業務用エアコン掃除の完全ガイド｜自分でできるケースから専門業者の料金相場・選び方まで解説

エアコン掃除の重要性

業務用エアコンの掃除は、単なる見た目の清潔さだけでなく、快適な空間づくり・衛生管理・経費削減に直結する重要なメンテナンスです。

汚れたエアコンは冷暖房効率が低下し、電力消費量が増えることで光熱費の負担増大に 繋がります。

また、内部にたまったホコリやカビが空気中に拡散されると、従業員やお客様の健康被害につながる可能性も否定できません。

さらに、メンテナンスを怠ることで機器自体の寿命も短くなり、結果的に修理や買い替えのコストが発生するリスクもあります。

定期的な掃除を習慣化することが、健全な職場環境とコスト管理の両立につながる

エアコン掃除、業者に依頼すべき？

自分で掃除できる範囲

フィルター掃除や外装清掃

業務用エアコンの掃除で最も手軽なのが、フィルターや外装の清掃です。 定期的にフィルターのホコリを取り除くことで、冷暖房効率が維持され、電気代の節約にもつながります 。

外装部分も柔らかい布で拭き取り、カビや汚れが溜まらないようにしておくと、衛生的な環境を保つことができます。

自力で掃除する際の注意点とリスク

自分でエアコンを掃除する際、 内部まで無理に清掃しようとすると、配線や基板に水がかかって故障するおそれ があります。

また、目に見えない内部のカビや油汚れは、表面だけの掃除では取り切れず、逆にカビを空気中にまき散らす原因にもなります。

脚立に登って作業する際も、転倒や感電といった事故リスクがあるため、作業中は安全対策を徹底することが重要です。

自分で対応できる範囲を見極め、難しいと感じたら無理をせず業者に依頼する判断も必要

自力で掃除する際に必要な道具と準備

• フィルター掃除：掃除機や柔らかいブラシ、中性洗剤
• 外装清掃：マイクロファイバークロスやアルコールスプレー（研磨剤入りのものは機器を傷つける恐れがあるため避ける）

作業時はゴム手袋を着用し、脚立を使う場合は周囲の安全を確保してください。道具選びと環境整備を行うことで、清掃中のトラブルや二次被害を防げます。

業者に依頼できる作業内容

専門業者に依頼する最大のメリットは ​​​​​​、自分では対応が難しい内部まで徹底的に清掃してもらえる点です。

業者は 本体を一部分解し、熱交換器や送風ファンにこびりついた汚れやカビを高圧洗浄機で除去 します。

この工程により、ニオイの原因や空気中の雑菌を根本から取り除くことができます。

さらに、抗菌・防カビコートを施すことで、再汚染を防ぐ効果も期待できます。

【機種タイプ別】業務用エアコンクリーニングの料金相場

エアコン掃除の料金は、本体の形状によって変動します。以下は、機種タイプ別の価格相場です。

壁掛けタイプ｜1万～2万5,000円/台

最も一般的な業務用エアコンが壁掛けタイプです。小規模オフィスや個人店舗などでよく見られ、家庭用と構造が似ているため、 比較的作業がしやすく、料金も抑えめ です。

専門業者に依頼する場合の費用相場は、1台あたり1万～2万5,000円前後となります。価格差は、汚れ具合や清掃内容（フィルターのみか分解洗浄までか）によって変動します。

また、複数台まとめて依頼することで割引を受けられることもあるため、オフィス全体での一括清掃を検討するとコスト削減につながります。

天井埋込み・吊下げタイプ｜2万～4万5,000円/台

天井に埋め込まれたカセット型や吊下げ型の業務用エアコンは、 構造が複雑で分解作業にも時間がかかるため、壁掛け型に比べて料金が高め に設定されています。

相場としては、1台あたり2万～4万5,000円程度が目安です。特に4方向吹き出しのカセット型は、フィルターや熱交換器の範囲も広く、丁寧な分解清掃が必要です。

業者によっては作業員2名体制で対応する場合もあり、その分料金が上がることもあります。安全性と作業品質を確保するためにも、実績豊富な業者への依頼が望ましいでしょう。

床置きタイプ｜2万～4万円/台

床置き型エアコンは、飲食店のバックヤードや工場、倉庫などでよく使われるタイプです。

構造的には比較的シンプルですが、 大型の機種が多く、内部に汚れがたまりやすいため、分解洗浄が必要になるケースがほとんど です。

清掃料金の相場は1台あたり2万～4万円ほどで、サイズや汚れの程度によって費用が変動します。

特に油煙や粉塵が多い環境では、汚れが重度になる傾向があるため、定期的な清掃を計画的に実施することが望ましいです。

室外機のクリーニング｜5,000～1万5,000円/台

室外機の汚れも冷暖房効率に影響を与えるため、可能であれば室内機とセットでの清掃がおすすめ です。

室外機の清掃費用は1台あたり5,000～1万5,000円程度が相場で、作業内容によっては水洗いや高圧洗浄を含むプランもあります。

室外機は屋外に設置されているため、砂埃や落ち葉、排気ガスの影響を受けやすく、熱交換効率が落ちやすい傾向があります。

放置すると電力消費量が増加するため、年に1回程度の清掃を検討するとよいでしょう。

コストを抑えるポイント

• 複数台まとめて依頼して割引を受ける
• 「オフシーズン割引」を活用

複数台まとめて依頼すると割引適用も

業務用エアコンの清掃を複数台まとめて依頼することで割引が適用される業者も多くあります。

これは、 作業員の移動時間や準備の手間が一度で済む分、業者側でも効率的に作業できるためです。

たとえば、通常1台あたり2万5,000カセット型エアコンが、5台以上まとめて依頼すれば1台あたり2万円程度まで割引されることもあります。

また、室内機と室外機の同時依頼や、他の清掃サービス（換気扇や床清掃など）とセットで割引されるプランを設けている業者も存在します。

見積もり段階で複数台の料金シミュレーションを出してもらうのが有効

シーズン（オフ・ピーク）による価格差と依頼時期の工夫

業務用エアコンのクリーニング費用は、依頼する時期によっても変動します。

特に、冷暖房の使用頻度が下がる 春先（3〜5月）や秋口（9〜11月）は業者の繁忙期を避けた「オフシーズン割引」が適用 されるケースがあります。

一方で、夏や冬の繁忙期には予約が取りづらく、料金が高めに設定されていたり、割増料金がかかることもあるため注意が必要です。

業者によっては、年間契約や定期プランを組むことで、閑散期に自動的にメンテナンスを行ってくれるサービスもあります。

タイミングの工夫によって、同じ内容でもコストを抑えて依頼することが可能

自分でやるべきケースと業者依頼すべきケース

自分でやるべきケース：少台数・簡易清掃・予算重視の場合

業務用エアコンの掃除を自分で行うのが向いているのは、主に 設置台数が1〜2台程度で、汚れが軽度なケース です。

たとえば、個人経営の小規模店舗や事務所などでは、フィルターのホコリをこまめに取り除くだけでも効果があります。

また、限られた予算の中で運用している場合には、清掃費用を抑える選択肢として有効です。

定期清掃と業者依頼の組み合わせが最適

自社の従業員が 定期的に掃除を行えば、エアコンの寿命延長や省エネ効果も期待できます 。

ただし、素人では対応しきれない範囲もあるため、適宜業者も活用するのが望ましいです。

年1〜2回の本格清掃はプロに任せ、社内での定期的な簡易清掃で清潔さを維持する、といった役割分担をすると良いでしょう。

業者に任せるべきケース：内部洗浄が必要/設備型による難易度が高い場合

エアコン内部の熱交換器や送風ファンにカビや油汚れがこびりついている場合は、専門業者に依頼するのが賢明です。

これらの汚れは 見た目では分かりづらく、分解しないと清掃できない構造になっていることが多い ため、素人が対応するのは難しく、むしろ故障の原因になりかねません。

特に天井埋め込み型や業務用の大型エアコンは、パーツ数が多く作業の難易度も高いため、作業には専門知識と経験が求められます。

分解洗浄を行うことで冷暖房効率が大きく回復し、空気中の雑菌や臭いの除去にもつながるため、衛生面を重視するオフィスや店舗ではプロの対応が必要不可欠です。

ダスキンのエアコンクリーニング

業者選びのポイントと依頼前チェックリスト

•  
  信頼できる業者かどうか
•  
  料金内容・追加費用の詳細
•  
  保証・アフターケアの充実度

信頼できる業者かどうか

業者選びで失敗しないためには、信頼できる業者を見極めることが不可欠です。

• エアコン分解清掃に関する資格の有無：「電気工事士」や「空調設備士」などの有資格者が在籍しているかどうか
• 過去の施工実績：実績豊富な業者であれば、現場対応力にも期待が持てる
• 利用者からの口コミや評判：公式サイトや口コミサイトで、顧客の評価をチェックすることも大切

作業の丁寧さや料金の透明性、アフター対応の有無など、細かな情報を確認しておくことで、安心して任せられる業者を選ぶことができます。

料金内容・追加費用の詳細

業者に掃除を依頼する前に、見積もりの内容をしっかりと確認しましょう。細かな項目までチェックし、不明点があれば遠慮なく質問することがトラブル回避につながります。

特に注意すべきなのが、基本料金に含まれていない「追加費用」 です。たとえば、天井埋め込み型エアコンは構造が複雑なため、作業料金が割高になる傾向があります。

また、出張費が別途かかる場合や、作業時間が長引いた場合に追加料金が発生するケースもあります。

室外機の洗浄がオプション扱いとなっていることも多いため、あらかじめ対応範囲を確認しておくと安心です。

保証・アフターケアの充実度

清掃後のアフターサポート体制も、業者を選ぶうえで見逃せない要素です。

たとえば 「清掃後すぐに不具合が出た」「ニオイが取れなかった」など、トラブルが起きた際に再訪対応してくれるかどうか を確認しておきましょう。

​​​​​​​保証内容が明示されている業者であれば、万が一の場合でも安心して任せられます。

見積もり比較時の注意点

見積もり取得のタイミングと質問すべき内容

エアコン清掃を業者に依頼する際は、 複数社から見積もりを取り、内容を比較することが重要 です。

​​​​​​​見積もりは、エアコンの台数や設置場所、機種情報が揃ってから依頼すると、より正確な金額が提示されます。

​​​​​​​見積もりを受け取ったら、「作業範囲はどこまでか」「追加費用が発生する条件は？」「室外機は含まれるか」といった具体的な質問を忘れずに確認しましょう。

回答の丁寧さも、業者の対応品質を見極めるヒントになります。安さだけで判断せず、総額や作業内容のバランスを見て選ぶことが、満足度の高い依頼につながります。

契約書や作業報告書の重要性

見積もりに納得したら、契約内容を文書で確認することが大切です。 口頭だけの約束では、万が一トラブル時にに証拠が残らないため、必ず書面で契約内容を取り交わしましょう 。

​​​​​​​作業後には「作業報告書」の提出があるかも確認しておくと安心です。報告書には、清掃前後の写真や作業内容の詳細が記載されており、清掃品質の証明として役立ちます。

また、定期契約の場合は年間スケジュールや点検内容も契約書に明記されているかをチェックしましょう。こうした書類の有無が、業者の信頼性やプロ意識を示す指標にもなります。

ダスキンのエアコンクリーニング

掃除の頻度と定期メンテナンスの提案

店舗やオフィス環境別の清掃頻度の目安

​​​​​​​業務用エアコンの清掃頻度は、設置環境によって大きく異なります。

• 一般的なオフィス：フィルター掃除を月1回、業者による分解洗浄は年1回が目安
• 飲食店・美容室・工場：3〜6カ月ごとの業者清掃が推奨（油や粉塵が舞いやすく汚れが溜まりやすい）
• 来店型ビジネス：フィルター掃除を月2～3回、業者による分解洗浄は年2～3回するのが理想

自社の業種や使用状況に合わせて清掃スケジュールを組むことで、快適な空調環境を保ちつつ、設備の長寿命化にもつながります。​​​​​​​

定期契約・年間プランのメリット

業務用エアコンの清掃を定期契約で依頼することで、管理業務の手間を削減しつつ、コスト面でもメリットが得られます。

多くの清掃業者では、年1〜2回の分解洗浄やフィルター交換などをセットにした「年間プラン」を用意しており、 都度依頼するよりも1回あたりの単価が安く設定されていることが一般的 です。

また、定期契約をしておくと、業者側が時期を見計らって自動で案内をしてくれるため、依頼のタイミングを逃す心配もありません。

エアコンの故障や衛生リスクを未然に防ぐためにも、スケジュール化された清掃体制を導入することは非常に有効です。

エアコン掃除に関するよくある質問（Q&A）

まとめ

業務用エアコンの掃除は、空調の効率維持や衛生管理において欠かせない業務の一つです。自分で対応できる範囲もありますが、分解洗浄や内部のカビ除去は専門業者に任せるのが安心です。

​​​​​​​費用相場や頻度の目安を把握し、自社に合った清掃プランを選ぶことが大切です。また、定期契約や割引制度を上手に活用することで、コストを抑えながら清潔な空調環境を維持できます。

​​​​​​​業務の効率化と快適な職場づくりのために、エアコン掃除の見直しをぜひご検討ください。