高圧電力とは?低圧電力との違いや電気代削減ポイント

高圧電力とは、電力の消費量が多い店舗や病院、工場などで使用される契約形態で、低圧電力よりも多くの電力を供給できるのが特徴です。

しかし、「どんなケースで契約するものなの?」「低圧電力との違いは?」「特別な設備などは必要?」などといった疑問を抱く方も少なくないでしょう。

今回は、高圧電力を徹底解説!低圧電力との違いや利用する際の注意点などをご紹介します。
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高圧電力とは?電圧の種類

疑問

高圧電力

高圧電力とは、契約電力が50kW~2000kW未満のプランで、中規模な工場や大型商業施設、飲食店、美容室、病院、学校など、様々な施設で契約されています。

高圧電力においては、2000年から電力自由化が始まっているため、法人向けの電力プランも豊富に提供されています。

特別高圧電力

特別高圧電力とは、消費電力が2,000kW以上の大規模工場や大規模商業施設などで契約されるプランです。

運用する際は必ず電気主任技術者を配置しなければならず、20kVであれば第三種電気主任技術者、60kVであれば第二種電気主任技術者が必要となります。

【業務用電力】高圧電力と特別高圧電力の違いは契約電力

高圧電力と特別高圧電力はどちらも業務用電力ですが、契約電力の大きさが異なります。

特別高圧電力は供給できる電圧がより大きいため、特に電力の消費量が多い施設に限定して利用されることが多いです。

また、電力料金に関しても、基本的に特別高圧電力の方が単価が安く設定されています。

低圧電力

低圧電力とは、消費電力が50kW未満のもので、主に一般家庭や小規模事業者で用いられる契約形態です。

低圧電力には、主に従量課金プランと動力プランの2種類があり、用途に応じて使い分けることができます。

従量電灯

従量電灯は、一般家庭でも使われているプランで、電気の使用量に応じて電気料金が加算されていく形態です。

飲食店などの小規模事業所が加入しているケースも多いですが、事業者は一般家庭よりも使用する電気量が多くなりやすいため、従量料金の単価を重視するようにしましょう。

動力プラン

動力プランは、事業所向けの契約形態で、主にエレベーターや業務用冷蔵庫、エアコンなどを使う場合に適しています

一般的に、従量電灯のプランよりも従量料金の単価が安く設定されており、1kWhあたりの料金は三段階ではなく一律で設定されているケースが多いです。

ただし、基本料金は従量電灯よりも高く設定されており、法人の場合は従量電灯と動力プランの2つと契約するのがおすすめです。

高圧電力を設置するパターン

  契約電力 利用する環境
高圧電力 50kW~2000kW未満 中規模な工場・大型商業施設・飲食店・美容室・病院・学校
特別高圧電力 2000kW以上 大規模な工場・大型商業施設
低圧電力 50kW未満 飲食店・事務所・一般家庭・
小規模なオフィスビル

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高圧電力と低圧電力の違い

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高圧電力と低圧電力の違い1:契約電力

​​​​​高圧電力と低圧電力は、契約電力の大きさが異なります。

契約電力とは、毎月使用できる最大電力の値を指し、契約電力が50kW未満であれば低圧電力、50~2,000kW未満は高圧電力、2,000kW以上は特別高圧電力と区分されます。

高圧電力と低圧電力の違い2:電気の変圧方法・供給方法

高圧電力と低圧電力では、電力の変圧方法や供給方法が異なります。

低圧電力の給電方法

低圧電力は発電所で作られた電気が、超高圧変電所から一次変電所、二次変電所、中間変電所、配電用変電所を経由し、最後は電柱に設置された柱上変圧器(トランス)で100Vと200Vに変圧されて、各家庭や店舗などに配電されます

高圧電力の給電方法

高圧電力の場合も、発電所で作られた電気は超高圧変電所から一次変電所、二次変電所、中間変電所、配電用変電所を経由しますが、柱上変圧器(トランス)の代わりに「キュービクル式高圧受電設備(キュービクル)」で電力を受電・変圧する点が低圧電力と異なります。
 

高圧電力ではキュービクルが必要

高圧電力・特別高圧電力を契約する際は、必ず敷地内にキュービクルを設置する必要があります。

キュービクルとは自家用変圧器のことで、発電所から送られてくる高電圧のの電気を、施設で使える電圧に変換する機器を箱に収めたものです。

キュービクルは金属製の箱なので、充電部などがむき出しにならないほか、小動物などの侵入も防げるため、感電・停電といったトラブルの発生を防止し、関連機器の安全性を高めることができます。

高圧電力と低圧電力の違い3:電気料金の仕組み

高圧電力と低圧電力は、電気料金の算出方法も異なります。

低圧電力

低圧電力では、メインブレーカーの容量(=契約アンペア)を元に契約電力を算定する「主開閉器契約」または、空調や機械など設備容量の合計を元に契約電力を算定する「負荷設備契約」という方法で電気代が決まります。

高圧電力

高圧電力は直近12カ月間における電力使用の最大値を表す「デマンド」という数値によっての契約電力が決ります。

たとえば、夏の暑い日に空調をフル稼働させた場合など、電力使用がピークを迎えた際にデマンドが更新されることで契約電力が引き上がり、毎月の基本料金が上がる仕組みです。

高圧電力と低圧電力の違い4:電気料金の単価

高圧電力と低圧電力では、1kWhあたりにかかる電力量料金の単価も異なります。

一般的に、電力量料金の単価は契約電力が大きいほど安く設定されており、「特別高圧電力<高圧電力<低圧電力」の順に高くなっていくケースがほとんどです。

≫【関連記事】【2022年最新】法人の電気料金を徹底比較!おすすめ新電力10選

高圧電力と低圧電力の見分け方

高圧電力と低圧電力のどちらで契約しているか分からない場合は、電気料金の請求書にある「契約種別」欄で確認することができます

ただし、メニュー名は電力会社によって異なるため、契約種別をみても「高圧」という単語が記載されていない場合は「供給電圧」を確認し、6kV以上であれば高圧電力ということがわかります。

【高圧電力】契約電力の決め方

チェック

高圧電力は実量制

高圧電力は直近12カ月間における電力使用の最大値を表す「デマンド」という数値によっての契約電力が決ります。

契約電力はデマンドの最大値によって変動するため、夏の暑い日に空調をフル稼働させた場合など、電力使用がピークを迎えた際にデマンドが更新されます。

つまり、日頃から電気代削減や省エネに取り組んでいたとしても、一時的に電力使用量が増えてしまうと基本料金が引き上げられてしまうということです。

特別高圧電力は協議制

特別高圧電力の契約電力は、基本的に高圧電力と同様デマンドによって決まりますが、料金の設定方法がやや異なります。

高圧電力の契約電力は、純粋にデマンドの最大値によって決まりますが、特別高圧電力の場合はデマンドの値をベースに電力会社との協議によって契約電力が決まります

 高圧電力の電気代削減ポイント

ポイント

料金プランの見直し

電気料金を削除したい場合は、まず現状の料金プランが適切であるかを見直すことが大切です。

特に、普段のの電力使用量を踏まえて、必要最低限の電圧で良いかどうか、現状の料金プランで良いかなどを再度検討しましょう。

低圧電力から高圧電力に移す場合は「キュービクル」の設置に伴って固定費も発生してくるので、毎月の使用料金だけでなく、長期的な視点でトータルコストを計算する必要があります。

電気会社の切り替えもおすすめ

現在契約している電力会社であまりコストカットが見込めない場合は、新電力への乗り換えもおすすめです。

自社の電力消費量や利用スタイルに合った電力会社を選ぶことで、基本料金や電力量料金の単価そのものを安くすることができるので、電気代を大幅に節約できる可能性が高いです。

高圧電力においては、2000年から電力自由化が始まっているため、法人向けの電力プランも豊富に提供されています。

≫電気会社乗り換えについて詳しく解説した記事はこちら
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高圧電力の会社を選ぶ際のポイント

電力会社を比較する際は、必ず複数の電力会社で見積もりを取り、乗り換え後の料金を細かく検討するのがポイントです。

過去に見積もりを取ったことがある企業でも、結果が変わっている可能性があるので、最低でも3社で契約条件をそろえて料金シミュレーションを行い、現在の料金と比較するとよいでしょう。

また、契約先は変えずにプランの見直しをした場合が最も安くなるケースもあるため、現在契約中の電力会社からも再度見積りをとるのがおすすめです。

高圧電力を新規契約する際の注意点

注意点

料金だけで選ばない

高圧電力の契約先を選ぶ際は、料金の安さだけで会社を選ばず、電力会社の特徴やサービス内容なども調べたうえで総合的に判断することが重要です。

たとえば、過去に高圧電力を取り扱ってきた実績や契約中のサポート体制などもしっかり確認し、安心して利用できるサービスを契約するようにしましょう。

特に、高圧電力を使用する場合は自身でキュービクルなどを設置する必要があり、保守点検会社との付き合いも生まれるため、信頼できる電力会社かどうかはとても重要な要素となります。

敷地内に最低1人電気主任技術者を置いておく必要がある

高圧電力を使用する場合は、その敷地内に最低1人、電気主任技術者を置いておく必要があります

高圧電力を契約すると、敷地内で6,600Vもの電力を扱うことになり、ケーブルのショートなどが起きた際は感電死や周辺地域の停電などの大きな事故に繋がる可能性もあるので、ガイドラインに則って正しく設備を管理していくことが重要です。

なお、7,000V以下の自家用電気工作物については、「外部委託承認制度」が適用されるので、電気主任技術者を直接置かず、外部委託することも可能です。

東京電力が高圧電力の電気料金値上げを発表

値上げ液化天然ガスや石炭といった燃料費の高騰が続く中、東京電力は2023年の4月に法人向けの電気料を金値上げすると発表しました。

値上げ幅は、12%~最大で14%とされており、来春以降は今までと同じ量の電力を使った場合トータルの請求額が高くなってしまう可能性が高いです。

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高圧電力の契約ができない?撤退や受付停止が増加

停止2022年の春以降、大手電力が特別高圧や高圧といった法人向け電力プランの新規契約を一時停止するケースが相次いでいます。

これらの背景には、燃料価格や電力調達価格の高騰により、追加の供給力を確保できる見通しが立たないといった理由が挙げられます。

北海道電力・北陸電力・関西電力・中国電力の4社では、2023年4月以降の新規受付再開が検討されていますが、全体的に今後の見通しは不透明な部分が多くあり、未定です。

一般家庭で高圧電力を使用するのはおすすめしない

デメリット 一般家庭で消費される電力の量は、高圧電力プランの契約電力よりも遥かに少ないため、電力会社から使用許可が下りる可能性は極めて低いです。

また、高圧電力を使用するには電力会を引き込むための柱やキュービクルなどが必要ですが、一般家庭の敷地内にこれらの設備を設置するのは現実的ではありません。

さらに、設備を整えるには基礎工事が必要なほか、設置後も定期的な保守点検が必須となるので、手間やコストを考慮すると一般家庭では基本的に低圧電力を使用するのがベターです。

高圧電力のよくある質問

Q
高圧電力の燃料調整費とは何ですか?

A

燃料費調整額とは、燃料の輸入市場における価格変動を電気料金に反映させるための項目です。
日本は火力燃料のほとんどを輸入に頼っており、その価格は市場動向や世界情勢、為替レートによって絶えず変動しており、電力会社は、こうした価格変動リスクを抑制するために、「燃料費調整額」として燃料の調達コストを電気料金に反映させ、収支を調整しています。

Q
高圧電力から低圧電力へ乗り換える際の注意点はありますか?

A

高圧電力から低圧電力へ乗り換える際の注意点として以下の4点が挙げられます。

・電力量単価が高くなる
・低圧電力では動かない電化製品もある
・キュービクルの処分に費用がかかる
・工事負担金が発生することもある

Q
高圧電力が安い電力はどこですか?

A

「丸紅新電力」は、建物の電力使用状況から最も削減メリットのあるプランを個別にアレンジ・提案してくれるため、電気代を安くできる可能性が高いです。

Q
高圧電力の新規契約受付はいつ再開する?

A

2022年9月時点で高圧電力の新規受付再開を決定している電力会社はありません。
ただし、北海道電力・北陸電力・関西電力・中国電力の4社では、2023年4月以降の新規受付再開が検討されています。

Q
高圧電力は電力自由化されてる?

A

高圧電力においては、2000年から電力自由化が始まっているため、法人向けの電力プランも豊富に提供されています。

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まとめ

高圧電力は法人向けの電力供給スタイルで、主に中規模な工場や大型商業施設、飲食店、美容室、病院、学校などで利用されるケースが多いです。

キュービクルなど、専用の設備を設置する必要がありますが、電力量料金の単価は低圧電力よりも安く設定されているため、店舗の設備や使用する電力量によっては電気代がおトクに利用できます。

また、高圧電力においても電力自由化が行われているため、自社に合った電力会社に契約を乗り換えることで大幅に電気代を節約できる可能性もあるので、コストカットをしたい場合は積極的に検討しましょう。

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