そんな経験はありませんか?店舗やオフィスで業務用Wi-Fiの見直しを任されたものの、何を基準に選べばいいのか迷う方も多いはず。
手頃な価格で注目される「Deco M4」は、家庭用イメージが強い一方で、実は法人利用でも十分活用できるスペックを備えています。
この記事では、Deco M4の特徴や法人利用時のメリット、導入のポイントまでをわかりやすく解説します。
目次
▼この記事で紹介している商品
Deco M4とは?法人利用に向いている理由を解説
家庭用と法人利用の違いとは?
Deco M4は、 TP-Linkが提供するメッシュWi-Fi対応ルーターのエントリーモデルとして広く知られています 。元々は家庭用として設計された製品ですが、小規模オフィスや店舗においても、その特性が高いパフォーマンスを発揮します。
家庭用ルーターは、設定の手軽さやデザイン性、家族間での共有を前提とした機能が重視されます。一方で、法人用は以下のような観点が求められます。
- 複数台のデバイスを安定して同時接続できること
- セキュリティ面で安心して業務利用できること
- 事務所全体をカバーする十分な通信範囲
- ITに詳しくなくても設定・運用が容易なこと
Deco M4は、これらの基本要件をコストパフォーマンス良く満たす機種として、業務用の第一歩として選ばれるケースが増えています。
Deco M4の基本スペックとコストパフォーマンス
法人利用において最も気になるのが「本当に業務で使えるスペックなのか」という点です。以下の表は、Deco M4の主要スペックを法人利用の観点から整理したものです。
項目 | 内容 | 法人視点での解説 |
---|---|---|
通信規格 | Wi-Fi 5(IEEE 802.11ac) | Wi-Fi 6非対応だが、小規模オフィスには十分な速度 |
最大通信速度 | 最大867Mbps(5GHz帯) | Web会議・クラウド業務にも対応可 |
同時接続台数 | 最大100台(理論値) | 10〜30台程度の安定利用が現実的 |
メッシュ対応 | ○(Decoシリーズと連携可) | 拠点内の死角をなくせるため、拡張性が高い |
設定管理 | スマホアプリ・Web管理 | 専任の情シスなどがいない環境でも設定しやすい |
Deco M4を法人利用するメリット5選
広範囲をカバーするメッシュWi-Fi
Deco M4の最大の強みは、 複数のユニットを組み合わせることで、オフィス全体に電波が均一に行き渡るメッシュWi-Fiを構築できる 点です。1ユニットあたり最大200㎡、2ユニットなら最大370㎡(※TP-Link公表値)まで対応でき、死角の少ない通信環境を実現します。
たとえば、バックヤードと休憩室など、壁を挟むレイアウトのあるオフィスでは、従来の単体ルーターでは電波が届きにくい問題がありました。 Deco M4なら、ユニットを分散配置することで建物の構造に応じた柔軟なネットワーク設計が可能 です。
また、メッシュネットワークではユニット間で自動的に最適な経路を選び、接続端末が移動してもシームレスに通信が切り替わるため、Web会議中の接続切れなども起きにくくなります。
最大100台の接続に対応|小規模オフィス向け
Deco M4は、 理論上最大100台までのデバイスを同時接続可能 とされています。もちろん実環境ではWi-Fi干渉や通信負荷により多少制限されますが、10〜30人規模のオフィスであれば、PC・スマホ・プリンタなど複数の端末が接続されても安定して運用できます。
安定した接続は、業務効率の維持に直結します。たとえばクラウド会計やグループウェアを導入している企業では、常時接続が必要な端末が増えており、こうした負荷にも対応できるDeco M4は信頼性の高い選択肢となるでしょう。
-
以下のような環境に最適
- ・少人数の事務所+来客のゲストWi-Fi対応
・POSレジやIP電話を利用する小売店舗
・タブレットで接客を行うカフェやクリニック
セキュリティ機能も安心|WPA3対応
法人利用で特に重視されるのがセキュリティ性能です。Deco M4は、 TP-Link独自のセキュリティ機能「HomeCare」に対応しており、WPA3の暗号化技術やマルウェア対策・アクセス制限機能を搭載 しています。
法人用途では、従業員端末とゲスト用のWi-Fiを分けたいというニーズも多いですが、Deco M4ではSSIDを複数設定できるため、ゲスト用ネットワークを別で設けることも可能です。これにより、社内データへの不正アクセスリスクを最小限に抑えることができます。
さらに、TP-Linkのアプリでは不審な接続の通知やアクセス履歴の確認もできるため、IT専任者がいない環境でもセキュリティ状態を可視化できます。
初心者でもかんたん初期設定・運用
Deco M4は、 スマートフォンアプリ「TP-Link Deco」で簡単に初期設定ができ、QRコードをスキャンして数ステップでネットワーク構築が可能 です。設定内容は直感的なUIで案内されるため、ITに詳しくない担当者でもストレスなく導入できます。
このように、設定・管理にかかる工数が少ない点は、日々の業務に追われる兼任総務担当にとって大きなメリットです。運用負担が軽減されることで、トラブル発生時の対応もスムーズになります。
【可能な運用例】- ユーザーの接続台数を確認・制限
- 利用状況のログを可視化
- 新しいユニットの追加もアプリで対応
リピーター・AP・ルーターの3モード切替で柔軟運用
Deco M4は、 1台ごとに「ルーター」「アクセスポイント(AP)」「中継器(リピーター)」の3モード切替が可能 です。これにより、既存のネットワーク構成に合わせて柔軟に組み込むことができます。
たとえば、以下のような構成が可能です。
- 本社では「ルーター」としてネットワークの中心に
- 支店では「中継器」としてカバー範囲を拡張
- ビルにLANが通っている場合は「APモード」で既存ネットワークに追加
この柔軟性により、 「買い替え」ではなく「追加」や「拡張」といった使い方も実現できるため、導入ハードルが下がります 。また、将来的に別拠点のWi-Fiも統一したい場合にも、同一シリーズでの統合運用が可能です。
Wi-Fi環境の見直しをご検討中の方へ
【無料】お問い合わせはこちらDeco M4は法人向けに十分?他機種との比較で検証
Wi-Fi 5(Deco M4)とWi-Fi 6(X20など)の違い
Deco M4はWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)に対応したモデルであり、現行の最新規格である**Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)**とは異なります。Wi-Fi 6は速度・同時接続性能・省電力性に優れた次世代規格であり、通信環境の混雑に強いという特長があります。
とはいえ、小規模オフィスや10〜20台程度の端末利用が前提の場合、Deco M4でも実用上大きな問題はありません。以下に、Wi-Fi 5搭載のDeco M4とWi-Fi 6対応の上位機種Deco X20との主な違いをまとめました。
比較項目 | Deco M4(Wi-Fi 5) | Deco X20(Wi-Fi 6) |
---|---|---|
最大速度(5GHz) | 最大867Mbps | 最大1,201Mbps |
同時接続 | 通常利用で、20〜30台程度まで安定 | OFDMAにより多数の端末でも安定 |
通信の混雑耐性 | 通常レベル | 高い(特に混雑時に差が出る) |
対応規格 | Wi-Fi 5(802.11ac) | Wi-Fi 6(802.11ax) |
価格帯(目安) | 約1〜1.5万円(2台) | 約2.5〜3万円(2台) |
Deco M4はコスト面で優れていますが、 より多端末同時接続や将来的な拡張性を重視する場合は、Wi-Fi 6モデルへの投資を検討 する価値があります。
通信速度・範囲・安定性を比較
通信環境の快適さは、単に速度だけでは測れません。 通信範囲や安定性も、法人利用においては重要な判断軸 です。ここでは、実際に法人向けで検討されることが多い以下の3モデルを比較してみます。
モデル名 | 最大通信速度(理論値) | 推奨接続端末数 | 対応範囲(2台構成) | 特徴 |
---|---|---|---|---|
Deco M4 | 867Mbps(5GHz) | 30台前後 | 約370㎡ | 価格重視・基本性能◎ |
Deco X20 | 1,201Mbps(5GHz) | 40〜60台 | 約370㎡ | Wi-Fi 6・高速・安定性◎ |
Archer AX73(据置型) | 4,804Mbps(5GHz) | 70台以上 | 単体で最大150㎡ | ハイスペックだが中継非対応 |
Deco M4は、 複数拠点やフロアに広がる事務所でも対応可能な範囲と安定性を持ちつつ、価格も抑えられている点が魅力 です。逆に、会議室での高画質動画配信や頻繁なWeb会議などが多い業種では、Deco X20やAXシリーズの導入も検討すべきでしょう。
費用対効果で見る選び方
法人利用で 最も重視されるのが「導入効果に対する費用」 です。特にIT予算に限りのある小規模オフィスでは、過剰なスペックよりも「必要十分な性能を、できるだけ低コストで」導入することが求められます。
Decoシリーズは メッシュネットワークでの混在利用も可能なため、将来X20と組み合わせて使うことも可能 です。これにより、初期はローコスト、将来的にはスムーズな拡張という柔軟な構成が可能となります。
選定基準の例
- 月間通信量が多くない/10〜20台以下 → Deco M4で十分
- Wi-Fi 6対応機器をすでに導入済 → Deco X20などWi-Fi 6が効果的
- 初期コストを抑えつつ、将来拡張も視野 → Deco M4からスタートし、拡張時に上位モデルを追加
Deco M4導入の流れとよくある質問
導入ステップ(設置~運用までの流れ)
-
STEP.1
機器の開封と設置
ルーターとサテライト(子機)を各所に配置。
電源が取れる場所に配置/LANケーブルは1台に接続。 -
STEP.2
スマホアプリでセットアップ
専用アプリ「TP-Link Deco」を使用し初期設定。
ガイドに従いWi-Fi名・パスワードなどを設定。 -
STEP.3
メッシュネットワーク構築
子機が自動的にネットワークに参加。
離れた部屋にもスムーズに接続可能になる。 -
STEP.4
管理設定の最適化
利用端末の確認/ゲスト用SSID設定など。
ビジネス用途に合わせてアクセス制御も可能。 -
STEP.5
利用開始・運用
そのまま業務利用可能で、不審接続通知・利用履歴なども確認でき安心。
このように、 機器の配置から設定完了まで30分程度で完了 します。特別な専門知識は不要で、実際にユーザーからは「スマホだけで設定できて助かった」という声も多く寄せられています。
設定やトラブル時のサポート体制
Deco M4は初期設定こそ簡単ですが、法人利用では「いざという時のサポート体制」も整っています。 TP-Linkはメーカーとしてのサポート窓口を提供しており、公式サイトやアプリ経由でチャット・メール・電話による問い合わせが可能 です。
さらに、法人向けのWi-Fi導入支援を行っているサービス(例:plat wifi)を経由することで、以下のような安心サポートが受けられます。
- 導入前のヒアリングと最適機種の選定サポート
- 複数拠点導入時の機器構成や設定代行
- 導入後の保守・トラブル対応サポート
- 電波干渉などローカル要因に対する改善提案
特に、IT担当者が常駐していない法人や、複数拠点を展開する事業者にとっては、「外部のプロに相談できる安心感」が非常に重要な要素になります。
よくある質問(FAQ)
A
はい、可能です。メッシュWi-Fiの特性により、親機と子機を階ごとに配置することで、上下階でも安定した通信が可能です。
A
はい、SSIDを分けることで社内ネットワークと切り離したゲストWi-Fiの提供が可能です。アクセス範囲の制限も設定できるため、セキュリティも担保できます。
A
壁材によっては電波が届きにくい場合がありますが、ユニット追加により解消できます。
A
基本的には推奨されません。Decoシリーズはメッシュ構築時、同一シリーズでの連携が最も安定します。既存ルーターからの置き換え、またはブリッジ接続を検討してください。
まとめ
Deco M4は、手頃な価格でメッシュWi-Fiの基本機能を備えたコストパフォーマンスに優れたモデルです。
Wi-Fi環境に不安を感じている小規模オフィスや店舗にとって、導入のしやすさ・安定性・管理の簡便さのすべてにおいて“ちょうどいい”選択肢と言えるでしょう。
特にIT担当者が常駐していない企業でも、スマホアプリだけで簡単に設定・運用できる点は大きな魅力です。

この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!