2018年現在、一般家庭向けのスマートロックは数多くのメーカーから登場し、バリエーションも増え、市場を賑わせています。スマートロックは、単なる電子キーとしての役割だけでなく、IoT家電と連動することで、今まで見えなかった部分を「見える化」するのが特徴です。 そこで今回紹介するのは、大崎電気工業株式会社が開発した「OPELOシリーズ」。こちらも「見える化」を意識して開発された製品となっています。
大崎電気工業株式会社とは
出典:大崎電気工業株式会社大崎電気工業株式会社は、1916(大正5)年8月に創業した歴史ある会社で、主な事業は計測制御機器事業を行っており、他にも以下のようにさまざまな事業を行っています。
- ・電力量計
- ・エネルギーマネジメントシステム
- ・自動検針システム
- ・スマートホーム関連機器
- ・光通信関連機器
- ・配電盤、分電盤、電力量計の取替工事
- ・分電盤、電力量計の取替工事
- ・その他電気機械器具の製造販売および工事
大崎電気は、100年に渡って培ってきた技術を基に、電力量計やスマートメーターを使って、目に見えないエネルギーを「見える化」してきました。
そして現在は「watch series(ウォッチシリーズ)」として、IoT関連事業も進めています。
「watch series」の概要
大崎電気の「watch series」は『見守る』が創造する、新たな可能性をテーマにサービスを行っているIoT事業です。5つの“watch”からなる「watch series」によって、環境を計測しエネルギーの「見える化」を行っています。
5つの“watch”
・home watch(ホームウォッチ)
ホームウォッチは、スマートフォンやタブレットのアプリから、リモコン付き家電製品(エアコンやテレビなど)の操作と、部屋の状態(温度・湿度・照度・人の有無やドアの開閉)の確認ができます。賃貸物件を管理する不動産会社様にとっては、物件の付加価値向上と他社物件との差別化を図れ、時間とコストをかけずにIoT化を実現できるサービスです。
・store watch(ストアウォッチ)
ストアウォッチは、AIで外部データを集積し、忙しい店長様や本部担当者様に代わって、店舗が必要とする情報を自動的にまとめて収集します。さらにそれを配信することで、マーケティング・分析業務の軽減・高度化を実現します。 今までのPOS解析だけでは、お客さまが「いつ・どんな人が来ているのか」「どこに・どれだけ来るか」「何を・どのくらい求めているのか」がわかりませんでした。
しかしAIによる分析と、よりリアルタイムに近い可視化によって、新たなビジネスチャンスを予測して仕掛けることで、その効果をリアルタイムで確認できるようになるのが特徴です。
・farm watch(ファームウォッチ)
ファームウォッチは、センサーとインターネット通信が可能な集約装置を、ビニールハウスに配置して活用します。手持ちのスマートフォンやタブレットを使って、ビニールハウス内の環境を「見える化」することが可能となるサービスです。ファームウォッチを導入すれば、ビニールハウスの状況(温度・湿度・照度・CO2濃度・土壌水分量)を離れた場所から把握できます。
またさまざまな機器や機能の展開を想定した、高い拡張性を有しており、既存設備機器の遠隔制御やアラーム監視、新型センサーへの対応が可能です。
・town watch(タウンウォッチ)
タウンウォッチはその名の通り、町を見守るサービスです。街の見守りや防災、地域活性で「街での生活のあり方」の新たな提案を行っています。
・factory watch(ファクトリーウォッチ)
ファクトリーウォッチは、防犯カメラやセンサーを使い、工場の設備監視などを行います。AIを使って生産効率をあげる、新たなものづくりのあり方を提案するサービスです。
OPELO(オペロ)の機能・特徴
今回紹介するOPELO(オペロ)は、5つの“watch”の中では、ホームウォッチカテゴリーに当たります。オペロは既存の鍵に後付けで設置できるスマートロックです。
既存の鍵を残したまま、配線工事なしで簡単設置でき、ドアに傷をつけることなく設置可能です。
コンパクトなボディに「解錠履歴3,000件の保存」「オートロック機能」「不正解錠時の警報ブザー」など、高度なセキュリティ機能も搭載しています。
鍵の解錠方法は3種類
「OPELO(オペロ)」の解錠方法は、ICカード・暗証番号(パスワード)・スマートフォンの3種類の方法で開閉する事ができます。賃貸物件などで利用している場合、退去の際も、その都度鍵を交換する必要がなく、電子キーのパスワード変更だけなので簡単です。
期限付きのワンタイムパスワード
一時的な利用を許可するワンタイムパスワードは、1日4回まで発行可能で、なんと2100年まで自動発行が可能となっています。一時的なパスワード設定により、セルフ内覧や民泊での利用もでき、直接鍵を渡す工数もかからずに対応できます。
幅広い「OPELO(オペロ)」シリーズ
実は、オペロはスマートロックだけでなく、集合玄関用の「オペロ エントランス」や、荷物受渡し用の「オペロ ボックス」など、生活に役立つ製品が今後展開予定です。またオペロは、ホームウォッチに対応しています。
ネットワーク経由で、室内環境をスマートフォンアプリでコントロールでき、各種デバイスや外部環境センサーのデータと連動できるサービスも提供しています。
なおオペロアプリをスマートフォンで利用するには、Android4.4以降で採用された「HCE(ホストカードエミュレーション)」機能の利用が必要です。
▶ Google play OPELOアプリケーションのページ
ニュース:ジェイエーアメニティーハウス賃貸物件にOPELO導入
株式会社ジェイエーアメニティーハウスは、大崎電気の提供するスマートホーム向けIoTサービス「ホームウォッチ」を採用し、2018年11月よりジェイエーアメニティーハウスが管理する集合住宅へ、スマートロック「OPELO(オペロ)」の導入を開始しました。2018年9月のジェイエーアメニティーハウスが手がける管理物件の入居率は、96.7%と好調を維持しています。
しかし相続対策を目的とした新築物件の供給や、人口減などを背景に、賃貸市場の競争がますます厳しくなることが想定されています。
そのため今後も好調な入居率を維持するためには、入居者のニーズを積極的に把握し、実現していくことが重要です。
そこでホームウォッチの採用により、管理側の鍵管理に関わるコストを最小限にし、また居住者のデータを「見える化」「蓄積」することで、よりよいサービス提供に向けた業務改善に生かすことが可能になります。
まとめ
今回は、大崎電気が開発した「OPELO(オペロ)」をご紹介しました。「見える化」することに特化した「OPELO(オペロ)」シリーズは、関連サービスの展開とともに、これから普及が進んでいくのではないでしょうか。
しかし「OPELO(オペロ)」は、先ほども解説したようにAndroidの「HCE」に対応したサービスです。
この「HCE」は、日本国内で馴染みあるFeliCaのようなサービスで、主に海外で利用されています。
そのため海外からのお客様向けの民泊に、「OPELO(オペロ)」を利用するには有効な手段ではありますが、日本ではなかなかシェアが少ないのが現状です。現に日本国内においてiPhoneのシェア率は、2018年9月時点で43.9%と、いまだ大きくシェアを維持しています。
現時点で「OPELO(オペロ)」のiPhone用アプリは未実装なため、シェアの拡大を目指すのであれば、この部分も今後の課題の1つとなるのではないでしょうか。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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