「どこからが法的に危険?」
「実務ではどう使い分ける?」
催促と督促は、似ているようで実務上の意味や重みが大きく異なります。
この違いを曖昧なまま運用してしまうと、回収漏れや取引先との関係悪化、法的リスクにつながることもあります。
本記事では、催促・督促・催告の違いを定義や法的効果から整理し、実務での正しい使い分けや対応ステップ、業務を効率化する考え方までわかりやすく解説します。
目次
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催促と督促(とくそく)の違いとは?基本定義と読み方
催促(さいそく)の意味:柔らかく実行を促す
催促(さいそく)とは、 相手に行動や対応をうながすための、比較的やわらかな連絡 を指します。
支払いの依頼だけでなく、請求書の確認や書類の提出、メールへの返信など、日常的な業務のフォローとして幅広く使われるのが特徴です。
債権管理では、入金忘れや事務処理の遅れを前提とした「状況確認」の位置づけで使われることが多く、初期段階で角を立てずに連絡することで、円滑な取引関係の維持と情報整理を両立する役割を果たします。
督促(とくそく)の意味:義務の履行を強く求める
督促(とくそく)とは、 支払いや契約上の義務が守られていない相手に対し、「期限内に対応してください」と強く求める行為 を指します。
単なるリマインドに近い「催促」と比べると、未対応が続けば次の対応(書面通知や法的手続き)を検討する段階で行われる点が特徴です。
実務では、支払期限を明記した書面で行われることが多く、内容によっては「催促」や「督促」という名称にかかわらず、民法150条の催告に該当し、消滅時効を6か月間猶予する効力(※)が生じる場合もあります。
※「消滅時効を6か月間猶予する効力」とは、お金を請求する側(会社・事業者)が、支払う側(取引先・顧客)に対して正式に支払いを求めた場合、「何もしないと請求できなくなる期限(時効)」を、いったん6か月だけ延ばせる仕組みのことです。つまり、「このまま放置すると請求できなくなる」という状態を防ぐための、請求する側の猶予期間を確保するためのルールと考えると分かりやすいです。
(催告による時効の完成猶予)
第百五十条 催告があったときは、その時から六箇月を経過するまでの間は、時効は、完成しない。
2 催告によって時効の完成が猶予されている間にされた再度の催告は、前項の規定による時効の完成猶予の効力を有しない。
【比較表】強制力・緊急度・使用シーンの違い
催促と督促は、目的とタイミングによって明確に使い分ける必要があります。
催促は相手の失念や事務的遅れを前提とした確認行為であり、督促は未履行が続く状況で義務の履行を明確に求める段階 です。
いずれも通知自体に強制力はありませんが、督促は将来の法的対応を見据えた記録としての意味合いが強くなります。
| 項目 | 催促(さいそく) | 督促(とくそく) |
|---|---|---|
| 主な目的 | 状況確認・リマインド | 義務履行・支払い要求 |
| 要求の強さ | 柔らかい(お願い) | 強い(要求・命令) |
| 緊急度 | 低〜中 | 高(長期滞納時) |
| 対象範囲 | 書類提出や行動全般 | 契約・法的金銭義務 |
| 法的性質 | 内容次第で催告になり得る | 内容次第で催告になり得る |
| 使用シーン | 初期対応・関係維持 | 滞納対応・次段階判断 |
ビジネスにおける「督促」と「催告」のステップ
- 自社不備の確認
- 電話・メール・SMSによる催促(状況確認)
- 催促状・督促状の送付(支払期限の明示)
- 内容証明郵便による催告(時効猶予・最終通告)
- 支払督促の申立て(簡易裁判所)
- 民事訴訟(債務名義の取得)
- 強制執行(差し押さえ)
ステップ1:電話・メールでの「催促」からスタート
未入金が判明した直後は、電話やメールによる催促から始めるのが基本 です。
催促の段階では、未払いの事実を責めるのではなく、請求書が正しく届いているか、社内でどこまで処理が進んでいるかを確認することを目的とします。
特に、支払期日と振込先を具体的に再提示することで、経理処理の漏れや承認待ちといった事務的要因を早期に解消しやすくなります。
ステップ2:法的手続きの前段階としての「督促状」送付
催促に反応がない場合は、書面による督促状を送付 します。
督促状は「支払期限を明示した正式な通知」として機能し、社内外に記録が残る点が重要です。
実務では、請求金額・期日・支払方法を簡潔に整理し、再請求であることを明記することで、相手先の経理判断を早める効果が期待されます。
ステップ3:最終通告としての「催告書」と内容証明郵便
催告書は、支払義務の履行を最終的に求める文書であり、内容証明郵便で送付するのが一般的 です。
これにより、通知内容と送付事実が公的に証明され、消滅時効の完成が一定期間猶予されます。
裁判外で取り得る最後の段階として、法的措置への移行を前提とした意思表示の役割を果たします。
督促業務を担当する「債権管理部署」の役割とは
債権管理部署は、 未入金への対応だけでなく、回収難易度の見極めや対応優先度の判断を担います 。
入金遅延日数や過去の支払履歴をもとに対応方針を分けることで、無理な督促を避けつつ回収率を高めます。
近年は債権管理のシステム化により、対応履歴を蓄積・共有する運用が主流です。
督促の心理的負担を、自動化でゼロに「Billi」
公式サイトで詳しく見る裁判所からの「支払督促」は通常の督促と何が違う?
| 通常の督促 | 支払督促 | |
|---|---|---|
| 発行主体 | 企業・個人(債権者) | 簡易裁判所 |
| 文書の性質 | 私的通知 | 公的命令 |
| 法的強制力 | なし | あり |
| 無視した場合 | 次の対応を再検討 | 強制執行に移行可能 |
| 手続き負担 | 低い | 申立書・手数料が必要 |
支払督促は「法的強制力」を持つ公的文書
支払督促とは、 簡易裁判所が債務者に対して金銭の支払いを命じる法的手続き です。
企業が送付する督促状と異なり、裁判所名義で発行される点が最大の特徴です。
書面審査のみで進行し、訴訟のような期日呼出や証拠提出は不要なため、比較的短期間かつ低コストで利用できます。
2週間以内の異議申し立てがないと「差し押さえ」のリスクも
支払督促が送達されてから2週間以内に督促異議を申し立てない場合、債権者は仮執行宣言を経て強制執行を申し立てることが可能 になります。
これにより、銀行口座や給与、不動産などが差し押さえの対象となります。
特に給与差し押さえは勤務先に通知が届くため、信用面への影響が大きく、事業者・個人双方にとって深刻な結果を招きやすい点が特徴です。
督促状が届いた場合の正しい対処法
- まずは身に覚えがあるか「事実確認」を徹底する
- 支払いが難しい場合は、無視せずすぐに債権者へ相談
- 架空請求や時効(消滅時効)の可能性をチェック
まずは身に覚えがあるか「事実確認」を徹底する
督促状を受け取った際は、感情的に反応せず、請求内容の事実確認を最優先 します。
契約の有無、利用時期、請求金額の内訳に加え、遅延損害金が契約書または法定利率に基づいて算出されているかも確認が必要です。
あわせて、過去の振込履歴を照合し、名義違いによる未消込や二重請求の可能性も検証します。
支払いが難しい場合は、無視せずすぐに債権者へ相談
支払資金が不足している場合、最も避けるべきは「督促状の無視」 です。
連絡が取れない状態が続くと、債権者は任意回収を断念し、支払督促や訴訟へ移行する判断を早めます。
一方、支払意思を明確に示したうえで事情を説明すれば、分割払いや支払期限の延長など、現実的な調整が行われるケースも少なくありません。
債権者にとっても法的手続きはコストがかかるため、早期相談は双方にとって合理的な選択となります。
架空請求や時効(消滅時効)の可能性をチェック
督促状が届いた場合は、まず差出人が実在する企業・個人かを確認し、架空請求の可能性を排除することが重要 です。
契約内容や利用履歴に心当たりがない場合、記載された電話番号へ安易に連絡すると詐欺被害につながるおそれがあります。
また、債権には消滅時効があり、最後の支払いや正式な催告から原則5年(内容により10年)経過していれば、時効援用により支払義務が消滅する可能性があります。
ただし、一部入金や支払猶予の要請は債務承認と扱われ、時効が更新(リセット)されるため、連絡前に期間を慎重に確認することが不可欠です。
債権管理業務を自動化!督促の負担を激減させる解決策
督促業務が「つらい」と感じる経理担当者の課題
- 請求・入金・督促情報が分散し、管理が属人化
- 合算入金・部分入金の照合に時間がかかる
- 督促履歴の共有不足による連絡漏れ・誤督促
督促業務が負担になりやすい最大の要因は、債権情報が分散し、業務が属人化しやすい点 にあります。
請求データ、入金明細、督促履歴が別々に管理されていると、合算入金や一部入金が発生した際に判断が遅れ、確認作業に時間を要します。
さらに、誰がいつどこまで対応したかが共有されないことで、督促漏れや誤督促が発生しやすく、取引先との信頼関係に影響するという心理的負担も無視できません。

編集部
こうした課題を解消するために有効なのが、債権管理業務の自動化です。
債権回収システム「Billi」が請求・仕訳・督促を自動化
- 入金状況と連動した請求・督促フローの自動制御
- 合算・部分・端数入金にも対応する自動消込機能
- 債権残高や回収状況を可視化する管理ダッシュボード
Billi(ビリー)は、 請求・入金消込・督促・仕訳を一元管理し、煩雑になりがちな債権管理業務を自動化するシステム です。
入金状況と連動して督促ステータスが自動更新されるため、担当者の判断や記憶に頼る必要がなく、対応漏れを防止できます。
合算入金や差額入金にもルールベースで対応でき、例外処理にかかる工数を削減。確認作業から解放され、分析や業務改善に時間を使える体制を実現します。
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公式サイトで詳しく見るまとめ:督促・催促の違いを理解し、円滑な債権管理を
催促と督促は似た言葉ですが、実務では役割と重みが大きく異なります。
初期段階では催促による状況確認を行い、反応がない場合に督促、さらに催告・法的手続きへと段階的に対応することが、回収率と取引関係の両立につながります。
一方で、こうした判断や履歴管理を人手に頼る運用には限界があります。
督促業務の負担を減らし、属人化を防ぐためにも、債権管理システムを活用した業務の自動化・可視化が、今後の実務では欠かせない選択肢といえるでしょう。
この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!
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