットショップを開設する際は、事前に準備を整えてサイト作成を行うことで迷った際も基本に振り返ることができます。今回の記事を参考にぜひネットショップを開設してみてくださいね。
▶【無料DL】ECサイトの基礎を解説!ECサイト運用 完全攻略ガイド
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!