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契約電力とは?電気代を安くしたいなら基本料金の仕組みを理解しよう

コスト削減に積極的に取り組んでいる店舗の経営者の中には、「電気料金を少しでも安くするためにはどうしたらいい?」と悩んでいる方も少なくないでしょう。電気料金を安くする前にまずは電気料金が決まる仕組みをしっかり理解しておくことが必要といえます。

本記事では、電気の基本料金と密接に関わる「契約電力」の仕組みについて解説するとともに、電気代を安くする具体的な方法なども紹介したいと思います。電気料金が決まる仕組みを知っておけば、自分に合った電力会社を選ぶときにきっと役に立つので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

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電気料金を安くする上で知っておきたい「契約電力」

電気料金を安くしたいと思っていても、まずは電気の基本的な仕組みを理解しておく必要があります。まずはじめに基本となる「契約電力」の仕組みについてみていきましょう。

そもそも契約電力とは?

契約電力とは、当月を含んだ過去一年間の各月における最大需要電力のうちで最も大きい値となります。また最大需要電力は、30分ごとの平均電力のうち、月間で一番大きい値のことをいいます。この最大需要電力は、使用する負荷設備が多いほど大きくなります。

では、実際に毎月電力会社から手元に届く検針票(電気ご使用量のお知らせ)では、どこを確認すればいいのでしょうか。 

画像:東京電力の検針票

上記画像の赤枠内に記された数字(XXA:「A」はアンペアの単位)を見ると現在契約している契約電力の大きさが分かります。

例えば、該当欄に「30A」と記載されていた場合、契約電力は30Aです。

契約電力の決定方法

契約電力の決定方法は、「500kw未満」と「500kW以上」で異なります。

契約電力500kw未満の方:実量制

契約電力が500kW未満の場合、 過去1年間の使用電力量のピークに基づいて、ピークタイムに電力不足にならないように契約電力を決める 実量制(実量契約方式)がとられます。

実量制では、当月と直近過去11ヵ月の間の電力利用状況の中で、30分ごとの値(デマンド)を測定して最大値を契約電力と定めます。

1年の大半の平均使用量が低くても、一時的に使用電力量が跳ね上がると契約電力が想定よりも高く設定される可能性があるため、注意が必要です。

 

例えば、7月の最大需要電力が70kWだった場合、契約電力は直近12ヵ月の最大需要電力で決まるため、8月以降の契約電力も70kWとなります。

しかし8月に猛暑日が続き、最大需要電力が100kWに急上昇した場合、9月からの契約電力は70kWではなく100kWに変更され、電気代も大幅に上がります。
その後節電に取り組み、9月の最大需要電力が60kWに低下したとしても、翌年までの契約電力は100kWのまま変わりません。

一時的な最大需要電力量上昇の影響が翌年の電気彫金にも反映されてしまうリスク

このように、実量制では契約電力が電気料金に大きく影響するため、ピークカット/ピークシフトなどによって年間を通して最大需要電力量を減らす取り組みが必要です。

編集部

電力使用量のピークは、最大需要電力(デマンド値)とも呼ばれます。

 

契約電力500kW以上の方

契約電力が500kW以上の場合、 電力会社と利用者の話し合いに基づいて契約電力を個別具体的に決める 協議制(協議方式)が採用されます。

ただし、協議制であっても最大需要電力(デマンド値)から極端に外れた値を契約電力に設定することはありません。

なぜなら、最大需要電力を大きく下回る​​​​​​​契約電力を設定すると、電力需要のピークに必要な電力を補えなくなるからです。

協議制でも、電気料金を削減するには全体の使用電力量だけでなく最大需要電力に目を向ける必要があります。

基本料金を安くしたいなら「契約電力」を下げよう

ここからは、契約電力と密接にかかわる、基本料金を安くする方法をお伝えします。電気代を少しでも安くしたい方はぜひ参考にしてみてください。

「契約電力」の大きさで基本料金が決まる

大手電力会社と結ぶ電気の契約には、さまざまな契約メニューが用意されており、それぞれ基本料金が異なります。まずは、どのメニューが適用されているかをチェックすることが先決です。

ただしメニューに共通することは、契約電力の大きさで基本料金が決まるということです。つまり、契約電力を上げれば基本料金は高くなり、下げることにより基本料金は安くなるのです。
基本的に、電力会社の契約プランは、以下の4つの区分に集約することができます。

特別高圧、高圧大口、高圧小口・・・工場、ビル、大型施設向け
低圧・・・家庭、事務所、小規模店舗、向け 

≪電力会社の主なメニュー種別表≫

区分

契約電力

供給電圧

対象

新電力

産業用

業務用

特別高圧

2,000kW以上

20,000V以上

産業用特別高圧

(大規模な工場)

業務用特別高圧

(大規模なビル・テナントビル・病院等)

2000年3月より自由化開始

高圧大口

2,000kW以上

6,000V

産業用高圧大口(中規模工場)

業務用高圧大口(中規模ビル・スーパー等)

2004年4月より自由化開始

高圧小口

500kW未満

産業用高圧小口

(小規模工場)

業務用高圧小口(小規模ビル)

2005年より自由化開始

低圧

50kW未満

200V

100V

低圧電力(店舗・工場等)

※三相機器を使用

電灯(一般家庭・店舗・事務所)

※単相機器を使用

2016年4月より自由化開始


また、どのタイプの契約メニューにおいても、利用できる電力の上限を「契約電力」として設定します。そして契約電力の大きさで基本料金が決まるようになっています。
エアコンや電子レンジ、テレビなど一気に使用するとブレーカーのスイッチが落ちて電気遮断された経験をした人も少なくないかと思います。これは設置されたブレーカーが契約電力を超えてしまったことで起こる現象となります。

基本的には、余裕のある契約電力のアンペアになっているので、もし「電気がよく落ちて困る」と悩んでいる方は契約電力を大きくすると解決するでしょう。反対に一時的に大きな電力を使用しない方は、低いアンペアのブレーカーに変更してみるのもいいかもしれません。

夏の「使いすぎ」が冬の基本料金にも影響する?

前章でもお伝えしたように、契約電力が500kW未満の小規模ビルに多い高圧小口の契約では、当月を含む過去1年間の各月の最大需要電力(30分ごとに計量された月間で一番大きい値)のうち一番大きい値が契約電力になります。そのため、夏に上昇した契約電力は冬も継続されることになり、それに応じて基本料金も高いままとなってしまいます。

つまり、わずか30分だけ大量の電力を使ったとしてもその後の1年間は高い基本料金が続くことになるのです。
そして、このような仕組みを理解しておらず高額な支払いを続けている店舗や企業がいることも少なくないのが現状です。

契約電力・電気代を下げるための具体的な方法

ここからは実際に、「契約電力」を下げるための具体的な方法を解説したいと思います。

毎月の30分ごとのピーク値を抑さえる

契約電力を下げるには、毎月の30分ごとのピーク値を抑えるという方法が挙げられます。
とくに短時間で使用量が上がりやすい夏の昼間などは、エアコンの温度を上げたり、一度に電力消費をしないように節電することで、電力使用量のピークを抑えることができ、その後の12ヵ月間の基本料金を安くすることが可能です。

このように夏場のピーク値を抑えることは電力不足の解消になるだけでなく、基本料金の引き下げる効果も期待できるといえるでしょう。

待機電力を削減する

電気使用量のうちの5.1%が待機電力といわれています。そのため待機電力を抑えることで電気代を下げることが可能です。
家電を使わないときはコンセントからプラグを抜くといった細かなことの積み重ねで電気代を節約することはできます。もしコンセントから抜くのが面倒な場合は、主電源をOFFにすることも効果的です。

電力会社を見直す

2016年4月よりはじまった電力小売全面自由化により、一般家庭や店舗なども電力会社を自由に選べようになりました。電力会社の見直しを行い、店舗に合った新電力会社に切り替えることで電気代を節約することも可能です。
とくに飲食店や美容室などの事業者の場合、電気の使用量も多いため、年間にすると数千円~数万円ほどの節約も期待できます。

ただし、現在新電力会社は500社以上あり、それぞれの強みがバラバラなのも事実です。
電力会社を見直す場合は、各社の特徴をしっかりと理解した上でどれくらい料金が安くなるのか検針票をもとにシミュレーションをしてみるのがおススメです。それでも不安な場合は、プロに相談して一括見積などをしてもらうことも一つの方法といえるでしょう。

>>新電力会社おすすめランキング10選を徹底比較!結局どこがお得?
>>【保存版】新電力とは?電気代が安くなる仕組みとは?メリット・デメリットをわかりやすく解説!

まとめ

今回は、契約電力の仕組みと電気料金を安くする方法について詳しく解説しました。電気料金を安くするには、基本料金と深く関わりのある契約電力の仕組みや料金体系をしっかり理解しておくことが必要といえます。

また電気料金を下げるには、さまざまな対策もあるため、ぜひ店舗にあった方法でコスト削減を図りましょうね。

>>電力の見直しについて詳しく知りたい方こちら
 

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