「容量の決め方は?」
契約電力とは、事業所が同時に使用できる電力容量を示す重要な指標で、高圧・特別高圧では基本料金を決める際に軸となる要素です。
しかし「具体的な容量はどうやって決まる?」「最大需要電力や契約方式はどう関係する?」「容量を下げて電気代を削減できる?」と疑問や不安を抱える企業も多いでしょう。
本記事では、契約電力の仕組み、低圧・高圧・特別高圧の契約方式の違い、容量の適正な決め方、コストを下げる具体策までわかりやすく解説します。
目次
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契約電力(kW)とは?
契約電力(kW)とは、 事業所や店舗が同時に使用できる電気容量を示す指標 で、電気料金の基本料金を決めるうえで重要な値です。
具体的な容量は、使用機器の合計負荷や最大需要電力をもとに算定され、契約した数値より大きな電力を使うとブレーカーが落ちたり、容量変更工事が必要になったりすることもあります。
適切な契約電力を設定することで、電気代の最適化や業務の安定稼働につながります。
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最大需要電力(=デマンド値)とは?
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最大需要電力とは、過去の一定期間(通常は30分間)において、建物全体が同時に使用した「最も大きな電力(kW)」の値を指します。
高圧契約・特別高圧契約では、この最大需要電力が契約電力を決める基準となり、基本料金に直結する非常に重要な指標です。
▶最大需要電力のまとめポイント
・電気の使用量を「30分ごと」に計測し、その中で最も高かった瞬間の平均値(kW)が最大需要電力
・「いつもは少ないが、一瞬だけ大きく使った」場合でも、そのピークが契約電力に反映されてしまう
・工場・大型店舗・ビルでは、空調・照明・生産機器の同時稼働が重なると一気に高くなる傾向がある
電力契約の種類・区分
| 区分 | 電圧の目安 | 主な対象 | 受電設備 | 契約メニュー例 | メリット | 代表的な用途 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 低圧 | 100V/200V |
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| 高圧 | 6,000V(6kV) |
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高圧受電設備(キュービクル)が必要 |
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| 特別高圧 | 22kV〜数十kV |
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専用変電設備・高度な電力管理が必要 |
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電力契約は主に 「低圧」「高圧」「特別高圧」 の3つに区分されます。
飲食店・小規模オフィス・一般家庭は主に100V/200Vの低圧契約を利用します。
一方、工場・大型店舗・中規模ビルでは6,000Vを受電する高圧契約、大規模商業施設・工場・データセンターでは2万V〜数十kVを受電する特別高圧が一般的です。
設備規模や使用電力量に応じて最適な契約区分を選ぶことがコストの最適化につながります。
契約している電圧の種類の確認方法
契約している電圧の種類は 「電力会社の検針票」「請求書」「契約申込書」で確認 できます。
低圧なら“従量電灯”“低圧電力”と記載され、高圧なら“高圧電力(6kV)”、特別高圧なら“特別高圧電力(22kVなど)”と明記されています。
なお、建物にキュービクル(高圧受電設備)が設置されている場合は高圧以上が確定です。設備図面や電気主任技術者への確認でも正確に把握できます。
▶高圧電力のギモン、ぜんぶ解決します!
高圧電力の総合情報サイト「高圧電力ガイド」では、 高圧電力の仕組みや契約条件・方法、低圧電力との違いをわかりやすく解説 します。
飲食店・小売・工場・オフィスなど業種別の電力活用ポイントも紹介。
電気料金の削減・見直しに役立つ実践情報をまとめているので、導入前の不安もこれひとつで解決します。
高圧電力ガイドをチェック!電気料金が決まる仕組み
| 電気料金の構成項目 | 用語説明 |
|---|---|
| 基本料金 |
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| 電力量料金 |
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| 燃料費調整額 |
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| 市場価格調整額 |
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| 再生可能 エネルギー 発電促進賦課金 |
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電気料金は基本的に、 「基本料金+電力量料金±燃料費調整額±市場価格調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金」 の5項目で構成されています。
基本料金は契約電力(kW)で決まり、電力量料金は使用量(kWh)に応じて増減します。
また、石油・LNGなどの燃料価格変動を反映する燃料費調整額、卸電力市場の価格を反映する市場価格調整額は毎月変動する項目です。
再エネ賦課金は全国一律で加算され、全体の電気代に影響します。
kWとkWhの違い
kW(キロワット)は「瞬間的な電気の力の大きさ」 、kWh(キロワットアワー)は「1時間あたりどれだけの電力を使ったか」(=電気の使用量)を示す指標です。
kWh(キロワットアワー)は通常、「kW(キロワット)×電気を使用した時間」で算出されます。
例えば、2kWのエアコンを5時間使用した場合、10kWh消費したことになります。契約電力で重要なのはkWで、料金に影響するのは主にkWhです。
契約電力(kW)とアンペア(A)の違い
契約電力(kW)は主に事業所向けの契約容量 、アンペア(A)は家庭向けの契約容量の考え方です。
A(電流)は「V(電圧)×W(電力)」の関係で成り立ち、家庭では30A・40Aといった単位で契約します。
一方、店舗・工場などは最大需要電力をもとにkWで契約するケースが一般的です。
規模が大きくなるほどアンペア契約では管理できなくなり、より正確に容量を把握できるkW契約に移行します。
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契約電力の決め方は、低圧・高圧・特別高圧で大きく異なります。
低圧では主に「主開閉器契約」「負荷設備契約」の2種類を基準に決まり 、 高圧・特別高圧では「実量制」「協議制」「変圧器容量」 など、より精密な算定方法が採用されます。
正しく算定しないと、基本料金が割高になったり、逆に容量不足で設備が停止する恐れもあります。業態に合わせて最適な契約方式を選定することが重要です。
| 区分 | 電圧の目安 | 主な対象施設 | 契約電力の決め方 | 主な契約方式の例 | 年間コストの目安 |
|---|---|---|---|---|---|
| 低圧 | 100V/200V | 一般家庭、小規模店舗、小規模オフィス、美容室 |
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| 高圧 | 6,000V(6kV) | 中〜大型ビル、大型店舗、小〜中規模工場 |
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| 特別 高圧 |
22kV〜数十kV | 大規模工場、商業施設、データセンター、病院 |
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低圧契約の場合
低圧契約は、店舗・オフィス・住宅など小規模な施設が対象で、比較的シンプルな方法で契約電力が決まります。
主に 「主開閉器(ブレーカー)の容量で決める方法」 と 「設備の合計負荷で決める方法」 の2つが採用されます。
契約アンペア数は、同時に使用する家電や設備の消費電力によって適切な容量が変わる仕組みのため、エアコンの増設や厨房機器の追加など、同時使用する機器が増えるタイミングで見直すことが重要です。
| 主開閉器契約 | 負荷設備契約 | |
|---|---|---|
| 契約電力の決め方 | 主開閉器(ブレーカー)の容量で決定 | 建物内の電気機器の合計負荷(kW)で決定 |
| 主な対象 | 家庭、小規模店舗、設備変動が少ない建物 | 飲食店、美容室、設備が多い小規模事業者 |
| 特徴 | 契約方法がシンプルでわかりやすい | 実使用に応じた契約が可能で無駄を減らせる |
| メリット | 工事不要でスピーディに契約できる | 同時使用率を考慮するため最適な容量設定が可能 |
| デメリット | ブレーカー容量が大きいと基本料金が割高になる | 機器の追加・入れ替え時に再計算が必要 |
| 向いているケース | 使用負荷が少なく変動の少ない建物 | エアコン・厨房など複数機器を同時使用する業態 |
主開閉器契約
主開閉器契約は、 主ブレーカー(主開閉器)の容量をもとに契約電力を決める方式 です。
例えば「60Aのブレーカー=6kVA(約6kW)」というように、アンペア値をそのまま契約電力に換算します。
設備の増設が少ない家庭や小規模店舗に向いており、負荷計算が不要で主ブレーカーの容量だけで契約電力を決定できる点が大きなメリットです。
ただし、実際の負荷よりも大きいブレーカーを設置している場合は、契約電力が過大になり基本料金が割高になる点に注意が必要です。
負荷設備契約
負荷設備契約は、 照明・エアコン・厨房機器など、建物内に設置された「全ての電気機器の合計負荷(kW)」をもとに契約電力を決める方式 です。
飲食店や美容室など、複数の機器を使用する業態に適した契約方式です。
同時に稼働する機器だけを基準に契約電力を決められるため、不要に契約容量を大きくせず、基本料金を適正な水準に抑えられます。
- 単相(100V/200V)
L 照明、コンセント機器、パソコン、レジ、家庭用エアコンなど、小型〜中型機器に使われる一般的な電源方式 - 三相(200V/400V)
L 業務用エアコン、大型冷蔵庫、ポンプ、コンプレッサーなど、大きな電力を必要とする設備で使用
工場や飲食店舗では、電力を効率よく供給できるため三相が採用されやすい
高圧契約・特別高圧契約の場合
高圧・特別高圧契約では、 建物全体の最大需要電力や受電設備の仕様に基づいて契約電力を決定 します。
特に工場や大型商業施設では、時間帯・季節による負荷変動を踏まえた算定が必須で、電力会社との相談により契約方式が決まることが多いです。
| 実量制 | 協議制 | 変圧器容量による契約 | |
|---|---|---|---|
| 契約電力の決め方 | 過去1年間の「30分最大需要電力の平均値」で算定 | 需要家の運用計画・設備構成をもとに電力会社と協議して決定 | 受電設備に設置された変圧器(kVA)の容量をベースに設定 |
| 対象 | 工場、中規模ビル、大型店舗の高圧小口契約 | 大規模工場、商業施設、データセンター、病院など | 高圧・特別高圧の一部需要家(設備仕様に依存) |
| 特徴 | 使用状況に応じて契約電力が毎年変動 | 事業計画に合わせて柔軟な容量設定が可能 | 設備上の上限容量が明確で、算定がシンプル |
| メリット | ピークカットで翌年度の基本料金を削減できる | 増設や運用方法に応じて最適な契約に調整できる | 設備容量が明確で、過小・過大契約を判断しやすい |
| デメリット | 一時的な高負荷でも契約電力が上昇してしまう | 協議に時間がかかり専門知識が必要 | 変圧器容量が大きすぎる場合は基本料金が割高になる |
| 向いているケース | 負荷変動が多く、ピーク管理でコスト削減したい企業 | 大規模で安定的に電力を使用する業態 | 設備容量が明確で、更新計画に合わせて契約を管理したい企業 |
| 例となる数値 | 例:最大需要電力120kW → 契約電力120kW | 例:協議により500kW・800kWなど柔軟に設定 | 例:500kVAの変圧器 → 契約電力約500kW |
実量制:50〜500kW未満の高圧小口
実量制は、 過去1年間の「30分ごとの最大需要電力の平均値」をもとに契約電力を決める方式 です。
高圧小口(50〜500kW未満)で一般的に適用され、電気の使い方によって基本料金が毎年見直されます。
瞬間的に大きな負荷がかかると最大需要電力が上昇し、翌年度の契約電力が上がって基本料金も増えてしまいます。
そのため、空調や生産設備の立ち上げをずらす・デマンド監視装置で負荷を制御するなど、ピークを作らない運用が不可欠です。
工場や商業施設では、この対策だけで年間数十万〜数百万円規模の削減につながることもあります。
協議制:500kW以上の高圧大口・特別高圧
協議制は、 高圧大口(500kW以上)や特別高圧契約で採用される方式 で、電力会社と協議して契約電力を決定します。
需要パターン、設備構成、年間運用計画などを総合的に判断し、適切な契約容量を設定する高度な方式です。
過大契約は基本料金の無駄につながり、逆に過小契約は設備トラブルの原因になるため、エネルギー管理士や電気主任技術者による精密な診断が必要となります。
変圧器容量で決めることもある
一部の高圧・特別高圧契約では、 受電設備に設置されている変圧器(トランス)の容量を基準に契約電力を決める 場合があります。
例えば「500kVAの変圧器=約500kW」が上限となり、それ以上の負荷をかけると変圧器が供給できず、電圧低下や保護遮断が発生する恐れがあります。
そのため、設備更新や増設で使用電力が増える際は、変圧器容量と負荷のバランスを必ず確認することが重要です。
もし変圧器容量に余裕がない場合は、変圧器の増設や契約電力の見直しを行うことで、過大・過小契約を防ぎ、基本料金を適正化できます。
契約電力を下げると電気料金を削減できる?
契約電力は基本料金の算定基準となるため、 適切に下げることができれば年間の電気料金を大幅に削減できます 。
特に高圧契約では「契約電力(kW)×基本料金単価」がそのまま固定費となるため、1kW下げるだけで年間数千〜数万円の削減効果が出るケースもあります。
ただし、過小契約にすると設備が停止したり、最大需要電力の上昇で翌年の契約電力が再度引き上げられることもあるため、運用と設備状況を踏まえて慎重に見直すことが重要です。
契約電力を下げる方法
- ピークカット
- ピークシフト
- 電子ブレーカーを導入する
- デマンドコントロールシステムを導入する
- 電力会社の見直し・乗り換えもおすすめ
ピークカット
ピークカットは、 電力使用が最も高くなる時間帯に“使いすぎ”を防ぐ取り組み で、最大需要電力を直接下げられる効果があります。
具体的には、空調を段階的に立ち上げる、ヒーターや大型モーターの同時起動を避ける、不要な照明や機器をピーク前に停止するなどの方法があります。
ピーク時の数分〜数十分の制御でも最大需要電力が大きく変動するため、高圧契約の基本料金削減に最も即効性のある対策です。
ピークシフト
ピークシフトは、 電力需要が高い時間帯を避けて使用時間を調整し、電力需要を分散させる取り組み です。
例えば、製造ラインの稼働を昼から夜間にずらす、電気温水器の稼働を深夜に切り替える、蓄電池を活用して日中のピーク需要を夜間使用に置き換えるといった方法があります。
ピークカットほど即効性はありませんが、年間を通じて安定して最大需要電力を抑えられるため、確実な基本料金削減につながります。
電子ブレーカーを導入する
電子ブレーカーは、 従来の熱動式ブレーカーより細かい電流監視と制御が可能 で、実際の使用状況に合わせてより“ぎりぎりの容量”で運用できる点が特徴です。
同じ負荷でも従来のブレーカーよりアンペア契約を下げられる場合があり、飲食店や小規模店舗の低圧契約では基本料金の削減につながります。
ただし、過小契約による頻繁な遮断や安全性の問題が起こらないよう、導入前に負荷計測や現場調査が必要です。
デマンドコントロールシステムを導入する
デマンドコントロールシステムは、30分ごとの電力使用量をリアルタイムで監視し、 最大需要電力(デマンド値)が閾値に近づくと自動で空調・換気・電熱機器などを制御する仕組み です。
工場や大型施設では、複数の設備が同時稼働した瞬間にデマンドが跳ね上がりやすいため、自動制御によって“超過しない運用”を確実に実現できます。
年間で数十万〜数百万円の基本料金削減につながるケースも多く、投資対効果の高い施策です。
電力会社の見直し・乗り換えもおすすめ
契約電力の最適化とあわせて「電力会社の見直し」も大きな削減効果が期待できます。
小売電気事業者ごとに、基本料金単価や電力量料金の構成、調整額の計算方法が大きく異なるため、 同じ契約電力でも年間コストが10〜30%変わる ことがあります。
特に高圧契約では、市場連動型・定額型・時間帯別など多様なプランがあり、業態や運用に合わせて選ぶことが重要です。
複数社の見積もり比較を行うことで最適な料金プランを見つけられます。
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【無料】お問い合わせはこちら契約電力に関するよくある質問
A
法人の電力契約は、契約開始日から年度末の3月31日までが一般的で、申し出がない限り自動更新されます。
途中解約では違約金が発生する場合があるため、切り替え時は更新月や精算金の有無を必ず確認し、総合的にコストメリットを判断することが重要です。
A
契約電力3kWは、一般家庭の30A程度に相当し、電子レンジ・ドライヤー・電気ポットなど1,000W級の家電を3つ同時に使うと上限に達する目安です。
A
契約電力5kWは、小規模店舗や事務所で使われる容量で、家庭用より余裕があり、エアコン+PC機器+照明程度なら安定して運用できます。
A
受電電圧とは、建物や工場が電力会社から受け取る電気の電圧(V)のことです。
一般家庭は100V・200Vの「低圧」、工場やビルは6,000Vの「高圧」、大型施設は22,000V以上の「特別高圧」で受電します。
まとめ
契約電力は、基本料金を左右する重要な指標であり、高圧・特別高圧では最大需要電力や契約方式によって年間コストが大きく変わります。
ピークカット・デマンド管理・設備見直しなどで削減は可能ですが、自社だけで最適な契約や電力会社を選ぶのは難しいのも事実です。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!