夏場や冬場はエアコンを使う分、電気代が高くなります。とくに在宅勤務や家で過ごす事が多い年は、例年より電気代が高くならないか不安という方もいるでしょう。
エアコンの電気代が高いのは、他の家電に比べて使用する電力量が多いことが原因。しかし、まったくエアコンを使わないのは、熱中症になるなどの体調を崩す恐れさえあります。本記事では、エアコンの電気代を削減する方法についてまとめましたので、ぜひ実践してみてください。
エアコンの電気代が高いのは、他の家電に比べて使用する電力量が多いことが原因。しかし、まったくエアコンを使わないのは、熱中症になるなどの体調を崩す恐れさえあります。本記事では、エアコンの電気代を削減する方法についてまとめましたので、ぜひ実践してみてください。
目次
エアコンの消費電力は多い?
毎月届く検針票を見てみると、エアコンを使う夏と冬は、電気代が高くなると感じる方も多いはずです。エアコンは家庭で最も電気代がかかる家電の1つ。実際に夏の日中では、家電全ての消費電力の内、半分以上をエアコンが占めています。(参考:省エネって何?経済産業省資源エネルギー庁)
日本の夏は、外に出るのを躊躇うほどの気温になるため、室内ではエアコンの付けるのが当たり前でしょう。エアコンの電気代を下げることが出来れば、より多くの電気代を削減できるでしょう。
エアコンの汚れはコストカットの邪魔になる
エアコンの役割は主に、空気を取り込んで「送風すること」と「空気の温度を上下させること」の2つ。エアコンは空気を取り込む際に埃も吸ってしまうと、エアコン内部に埃が張り付いて、よごれてしまう可能性があります。エアコンに汚れが溜まっていると、エアコンは正常に働こうと本来の電力よりも多くの電力を使おうとし、結果的に電気代が高くなりがち。いくら節電効果のあるエアコンを導入しても、汚れが原因で消費電力が高くなってしまってはもったいないですよね。
以下では、エアコンの電気代がかかる原因を、エアコンの機能に分けて解説していきます。
汚れが送風機能の邪魔をする
エアコンの送風は「ファン」と呼ばれる機械が、空気を吸い込み、回転することで風の流れを生みだしています。ところが、ファンに汚れが付着しているとファンは空気を上手くキャッチできず、風の吹き出す量が減り、体感的にエアコンの風が弱いと感じてしまうのです。より多くの風を出そうと送風量を上げれば、消費電力もあがり、電気代は高額になってしまうでしょう。汚れが温度変化機能の邪魔をする
ファンが吸い込んだ空気の温度を変化させるには、冷媒ガスが熱交換器やコンプレッサーの中を循環する必要があります。熱交換器やコンプレッサ―内に汚れがあると、冷媒ガスがスムーズに循環せず、温度変化していない風が外にでる可能性も。エアコン内部のセンサーは温度を変化させるために、より多くの電力消費をしてしまうでしょう。エアコンは消費電力が大きい
使用電力の内、オフィスビルでは46%、飲食店では23%の電力がエアコンに充てられており、エアコンは消費電力の高い家電と言えます。空調の効きが悪くなったと感じる場合や、電気代が高いと感じる場合は、エアコンのオーバーホールを行なうことで、消費電力を抑えることが出来るでしょう。エアコンの電気代の計算式
エアコンの電気代の計算は以下の式で表すことが出来ます。電気代(円)=期間消費電力量(W)×電気代単価(円)
例えば、期間消費電力量1,500kWhのエアコンで、消費電力量料金が25円だった場合の1年間の電気代の目安は以下のようになります。
15,000kWh×25円=37,500円
上記の電気代は12か月分の電気代となるため、1か月の電気代を求めるには、ここから÷12をおこなってください。上記の場合の1か月の電気代は以下の様になります。
37,500円÷12か月=3,125円
あくまでこの額は、エアコン1台を稼働させたときの1例です。家庭の部屋の広さや、エアコン性能によって詳細は異なります。
期間消費電力量とは
期間消費電力量とは、エアコンを稼働させたときの1年間にかかる電力量の目安。エアコンのカタログを見ると記載されている場合が多いので、今お使いのエアコンの期間消費電力量が分からないという方は、確認してみましょう。最近では型番さえ分かれば、ネット上で型番を入力すると、製品情報や、製品のPDFが掲載されている場合も多いので、すぐに期間消費電力量が分かるはずです。
電気代単価とは
電気代単価とは1kWh(キロワットアワー)あたりの料金のこと。契約している電力会社の契約ワット数や使用量料金によって異なります。気になる方は検針票から確認してみましょう。》基本料0円~新電力で電気代が安くなる?切り替えを検討している方はこちら
あくまで概算という点を踏まえておく
エアコンの設定を自動運転にしている場合、設定している温度に合わせて風の強さ等が変化するため、消費電力も異なってきます。あくまで概算として把握しておきましょう。1か月の電気代平均
自分の電気代が平均と比較して安いかどうか気になる方は、総務省で発表している月の平均電気代と比べてみると参考になるかもしれません。(参考:家計調査報告 家計収支編 2019年(令和元年)平均結果の概要 総務省)
ただしこちらで紹介されているのは、平均であるため、エアコンをよく使う夏や冬は、より高額になると考えられます。
エアコンの冷房と暖房の電気代の違い
エアコンの電気代といっても、冷房や暖房、除湿といった機能でもそれぞれ電気料金は異なるのでしょうか。冬の暖房は適温までの差が大きいため費用がかかる
エアコンの電気代を気にする場合、暖房か冷房かということよりも、気温と設定温度の差によるものが大きいと言えるでしょう。冬は20度、夏は28度が室内の適温とされています。
これらの適温にするために、それぞれの季節で暖房と冷房を使用しますね。しかし実際の温度と設定する温度の差が大きいほど、大きく電力を使用する仕組みとなっているのです。
冬の場合は一桁の気温も珍しくありません。それを20度まで引き上げるには10度以上の引き上げが必要になります。一方で夏は真夏日と言われる30度の場合、適温として27度に下げるためには3度の差となります。
これを踏まえると、温度差の激しい冬のほうが、エアコンの電気代がかさむということになるでしょう。
エアコンの消費電力が高くなる原因
エアコンのスイッチを入れるたびに、頭の中に電気代のことがよぎる方もいるでしょう。エアコンの消費電力が高くなってしまう原因は複数ありますが、こちらでは原因の分かりやすい3点を紹介します。こまめに電源をつけたり消したりしている
部屋が涼しくなったら電源を止めて、暑くなったら電源をつけるという、こまめな電源のオンオフは、かえって電気代を高くする要因になります。エアコンは部屋を設定温度まで調整するまでに、もっとも電力がかかりますので、電気代をおさえたいのであれば、つけっぱなしの方がおすすめです。
エアコンが古い
最新のエアコンは省エネ効果が高いものが多く、10年前の機種と比較すると消費電力の違いが顕著に現れます。三菱から出ている人気エアコンシリーズ「霧ヶ峰」でも、2020年モデルと2010年モデルを比較すると、年間1万6,000円以上の電気代の差がありました。
電気代が高くなるのはそもそもエアコンが古いという可能性もあるでしょう。
室外機の周りにものが置いてある
エアコンについている室外機は、空気の入れ替えをする熱交換の役割があります。熱交換を効率的に行う事で、余計な電気代をかけずにエアコンを使うことが出来ますので、室外機の周りには物をおかないでくださいね。また室外機に汚れがたまっていると、空気の通りが悪くなるため、年に1~2度ほど掃除をするとよいでしょう。エアコンの電気代削減方法
電気代を下げるためにエアコンをまったく付けない生活をするのはオススメできません。夏には家庭内でも熱中症は起こりますので、効率的なエアコンの稼働を目指したいところ。こちらでは電気代を削減するためのポイントをまとめました。日頃のちょっとした工夫で電気代を削減することは可能ですので、ぜひ試してみてください。遮光カーテンやグリーンカーテンで遮光する
部屋に入ってくる日差しを遮ることで、外気による影響をカットすることが出来るでしょう。遮熱・遮冷効果のあるカーテンを設置すると、夏は涼しく、冬は暖かい部屋を作りやすくなるので、カーテンの見直すということも効果的です。また、庭でグリーンカーテンを育てれば、グリーンカーテンと屋内カーテンで2重になりますので、より日よけになるかもしれません。
サーキュレーターを活用する
物質には温度が上がると上に行き、下がると下に溜まるという法則があります。そのため同じ空気であっても、エアコンから出た冷たい空気は下に行ってしまいます。また空気は壁をつたって動くという特徴があるため、エアコンから離れた部屋はなかなか温度が変わらないいう原因にも。サーキュレーターを活用することで、冷たい空気と暑い空気を循環させられます。冷房だけでなく暖房をつけるときにもサーキュレーターで空気を循環させれば、足元が冷えるのに、顔が暑いという問題も解決できるでしょう。
自動運転に設定する
エアコンの電気代をおさえようと、最初から弱運転をしていませんか。エアコンは室内の温度を設定温度まで調整している間が、最も消費電力が高くなります。そのため自動運転にすることで効率的な部屋の温度に調整してくれ、その後は省エネ運転に切り替わるため、電気代を下げたいときには自動運転がおすすめです。ちなみに冷房代わりに除湿モードを使う方もおすすめしません。除湿はあくまで「湿度」を下げることを目的としているものです。そのため喉が乾燥しやすく体調管理には向いていないと言えるでしょう。「室温」を下げたい場合には、自動運転に設定するのがおすすめです。
フィルター掃除
エアコンのフィルター掃除をすることで、風の通り道のについている汚れや埃が取れ、エアコンの効きがよくなるでしょう。ゴミがついていると、風をうまく取り込むことが出来ず、余計なパワーを使ってしまうため、電気代が高くなる傾向にあります。フィルター掃除をする目安としては、頻繁に使う時期であれば2週間に1回程度がおすすめ。水ぶきは内部のセンサー等を故障させる原因になりますので、空拭きが原則です。よくスプレータイプのフィルター掃除グッズが販売されていますが、内部のセンサーにダメージを与えたり、内部に水滴がたまってゴミと合わさって泥汚れとなる可能性もありますので注意しましょう。
オーバーホール
エアコンのフィルター掃除で落とせない内部の汚れは、オーバーホールして分解掃除するのがおすすめです。普段の掃除では落としきれない汚れも薬品を使って徹底的に落とすことで、電気代を最大40%削減可能。オーバーホールはお金はかかりますが、業者に依頼するのが安心です。自分で行おうとすると故障の原因になりますので注意しましょう。新しいエアコンに取り換える
最新のエアコンは、省エネ精度が向上しており、電気代を抑えられるモデルが多く登場しています。ファン付きで快適な空調コントロールをしてくれたり、自動掃除機能が搭載された室外機もありますので気になる方はチェックしてみましょう。またエアコンの平均寿命は10年程とされており、内部の経年劣化により消費電力量が上がる可能性もあります。現在のエアコンが10年以上使っているという方は、購入費以上のコストパフォーマンスを得られるでしょうから、エアコンの見直しをぜひしてみましょう。
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エアコンのオーバーホールとは
エアコンのオーバーホールとは「エアコン部品をバラバラにし、1つずつ汚れを落とす」こと。細かなパーツに分けて清掃することで、エアコンを新品のときの性能に戻すことができるでしょう。自分でエアコンのフィルターを清掃する場合よりも、プロにオーバーホールしてもらうことで、目に見えない内部のホコリやカビを落とすことができます。オーバーホールによる清掃では、高圧洗浄機によって汚れを流し、仕上げに汚れやカビが生えにくくなるコーティングを施すため、オーバーホールによる効果が長持ちするのも特徴です。
オーバーホールのメリット
エアコンのオーバーホールをするとエアコン内のホコリやカビが取れる以外にもメリットがあります。夏場や冬場はエアコンの使用量も増加しますので、エアコンの本格使用の前に、オーバーホールで得られるメリットを把握しておきましょう。電気代削減
ダスキンによれば、エアコンの風量が30%損なわれると、消費電力は15%余計にかかるとされています。消費電力量が多ければその分電気代はかかりますから、オーバーホールを行う事で電気代の削減につながるでしょう。風速改善
風力が改善して冷房効果が抜群に! フィルターやファン、熱交換器の目詰まりの原因となるホコリやカビを洗浄し、ファンの軸などの稼動部へのグリスアップを施すことで送風効率が上がります。冷暖房効果UP
手入れを行っていない冷暖房を使用している場合、設定する温度になるまで時間がかかることもあるでしょう。、エアコンのオーバーホールを行う事で、こうした設定した室温までの時間を短縮することにも効果的でしょう。エアコンが長持ちする
エアコン内部に汚れがたまっていると送風口が詰まったり、水漏れが起こって故障の原因に。年に1回を目安にした定期的なオーバーホールをすると、エアコンの寿命は長くなるでしょう。エアコンの新規購入には最低でも10万円。設置工事を含めればさらに高額になります。エアコンを長持ちさせて、経費削減を行ないましょう。電気代を見直すなら新電力の切り替えも
電気代を削減するのであれば、エアコンのオーバーホールと合わせて、電力会社を見直してみてはいかがでしょうか。電力自由化により、ユーザーは電気の使い方に合わせて、自由に電力会社を選べるようになりました。新電力への切り替えで、基本料金や従量料金を削減可能です。手元に検針票があれば、新電力の知識豊富なコンシェルジュが、新電力切り替えた場合の料金シュミレーションをおこなってくれますので、こちらの合わせてチェックしてみてください。
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まとめ
エアコンの消費電力量を削減するためには、掃除や自動運転にするなどの小さな工夫の積み重ねが重要。室内の熱中症を防ぐためにも、効率的なエアコンの使い方を目指したいですよね。定期的なフィルター掃除をしたことはあっても、オーバーホールをした洗浄はしたことがないという方は、エアコン内部に、購入して以来の汚れが溜まっている可能性も。オーバーホールをすることで内部のカビも除去できますので、送風したときのカビ臭さを取り除くこともできるでしょう。
買い替えはまだ先でいいけど、電気代を一気に下げたい方は、エアコンのオーバーホールを検討してみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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