「補助額や補助率は?いくらもらえる?」
「申請枠の概要や要件、事業スケジュールを知りたい!」
デジタル化・AI導入補助金では、昨年まで実施されていた「IT導入補助金」の制度内容が整理され、“AI活用”がより重視されるようになりました。
正しく活用すれば最大450万円の補助を受けられますが、申請枠の選択や事業計画の作り方を誤ると採択は難しくなります。
本記事では、2026年最新版のデジタル化・AI導入補助金について、5つの申請枠の違いから具体的なAIツール事例、採択率を上げるポイントまでをわかりやすく解説します。
自社に最適な制度を見極め、補助金を活用して成果につながる投資を実現するための実践ガイドとしてお役立てください。
目次
デジタル化・AI導入補助金2026とは?今すぐ活用すべき理由
デジタル化・AI導入補助金は、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援し、中小企業の生産性を高める ための国の支援制度です。
最大の特徴は、従来のIT化支援から一歩進み、「AI活用による業務変革」まで対象を拡大した点にあります。
補助金を活用すれば、初期費用の負担を抑えながら本格的なDXを進められるため、投資判断に迷っていた企業にとって大きな後押しとなるでしょう。

編集部
制度を正しく理解し、戦略的に活用することが重要です。
デジタル化・AI導入補助金2026の公式チラシはこちら!
IT導入補助金との違い|なぜ“AI重視”に変わったのか
2026年版では、従来のIT導入補助金と比べて「AI活用」がより明確に打ち出されています。 背景にあるのは、慢性的な人手不足と中小企業の生産性格差 です。
単なる会計ソフト導入だけでは十分な効果が出にくく、業務そのものを変革するAI技術の活用が政策的に求められています。
例えば、AI-OCRで請求書入力を自動化したり、需要予測AIで在庫ロスを削減したりする取り組みは、売上向上やコスト削減に直結します。こうした「数値で効果を示せる投資」が評価されやすくなりました。
つまり、IT導入からAI活用へと軸足が移ったことで、補助金はより戦略的な経営ツールへ進化したといえます。補助対象となるツール
デジタル化・AI導入補助金の対象となるITツール(ソフトウェア、サービス等)は 事前に事務局の審査を受け、補助金HPに公開(登録)されているもの となります。※1
また、相談対応等のサポート費用やクラウドサービス利用料等も補助対象に含まれます。
※1 複数者連携デジタル化・AI導入枠を除きます
登録申請等のスケジュール
IT導入支援事業者の登録申請、ITツール(ソフトウェア、サービス等)の登録申請、交付申請期間のいずれも、 2026年3月30日(月)10:00~ 開始の予定です。
なお、複数者連携デジタル化・AI導入枠に関しては、他の申請枠と締切日等が異なる場合があるため注意が必要です。
▶【公式】事業スケジュール | デジタル化・AI導入補助金2026
いくらもらえる?補助額・補助率
本制度では、申請枠に応じて最大450万円まで補助を受けられます。補助率は1/2~2/3程度(申請枠や事業規模、補助項目によって変動)で、 小規模事業者ほど有利になる傾向 があります。
制度を活用することで、自己負担を抑えながら高度なAIツールを導入できる点が大きな魅力です。
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申請枠ごとの補助額・補助率を詳しくみる【一覧】
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※1:令和6年10月~令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合の補助率は、2/3以内
補助率 補助額 通常枠 1/2以内、2/3以内※1 - 1プロセス以上:5万円以上150万円未満
- 4プロセス以上:150万円以上450万円以下
インボイス枠
(インボイス対応類型)(ソフトウェア)
3/4以内、4/5以内
※中小企業は3/4以内、小規模事業者は4/5以内50万円以下
※「会計」・「受発注」・「決済」のうち1機能以上を有することが機能要件(ソフトウェア)
2/3以内50万円超〜350万円以下
※50万円以下については3/4(小規模事業者は4/5)、50万円超については2/3
※「会計」・「受発注」・「決済」のうち2機能以上を有することが機能要件(ハードウエア)
1/2以内- PC・タブレット等:10万円以下
- レジ・券売機等:20万円以下
インボイス枠
(電子取引類型)- 中小企業、小規模事業者等:2/3 以内
- その他の事業者等※2:1/2以内
(下限なし)~350万円以下 セキュリティ対策推進枠 - 小規模事業者:2/3以内
- 中小企業:1/2以内
5万円~150万円 複数者連携デジタル化・AI導入枠 基盤導入経費※6 (ソフトウェア)
3/4以内、4/5以内※350万円(1構成員当たり) (ソフトウェア)
2/3以内※350万円超〜350万円(1構成員当たり) (ハードウェア)
1/2以内- PC・タブレット等:10万円(1構成員当たり)
- レジ・券売機等:20万円(1構成員当たり)
消費動向等分析経費※4※6 2/3以内 50万円(1構成員当たり) その他経費※4 2/3以内 200万円※5
※2:インボイス枠(電子取引類型)では、中小企業・小規模事業者等と受発注の取引を行っている事業者(大企業含む)が対象
※3:補助額のうち50万円以下については補助率は3/4以内(ただし、小規模事業者は4/5以内)、50万円超については補助率は2/3以内
※4:補助事業グルーブ全体の補助上限額
※5:補助額上限は【基盤導入経費と消費動向等分析費の合計額】×10%×2/3(補助率)もしくは200万円のいずれか小さい額
※6:基盤導入経費と消費動向分析経費の合計額は3000万円が上限
対象企業:中小企業・小規模事業者
対象は中小企業・小規模事業者で、 業種や資本金、従業員数の条件を満たせば申請可能 です。
なお、補助金申請者は、デジタル化・AI導入補助金事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請することが必要となります。※1
自社が該当するかを早めに確認し、計画的に準備を進めることが成功への第一歩です
※1 複数者連携デジタル化・AI導入枠を除きます
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本制度における「中小企業・小規模事業者等」の定義
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日本国内で法人登記(法人番号が指定され国税庁が管理する法人番号公表サイトにて公表されている)され、日本国内で事業を営む法人または個人である生産性向上に資するITツールを導入する中小企業・小規模事業者等を指します。
中小企業
飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業のほか、製造業や建設業等も対象です。
| 業種分類・組織形態 | 資本金 (資本金の額または出資の総額) |
従業員 (常時使用する従業員) |
|---|---|---|
| 1.製造業※、建設業、運輸業 ※ゴム製品製造業を除く |
3億円 | 300人 |
| 2.卸売業 | 1億円 | 100人 |
| 3.サービス業 ※ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く |
5,000万円 | 100人 |
| 4.小売業 | 5,000万円 | 50人 |
| 5.ゴム製品製造業 ※自動車または航空機用タイヤおよびチューブ製造業ならびに工業用ベルト製造業を除く |
3億円 | 900人 |
| 6.ソフトウェア業または情報処理サービス業 | 3億円 | 300人 |
| 7.旅館業 | 5,000万円 | 200人 |
| 8.その他の業種(上記以外) | 3億円 | 300人 |
| 資本金 (資本金の額または出資の総額) |
従業員 (常時使用する従業員) |
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|---|---|---|
| 9.医療法人、社会福祉法人 | - | 300人 |
| 10.学校法人 | - | 300人 |
| 11.商工会・都道府県商工会連合会および商工会議所 | - | 100人 |
| 12.中小企業支援法第2条第1項第4号に規定する中小企業団体 | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
| 13.特別の法律によって設立された組合またはその連合会 | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
| 14.財団法人(一般・公益)、社団法人(一般・公益) | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
| 15.特定非営利法人 | - | 主たる業種に記載の従業員規模 |
※9~15に関しては、資本金は問わず、従業員数のみ記載以下である場合に対象
小規模事業者
| 業種・組織形態 | 従業員 (常時使用する従業員) |
|---|---|
| 1.商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く) | 5人以下 |
| 2.サービス業のうち宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
| 3.製造業その他 | 20人以下 |
▶公式サイトで申請対象者についてチェック
自社はどれを選ぶ?5つの申請枠の概要と比較
デジタル化・AI導入補助金には、「通常枠」「インボイス枠(対応類型)」「インボイス枠(電子取引類型)」「セキュリティ対策推進枠」「複数者連携デジタル化・AI導入枠」という5つの申請枠があります。【通常枠】生成AI・業務効率化ツールを入れるならここ
業務効率化や生成AIツールを導入したい場合、まず検討すべきなのが通常枠です。
対象となるソフトウェアの範囲が広く 、AI-OCRやチャットボット、在庫管理システムなど幅広い業務ツールに対応しています。
補助の目的:自社の課題にあったITツールを導入し、労働生産性の向上をサポート
補助率・補助額
| 補助率 | 補助額 |
|---|---|
| 1/2以内、2/3以内※ |
|
補助対象
| ソフトウェア【必須】 | オプション | 役務 |
|---|---|---|
| ソフトウェア購入費、ク ラウド利用料(最大2年分) |
|
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▶ITツールの要件など、詳細を公式サイトでチェック【通常枠 | デジタル化・AI導入補助金2026】
【インボイス枠(対応類型)】会計ソフト・PC・レジを安く導入
インボイス制度への対応を目的とする場合は、インボイス枠(対応類型)が適しています。
この枠の強みは、会計ソフトや受発注システムだけでなく、 PCやタブレット、レジといったハードウェアも補助対象になる 点です。小規模事業者にとって初期投資を抑えられるメリットは大きいでしょう。
例えば、インボイス対応のクラウド会計ソフトとあわせて新しいレジを導入するケースが代表的です。
補助率も高めに設定されているため、自己負担を抑えながら一括で環境整備が可能になります。
補助の目的:インボイス制度に対応した「会計」・「受発注」・「決済」の機能を有するソフトウェア、PC・ハードウェア等を導入し、インボイス制度への対応をサポート
補助率・補助額
| 補助率 | 補助額 |
|---|---|
| 3/4以内、4/5以内※1 | 50万円以下※2 |
| 2/3以内 | 50万円超〜350万円以下※3※4 |
- ※1:中小企業は3/4以内、小規模事業者は4/5以内
- ※2:「会計」・「受発注」・「決済」のうち1機能以上を有することが機能要件
※4:「会計」・「受発注」・「決済」のうち2機能以上を有することが機能要件
▼PC・ハードウェア等
| 補助率 | 補助額 |
|---|---|
| 1/2以内 |
|
補助対象
| ソフトウェア【必須】 | オプション | 役務 |
|---|---|---|
| インボイス制度に対応しており、かつ「会計」・「受発注」・「決済」の機能を1種類以上有するソフトウェア |
|
|
| ハードウェア |
|---|
| PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機 POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機 ※ハードウェアを補助対象として申請する場合は、そのハードウェアがソフトウェアの使用に資するものであること。 ※ハードウェアのみの申請は不可である。 |
【インボイス枠(電子取引類型)】取引先にシステムを無償提供する場合
取引先との電子化を進めたい場合は、電子取引類型が有効です。この枠では、 発注側企業が費用を負担し、受注側に無償でシステムアカウントを提供する形が想定 されています。
サプライチェーン全体でのデジタル化を後押しする制度といえます。
例えば、受発注クラウドを導入し、取引先にも同じシステムを利用してもらうことで、請求や支払い業務を一元化可能。結果として、入力ミスや確認作業が減り、双方の業務負担が軽減されます。
自社単体ではなく、取引先を含めた効率化を目指す企業にとって有力な選択肢です。
補助の目的:インボイス制度に対応した「受発注」の機能を有するソフトウェアを導入し、労働生産性の向上およびインボイス制度への対応をサポート
補助率・補助額
| 補助率 | 補助額 |
|---|---|
| 中小企業・小規模事業者等:2/3 以内 | (下限なし)~350万円以下 |
| その他の事業者等※1:1/2 以内 |
- ※1:インボイス枠(電子取引類型)では、中小企業・小規模事業者等と受発注の取引を行っている事業者(大企業含む)が対象です。
補助対象
| 受発注ソフト |
|---|
| インボイス制度に対応した「受発注」の機能を有しているものであり、かつ取引関係における発注側の事業者としてITツールを導入する者が、当該取引関係における受注側の事業者に対してアカウントを無償で発行し、利用させることのできる機能を有するクラウド型のソフトウェア |
【セキュリティ対策推進枠】サイバー攻撃対策を補助金で強化
情報漏えいリスクやランサムウェア対策を強化したい企業に適しています。近年、中小企業もサイバー攻撃の標的となっており、防御体制の構築は経営課題の一つです。
この枠では、 サイバーインシデントに起因する事業継続の困難等、生産性向上を阻害するリスクを低減するとともに、供給制約やそれに起因する価格高騰といった潜在的リスクを低減 することを目的としています。
万が一の事故は信用失墜につながるため、予防投資の価値は高いといえるでしょう。補助の目的:サイバー攻撃の増加に伴う潜在的なリスクに対処するため、サイバーインシデントに関する様々なリスク低減策をサポート
補助率・補助額
| 補助率 | 補助額 |
|---|---|
|
5万円~150万円 |
補助対象
▶ITツールの導入費用およびサービス(最大2年分)
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されており、かつIT導入支援事業者によりITツール登録されたサービスについて、交付申請(「サイバーセキュリティお助け隊サービス」単品での申請)を行うことができます。
【複数者連携デジタル化・AI導入枠】商店街・グループ企業でAI導入するなら
10者以上の事業者が共同で申請し、面的なDXを実現する仕組みです。単独では難しい大規模投資も、連携することで実行しやすくなります。
サプライチェーンや商業集積地の複数の中小企業・小規模事業者等が 連携してITツールを導入することにより、面的なデジタル化、DX の実現や、生産性の向上を図る のが目的です。
「通常枠」よりも補助率を引き上げ、複数社へのITツールの導入を支援するとともに、効果的に連携するためのコ ーディネート費や取り組みへの助言を行う外部専門家に係る謝金等を含めて支援します。
例えば、商店街全体でAIカメラを導入し、来店データを分析して販促に活用する取り組みなど、個社最適ではなく、エリア全体の競争力強化を目指す場合に効果的な枠組みです。
補助の目的:業務上つながりのある「サプライチェーン」や、特定の商圏で事業を営む「商業集積地」に属する複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツールを導入し、生産性向上を図る取り組みをサポート
補助対象者
- 商工団体等(例)商店街振興組合、商工会議所、商工会、事業協同組合 等
- 当該地域のまちづくり、商業活性化、観光振興等の担い手として事業に取り組むことができる中小企業者または団体(例)まちづくり会社、観光地域づくり法人(DMO)等
- 複数の中小企業・小規模事業者等により形成されるコンソーシアム
補助率・補助額
| 補助対象経費 | 補助率 | 補助上限額 | |||
|---|---|---|---|---|---|
| 基盤導入経費 | ソフトウェア | 3/4以内、4/5以内※1 | 50万円(1構成員当たり) | 3000万円※2 | |
| 2/3以内※1 | 50万円超〜350万円(1構成員当たり) | ||||
| ハードウェア | PC・タブレット等 | 1/2以内 | 10万円(1構成員当たり) | ||
| レジ・券売機等 | 20万円(1構成員当たり) | ||||
| 消費動向等分析経費※4 | 2/3以内 | 50万円(1構成員当たり) | |||
| その他経費※4 | 2/3以内 | 200万円※3 | |||
※2:基盤導入経費と消費動向分析経費の合計額は3000万円が上限
※3:補助額上限は【基盤導入経費と消費動向等分析費の合計額】×10%×2/3(補助率)もしくは200万円のいずれか小さい額
※4:補助事業グルーブ全体の補助上限額
補助対象
| 基盤導入経費 | 消費動向等分析経費 | その他経費 |
|---|---|---|
| ITツール:「会計・受発注・決済」の機能を保有するソフトウェアとそのオプション、役務およびそれらの使用に資するハードウェア | 異業種間の連携や地域における人流分析・商取引等の面的なデジタル化に資するソフトウェアとそのオプション、役務、ハードウェア | 参画事業者のとりまとめに係る事務費、専門家費 |
「複数者連携デジタル化・AI導入枠」の取り組みイメージ
商業集積地等における消費動向等を分析するシステム等を導入し、データの収集・分析によりデジタルマーケティングを行うことで、 当該地域の来街者増や回遊性向上等を図り、生産性向上につなげる 。
- 地域にAIカメラ(来街者の属性や回遊データ) + 個店にPOSデータ分析システム(各店舗の購買データ)
→ 回遊性等の分析結果と店舗の売れ筋等を比較し、商品構成の見直しなどにつなげる - 地域にビーコン(来街者に情報を発信) + 個店にAIカメラ(各個店の消費者動向データ)
→ 各個店のターゲット層に近い来街者に向け、効果的な情報発信を行う - 地域に電子地域通貨 + 個店に分析アプリ
→消費者の購買状況を踏まえた効果的な情報発信を行い、来街を促進 - 地域にセンサー技術(人流・気象・交通量等)
→ 来街者等のデータをもとに各店舗が需要予測を行い、業務効率の改善を行う
【診断チャート】3分でわかる!あなたに最適な申請枠
最適な申請枠を選ぶには、自社の目的を明確にすることが重要 です。目的別に整理すると、選択肢は自然と絞られます。
▼目的別の利用枠例
| 目的 | 利用枠 |
|---|---|
| 生成AI・業務自動化 | 通常枠 |
| 会計・レジ導入 | インボイス枠(対応類型) |
| 取引先と電子化 | 電子取引類型 |
| セキュリティ強化 | セキュリティ枠 |
| 商店街・連携導入 | 複数者連携枠 |
まずは自社の課題を書き出し、どの投資が最も成果につながるかを整理しましょう。目的と制度を一致させることが、採択への近道になります。
補助金で何が買える?おすすめAIツール導入事例
デジタル化・AI導入補助金は、単なるITツール導入支援ではありません。業務の効率化や売上向上に直結する「AI機能」を備えたツールが対象となります。
重要なのは、AIという言葉だけでなく、 生産性向上につながる具体的な機能があるかどうか です。
ここでは、実際に導入効果が見込みやすい代表的な事例を解説します。
補助対象になる「AI機能」とは?(生成AI・OCR・需要予測など)
補助対象となるAI機能は、「業務改善に資する仕組み」であることが前提です。なぜなら、審査で重視されるのが生産性向上や付加価値向上だからです。
単なるチャットツールや汎用ソフトではなく、AIによる自動化や分析機能が組み込まれていることがポイントになります。
▼代表的な機能
| AI機能 | 主な用途 |
|---|---|
| 生成AI | 文書作成・提案書作成 |
| AI-OCR | 請求書・伝票の自動読み取り |
| 需要予測AI | 売上予測・在庫最適化 |
| AIチャットボット | 問い合わせ自動対応 |
例えば、生成AIを使って営業資料を自動作成すれば作業時間を削減できます。 AI機能が業務フローをどう改善するのかを明確にできれば、補助対象として評価されやすくなります 。
事例1: AI-OCRで経理業務を半分に
経理業務の効率化を目指すなら、AI-OCRの導入が有効です。
AI-OCRとは、紙の請求書や領収書を読み取り、自動でデータ化する技術のことを指します。 手入力作業を減らせるため、作業時間とミスの両方を削減 できます。
例えば、毎月200件の請求書処理に1件あたり5分かかっていた企業では、AI導入後に入力作業が半減し、月約8時間の削減につながったケースがあります。
削減できた時間を分析業務や資金管理に充てれば、経営判断の質も向上します。単なる効率化ではなく、経理部門の役割を高度化できる点が大きな価値といえるでしょう。
事例2:需要予測AIで在庫ロス削減
在庫を扱う業種では、需要予測AIの導入が利益改善に直結します。理由は、 過剰在庫や欠品を防ぎ、適正在庫を維持できる からです。
AIは過去の販売データや季節要因を分析し、将来の売上を予測します。
例えば、小売業で需要予測AIを導入した結果、廃棄ロスが20%減少し、仕入れコストも圧縮できた事例があります。これにより粗利率が改善し、キャッシュフローも安定しました。
単なる管理ツールではなく、利益を生み出す仕組みとして活用できる点が強みです。データ活用による経営改善は、審査でも高く評価されやすい要素になります。
事例3:AIチャットボットで問い合わせ自動化
顧客対応の負担を減らしたい場合は、AIチャットボットの導入が効果的です。
チャットボットとは、WebサイトやLINE上で自動応答を行う仕組みを指します。 定型的な質問を自動化することで、担当者の対応時間を大幅に削減 できます。
例えば、1日50件の問い合わせのうち7割が同じ内容だった企業では、AI導入後に対応工数が半減しました。浮いた時間を営業活動に充てることで売上増加にもつながっています。
顧客満足度を維持しながら業務効率を高められる点は大きな魅力です。自社の問い合わせ内容を分析し、自動化できる領域を見極めることが成功のポイントになります。
採択率を上げるコツ|落ちる企業の共通点とは?
デジタル化・AI導入補助金は、申請すれば必ず採択される制度ではありません。採択率を高めるには、審査基準を理解し、評価されるポイントを押さえることが不可欠です。
特に重要なのは、 「なぜその投資が必要か」「どれだけ生産性が上がるのか」を具体的に示す ことです。逆に、補助金ありきで計画を立ててしまうと不採の択リスクが高まります。
ここでは、審査で重視されるポイントと、落ちやすい企業の共通点を整理します。
審査で最も重要な「生産性向上」の書き方
補助金の目的は「企業の競争力強化」なので、審査で最も重視されるのは、 生産性がどれだけ向上するかを数値で示せているかどうか です。抽象的に「効率化します」と書くだけでは評価されません。
例えば、「請求書入力時間を月40時間削減し、人件費を年間80万円削減」「在庫ロスを15%削減し、粗利率を3%改善」など、具体的な数値を示すことが重要です。
以下のように整理すると説得力が増します。
- 導入前:月80時間の入力作業
- 導入後:月40時間に短縮
加点項目(賃上げ計画など)は必ず取る
基本要件を満たすだけでなく、加点項目を積極的に取得することが採択率向上につながります。なぜなら、 同条件の申請が並んだ場合、加点の有無が最終判断に影響 するからです。
代表的な加点要素には、従業員給与を一定割合引き上げることを示す「賃上げ計画」があります。
よくある不採択理由と回避策
不採択となる企業には共通点があります。最も多いのは、 事業計画が抽象的で効果が見えないケース です。「AIを導入して効率化する」といった説明だけでは、実現性や具体性が不足しています。
また、交付決定前に発注してしまうなど、手続き面のミスも少なくありません。
回避策
「課題の明確化」「数値目標の設定」「スケジュールの具体化」を徹底す ることが有効です。
例えば、現状の業務フローを整理し、どの工程がどれだけ改善されるのかを示すと説得力が高まります。
補助金は戦略的な投資支援制度です。制度理解と事前準備が、採択の可能性を大きく左右します。
申請から入金までの流れと失敗しないポイント
申請の流れを理解せずに進めると 「発注タイミングのミス」などで不支給になる可能性 があります。重要なのは、事前準備から実績報告までの全体像を把握することです。
- STEP1:公式サイトや公募要領を読み、補助事業について理解
- STEP2:【必須】GビズIDの取得、SECURITY ACTION宣言実施
- STEP3:IT事業者の選定、ITツールの選定
- STEP4:交付申請(専用の申請ページより)
- STEP5:交付決定(審査完了後、交付決定通知)
- STEP6:ITツールの発注・契約・支払い(必ず、事務局から「交付決定」を受けた後※)
- STEP7:事業実績の報告(発注・契約、納品、支払い等を行ったことが分かる証憑を提出)
- STEP8:補助金額の確認・承認
- STEP9:事業実施効果の報告
※交付決定前に発注・契約・支払い等を行った場合は、補助金の交付を受けられないため注意
なお、複数者連携デジタル化・AI導入枠については、申請フローや交付決定後の手続きが異なるため、交付規程で詳細をご確認のうえ、登録・申請を行いましょう。
各フェーズでの役割
STEP1~STEP5
STEP6~STEP9
GビズID取得とSECURITY ACTION宣言実施
最初に行うべきは、GビズIDプライム(ID・パスワード等)の取得です。 GビズIDとは、国の補助金申請に必要な共通アカウント のことを指し、これがなければ申請自体できません 。
あわせて、交付申請には独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言も必要になります(交付申請作成時に宣言済アカウントIDの入力が必須)。
この宣言は、中小企業・小規模事業者等が自ら、情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度で、「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言することが要件です。
なお、GビズIDプライム発行までの期間はおおむね2週間、SECURITY ACTIONの宣言済アカウントID発行までの期間は、おおむね2~3日です。余裕をもって早めに申し込みましょう。
IT導入支援事業者の選び方
補助金申請では、IT導入支援事業者と連携することが基本です。支援事業者とは、 補助対象ツールを登録し、申請サポートを行う認定ベンダー を指します。適切なパートナー選びが採択率を左右します。
選定時は、導入実績やサポート体制を確認しましょう。例えば、過去の採択事例が豊富な事業者であれば、審査ポイントを踏まえたアドバイスが期待できます。
単にツールを販売するだけでなく、事業計画のブラッシュアップまで支援してくれるかが重要です。信頼できるパートナー選びが成功への近道になります。
申請〜交付決定の流れ
申請では、 IT導入支援事業者と共同作成した事業計画書や見積書などを提出 します。審査を経て交付決定が通知される流れです。
▼申請の流れ
- IT導入支援事業者から『申請マイページ』の招待を受け、代表者氏名等の申請者基本情報を入力する。
- 交付申請に必要となる情報入力・書類添付を行う。
- IT導入支援事業者にて、導入するITツール情報、事業計画値を入力する。
- 『申請マイページ』上で入力内容の最終確認後、申請に対する宣誓を行い事務局へ提出する。
発注タイミングの注意点(交付前発注NG)
最も注意すべきなのは、交付決定前に発注しないことです。 補助金は「交付決定後の契約・発注」 が原則 です。
急いで契約を結んでしまった結果、補助対象外になり、補助金が受け取れなくなる可能性が高くなります。投資計画が固まっていても、正式な決定通知を待つことが重要です。
スケジュールに余裕を持ち、発注時期を慎重に管理することがトラブル回避につながります。
実績報告と入金までの期間
ツール導入後は、実績報告を行います。実績報告とは、実際に導入し支払いが完了したことを証明する手続きです。主に、 領収書や契約書などの提出 が求められます。
報告が受理されると、補助金が指定口座に入金されます。ただし、補助金は原則「後払い」です。つまり、一度は自己資金で立て替える必要があります。
資金繰りを考慮した計画が欠かせません。全体の流れを理解し、計画的に進めることで安心して制度を活用できます。
制度を悪用した不正行為に注意が必要
そもそも補助金の不正行為はどのように起こる?
デジタル化・AI導入補助金における不正行為は、主に悪質な業者からの甘い勧誘に乗ってしまうことで発生します。
補助金を活用して少しでも自己負担を減らしたいという事業者の心理を突いて、 「実質無料」「キャッシュバック」といった言葉で巧妙に誘ってくるのが主な手口 です。
たとえば、「システム導入費用を後から全額返金します」と持ちかけられたり、面倒な申請作業を代行するからとログイン用のIDやパスワード(GビズID等)を求められたりするケースがあります。
このように、魅力的に聞こえる提案の中には犯罪に該当する不正行為が隠れているため、うまい話には警戒が必要です。
気をつけて!よくある不正の手口と具体例
補助金申請では、 意図せず不正に加担してしまうケースもある ため、具体的な手口を知っておくことが身を守る第一歩になります。
ルール違反とは知らずに業者の指示に従っただけでも、不正行為とみなされる場合があるため注意が必要です。
代表的な不正の手口は以下の通りです。
| 不正の手口 | 具体例 |
|---|---|
| ITツールを実質無償・減額で提供 | 購入費用の一部が後日返金される、「紹介料」名目で金銭を受け取る |
| 補助対象者以外が代理・代行申請手続き | 業者にIDやパスワードを教え、代わりに申請画面を操作させる |
| ITツール未導入・役務未実施での受給 | 試供版しか使っていない、導入研修を受けずに受けたことにする |
| 他の補助金との二重受給 | 同じシステムで、ものづくり補助金など他の補助金も同時に受給する |
| 企業実態の偽装 | 従業員数を少なく申告するなど、受給条件を満たすために嘘をつく |
単なる代行やお得な契約に見えても、これらはすべて固く禁止されています。業者の言葉を鵜呑みにせず、自社でしっかりとルールを確認し、正しい手続きで申請を進めましょう。
不正が発覚した場合のペナルティと注意点
万が一、不正行為が発覚した場合、非常に重いペナルティが科せられます。補助金は公的な資金から成り立っており、公平かつ適正な利用が厳格に求められているからです。
実際にルール違反が確認されると、補助金の返還や交付決定の取り消しにとどまらず、 事業者名の公表や警察への通報が行われる可能性 があります。
事務局は現地確認を含む立ち入り調査を実施しており、応じなかった場合もペナルティ対象となり得ます。
不正行為は企業の信用を失墜させる致命的な事態を招くため、ルールの順守が鉄則
補助金の返還について
不正に関与してしまった場合、事務局は補助金の自主的な返還を受け付けています。
処理には時間がかかるため、自主返還を願い出る場合は書類の作成に早めに着手し、 納付を予定する日にちの2~3週間前までに不備の無い書類を提出 するよう心がけてください。
不正であることを知りながら不正関与した場合
【自己申告書】を事務局まで提出 しましょう。加算金を課したうえでの返還・納付となります。
納付期限までに返還されない場合は延滞金が課される場合もあるため注意が必要です。
不正であることを知らずに不正関与した場合
不正であることを知らずに不正関与した場合は 【誓約書】を事務局まで提出 してください。
故意でない場合も、納付期限までに返還されない場合は延滞金が課される場合があるため注意が必要です。
他のAI関連補助金とどっちが得?徹底比較
AI導入を検討する際、「デジタル化・AI導入補助金が最適なのか?」と迷う方は少なくありません。実際には、 目的や投資内容によって適した制度は異なります 。
既存ツールの導入であれば本制度が有力ですが、独自開発や設備投資が中心であれば他の補助金の方が適している場合もあります。
ここでは代表的な制度と比較しながら、自社に合った選び方を整理します。
オーダーメイド開発なら「ものづくり補助金」
独自のAIシステムをゼロから開発したい場合は、「ものづくり補助金」が有力な選択肢です。理由は、市販ツールの導入ではなく、自社専用のシステム開発や高度な設備投資が対象になるからです。
補助上限額も高めに設定されているため、大規模なプロジェクトに向いています 。一方で、審査は競争率が高く、事業計画の専門性も求められます。
既製のAIツールを導入するだけならデジタル化・AI導入補助金の方が手続きは比較的シンプルです。目的が「導入」か「開発」かで判断すると選びやすくなります。
例:製造業が自社専用の画像認識AIを開発し、不良品検知を自動化するケース
ロボット導入なら「省力化投資補助金」
人手不足対策としてロボットや自動化設備を導入する場合は、「省力化投資補助金」が適しています。理由は、 ハードウェア中心の投資を対象とする制度 だからです。
AIを搭載した自動搬送ロボットや自動仕分け機などが代表例です。このような物理的設備投資は、デジタル化・AI導入補助金よりも省力化投資補助金の方が相性が良いといえます。
ただし、ソフトウェア主体の業務改善であれば前者が有利です。投資対象が「設備」か「ITツール」かを基準に整理すると判断しやすくなります。
例:物流業で自動搬送ロボットを導入し、作業人員を削減するケース
まずは無料相談|補助金を活用して最適なAIツールを選ぼう
デジタル化・AI導入補助金を最大限に活用するには、制度理解だけでなく 「自社に合ったツール選定」が重要 です。
補助金はあくまで手段であり、目的は業務改善と利益向上にあります。自己判断で進めると、制度要件を満たしていても、効果の薄い投資になる可能性があります。
例えば、生成AIを導入しても業務フローに組み込めなければ効果は限定的です。
逆に、現場の課題を整理し、適切なツールを選べば、補助金の活用価値は大きく高まります。
WizCloudが最適なITツール選定をサポート
デジタル化・AI導入補助金を成功させる鍵は、「自社に合うツールを選ぶこと」です。
どれだけ優れたAIツールでも、自社の課題に合っていなければ効果は限定的で、説得力のある事業計画は作成できません。
WizCloudでは、POSレジから業務改善システム、AI活用ツールまで幅広く取り扱っています。業種や規模、課題に応じて最適なサービスを提案し、導入までサポート。
「ITツール導入を検討中」「業務効率化を図りたい」「社内DXを推進したい」といった企業様は、お気軽にご相談ください。
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この記事を書いたライター
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