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目次

  1. 店舗総合保険とは?
    1. 店舗総合保険で補償される主なリスク
    2. 店舗総合保険と店舗火災保険の違い
    3. 店舗総合保険と企業総合保険の違い
    4. 店舗総合保険の保険料の相場目安
    5. 店舗総合保険のメリット
    6. 個人事業主や飲食店も店舗総合保険への加入は必要
  2. 店舗総合保険で補償される損害対象
    1. 火災や水災、落雷などの自然災害による損害
    2. 盗難による損害
    3. 破裂や爆発による損害
    4. ガス漏れによる爆発や水漏れによる損害
    5. 外部からの衝突・飛来による損害
    6. デモや労働争議などによる損害
    7. 破壊や暴力など迷惑行為による損害
    8. 持ち出し家財による損害
  3. 店舗総合保険で受けられる補償費用
    1. 休業損害
    2. 損害賠償責任費用
    3. 臨時費用・修理費用
    4. ​​​​​​​地震火災費用
    5. ​​​​​​​失火見舞費用
    6. ​​​​​​​損害防止費用
    7. ​​​​​​​緊急処置費用
    8. ​​​​​​​残存物取片づけ費用
  4. 個人事業主向けおすすめ店舗総合保険3選
    1. ビジネスマスター・プラス(損保ジャパン株式会社)
    2. ​​​​​​​ビジネスキーパー(三井住友海上火災保険株式会社)
    3. ​​​​​​​超ビジネス保険(東京海上日動)
  5. 店舗総合保険を選ぶ際のチェックポイント
    1. ​​​​​​​補償額の上限
    2. ​​​​​​​新価か時価か
    3. ​​​​​​​補償内容・範囲
    4. ​​​​​​​自店舗のリスクをカバーできるか
    5. ​​​​​​​保険料
  6. 店舗総合保険の加入方法・流れ
  7. ​​​​​​​飲食店におすすめの店舗総合保険の特約
    1. ​​​​​​​施設賠償責任保険特約 
    2. ​​​​​​​借家人賠償保険特約
    3. ​​​​​​​食中毒保険特約
  8. 美容サロンにおすすめの店舗総合保険の特約
    1. ​​​​​​​受託者賠償責任特約
    2. ​​​​​​​生産物賠償責任特約
    3. ​​​​​​​施術行為起因損害賠償責任特約
  9. 小売店におすすめの店舗総合保険の特約
    1. ​​​​​​​店舗外什器損害特約
    2. ​​​​​​​生産物賠償責任特約(PL保険)
    3. ​​​​​​​施設賠償責任保険特約
  10. 店舗総合保険の支払い実例と注意点
  11. 店舗総合保険と合わせて加入すべき保険
    1. ​​​​​​​地震保険
    2. ​​​​​​​店舗休業保険
    3. ​​​​​​​労災保険
    4. ​​​​​​​個人事業主の加入が必要な保険
  12. まとめ
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店舗総合保険とは?個人事業主におすすめの理由や補償内容、相場を解説

「店舗総合保険とは?」
「個人事業主や飲食店も店舗総合保険への加入は必要?」
「個人事業主におすすめの店舗総合保険は?」


店舗総合保険は、火災・水漏れ・盗難・賠償事故など、店舗運営に必要な補償を一つにまとめた事業者向けの包括保険です。

しかし「どこまで補償されるの?」「個人事業主でも必要?」「相場はどれくらい?」など、初めての人には判断が難しい保険でもあります。

本記事では、店舗総合保険の仕組みや補償範囲、相場目安、加入時にチェックすべきポイントまで、わかりやすく解説します。

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目次

店舗総合保険とは?

店舗総合保険とは、店舗運営で発生しやすい多様なリスクに備えるため、 火災保険・盗難保険・設備損害・休業補償など複数の保険をひとまとめにした包括型の事業保険 です。

1契約で建物・設備・商品・什器の損害から、店内での事故、水漏れといったトラブルまで幅広くカバーできます。

例えば、飲食店の水道管破裂による休業損失や、美容室でのガラス破損など、店舗ならではのリスクにも対応可能です。

複数保険を個別に契約するより管理がシンプルで、店舗運営を止めないための“リスク対策の土台”となる保険です。

店舗総合保険で補償される主なリスク

  • 建物や商品などへの損害
  • お客様に対する慰謝料・治療費
  • 休業

建物や商品などへの損害

店舗総合保険では、火災・落雷・爆発・風災に加え、給排水設備の故障による水漏れ、ガラス破損、厨房機器の不具合など、建物・什器・商品への損害を補償します。

例えば、 冷蔵庫の故障による食材廃棄や、ガラスドアの破損なども対象 です。

店舗運営で頻発しやすい物的トラブルにまとめて備えられる点が大きな特徴です。

お客様に対する慰謝料・治療費

店舗総合保険では、顧客が店内で転倒したり、什器が倒れてケガを負ったりした場合などに発生する 慰謝料・治療費・弁護士費用を補償 します。

また、提供した商品が原因の食中毒やアレルギー反応など、店舗側の過失が問われるケースにも対応します。

小規模店舗ほど一件の賠償負担が大きいため、予期せぬトラブルから経営を守る重要な補償です。

休業

店舗総合保険では、火災・水漏れ・設備故障などで 営業ができない期間の売上減少や固定費を補填 できます。

例えば、水道管破裂で厨房が使用できず、数日間営業停止になったケースでも、家賃・水道光熱費・人件費などの支払いに備えられます

事故後の資金繰り悪化を防ぎ、店舗が早期に再開できるよう支える重要な補償です。

店舗総合保険と店舗火災保険の違い

  店舗総合保険 店舗火災保険
補償範囲 火災・水漏れ・盗難・ガラス破損・休業損害・賠償責任など幅広い 火災・落雷・爆発・風災など建物損害が中心
目的 店舗運営に必要な複数の補償を1契約でカバー 建物や設備の火災リスクに備えるのが主目的
対応リスクの多さ ◎(店舗特有のトラブルを包括補償) △(火災や自然災害など限定的)
休業補償 あり(選択可能) 基本なし
盗難補償 あり オプション、または対象外のことが多い
賠償責任
(顧客転倒等)
オプションで付帯可能 対象外
対象業態 飲食店・美容室・小売店・サービス業など店舗向け 建物所有者・基本補償中心の店舗

店舗火災保険は、火災・落雷・爆発・風災など「建物や設備が損害を受けた場合」の補償が中心です。

一方、店舗総合保険はこれらに加え、ガラス破損、給排水設備のトラブルによる水濡れ、盗難、商品破損、休業損害、さらには賠償責任まで 補償範囲が広い 点が大きな違いです。

例えば、飲食店で水道管が破裂し設備と食材が全滅した場合、火災保険だけでは備品の補償は限定的ですが、店舗総合保険なら一度でカバーできます。

より現場に寄り添った実務的な補償を求める店舗に向いています。

店舗総合保険と企業総合保険の違い

  店舗総合保険 企業総合保険
想定事業者 小売・飲食・サロンなど店舗業態 製造・オフィス・物流など幅広い業種
補償の特徴 店舗のガラス破損、設備故障、什器盗難、休業補償など「店舗特化」 企業活動全体を守るための「汎用型」補償
カスタマイズ性 △(店舗向けに設計済み) ◎(事業内容ごとに自由度が高い)
設備・什器の補償 店舗設備・厨房機器・レジ等を想定 工場設備・オフィス機器など事業内容に合わせる
賠償責任の範囲 店舗内事故、商品の取り扱い事故が中心 製造物責任(PL)・業務遂行・施設賠償など幅広い
適しているケース 店舗運営に必要な補償をまとめたい場合 多拠点事業、特殊設備、製造・物流など事業規模が大きい場合

企業総合保険は、製造業・オフィス・運送業など幅広い事業形態に対応した汎用型保険で、補償が事業内容に応じて柔軟にカスタマイズできます。

一方、店舗総合保険は「小売店・飲食店・サロン」など店舗営業を前提に設計された商品で、ガラス破損・什器の盗難・厨房設備の故障など “店舗ならではの事故”を標準的にカバーしている 点が違いです。

例えば、飲食店の冷蔵庫トラブルによる食材損害は店舗総合のほうが補償内容が充実しているケースが多く、店舗運営者に最適化されていると言えます。

店舗総合保険の保険料の相場目安

店舗総合保険の保険料は、 年間3〜20万円程度が一般的な目安 です。金額は業種・延床面積・建物構造・補償範囲・売上規模によって大きく変動します。

例えば、鉄骨造20坪の飲食店で「建物なし・什器200万円・商品100万円・休業補償あり」の場合、年間5〜10万円が相場です。

一方、理美容室や小売店など火気使用が少ない業態は、リスクが低いため保険料も抑えられます。

また、盗難リスクが高い地域や、厨房設備が多い店舗は保険料が高くなる傾向があります。まずは補償内容とリスクのバランスを確認することが重要です。

店舗総合保険のメリット

  • 複数のリスクを1契約でまとめて補償できる
  • 厨房設備の故障、冷蔵庫トラブルによる食材損失、ガラス破損など、店舗特有のトラブルにも強い
  • 休業補償で経営ダメージを最小限に抑えられる
  • 賠償責任補償を追加すれば顧客事故にも備えられる
  • 駆けつけサービスなど実務的なサポートが付く場合がある
  • 小規模店舗でも大きな損害をカバーできる

店舗総合保険の最大のメリットは、 1つの契約で店舗運営に必要な補償を「まとめて確保」できる 点です。

火災・水漏れ・盗難などの設備損害だけでなく、事故で営業できなくなった際の休業補償や、顧客転倒事故などの賠償責任も追加でき、実務上のリスクを幅広くカバーします。

また、保険会社によってはガラス交換や水回りトラブルへの訪問サービスなど駆けつけサポートが付帯する場合もあり、突発的なトラブルにも強い体制が整います。

店舗のダメージを最小限に抑え、経営の安定を守るために欠かせない保険です。

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個人事業主や飲食店も店舗総合保険への加入は必要

個人事業主や飲食店も、店舗総合保険への加入は非常に重要 です。

小規模事業者ほど突発的な設備故障や水漏れ、火災による損害がそのまま経営停止につながりやすいため、損害を自腹でカバーするのは現実的ではありません。

特に、飲食店は火気・水回り・高額設備が多くリスクが高いため、冷蔵庫の故障で食材が廃棄になったり、油煙による火災事故が起きたりと、損害の広がりが大きいのが特徴です。

また、顧客の転倒事故や食中毒などの賠償リスクも避けられません。店舗総合保険は、予期せぬ事故で経営が止まらないための生命線となる保険です。

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店舗総合保険で補償される損害対象

  具体例 店舗で起こりやすいシーン
自然災害 火災・落雷・台風・豪雨・浸水 落雷で冷蔵庫が故障/豪雨で店内浸水
盗難 商品・レジ金・備品の盗難 夜間侵入で商品が奪われる/バックヤード侵入
破裂・爆発 ガス設備の爆発・ボイラー破裂 厨房ガス管トラブル/給湯器故障
ガス漏れ・水漏れ 給排水設備の破損・ガス漏れによる爆発 シンク下配管破損/トイレ給水管破裂
外部衝突・飛来物 車両衝突・看板落下・飛来物損害 店舗前に車が突っ込む/看板が窓ガラス直撃
デモ・騒擾 デモ・暴動・集団行動による破損 ガラス割損/シャッター損壊
迷惑行為・破壊 酔客の器物破損・暴力による破壊 酔客が什器を壊す/ガラスを割られる
持ち出し家財 外出先でのPC・機材の破損・盗難 出張中のPC落下/イベント中の什器破損

火災や水災、落雷などの自然災害による損害

店舗総合保険では、火災・落雷・台風・豪雨などの自然災害によって建物や設備、商品が損害を受けた場合に補償されます。

  • 厨房からの火災で店内設備が全焼した
  • 落雷でPOSレジや冷蔵庫が故障した
  • 豪雨で浸水し商品が使用不能になった など
復旧費が高額になりやすい事故に備えることができます

​​​​​自然災害は予測が難しく、特に 飲食店や小売店は設備損害による影響が大きい ため、最も重要な補償のひとつです。

盗難による損害

店舗総合保険ては、店舗に保管している商品、レジの現金、備品、設備が盗難に遭った場合の損害を補償します。

  • 夜間に侵入されて商品が持ち去られた
  • レジごと奪われ売上金が消失した
  • 店舗バックヤードの工具や材料が盗まれた
などのケースが想定されます。

特に、小売店や美容室など高価な商品を扱う店舗ではリスクが高く、盗難による損害だけでなく、 侵入時に発生した備品破損まで補償される 点が大きなメリットです。

破裂や爆発による損害

店舗総合保険では、ガス設備やボイラーなどの破裂・爆発により建物や設備に損害が生じた場合に補償されます。

  • 厨房のガス管の不具合による爆発
  • 給湯器の破裂
  • コンプレッサーの異常圧力による破損 など
突発的で被害の大きい事故に備えることが可能です。

これらの事故は一瞬で広範囲を損傷させるため、 修繕費だけでなく休業リスクも高まります 。特に火気を扱う飲食店にとって必須の補償です。

ガス漏れによる爆発や水漏れによる損害

店舗総合保険では、ガス漏れによる爆発、給排水設備の故障による水漏れなど、店舗内部の設備トラブルに伴う損害を補償します。​​​​​​

  • シンク下のパイプ破損で床材が腐食した
  • トイレの給水管が破裂して営業ができなくなった
  • ガスレンジからの微細漏れが引火して厨房設備を損壊した など
実務上頻発しやすい事故に対応します。

水回りとガス設備は劣化や使用頻度による故障が多いため、 早期復旧に役立つ重要な補償 です。

外部からの衝突・飛来による損害

店舗総合保険では、車両の誤進入による店舗外壁の衝突、工事現場からの飛来物、強風で飛んだ看板が窓ガラスを直撃するなど、外部要因による損害も補償します。

  • 車が店舗前面にぶつかりシャッターやガラスを破壊した
  • 隣の建物の部材が落下し看板が破損したケース
などが該当します。

店舗は道路沿いに位置することが多く、外部衝突は避けにくい ため、現実的なリスク対策として重要です。

デモや労働争議などによる損害

店舗総合保険では、デモ行進や労働争議など、集団行動に伴う暴動・騒擾による損害を補償します。

  • 店舗のガラスが破壊された
  • シャッターが押しつぶされた
  • 商品棚が転倒して商品が破損した など
社会的騒乱時に発生しやすい被害が対象です。

都市部や商業エリアでは人が集まりやすく、こうした 突発的でコントロール不能な損害に備えておく ことで、大規模な修繕費や休業リスクを軽減できます。

破壊や暴力など迷惑行為による損害

店舗総合保険では、酔客の器物破損、暴力によるガラス・ドアの破損、深夜の迷惑行為による設備損害など、第三者の故意・悪質行為によって生じた損害を補償します。

  • 酔った客が店内設備を壊した
  • 外部でのトラブルが店内に持ち込まれ什器が破損した
などが該当します。

特に飲食店や夜間営業店舗では発生しやすく、 修理費が思いがけず高額になるケースも多い ため、経営を守るための現実的な補償です。

持ち出し家財による損害

店舗総合保険では、従業員が業務で持ち出した機材・ノートPC・タブレットなどの家財が、外出先で破損・盗難に遭った場合の損害も補償します。

  • 出張先でノートPCを落として破損した
  • 移動中にデバイスが盗まれた
  • イベント出店中に什器が破損した
などが対象です。

外部活動の多い小売店・出張美容・イベント出店など、 店舗外活動が増える事業者のリスクを実務的にカバー します。

店舗総合保険で受けられる補償費用

  補償される内容 主な事故例 店舗に必要な理由
休業損害 売上減少額・家賃・光熱費・人件費・リース料 水道管破裂で厨房浸水し1週間営業停止、売上0でも固定費が発生 資金ショートを防ぎ事業継続を支える
損害賠償
責任費用
顧客への慰謝料・治療費・修理費、弁護士費用・調査費 床の水滴で顧客が転倒し骨折、治療費・慰謝料が数十万円規模に 高額賠償から店舗を守る
臨時費用・
修理費用
建物・設備・什器の修理費・応急処置・仮設工事・代替機手配費用 ガラス破損の緊急補修、冷蔵庫故障で代替機レンタル 即時復旧で休業リスクを減らす
地震火災費用 地震の二次火災による焼損物の処理・応急復旧・清掃費 地震後の漏電火災で厨房が焼損、什器廃棄と復旧に高額費用 通常の火災保険で補償されない部分をカバー
失火見舞費用 自店舗の火災により近隣店舗へ迷惑をかけた場合の見舞金 煙害で隣店の営業が妨害され、店側に見舞金負担が発生 近隣トラブル防止・関係維持に重要
損害防止費用 損害拡大を防ぐための止水・延焼防止・危険物移動などの措置費 トイレ水漏れで床浸水、止水作業と応急対応が必要 二次被害を抑える初動対応に必要
緊急処置費用 事故発生直後の危険箇所の応急処置費(ガラス養生・漏電点検など) ガラス破損の深夜応急ボード処置が必要 安全確保と事故拡大防止に役立つ
残存物取
片づけ費用
焼損物・浸水ゴミ・壊れた什器・汚泥などの撤去・運搬・処分費 火災後、焦げた什器や在庫を撤去、費用は数十万円規模に 復旧の初動に費用がかかるため有効

休業損害

休業損害では、火災・水漏れ・設備故障などの事故で営業が継続できなくなった場合に、 休業期間中の売上減少や固定費を補償 します。

例えば、水道管破裂で厨房が使えず1週間営業停止した場合、家賃・光熱費・人件費・リース料金などの固定費は休業中も発生します。

小規模店舗ほど資金繰りに直結しやすく、休業損害補償は事業を止めないための生命線ともいえる重要な費用補償です。

損害賠償責任費用

損害賠償責任費用では、顧客が店内で転倒した、什器が落下してケガをした、提供した飲食物が原因で体調不良を起こしたなど、 店舗側に過失がある場合に発生する慰謝料・治療費・修理費などを補償 します。

また、賠償交渉のための弁護士費用や調査費用も対象となる場合があります。

賠償責任費用は、1件あたり数十万円~数百万円規模になることもあり、特に小規模店舗では経営に致命傷となるため、実務上欠かせない補償です。

臨時費用・修理費用

臨時費用・修理費用では、 建物・設備・什器の損害に対する修繕費 だけでなく、 事故直後の臨時的な支出も補償 されます。

例えば、ガラス破損で急きょ応急措置を行った場合の材料費や職人手配費、設備が故障して急ぎ代替機を手配した際の費用などが該当します。

​​​​​​​事故後は想定外の支出が続きやすいため、臨時費用が手厚いことでスピーディーに復旧・営業再開を目指すことができます。

​​​​​​​地震火災費用

地震火災費用では、 地震によって発生した火災で建物・設備が損害を受けた場合に必要となる臨時的な費用を補償 します。

​​​​​​​通常の火災保険では地震が原因の火災は対象外となるため、地震火災費用は“地震時の最後の備え”として重要です。

​​​​​​​例えば、地震後に発生した火災で焼損した什器の処分費や、店舗の応急復旧のための費用などが補償され、地震災害時の負担を軽減します。

​​​​​​​失火見舞費用

失火見舞費用では、自店舗の火災が原因で近隣店舗や周辺施設に損害を与えてしまった場合、 見舞金として負担する費用を補償 します。

​​​​​​​延焼による物件損壊がなかったとしても、煙や水濡れによる営業妨害が発生するケースがあり、近隣店舗への配慮は不可欠です。

​​​​​​​小規模商店街やテナントが密集するビルでは特に有効で、トラブル発生後の近隣関係の悪化を防ぐ役割も果たします。

​​​​​​​損害防止費用

損害防止費用では、 事故の拡大を防ぐために行った措置の費用を補償 します。

​​​​​​​例えば、水漏れを発見した際に急いで業者を呼んで止水作業を行った、火災の延焼を防ぐために設備を移動させた、ガラス破損部分を応急的に塞いだなどの費用が該当します。

​​​​​​​事故直後の迅速な対応は損害の拡大を防ぐうえで極めて重要であり、その対応費用を保険でまかなえる点は店舗運営にとって大きな安心材料です。

​​​​​​​緊急処置費用

緊急処置費用では、 事故直後に必要となる応急処置を行うための費用を補償 します。

​​​​​​​​​​​​​​例えば、ガラスが割れた際の応急ボード処置、漏電が疑われる設備の安全確認、店舗内の危険箇所の保護作業などが対象です。

​​​​​​​事故の発生直後は、専門業者の手配や部材確保で予期せぬ出費が発生しますが、保険でカバーされることで早期対応を行いやすくなり、さらなる事故の発生を防ぎやすくなります。

​​​​​​​残存物取片づけ費用

残存物取片づけ費用では、火災・水害・爆発などの事故後に残った 焼損物・浸水ゴミ・壊れた什器などの撤去・処分費用を補償 します。

​​​​​​​例えば、火災後に焦げた棚や機器を撤去したり、水害後の泥や汚れた商品を処分したりする際の費用が該当します。

​​​​​​​事故後の片づけ作業は時間も費用もかかるうえ、営業再開までの大きなボトルネックとなります。残存物処理費を保険で賄えることで、店舗は復旧作業を迅速に進めることができます

個人事業主向けおすすめ店舗総合保険3選

ビジネスマスター・プラス(損保ジャパン株式会社)

ビジネスマスター・プラス(損保ジャパン株式会社)

ビジネスマスター・プラスは、損保ジャパン株式会社が提供する事業活動総合保険で、 店舗運営に必要な補償を5つのパッケージから選んで自由に組み合わせられる柔軟性が最大の特徴 です。

​​​​​​​火災・水漏れ・盗難などの物損補償に加えて、休業損害、賠償責任、工事物補償、傷害補償まで一体でカバーでき、個人事業主でも自店の業態に合わせて過不足なく設計できます。

​​​​​​​オプションである特約の種類も豊富なので、複数のリスクを一本化して管理したい事業者に最適な店舗総合保険です。

 補償内容 

  • 賠償に関する補償
  • 物損害に関する補償
  • 工事に関する補償
  • 傷害に関する補償
  • 休業に関する補償

​​​​​​​ビジネスキーパー(三井住友海上火災保険株式会社)

​​​​​​​ビジネスキーパー(三井住友海上火災保険株式会社)

ビジネスキーパーは、三井住友海上火災保険株式会社が提供する店舗総合保険で、 財物損害と休業損害を核 に、ニーズに応じて「エコノミー」「ベーシック」「ワイド」「ワイドPlus」の4プランから柔軟に選べる点が大きな特徴です。

​​​​​​​火災・水漏れだけでなく、設備故障や賠償リスクまで幅広くカバーでき、個人事業主でも業態に合わせて最適な補償を構築できます。

​​​​​​​また、弁護士・税理士・社会保険労務士へ相談できる付帯サービスがあり、店舗運営で起こりやすい契約トラブルや労務相談までをサポートしてもらえます。

 補償内容 

  • 財物損害に関する補償
  • 休業損害に関する補償

​​​​​​​超ビジネス保険(東京海上日動)

​​​​​​​超ビジネス保険(東京海上日動)

超ビジネス保険は、東京海上日動が提供する店舗向け保険で、 モレやダブりなく、事業を取り巻く様々なリスクを1つの保険でまとめて補償 します。

 建物、設備、商品などが火災、風災、盗難などによって損害を受けた場合の財産に関する補償に加え、工事、休業、賠償責任に関する補償を必要な分だけ自由に組み合わせられます。

​​​​​​​複数の補償をセットで加入することで、保険料が割引される制度もあり、お得に加入できます。

 補償内容 

  • 財産に関する補償
  • 工事に関する補償
  • 休業に関する補償
  • 賠償責任に関する補償

店舗総合保険を選ぶ際のチェックポイント

  • 補償額の上限
  • 新価か時価か
  • 補償内容・範囲
  • 自店舗のリスクをカバーできるか
  • 保険料

​​​​​​​補償額の上限

店舗総合保険の補償額の上限は、 事故発生時にどこまで保険金が支払われるかを決める最重要ポイント です。

​​​​​​​建物・設備・什器・在庫の総額に対して上限が低すぎると、復旧費用の一部を自腹で負担することになり、特に飲食店や美容室など設備の多い店舗では致命傷になりかねません。

​​​​​​​例えば、厨房設備が300万円相当なのにも関わらず上限100万円では、十分な再建ができないでしょう。

​​​​​​​一般的に、上限額は契約時に自分で決めるパターンが多いため、実際の資産額・設備更新費を基準に、適切な補償上限を設定することが必要です。

​​​​​​​新価か時価か

店舗総合保険は、事故時に「新価」で支払われるか、「時価」で支払われるかで補償額が大きく変わります。

​​​​​​​新価は“同等品を再購入できる価格”で支払われるため、設備や什器を新品に置き換えられます。

​​​​​​​一方、時価は経年劣化を差し引くため、支払額が大幅に下がる可能性があります。例えば、購入から5年経過した100万円の冷蔵庫が時価30万円しか支払われないケースもあります。

​​​​​​​ 店舗を早期に復旧させたい場合は、なるべく新価補償を選ぶのが実務的 です。

​​​​​​​補償内容・範囲

店舗総合保険の補償内容・範囲は保険会社によって大きく異なり、火災・水漏れ・盗難・休業損害・賠償責任などの 基本補償に加えて、どこまでオプションで追加できるかが要点 です。

​​​​​​​例えば、水漏れ補償が建物のみ対象なのか、什器・在庫・内装までカバーされるのかで支払額が大きく変わります。

​​​​​​​また、ガラス破損や電気的・機械的事故が含まれるか、外出先の持ち出し家財が対象になるかも確認が必要です。自店舗の業態に必要な項目がそろっているか必ず確認しましょう。

​​​​​​​自店舗のリスクをカバーできるか

店舗総合保険は、自店舗が抱える特有のリスクを十分にカバーできるかが最も重要です。

​​​​​​​飲食店なら水回り・火気・食材管理サロンならガラス破損・薬剤事故小売店なら盗難・商品破損など、業態ごとにリスクは異なります。

​​​​​​​例えば、立地が幹線道路沿いの場合は“車両衝突リスク”を考慮すべきですし、オフィスビル内なら“水漏れによる階下への影響”も重視が必要です。

​​​​​​​ 店舗の構造・設備・立地・客層を踏まえて、想定される事故に対応できる保険を選ぶことが不可欠 です。

​​​​​​​保険料

店舗総合保険の保険料は、建物構造、業態、延床面積、設備の金額、立地環境、補償範囲によって大きく変動します。

​​​​​​​ 一般的には年間3万〜20万円が目安 ですが、火気使用の多い飲食店や高価な設備を多く抱える業態は保険料が高くなる傾向があります。

​​​​​​​また、休業補償や賠償責任を手厚くすると保険料は上がりますが、実務では最も効果が高い部分です。複数の保険会社で見積もりを比較し、補償内容とのバランスを見て選ぶことが重要です。

店舗総合保険の加入方法・流れ

  1. STEP.1

    店舗の物件情報を確認する

    店舗の立地や建物の構造によって保険料が変動するため、店舗総合保険に加入する場合は、まず保険会社に連絡して「物件情報」を確認しましょう。
    店舗の場所建物の構造店舗の営業内容などを踏まえて、その店舗で発生する可能性が高いリスクと、そうでないものを洗い出し、最適なプランを検討しましょう。

  2. STEP.2

    加入する店舗総合保険の補償内容を確認する

    加入する店舗総合保険の候補が決まったら、「補償内容」を細かく確認しましょう。
    この際、特に意識したいのは「店舗のリスクに対応できる内容か」「十分な保険料を受け取れる内容か」というポイントです。
    加入前の確認を怠ると、トラブルが起こっても補償対象にならなかったり、十分な保険金が下りなかったりするので、慎重に検討する必要があります。

    • 補償金額の上限
      L 損害が発生した時に補償してもらえる保険金の上限
    • 借家人賠償責任保険の保険金額
      L 店舗でトラブルが発生した際、建物の所有者から賠償を求められた場合に受けられる保険金
    • 施設賠償責任補償の保険金額
      L 業務中に起こったトラブルや事故において、お店側に「賠償責任」が求められた際に受け取れる保険金
  3. STEP.3

    保険会社の見積もりを確認、適している保険会社を選ぶ

    補償内容の確認後、保険会社から見積もりが提示されるので、内容に問題がないか確認したうえで加入しましょう。
    見積もりを確認する際は、「希望する補償内容とマッチした内容か」「追加で希望する補償はないか」「月々の支払いに無理はないか」の3点が重要ポイントです。
    万が一、見積もりの中で内容が把握できないものがある場合は取り除いてもらうほか、想像よりも保険料が高いと感じた場合は料金の内訳についてしっかり説明を求め、納得したうえで申込むことをおすすめします。

​​​​​​​飲食店におすすめの店舗総合保険の特約

飲食店は火気・水回り・食材管理・来客数の多さなど、 一般の小売店よりも事故リスクが高いため、店舗総合保険の基本補償に加えて特約の追加が欠かせません

​​​​​​​特に重要なのが、以下の3つです。

  • 店内事故をカバーする施設賠償責任保険特約
  • 賃貸物件の原状回復費を補償する借家人賠償保険特約
  • 食中毒発生時の補償を行う食中毒保険特約

これらを組み合わせることで、物損・人的被害・営業停止リスクを総合的に抑え、飲食店の経営を継続しやすい体制が整います。

  主な補償内容 想定される事故例
施設賠償責任保険特約 店内設備や床・看板などが原因で第三者にケガや損害を与えた場合の賠償金・治療費を補償
  •  床の水でお客様が転倒
  • 看板が飛んで通行人に当たる
借家人賠償保険特約 賃貸店舗で火災・水漏れ・爆発などを起こし、建物オーナーに対して負う原状回復費用を補償
  • コンロの失火で壁や天井が焼損
  • 階下への水漏れ
食中毒保険特約 提供した飲食物が原因の食中毒・ノロ感染などによる賠償金や営業停止中の損失を補償
  • 保管管理ミスで細菌が繁殖し、複数の来店客が食中毒を発症

居酒屋・カフェ・ラーメン店の特約例

  特約例
居酒屋 ・施設賠償責任保険特約
└ 酔客が多く転倒・接触事故が起こりやすい/席間が狭い店舗もリスク高め
・借家人賠償保険特約
└ 火気設備・油を多く使うキッチンで、失火・煙・油汚れによる建物損傷リスクが大きい
・食中毒保険特約
└ 生もの・刺身・半ナマ料理・宴会コースなど、多人数への提供が多く、食中毒が一度起きると被害が拡大しやすい
カフェ ・施設賠償責任保険特約
└ 滞在時間が長く、ソファ・段差・コード類などでの転倒・つまずき事故に備える
・借家人賠償保険特約
└ テナント型カフェが多く、スプリンクラー作動・給排水トラブルなどで建物に被害が及ぶリスクがある
・食中毒保険特約
└ 軽食・スイーツ・乳製品・サンドイッチなどの冷蔵品が多く、保管温度や期限切れによるトラブルに備える
ラーメン ・施設賠償責任保険特約
└ カウンターや狭い通路での接触、熱いスープのこぼれによるヤケド事故などをカバー
・借家人賠償保険特約
└ 高温のスープ・大型ガスコンロ・湯気によるダクト・天井へのダメージなど、建物への影響が大きい業態
・食中毒保険特約
└ 替え玉・トッピング・サイドメニューなど食材数が多く、仕込み・保管ミスが起きやすい

​​​​​​​施設賠償責任保険特約 

施設賠償責任保険特約では、 店内で発生した事故により来店客や第三者へケガ・損害を与えてしまった場合の賠償金や治療費を補償 します。

​​​​​​​例えば、床の水滴でお客様が滑って骨折した、椅子が倒れてケガをさせてしまった、店頭看板が強風で飛ばされ通行人に当たったなど、飲食店で実際に起こりやすい事故が対象です。

​​​​​​​賠償費用は数十万円〜数百万円規模に膨らむケースも多く、特に来客数の多い飲食店では必須の特約です。

​​​​​​​借家人賠償保険特約

借家人賠償保険特約では、賃貸物件の店舗で火災・水漏れ・爆発などを起こし、 建物のオーナーへ損害を与えた際の原状回復費用を補償 します。

​​​​​​​例えば、厨房のコンロから出火して壁や天井が焼損した、給排水設備の不具合により階下へ水漏れを起こした、電気機器の漏電で設備を損傷させた場合などが対象です。

​​​​​​​飲食店は火気・水回り設備が多く、建物に被害を与えやすいため、退去時の高額な修繕費を避けるためにも必須の特約です。

​​​​​​​食中毒保険特約

食中毒保険特約では、 提供した食材が原因でお客様に食中毒・ノロウイルス感染などが発生した場合の損害賠償や営業停止による売上損失を補償 します。

​​​​​​​具体例として、保管温度の管理不備による細菌繁殖、仕入れ食材の汚染、従業員の衛生管理ミスなどにより集団食中毒が発生したケースが挙げられます。

​​​​​​​飲食店にとって食中毒は最も深刻なリスクで、店舗の信用失墜や長期休業に発展する可能性があります。早期復旧と経営継続のため、必ず加入しておきたい特約です。

美容サロンにおすすめの店舗総合保険の特約

美容サロンは、薬剤・ドライヤー・熱機器・施術行為といった “人の身体に直接触れるサービス”が多く、一般店舗より事故リスクが高い業態 です。

​​​​​​​​​​​​​​そのため、基本補償に加えて、以下の3つが特に重要です。

  • 預かった商品の損害を補償する受託者賠償責任特約
  • 販売した商品による事故を補償する生産物賠償責任特約
  • 施術が原因でお客様に損害を与えた際の高額賠償に備える施術行為起因損害賠償責任特約

これらを組み合わせることで、物損・人的被害・施術事故の全方位をカバーし、サロン運営を安定的に継続できます。

  主な補償内容 想定される事故例
受託者賠償責任特約 預かった衣類・バッグ・アクセサリーなどの損害を補償
  • カラー剤が服に付着
  • アクセサリー落下で破損
生産物賠償責任特約 販売したシャンプー・オイルなどの商品が原因のトラブルを補償
  • 購入したヘアオイルでかぶれ
  • まつ毛美容液で炎症
施術行為起因
損害賠償責任特約
施術ミスによるケガ・炎症・脱毛・火傷などを補償
  • パーマ液で髪が損傷
  • まつエクで目が炎症
  • 脱毛施術で火傷

美容室・まつエク・エステの特約例

  特約例
美容室 ・受託者賠償責任特約
└ カラー剤・パーマ液の付着による衣類汚損が起きやすい
・施術行為起因損害賠償責任特約
└ カラー剤のかぶれ、パーマ失敗、薬剤トラブルが多い
・生産物賠償責任特約
└ 店販売上が増えているため、販売商品の肌トラブルリスクに備える
まつエク ・施術行為起因損害賠償責任特約(最重要)
└ 接着剤が目に入る、アレルギー反応、施術ミスによる炎症などの賠償額が高くなりやすい
・受託者賠償責任特約
└ お客様の貴重品を預かることが多く、物損トラブル防止に
・生産物賠償責任特約
└ まつ毛美容液・ケア用品など販売商品の刺激トラブルへの備え
エステ ・施術行為起因損害賠償責任特約
└ 光脱毛による火傷、フェイシャル施術の内出血、強い成分による肌トラブルが多い
・受託者賠償責任特約
└ 施術時に衣類・バッグを預かることが多く、汚損・破損リスクが高い
・生産物賠償責任特約
└ 化粧品・美容液の販売が多く、肌トラブルによる賠償リスクに直結

​​​​​​​受託者賠償責任特約

受託者賠償責任特約では、 お客様から預かった物品に損害が生じた場合の修理費・弁償費を補償 します。

​​​​​​​美容サロンでは、コート・バッグ・アクセサリー類、カラー施術時に脱いだ衣類などを一時的に預かる場面が多く、薬剤の付着や汚損、施術中の落下による破損といったトラブルが起こりやすい業態です。

​​​​​​​例えば、カラー剤が洋服に付着して弁償が必要になった薬剤がアクセサリーに付着して破損したなどのケースが対象となります。

​​​​​​​予期せぬ物損トラブルの負担を軽減するため、サロンには不可欠の特約です。

​​​​​​​生産物賠償責任特約

生産物賠償責任特約では、サロンが販売したシャンプー・オイル・化粧品などの商品が原因で、 お客様に損害を与えた場合の賠償金や治療費を補償 します。

​​​​​​​例えば、自社販売のヘアオイルでアレルギー反応が出た、ホームケア用カラー剤で皮膚かぶれが発生した、まつ毛美容液の刺激で炎症が起きたといったケースが該当します。

​​​​​​​近年は店販商品の購入率向上を重視するサロンが増えており、商品トラブルのリスクも比例して増加します。店販売上があるサロンには必須の特約です。

​​​​​​​施術行為起因損害賠償責任特約

施術行為起因損害賠償責任特約では、美容師・アイリスト・エステティシャンなどの 施術ミスによりお客様にケガや健康被害が生じた場合の賠償金・治療費を補償 します。

​​​​​​​具体的には、カラー剤によるかぶれや脱毛、パーマ液による髪の著しい損傷、まつエク施術で薬剤が目に入り炎症が発生した、エステ施術での火傷や内出血などが対象です。

​​​​​​​施術トラブルは賠償額が高額化しやすく、SNSで一気に拡散されるリスクもあります。安心して施術を提供するために欠かせない特約です。

小売店におすすめの店舗総合保険の特約

小売店は、陳列棚の転倒や什器破損、販売商品の品質トラブル、店内通路での転倒事故など、 店舗型ビジネス特有のリスクが多く発生 します。

​​​​​​​そのため、基本補償だけでは不十分で、特約の追加が経営リスクの低減に直結します。特に重要なのが以下の3つです。

  • 店頭什器の破損リスクを補う店舗外什器損害特約
  • 販売商品が原因の事故に備える生産物賠償責任特約
  • 来店客の転倒・接触事故に備える施設賠償責任保険特約

これらを組み合わせることで、物損・人的・販売商品の3方向を包括的に守れる補償体制が整います。

特約名 主な補償内容 想定される事故例
店舗外什器損害特約 店頭の棚・POP・ガラスケース・ワゴンなどの破損を補償
  •  風で看板が倒れる
  • 通行人が棚に接触し破損
生産物賠償責任特約
(PL保険)
販売商品の欠陥・不具合で発生した損害賠償を補償
  •  化粧品で肌荒れ
  • 家電の不具合で火災
  • 食品トラブル
施設賠償責任保険特約 通路や什器が原因で来店客にケガをさせた際の賠償金を補償
  •  床の滑りで転倒
  • 棚が倒れケガ
  • ガラス扉で負傷

アパレル・雑貨・食品小売の特約例

  特約例
アパレル ・生産物賠償責任特約(PL保険)
└ アクセサリー・香水・ヘアケア商品の店販売上がある場合は必須
・施設賠償責任保険特約
└ 試着室の段差・ハンガー・棚で転倒・接触事故が発生しやすい
・​​​​​​​店舗外什器損害特約
└ 店頭ラック・マネキン・ガラスケースの破損リスクが高い
雑貨(生活雑貨・
インテリア・文具)
・生産物賠償責任特約(PL保険)
└ 家具・アロマ・化粧品・オイルなど“刺激物”の販売による事故リスク
・施設賠償責任保険特約
└ ガラス什器・ディスプレイ台の落下や破損でケガが起きやすい
・店舗外什器損害特約
└ 路面店での店頭ワゴン破損・盗難が多い
食品小売(スーパー・惣菜店・パン屋など) ・生産物賠償責任特約(PL保険)
└ 食品による食中毒・期限切れトラブルが直接賠償につながる
・施設賠償責任保険特約
└ 床の水滴・油・霜による転倒事故が最も多い業態
・店舗外什器損害特約
└ 冷蔵ショーケース・屋外販売ワゴンの破損リスクに備える

​​​​​​​店舗外什器損害特約

店舗外什器損害特約では、 店頭に設置した棚・ガラスケース・POPスタンド・ワゴンなどの什器が破損した場合の修理費・再購入費を補償 します。

​​​​​​​小売店では、風で倒れた看板の破損、通行人が誤って棚にぶつかり商品が落下する、屋外ワゴンの盗難といったトラブルが非常に起こりやすい業態です。

​​​​​​​特に路面店やショッピングモールの通路沿いの店舗は、什器の破損による損害が売場の維持と安全性に直結するため、この特約をつけておくことで突発的な修理費負担を大幅に減らせます。

​​​​​​​生産物賠償責任特約(PL保険)

生産物賠償責任特約(PL保険)では、 小売店が販売した商品が原因で発生した事故に対する賠償金・治療費・修理費を補償 します。

​​​​​​​例えば、購入したアロマオイルで肌にかぶれが出た、家電製品の不具合で発火し家財を損傷した、食品を取り扱う店舗で賞味期限切れの商品が原因の健康被害が発生したなどが対象です。

​​​​​​​販売商品に起因するトラブルは、SNSで拡散されやすく、ブランドへの信頼低下や返金対応で大きな経営ダメージを与えます。小売店でのリスク対策として必須の特約です。

​​​​​​​施設賠償責任保険特約

施設賠償責任保険特約では、 店舗内の通路・棚・什器・ガラス扉などが原因で来店客や第三者にケガ・損害を与えた際の賠償金を補償 します。

​​​​​​​例えば、床の滑りでお客様が転倒した、商品棚が倒れてケガをさせてしまった、ディスプレイ台が落下して損害を与えたといった事故が該当します。

​​​​​​​小売店は日常的に多数の来店客が滞在するため、人的事故がもっとも発生しやすい業態のひとつです。高額賠償リスクから店舗を守るためにも欠かせない特約です。

店舗総合保険の支払い実例と注意点

店舗総合保険では、 実際にどのような事故が補償対象になるのかを具体的に把握しておくことが重要 です。

​​​​​​​以下のようなケースでは、損害額・修理費・賠償金・休業損害などが保険金として支払われます。

  • 店舗内で水漏れが発生し、什器・内装・在庫が損害
  • 厨房の火災で壁・天井が焼損、営業停止になった
  • 強風で店頭看板が落下し、通行人にケガを負わせた
  • ガラス扉の破損で緊急修理を実施した
  • 盗難被害によりレジや商品が持ち去られた
  • 店舗外からの衝突でシャッターや外壁が破損

​​​​​​​また、支払われた保険金は税務上「雑収入」に分類され、確定申告の際に計上が必要です。

​​​​​​​一方で、保険料は原則として全額を「損金(経費)」にできるため、適切な仕訳処理を理解しておくことが求められます。

​​​​​​​特に休業補償を受け取った場合は、本来の売上と混同されないよう区分して記録し、税務調査の際に説明できる状態にしておくことが大切です。

  • 保険料は「損金」として経費計上できる
  • 受け取った保険金は「雑収入」として申告が必要
  • 修理費と保険金で損益が相殺される場合も、帳簿上は別々に処理
  • 休業補償金は「売上ではなく雑収入」扱い
  • 証拠書類(事故報告書・修理見積・支払明細)を必ず保管
  • 自己負担分は「修繕費」などに分類して経費化可能

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店舗総合保険と合わせて加入すべき保険

保険名 補償の対象 主な事故・事象 加入義務 店舗総合保険との関係
地震保険 地震・津波・噴火による建物・家財の損害 地震による倒壊・損壊・地震火災 任意 店舗総合保険では原則カバー外のためセット加入が推奨
店舗休業保険 休業中の売上減少・固定費 火災・水災・設備トラブルによる長期休業 任意 店舗総合保険の休業補償を補完し、補償を厚くする役割
労災保険 従業員の業務災害・通勤災害 調理中の火傷・転倒・荷物運搬中のケガ 従業員を雇う事業主は原則加入義務あり 従業員のケガは店舗総合保険ではなく労災で補償
健康保険
(国民健康保険など)
事業主・家族の医療費 病気・ケガによる通院・入院・手術 個人事業主は加入が必要 事業主本人の医療費は店舗総合保険ではカバーされない
年金保険
(国民年金など)
老後・障害・遺族の生活資金 老後の無収入リスク/障害・死亡時の所得減少 個人事業主は加入が必要 長期の生活保障であり、店舗総合保険とは役割が異なる

​​​​​​​地震保険

地震保険は、地震・噴火・津波が原因で建物や什器、在庫が損害を受けた際に補償を受けられる保険です。

​​​​​​​ 店舗総合保険だけでは「地震による損害」は補償されない ため、地震リスクの高い日本ではセット加入が必須といえます。

​​​​​​​例えば、揺れで商品棚が倒れ什器が破損した、地震後の火災で内装が焼損した、液状化で建物が沈下したといったケースが対象です。

​​​​​​​地震後は長期休業へつながりやすいため、早期復旧のためにも地震保険の併用が不可欠です。

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​​​​​​​店舗休業保険

店舗休業保険は、事故や災害で営業ができなくなった際の売上減少分や固定費(家賃・人件費など)を補償する保険です。

​​​​​​​店舗総合保険にも休業補償特約はありますが、 補償期間や限度額が足りないケースもある ため、より手厚く備えるには店舗休業保険の併用が効果的です。

​​​​​​​例えば、火災後の復旧工事が長引き1~2ヶ月休業した場合、損害は数百万円規模になることも珍しくありません。

​​​​​​​事業継続に直結する補償として、多くの店舗で導入されています。

​​​​​​​労災保険

労災保険は、従業員が仕事中や通勤途中にケガ・病気・障害・死亡を負った際に補償される保険で、従業員を1人でも雇う事業者には加入が義務付けられています

​​​​​​​例えば、調理中の火傷、搬入作業中の腰痛、転倒による骨折など、店舗では労災事故が起こりやすい環境が揃っています。

​​​​​​​労災非加入のまま事故が起こると、 治療費や休業補償を事業者が全額負担するだけでなく、法的な罰則が科される可能性もあります

​​​​​​​従業員を守るだけではなく、事業者のリスクを減らすためにも必須の保険です。

​​​​​​​個人事業主の加入が必要な保険

個人事業主は、 法人と異なり社会保険が自動適用されないため、自ら保険に加入して生活基盤を守る必要があります

​​​​​​​特に重要なのが、医療費を抑える「健康保険」と、将来の所得を保障する「年金保険」です。

​​​​​​​店舗運営中の事故に備えて店舗総合保険を契約していても、自身のケガや病気には対応できないため、事業継続性の観点からも社会保険制度への加入は不可欠です。

健康保険

健康保険は、病気やケガの治療費を軽減する最も基本的な制度で、個人事業主は「国民健康保険」に加入します。

​​​​​​​店舗運営中の体調不良やケガ、プライベートでの病気など、あらゆる医療リスクに備えられます。

​​​​​​​例えば、骨折・入院・高額な検査費用なども、健康保険があることで自己負担が3割に抑えられます。

​​​​​​​ 店舗総合保険では自分自身のけが・病気は補償されない ため、健康保険は事業継続のための最重要制度のひとつです。

​​​​​​​年金保険

年金保険は、老後の生活資金だけでなく、障害を負ったときや死亡した場合の家族への補償も含む重要な制度です。

​​​​​​​個人事業主は「国民年金」に加入し、将来の所得の一部を確保します。

​​​​​​​例えば、事故や病気で働けなくなった場合には「障害基礎年金」が支給されるため、店舗営業が困難になった際の生活補償としても役立ちます。

​​​​​​​また、 老後資金を補うために「国民年金基金」や「iDeCo」を併用する個人事業主も増えています 。店舗事業者としての長期的な備えとして必須の保険です。

結局どの保険に入ればいい?立場別まとめ

事業主の立場 必須レベル 優先して検討したい保険 余裕があれば検討したい保険
【法人】
従業員ありの店舗
・店舗総合保険
・労災保険
・健康保険、年金(社会保険)
・地震保険
・店舗休業保険
・補償を厚くする各種特約(施設賠償、食中毒など)
【個人事業主】
従業員ありの店舗
・店舗総合保険
・労災保険
・国民健康保険
・国民年金
・地震保険
・店舗休業保険
・労災特別加入(事業主自身もカバーしたい場合)
・国民年金基金、iDeCoなど老後資金を厚くする制度
【個人事業主】
一人で切り盛りする店舗
・店舗総合保険
・国民健康保険
・国民年金
・地震保険
・店舗休業保険(病気や事故で休んだときの資金確保)
・小口の所得補償保険、就業不能保険など

まとめ

店舗総合保険は、火災・水漏れ・盗難・賠償事故・休業損害など、店舗運営に必要な幅広いリスクを1つにまとめて補償できる保険です。

思わぬ設備トラブルや来店客の事故は経営の継続に直結するため、早期復旧を可能にする店舗総合保険は大きな安心材料になります。

​​​​​​​自店舗のリスクに合わせて最適な補償を整え、突発的な損害に備えましょう。

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Wiz Cloud編集部

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