低圧電力とは?従量電力や、料金と節約方法を分かりやすく解説!

新型コロナウイルスによる景気の悪化に伴い、多くの企業が影響を受けるなか、経営存続のための対策の一つとして「コスト削減」に注力している企業も多いでしょう。なかでも毎月必ず発生する電気代の削減は、率先して行なうべきコスト削減と言えます。1度契約するとそのままにしがちな電力会社ですが、いざ料金を見直そうとすると、どのように料金が確定されているか分かりにくいのが電気料金です。
本記事では、個人店で使われることの多い低圧電力について徹底解説していきます。

低圧電力(動力プラン)とは?

そもそも電力の区分には「高圧電力」「低圧電力」の2種類があります。契約電力が50kW以上が高圧電力、50kW未満が低圧電力となっています。

低圧電力と高圧電力の違い

一般的には高圧電力の対象となるのは主に工場、病院、商業施設やビルといった大型施設が中心です。また、キュービクルという金属製の箱が設置されていることも特徴となります。
低圧電力では一般家庭、カフェ、美容院など電気の使用量が少ない施設が契約対象です。

低圧電力の内容

低圧電力は「従量電灯」「低圧電力(動力プラン)」に分けられます。これは、低圧電力を使う家庭や商店は、自分で変圧等をせず設置されてる電気機器を使うことが前提となり、電気機器の電気方式に対応した電気料金を設定しているためです。従量電灯とは、「月々の電気代が使用した電気量に従って決まる電気料金プラン」のことです。
一般家庭で使用される冷蔵庫やパソコンなどの、比較的電力を使用しない機器に対して使われています。

低圧電力(動力プラン)とは、「電気を従量電灯よりも多く消費する業務用機器向けの電力プラン」のことです。
業務用のエアコンや、冷蔵庫・エレベーターや・モーターなどような業務用大型機器がこれに該当し、三相200Vを使用します。低圧電力(動力プラン)の機器はコンセント部分が4つ穴になっており、通常の電化製品を使うことは不可能です。

多くの店舗の場合、従量電灯もしくは低圧電力(動力プラン)のどちらかに契約しているか、従量電灯と低圧電力の両方に契約しているかのどちらかになります。

どんな場所で低圧電力が使われている?

店舗であれば必ず低圧電力(動力プラン)で契約しているわけではありません。一般家庭用の家電を使って店舗経営をしている場合、従量電灯のみの契約で問題ありません。
しかし、業務用のエアコンや冷蔵庫・エレベーターなどの大型機器を動かす場合、一般家庭よりも大きな電力が必要ですから、三相電源という電力を使用します。そのため低圧電力(動力プラン)に契約をしています。
つまり低圧電力(動力プラン)を使用する店舗では、一般家庭では使わない大型の業務用機器を使っている店舗が多いということになります。

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低圧電力(動力プラン)の料金

電気料金はどんな計算式で決定しているかご存じでしょうか。以下に低圧電力(動力プラン)の計算についてまとめたので、お手持ちの電気料金の明細と見比べてみてください。

大手の低圧電力料金プラン

基本的な低圧電力(動力プラン)の基本料金と1kWhあたりの電気量料金を見ていきましょう。

基本料金とは、「1度に使える電力量」を示し、30A(アンペア)や40Aなど使用する電力量に応じて、自分で選ぶことが可能です。
電気量料金とは、三段階の料金制度が適用されていて、使用電力量によって単価が変動します。この三段階料金制度により、電気の使用が多ければ単価も高くなり、電気代が上がるという仕組みです。

契約電力の決定方法

低圧電力(動力プラン)の計算式は「基本料金×電力量料金+再生可能エネルギー発電促進賦課金」で表すことが出来ます。詳細は下記の図のようになります。

力率割引・力率割増とは

力率とは、電源から出た皮相電力で、実際にどれくらい消費されたを示す電力(有効電力)の割合のことです。力率割引・力率割増は基本料金に含まれ計算されます。送り出された電気が実際に使われていないと、使用電力とみなせません。そこで、力率割引を使って契約者が効率よく電気を使えるようにしています。力率が85%を上回る場合は、1%ごとに基本料金を割引し、下回る場合は同率で基本料金を割り増しします。

低圧電力(動力プラン)での電気料金節約方法

低圧電力(動力プラン)は大きな電力量を使用できる分、従量電灯と比較し、基本料金が高めに設定している会社がほとんどです。低圧電力(動力プラン)の電気代を安くする鍵は「基本料金」にあります。コチラでは低圧電力(動力プラン)の節約方法を3つ解説していきます。

節約方法①:一定期間使わないときはブレーカーを切る

動力を使用する機器を一定期間使用しない場合、ブレーカーから動力を切っておくことで節約が可能です。これは、動力プランにおいて使用電力量0kWhの月は基本料金が半額になるからです。

ブレーカーを切らずに動力機器本体のスイッチを切るだけでは、少量の電気が流れてしまう可能性があります。1kWhでも使用量が出ると基本料金は全額請求となるので、多少手間でもブレーカーを切っておくことが大切です。たとえば業務エアコンなど、特定の時期以外には使わない機器はブレーカーを切ることで電気代を大きく節約できるでしょう。

節約方法②:低圧コンデンサを設置・増設する

低圧コンデンサは、力率を100%に近づけるために設置される器具。低圧コンデンサを設置または増設することで、力率を改善すると、力率割引額が大きくなり、その分だけ基本料金が割引されます。下記表は「力率の割合に対して割引される基本料金」をまとめたものです。

節約方法③:低圧電力に対応している新電力に切り替える

もともと電気は、各地域の大手電力会社が、それぞれの地域の電力の発電、送配電、そして小売りまで全て独占してきました。しかし2016年の「電力自由化」により、一般家庭向けの電力供給に関して、電気の小売りが自由化されました。
新電力の中には、低圧電力(動力プラン)の基本料金がお得になっていたり、三段階料金制度が安くなっている会社など、企業にとってメリットの大きい事業所も登場しています。
電気料金の明細を見たときに、請求金額に対し基本料金の割合が大きい場合は、基本料金がお得になる会社を選ぶことで月々の電気代を大幅に抑えることも可能です。
 

 

低圧電力を扱っている新電力

電力自由化に伴い、新電力事業に参入した企業は500社を超え、業界は大きく盛り上がりを見せています。しかし、数ある新電力のなかから、1つのサービスを選ぶとなると、どれが良いのか選択するために時間や労力がかかってしまいますよね。こちらでは低圧電力(動力プラン)がお得になる新電力について、10の事業者をピックアップしました。事業者によっては地域が限定されるものもあるため、よくチェックしてみるとよいでしょう。※料金やオプションの内容は変更されることもございます。最新の情報はお問い合わせください。

ハルエネでんき(クラウドでんき)

「ハルエネでんき(クラウドでんき)」は、株式会社ハルエネが提供している法人向けの人気サービスです人気の理由は、業種によって最適な電力プランを選べる点にあります。新電力サービス事業者の中でも、動力プランを種類を選べるのはハルエネにしかない魅力ではないでしょうか。従量電灯・動力を使う方もまとめてお申し込みが可能なため、手間をかけずに電気代を安くしたいという方にピッタリです。

》ハルエネでんき(クラウドでんき)のお問い合わせ・お申し込みはコチラ!

Looop電気

「Looop電気」は株式会社Looopが提供している新電力サービスです。
最大の特徴は基本料金710円と安く設定されていることです。また、おうちプランやビジネスプランの基本料金は0円となっており基本料金がお得なサービスです。

USENでんき

「USENでんき」はUSEN-NEXT HOLDINGS(USEN-NEXT)が提供している新電力サービスです。有線放送から始まったUSEN-NEXTですが、エネルギー事業の好調は、新電力事業のなかでも目覚ましいと言われています。「USENでんき」に切り替えたことで、レストランやカフェでは削減率7%、美容室やエステサロンでは削減率11%といった事例も出ています。飲食店や美容院、スーパー、コンビニエンスストアなどの中規模店舗がメインターゲットであり、有線放送をよく利用する店舗に人気です。またUSENガスの取扱いも開始され、有線放送・電気・ガスなどのインフラ周りをまとめられるのは魅力的ですよね。

中部電力

「中部電力」はもともと、中部エリアを中心に約1000万口の電力販売を行ってきた事業者です。電力自由化に伴い、東京電力エリア・関西エリアでも中部電力のお得な電気料金が利用できるようになりました。力率割引ありのお客様であれば年間約4,000円お得になり、力率割引なしのお客様であれば、年間約8,400円お得に電気をお使いいただけます。また東邦ガスの供給区域で都市ガスを利用している方は、電気と都市ガスのセット割も可能となっています。

ENEOSでんき

「ENEOSでんき」はガソリンスタンドで有名なENEOSが提供する新電力サービスです。ENEOSでんきの魅力は「使用量が多くてもお得」という点にあります。他社の動力プランでは、基本料金が大手電力よりもお得な反面、従量料金の単価が高く設定されていたり、あるいは使用量が一定以上を超えると単価が高くなる料金体系の事業者が多いです。それに対して、ENEOSでんきは、使用量に関係無く基本料金がお得・従量料金は大手電力と同水準なので、使用量が多い場合におすすめです。他社では月110~130kWhを超えると割高になるので、それ以上の使用量がある場合はENEOSでんきがおすすめです。

ソフトバンクでんき

ソフトバンクでんきは通信業界の代表の1つであるSoftbankの子会社SBパワーが提供する新電力サービスです。ソフトバンクの携帯電話・スマートフォン・インターネット契約がなくてもすべての方がお申し込みできます。地方電力が定める基本料金より1%以上安い料金で利用できるため、必ず電気代が安くなるプランとなっています。また、ソフトバンクで契約した携帯やインターネット回線があれば、電気代もまとめて一括請求できるので、経理業務の軽減につながるのは嬉しいポイントですよね。

ジニーエナジー

「ジニーエナジー」はアメリカのニュージャージー州に本社を置くエネルギー会社の日本法人が提供する新電力サービスです。ジニーエナジーは米国などで電気やガスの販売を手掛けており、ニューヨーク証券取引所に上場しています。ジニーエナジーが取り扱う「みどりプラン」の最大の特徴は基本料金+電力量料金(従量料金)だけのシンプルな料金体系になっている点です。また、電力量料金は市場価格に基づいた変動型のため、電気の取り引き価格に応じて料金が相場よりも安くなる可能性があります。契約期間の縛りがないので、お気軽にお試しいただけます。

まとめ

今回は、店舗や事務所などでできるコスト削減の一つとして、電気代の削減方法についてお伝えしました。新電力への切り替えは、料金がお得になる上にさまざまな特典や便利なオプションなどを受けることも可能となります。
しかし事業所によっては、提供エリアが限定されていたり、契約期間の縛りがあるところも多いので、切り替える際はしっかり比較検討した上で契約するようにしましょう。どの電気にしたらいいかわからないとお悩みの方は、気軽にご相談下さいね。
 

 

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