「営業メンバーを採用したのに成果が出ない」
「形だけの営業チームになっていないか不安…」
営業組織は、単に売上を作るだけでなく、顧客の声を経営に届ける“情報のハブ”としても欠かせない存在です。
しかし立ち上げ段階では、「メンバーは揃ったが機能しない」「役割があいまいで属人化してしまう」などの課題に直面しやすいのが実情です。どうすればこれらの課題を克服し、強い営業組織をつくれるのでしょうか。
本記事では、営業組織の基本的な役割から、立ち上げステップ、フェーズ別の体制設計、よくある失敗事例までを網羅的に解説します。
※本記事はアフィリエイト広告を含みます。
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営業組織とは?
営業組織の目的と役割
営業組織の 基本的な目的は、商品やサービスを顧客に届けて売上に繋げること です。しかし、それだけではありません。
営業は、現場で直接得た顧客の声や反応を通じて、マーケティング・商品開発・経営判断に貴重なフィードバックを提供する「情報のハブ」としても機能します。
特にスタートアップでは、プロダクトが未成熟な段階でのリアルな市場検証や仮説の検証が重要であり、営業組織は事業全体の軌道修正を担う“前線のセンサー”としての役割を果たします。
営業組織の立ち位置と他部門との関係性
営業組織は、 会社の「フロントライン」として市場と直接つながる部署 ですが、単独で動くわけではありません。
実際には、プロダクト開発、カスタマーサポート、マーケティングなど他部門と連携し、組織全体で顧客価値を高めることが求められます。
とくに小規模な組織では営業がマーケティングも兼務することも多く、部門間の壁を越えて柔軟に動くことが成功の鍵です。
「強い営業組織」のあるべき姿とは
強い営業組織は、 売上目標の達成だけでなく、メンバー全員が顧客の課題解決を最優先に考えています 。
特徴的なのは、成功体験やノウハウが個人に留まらず、チーム全体で共有される点です。
特にスタートアップでは、属人化しやすい営業活動をシステム化し、再現性を高めることが強さのカギとなります。
また、多様な働き方に対応した柔軟なコミュニケーションと、数値だけでなく行動変化を評価する仕組みも重要です。

営業組織の作り方・立ち上げプロセス
営業組織立ち上げプロセスのステップ
営業組織を立ち上げて運用するには、 順番に進めるべき4つの大切なステップ があります。
この手順を守らないと、途中でつまずいたり、無駄な作業が増えたりすることが多いので、しっかり確認しましょう。
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STEP.1
組織のミッション・目標の設定
まずは営業組織が「何のために、どんな成果を出すのか」をはっきり決めます。
会社の経営理念に沿ってもよいですし、営業だけの目標を作っても構いません。例えば「年間で◯◯万円の売上を達成する」「新規顧客を◯件獲得する」など、具体的な数字があるとわかりやすいです。
ミッションや目標を全員で共有すると、みんなが同じ方向を向いて動けるようになります。 -
STEP.2
営業プロセスと役割の明確化
次に、「誰が何をいつまでにするか」を細かく決めます。
例えば、初めてお客さんに連絡を取るのは誰か、商談は誰が担当するのか、契約手続きは誰がやるのか、などの分担です。
営業の流れを整理することで、メンバー各員のやるべきことがわかり、無駄な作業や重複がなくなる結果、チーム全体の動きがスムーズになります。 -
STEP.3
組織としての営業戦略と計画の設定
営業の流れを決めたら、次は「どうすれば他社より選ばれるか」を考える段階です。
自社と競合の特徴を比べ、自分たちが得意な分野や強みが活かせるお客様、効果的な営業手法を見つけていきましょう。
あわせて、成果を確認するための指標も決めておくと安心です。「KGI(最終的なゴール)」や「KPI(その途中の目標)」といった目標を設定し、たとえば「月10件のアポイントを取る」「商談の成功率を30%に上げる」など、具体的な数値をもとに日々の行動を計画していきます。 -
STEP.4
PDCAの運用とコミュニケーションプランの設定
計画を作ったら、実際に動かしてみて「計画通りにできているか」「改善点は何か」を定期的に確認します。これがPDCAサイクルです。もし計画にズレがあれば、柔軟に直していきます。
目標は達成が難しすぎるとやる気を失うので、ギリギリ達成できそうなラインを目安に設定しましょう。また、チーム内の情報共有や報告のルールも決め、みんなが常に状況を把握できる環境を作ることも大切です。

編集部
以上の4つのステップを順番に行うことで、無理なく確実に営業組織を立ち上げ、成長させていくことができます。ぜひ活用してください。
組織立ち上げのフレームワーク
営業組織を強くするためには、フレームワークを使って考え方や計画を整理することが大切 です。
フレームワークとは、課題解決や戦略づくりの「枠組み」のことで、論理的に物事を進められます。
- 考えを整理しやすく、抜け漏れを防げる
- 論理的でわかりやすい計画が作れる
- 社内共有や意思決定がスムーズになる
特に役立つ代表的なフレームワークとその使い方
事業構築に使うフレームワーク | アイデア出しに使うフレームワーク | 市場調査・分析に使うフレームワーク |
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4P分析 製品(Product)、価格(Price)、販売場所(Place)、販売促進(Promotion)の4つの視点から自社の特徴を整理。営業戦略の土台作りに役立ちます。 4C分析 顧客の価値(Customer Value)、コスト(Customer Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)を顧客視点で見直すことで、営業活動の精度が上がります。 カスタマージャーニーマップ 顧客が商品やサービスを知ってから購入に至るまでの感情や行動を図にし、効果的な接点や営業タイミングを考えられます。 |
MVV分析 組織の使命(Mission)、理想の姿(Vision)、価値観(Value)を明確にし、営業組織の方向性と文化をつくります。 SCAMPER法 既存のアイデアを「代用」「組み合わせ」「修正」など7つの視点から広げ、営業戦略の幅を広げるのに有効です。 マンダラート 中心にテーマを書き、周囲に関連アイデアを広げていく方法で、営業組織の課題解決や新たな施策を考える時に使えます。 |
3C分析 自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)を比較し、営業戦略の立案に必要な環境把握ができます。 SWOT分析 強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を整理し、組織の現状と将来のチャンスを客観的に見ます。 PEST分析 政治(Politics)、経済(Economy)、社会(Society)、技術(Technology)の外部環境変化を予測し、戦略に反映させます。 プロダクトライフサイクル 自社の製品やサービスが市場のどの段階(導入・成長・成熟・衰退)にあるかを把握し、営業戦略を最適化します。 |
フェーズ別に見る立ち上げポイント(プレシード〜レイター)
営業組織の設計は、会社の成長段階によって大きく変わります。 特に重要なのが「PMF(プロダクト・マーケット・フィット)」という考え方 です。
PMFは「商品やサービスが市場に受け入れられている状態」を意味し、PMF前後で営業のやり方や組織体制も大きく異なります。以下、各フェーズごとにポイントを整理します。

営業組織図と体制設計の考え方
営業組織の役割分担と責任の明確化
営業組織を立ち上げる際、 まず重要なのが「誰がどこまで責任を持つか」を明確にすること です。
リード獲得、商談化、契約、フォローアップまでのプロセスを分解し、それぞれの役割を定義しましょう。
スタートアップでは少人数体制が多く、役割が曖昧になりがちですが、最小単位でも“誰が成果を担保するか”を明文化しておくと、属人化や業務の抜け漏れを防げます。
よくある営業組織体制(インサイド/フィールド/CS)
営業体制にはいくつか定番の型があります。
インサイドセールスはリードの選別や初期対応、フィールドセールスは商談・クロージング、カスタマーサクセス(CS)は契約後のフォロー を担います。
スタートアップではまずはインサイドとフィールドを兼務するケースも多く、一定の商談数や成約数を超えた段階で分業を進めるのが現実的です。

営業組織図の例とつくり方
営業組織図は、 単なる肩書きの配置図ではなく、「業務フロー」と「責任の所在」が一目でわかる実用的なものにすることが大切 です。
例えば、代表直下に営業責任者がいて、その下にインサイド・フィールド・CSを配置する3部門体制などが一般的です。
人数が少ないうちは兼任前提のシンプルな構成で十分でしょう。組織図作成時は“誰がKPIを追うのか”を明示すると運用しやすくなります。

営業組織立ち上げの課題と乗り越え方
初期に起こりやすい営業組織の課題と対応策
立ち上げ初期の営業組織では、業務の属人化、KPI設計の曖昧さ、情報共有の不十分さといった課題が頻出します。
特にスタートアップでは営業が「とりあえず売る人」になりがちですが、それでは再現性が育ちません 。
初期こそ、SFAやSlackで顧客対応の記録を残し、小さな成功パターンを見える化して共有することが大切です。
ノウハウ・型の不在(OJT限界と属人化)
立ち上げ初期の営業は、優秀なメンバーの「勘と経験」に頼りがちですが、それでは再現性が生まれず、人材育成も困難になります。
OJTだけでは限界があると理解し、トーク例・対応フロー・失注事例などをドキュメント化することが重要 です。
シンプルでも「勝ちパターンの型」を早期に作成することで、採用後のオンボーディング効率や、チーム全体の底上げが図れます。
人材不足・採用難(営業組織立ち上げと求人)
営業人材はスキル差が激しく、立ち上げ期に適切な人を採用するのは非常に難しいです。
特にスタートアップでは、即戦力を求めるあまりミスマッチ採用が起こりやすいため注意しましょう。
成功している企業は、採用前に“営業プロセスを見える化”したうえで、どの役割を担ってほしいかを明確に しています。
また、求人票にもミッションや働き方を具体的に書くことで、初期フェーズにフィットする人材を引き寄せやすくなります。
営業組織の立て直しを考えるとき
立て直しが必要な兆候とは
営業組織の立て直しは、売上低迷だけでなく 「メンバーのモチベーション低下」「成果が特定の人に偏る」「目標達成率の大幅なばらつき」 などでも考慮すべきです。
特にスタートアップでは、急成長とともに組織のキャパシティを超えた状態が続くことも多く、小さな課題を放置すると連鎖的に問題が拡大します。
早期発見で対応することが組織再生の鍵です。
評価制度とKPIの見直し
営業組織を立て直す際、評価制度とKPIの見直しは必須です。単純に売上だけを追うと、短期成果に偏りやすく、長期的な顧客育成が疎かになります。
KPIは「商談数」「顧客満足度」「リピート率」など多角的に設定し、メンバーの動機づけを促しましょう 。
スタートアップ特有の流動的な環境にも対応できる柔軟な評価設計が成功のポイントです。
外部支援・コンサル活用の選択肢
営業組織の立て直しで悩む時、外部コンサルや専門支援を活用するのも有効です。
特に経験豊富なコンサルは、 客観的視点から課題を洗い出し、最新の営業手法やテクノロジー導入を提案してくれます 。
ただし、コストだけでなく自社のフェーズや文化に合うかを見極めることが重要です。
支援を受ける前に自社課題の優先順位を整理しておくと、投資効果が高まります。
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営業組織づくりの参考書籍・事例紹介
営業組織設計に役立つおすすめ本3選
『最強の営業戦略』 (栗谷 仁) |
『THE MODEL』 (福田 康隆) |
『訪問しない時代の営業力強化の教科書』(渥美 英紀) |
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営業組織立ち上げの成功事例(BtoB SaaS企業など)
BtoB SaaS企業では、 「PMF(※)前後の営業戦略の切り替え」が成否を分けます 。
あるスタートアップでは、PMF前は創業者自身が営業に立ち、顧客ニーズを徹底的に把握。
PMF達成後に、インサイド→フィールド→CS(カスタマーサクセス)を分業し、KPI連動型の体制に移行しました。成功要因は以下の通りです。
- 創業初期に「売れる人」ではなく「売り方の型」を確立
- スプレッドシートで早期にKPI管理を始めた
- 営業活動の録画・録音を分析し、勝ち筋を言語化
失敗事例から学ぶ、避けたい落とし穴
失敗する営業組織に共通するのは、「PMF前に人を増やしすぎる」こと です。
ある企業では、サービス理解が浅いままジュニア営業を多数採用し、結果として“売れない体制”を作ってしまいました。失敗から学べる教訓は次の通りです。
- 営業組織をスケールさせるのはPMF後
- 初期はトップ層が営業し、勝ち筋を見極める
- KPI未設定のままチームを拡大すると混乱する
- 「属人的な成功」を誤って組織で再現しようとしない
まとめ
営業組織づくりは、単に売上を上げるための仕組みではありません。
市場からのリアルな声を吸い上げ、マーケティングや商品開発に還元する“情報のハブ”としての役割も担います。
特にスタートアップでは、PMF前後で営業体制やKPI設計を柔軟に見直し、属人化を避けて「勝ちパターン」を仕組み化することが重要です。
営業プロセスや役割分担を明確にし、フェーズに合った人材配置・体制を整えることで、強い営業組織が育ちます。
もし「どう設計すればいいかわからない」「既存組織を立て直したい」とお悩みであれば、当社のKANBEI営業代行サービスをご検討ください。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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