「新電力に切り替えても品質や停電リスクが心配」
「自社に合ったプランで本当にコストが下がるのか不安」
こうした不安を抱える法人は少なくありません。政府補助金の縮小や燃料費の高騰で大手電力の値上げが続く中、電気代は事業に直結する重要な固定費となっています。
一方で、十分に検討せずに新電力へ切り替えると、想定以上の料金負担や契約条件の複雑さに直面するリスクもあります。
本記事では、電気料金が高騰する原因から、法人向けの電力プランを比較する際のポイントを解説するとともに、おすすめの新電力会社10社を徹底比較します。
目次
▼この記事で紹介している商品
【速報】2025年9月から電気代を大手10社が値上げ
- 北海道電力:8,868円(+168)
 - 東北電力:7,981円(+63)
 - 東京電力:8,132円(+65)
 - 中部電力:7,815円(+50)
 - 北陸電力:7,013円(+62)
 - 関西電力:7,271円(+104)
 - 中国電力:7,546円(+60)
 - 四国電力:7,778円(+67)
 - 九州電力:6,944円(+70)
 - 沖縄電力:8,477円(+26)
 
政府補助金縮小で家庭も企業も電気代が上昇
大手電力10社は、2025年9月使用分(10月請求分)から電気料金を引き上げます。
背景には、冷房需要を見越して支給されていた政府の電気・ガス代補助金が縮小されたことがあります 。
標準家庭の平均使用量では8月より26円~168円の負担増と試算されており、さらに10月使用分からは補助金が完全終了する予定です。
月300kWhを利用する家庭では、追加で約600円の値上げ要因が生じる見込みで、企業も同様にコスト上昇の影響を受ける構造が続きます。
制度改定と国際情勢による長期的なコスト増
電気料金の上昇は補助金縮小にとどまらず、制度的・国際的な要因によって長期化しています。
再エネ(※1)普及のための賦課金(※2)は2024年度の1kWhあたり3.49円から2025年度は3.98円に上昇し、月400kWh利用では月額1,592円となり、前年より約196円の負担増 となります。
加えて、発電用燃料の多くを輸入に依存しているため、ウクライナ情勢の長期化や円安基調が燃料調達コストを押し上げています。
- ※1 再エネ:再生可能エネルギーの略称で、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスといった自然由来のエネルギーを指す
 - ※2 賦課金:再エネ固定価格買取制度(FIT)などで発生する費用を、電気利用者全体で負担するために電気料金に上乗せされる金額のこと
 

編集部
これらの要因が重なり、電気代は今後も高止まりする可能性が高いと見込まれます。

法人向け新電力おすすめ10社比較(低圧・高圧・特高)
| 会社名 | ハルとくでんき | Looopでんき | シン・エナジー | 楽天でんき(Business) | USENでんき (U-POWER)  | 
			丸紅新電力 | ENEOSでんき | ソフトバンクでんき forBiz  | 
			東急でんき | エコログDenki | 
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対象電圧 | 低圧、高圧 | 低圧、高圧、特別高圧 | 低圧、高圧、特別高圧 | 低圧、高圧、特別高圧 | 低圧、高圧 | 高圧、特別高圧 | 低圧、高圧、特別高圧 | 低圧、高圧 | 低圧、高圧、特別高圧 | 低圧、高圧 | 
| 料金体系の 主な特徴  | 
			低圧供給量No.1実績。電力使用量が多い部分(第三段階)で大幅な値引きがある。 | 主力プランは市場連動型「スマートタイムONE」で、電源料金に加え7円/kWhのサービス料と託送費等が必要。 | 市場連動型が主。燃料費調整額ゼロ (沖縄除く)。電源調達調整費あり。 | 基本料金0円。市場価格調整単価あり(変動リスクあり)。 | 高圧は市場連動型、ハイブリッド型、固定料金型の3種から選択可。 | 個別に最適な単価を算出し提案。長期安定供給力に強み。 | 燃料調達ネットワークを活かした供給力。全国に自社発電所を保有。 | 従来大手電力会社より基本料金が1%以上安い。東北・東京・関西・九州エリアは電力市場連動額を導入。 | 固定型プランと市場連動型プランを選択可能。 | 市場連動型高圧プランで、超過分を3か月後に繰り延べできる機能あり。 | 
| 契約期間 解約金 (税込)  | 
			原則3年。途中解約金:1万3,650円 (または割引分全額)。 | 契約期間の縛りなし。解約金:0円。 | 原則1年。契約手数料・解約金:0円。 | 契約期間の縛りなし。契約手数料・解約金:0円。 | 3か月前通知がなければ1年ごと自動継続。契約を1年未満で廃止すると、契約電力分の料金に20%の割増が遡って適用される。 | 原則1年。プランHの場合、契約期間中の解約では、残存期間に応じて月1,026円の支払いが発生する可能性あり。 | 原則1年。解約金:0円(「にねん とく2割」は2年縛りで途中解約時に1,100円の違約金が発生)。 | 原則3年。契約解除料:9,800円。低圧電力(動力)の契約解除料は5,500円。 | 原則1年。解約金:0円。 | 契約期間3年。契約解除料はプランにより異なる(スタンダードプランでは3,850円)。 | 
| 主な特典 特徴  | 
			ガスセット割あり。初期費用・工事原則不要。 | 実質再エネ100%オプション「eneco」あり。ガスセット割(東京エリア、電気単価1円引き)あり。 | 違約金ゼロ・初期費用ゼロで導入可能。高圧切替で28%削減や36%削減の実績あり。昼間利用や繁忙期変動が大きい法人に効果的。 | 楽天ポイントが貯まる・使える(200円につき1P、ガスセットで優遇)。個人事業主/フリーランスも利用可能。 | 再エネ比率を10% / 50% / 100%で選択可能。RE100基準準拠プランあり。 | 特別高圧販売量で新電力中3位のシェア。低圧向けプランは新規申込一時停止中。 | 電気開発・都市ガス販売などエネルギー事業を幅広く展開。契約件数74万件(法人・個人合算)。 | 携帯・光回線とのセット割引。低圧向けに環境オプション分が最長2年間無償となるキャンペーンあり。 | 法人用東急カード決済で1%ポイント還元。CO₂フリー特約を追加可能。 | CO2フリーオプションあり。設備トラブル時の訪問サポートや専門家への電話相談オプションあり。 | 
ハルとくでんき
ハルとくでんきは、 株式会社ハルエネが提供する法人向け電力サービスで、2024年3月時点で低圧電力供給量No.1の実績を持ちます 。
特徴は第三段階料金の大幅割引で、使用量が多い店舗やオフィスで効果を発揮します。細かな節電を意識せずにコスト削減を実感しやすい点が強みです。
ただし、60か月継続受給を条件とするオプションでは、期間途中で解約すると最低料金相当額の支払いが発生する可能性があります。
サービスの詳細を見る
Looopでんき
Looopでんきは、 解約手数料や契約期間の制約がなく、初めて新電力を導入する法人でも導入リスクを抑えられる点が特徴 です。
主力の「スマートタイムONE」は30分単位で市場価格に連動し、春や秋など価格が安い時期に使用を調整することで電気代を抑えられます。
動力契約では基本料金(429円/kW〜)が必要ですが、契約電力を実量制で算定するため、無駄のない料金設計が可能です。
サービスの詳細を見るシン・エナジー
シン・エナジーは、 全国(沖縄・離島を除く)の低圧法人に対応し、30分単位で市場価格に連動するプランを提供 しています。
燃料費調整額が不要な点が大きな特徴で、料金構造を明確に把握しやすい仕組みです。契約途中で解約しても違約金が発生せず、柔軟に運用できます。
特に使用量が少ない法人や北海道・東北エリアでは削減効果が高い事例が多く、翌日の単価が事前に公開されるため、利用計画を立てやすいメリットがあります。
楽天でんき(Business)
楽天でんき(Business)は、 低圧から特別高圧まで幅広く対応し、法人はもちろん個人事業主も契約可能 です。
最大の魅力は楽天ポイントとの連携で、電気料金200円につき1ポイント(ガス併用なら100円で1ポイント)が還元されます。
さらに、楽天カード払いでポイントが上乗せされ、貯まったポイントは電気料金の支払いに充当可能です。楽天経済圏を活用する法人に最適です。
USENでんき(U-POWER)
USENでんき(U-POWER)は、 USENグループが提供する電力サービスで、低圧・高圧の両方に対応しています 。
小売店舗や飲食店向けには8〜12%のコスト削減実績があり、再エネ比率を10%・50%・100%から選べるプランを展開しています。
高圧契約では市場連動型・固定型・ハイブリッド型から選択でき、コスト管理と安定供給を両立可能です。

丸紅新電力
丸紅新電力は、 総合商社丸紅グループを背景に持ち、高圧・特別高圧分野で強みを発揮しています 。
特別高圧販売電力量では新電力中3位(5.9%シェア)を占め、大規模法人への供給実績が豊富です。
丸紅グループの発電所を活用し、15年以上培った需給管理技術で安定供給を実現しています。
さらに、新電力として初めて水力発電を保有し、約43%が再エネ電源という環境優位性も特徴です。
ENEOSでんき
ENEOSでんきは、 大手エネルギー企業ENEOSグループが展開し、25年以上の電力供給実績を持ちます 。
全国に自社発電所を保有し、燃料調達ネットワークを活かした安定供給と競争力ある料金が強みです。
法人向けには都市ガスとの組み合わせや再エネ活用など幅広い選択肢を提供しています。
契約件数は2025年2月時点で74万件に達し、長期にわたり信頼できる基盤を築いています。
ソフトバンクでんきforBiz
ソフトバンクでんきforBizは、 低圧・高圧に対応し、通信サービスと電気をまとめて一括請求できる点が特徴 です。これにより経理負担や管理コストを削減できます。
導入効果として、医療・福祉業界で年間約130万円(10.4%)、小売業界で約395万円(8.5%)の削減実績があります。
環境面では「再エネプラン」や非化石証書の代理購入を通じて実質再エネ化を支援し、低圧向けには環境オプションが最長2年間無償となるキャンペーンも実施中です。
東急でんき
東急でんきは、 東急パワーサプライが提供し、東急線沿線に限らず東京・中部・北海道へ電力を供給しています 。
高圧向けには固定料金型と市場連動型の2種類を用意し、法人の利用状況に応じて選択可能です。
法人向け東急カードで決済すれば料金の1%がポイント還元される特典もあります。
エコログDenki
エコログDenkiは、 法人向けに地域電力会社の一般料金より安価な水準で供給する電力サービス です。
市場連動型プランを採用しつつ、使用量が基準を超えた場合には3か月後に繰り延べできる仕組みを導入し、電気代の変動を抑えて経費を平準化できます。
さらに、オプション「Fuleco」を利用すれば実質再エネ100%を選択でき、CO₂フリー証明書の発行により環境配慮のアピールも可能です。
手間なく料金比較!無料一括見積もりサービス

「電力会社の切り替え」は無料の一括見積もりサービス
「電力会社の切り替え」は、 法人や店舗向けに特化した完全無料の電力一括見積もりサービス です。
全国の600社以上の電力会社から厳選した30社のプランを、中立的な立場で徹底比較し、最適な契約プランを提案します。見積もりの取得から契約切り替え完了まで、追加費用は一切不要です。
利用者は現在の契約内容や使用状況に応じて、電気代の削減を目指したプラン選定が可能です。
サービスの詳細はこちら「電力会社の切り替え」サービスを利用するメリット
「電力会社の切り替え」を利用する 最大のメリットは、多忙な法人オーナーでも比較検討や手続きを最小限にできる点 です。
窓口が一元化されるため、複数社とのやり取りに時間を割く必要がありません。プロスタッフが見積もり取得から値下げ交渉、切り替え完了まで無料でサポートしてくれるため安心です。
飲食店やオフィス、工場など業種に合わせた最適プランの提案に加え、LED照明や太陽光発電、蓄電池など、電気代削減に役立つ周辺サービスの案内も受けられます。
過去の切替事例(電気料金の削減例)
| 商業施設 | 宿泊施設 10施設 | 薬局 約260契約 | 
|---|---|---|
			
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なぜ今、法人は電気料金の見直しが必要なのか
法人にとって電気代は固定費の中でも大きな割合を占め、見直しは経費削減の即効性が高い手段です。
特に近年は、燃料価格高騰や為替の影響に加え、大手電力7社が2023年6月から規制料金を平均23.22〜39.70%引き上げました 。
さらに2024年度以降は、容量拠出金(※1)(1kWhあたり3円以上)や再エネ賦課金(3.49円/kWh)といった新たな負担も加わっています。
これらは回避できないコスト上昇要因であり、契約プランの見直しが急務となっています。
また、再エネ比率の高いプランを導入すれば、SDGs(※2)やESG投資(※3)を重視する取引先への信頼獲得にも直結し、単なるコスト削減にとどまらない企業価値向上効果が得られます。
- ※1 容量拠出金…将来的な電力供給力(発電所など)を確保するために、利用者から集めるお金のこと
 - ※2 SDGs…持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)。国連が定めた、持続可能な世界を実現するための目標
 - ※3 ESG投資…環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の要素を考慮して行う投資のこと
 
新電力・電力自由化とは?
新電力と電力自由化の定義
電力自由化は 2016年4月の法改正により、地域独占だった旧一般電気事業者以外の企業も電力小売市場へ参入できるようになった制度 です。
新規参入した小売電気事業者は「新電力」と呼ばれ、法人向けだけでも700社以上が存在します。
多様な料金プランやサービスが提供され、消費者に豊富な選択肢を提供しているのが最大の特徴です。
なお、多くの新電力は自社発電所を持たず、調達方法を工夫することで設備投資を抑え、割安な料金を実現しています。
新電力に切り替えるメリット
新電力への切り替えには次のような利点があります。
- 年間で10〜23%の電気代削減事例がある
 - 電気とガスや通信をまとめて基本料金を下げられる
 - 再エネ導入でCO₂削減への取り組みを取引先にアピールできる
 - 初期費用ゼロや解約金なしで移転や入替に対応しやすい
 
特に電力使用量が多い法人にとって、電気代削減は大きな魅力であり、年間10%〜23%のコスト削減事例も 報告されています。
また、初期費用ゼロや違約金なしのプランも選べるため、テナントの入退去が多い企業でも導入しやすいのが特徴です。
さらに、再エネ比率の高いプランを選べば、CO₂フリー電気や環境証明書の発行も可能で、対外的な信頼強化につながります。
新電力に切り替えるデメリット
一方で、切り替えに伴う注意点もあります。- 卸電力価格の高騰で電気代が急増する恐れがある
 - 自社に合わないプランを選ぶとかえって割高になる
 - 撤退や倒産時は他社への切り替えが必要になる
 - 契約途中の解約で数万円の違約金がかかる場合がある
 
新電力の市場連動型プランは、 日本卸電力取引所の価格に連動するため、夏季や冬季の需要期に単価が急騰し、想定以上のコストが発生する恐れがあります 。
さらに、選択肢が多い一方で自社に合わないプランを選ぶと、かえって料金が高くなるリスクもあります。
加えて、新電力が倒産した場合でも一時的に供給は継続されますが、利用者側で別事業者への切り替え手続きが必要です。
そのため、契約時には事業者の信頼性を確認し、違約金の条件を事前に把握しておくことが欠かせません。
法人の電気契約特有の仕組み
法人と個人でどう違う?電力使用量と料金計算
法人契約は個人契約に比べて使用規模が大きいため、契約方式が細分化されています。
料金は毎月の上限使用量を示す「契約電力」によって決まり、低圧契約でも「電灯契約」と「動力契約」に区分されます 。
特に動力契約では、設備容量合計で決める「負荷設備契約」と、ブレーカー容量で決める「主開閉器契約」の選択が必要です。
契約方式を誤ると固定費が過大になりやすいため、利用実態を踏まえた契約判断がコスト最適化につながります。
| 法人契約 | 個人契約 | |
|---|---|---|
| 使用規模 | 店舗・工場・オフィスなど大規模(数十〜数千kW) | 家庭用(数kW程度) | 
| 基準となる指標 | 契約電力(kW) | 契約アンペア数(A) | 
| 主な契約種別 | 低圧契約(電灯契約・動力契約)・高圧・特別高圧 | 従量電灯(B・Cなど) | 
| 基本料金 | 契約電力やデマンド値で算定 | 契約アンペア数に応じて算定 | 

法人契約で選べる電力の種類と対象施設
法人契約は、 受電電圧と契約電力の規模に応じて「低圧」「高圧」「特別高圧」に分類 されます。
低圧は小規模オフィスや店舗向けですが、飲食店や中規模工場では高圧が適用され、電気主任技術者の選任が義務化されます。
さらに、大規模工場やテーマパークなどは特別高圧に区分され、安定した大容量供給が可能です。
| 区分 | 低圧 | 高圧 | 特別高圧 | 
|---|---|---|---|
| 契約電力 | 50kW未満 | 50~2,000kW未満 | 2,000kW以上 | 
| 受電電圧 | ~600V | 600~7,000V | 20,000V以上 | 
| 主な対象施設 | 小規模オフィス、飲食店、商店 | 中規模工場、病院、商業施設 | 大規模工場、テーマパーク、大型病院 | 
| 特有の義務 | 技術者選任不要、設備投資も少ない | 電気主任技術者の選任が必須 | 第二種電気主任技術者が必要な場合あり、電気保安講習義務 | 


電気料金を大きく左右する「デマンド」とは?
高圧・特別高圧契約の基本料金は、過去12か月で記録された最大需要電力=「デマンド値」によって決まります 。
一度でも高値を更新すると、その水準が翌年まで契約電力として固定されます。
例えば、工場の設備を同時稼働したり、猛暑で空調をフル稼働させたりすると、基本料金が跳ね上がる可能性があるのです。
デマンド抑制には監視システムの導入や稼働分散が有効で、継続的なコスト削減の鍵を握ります。
電力会社乗り換え前に必ず準備すべきこと
電力会社を切り替える際には、 直近12か月分の料金明細を用意し、「お客さま番号」「供給地点特定番号(22桁)」といった契約情報を正確に把握することが必要 です。
加えて、削減額重視か、再エネ比率の向上か、あるいは契約条件の柔軟性かといった目的を明確に優先順位づけしておくことが欠かせません。
事前準備を怠ると、解約条件の見落としや割高プランの選択といったリスクが高まり、期待した効果が得られない恐れがあります。
| 目的の優先順位を明確化 | 必要書類の準備 | 既存契約の条件確認 | 見積もり条件の統一 | 
|---|---|---|---|
			
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編集部
これらを整理することで比較の精度が高まり、自社の経営課題に沿った最適なプランを選べます。
法人向け電気料金プランの選び方と市場リスク
完全固定型プラン:料金変動を避ける
完全固定型プランは、 契約時に単価を確定し、契約期間中は変動しない料金体系 です。
JEPX(※)の市場価格に左右されないため、年間コストを安定的に管理できます。
特に公共施設や電力使用量が一定の業種では、夏冬の需要期における単価高騰を回避しやすく、予算計画に適しています。
ただし、市場価格が下落しても契約単価は据え置かれるため、割高感が生じる可能性がある点には注意が必要です。
※JEPX(ジェーペックス)…日本卸電力取引所(Japan Electric Power Exchange)の略称。新電力会社が電力を売買する市場で、ここで決まる価格が市場連動型プランの料金に影響する
市場連動型プラン:価格高騰リスクとリターンが大きい
市場連動型プランは、 電気料金が30分ごとにJEPX価格と連動して変動する仕組み です。
市場が安定して安価な時期には大幅な削減効果が期待できますが、需要期には単価が急騰し、コストが跳ね上がるリスクを抱えます。
基本料金が低めに設定されるため、ピーク時の使用を抑制できる法人に有利です。
特に太陽光発電や蓄電池を活用し、自家消費で高騰時間帯を回避できる企業にとっては大きなメリットがあります。
ハイブリッド型:安定運用を重視する法人に最適
ハイブリッド型プランは、 固定型と市場連動型を組み合わせた料金体系で、双方の利点を活用できます 。
多くは、価格変動が大きい夏冬のピーク単価を固定化し、それ以外を市場連動とする方式です。
これにより、コスト急騰のリスクを抑えつつ、市場安値の恩恵も部分的に享受できます。
年間の使用量が比較的安定している工場やオフィスビルなどに適しており、安定性と柔軟性をバランスよく確保したい法人に最適な選択肢です。
法人向け新電力会社を5つの軸で選定する
- コスト削減効果と料金体系の柔軟性
 - 電力供給の安定性とサポート体制
 - 環境対応力(再エネ比率など)
 - 企業としての信頼性と導入実績
 - ガス・通信サービスとのセット割引の有無
 
比較軸1:コスト削減効果と料金体系の柔軟性
新電力の最大の利点は電気代削減であり、年間10〜23%のコスト減が実例として報告されています。
効果を引き出すには、基本料金と従量料金単価の内訳を丁寧に見極めることが不可欠です。
短期契約や解約金不要のプランは、移転やテナント入替の多い法人に適しており、導入リスクを抑えられます 。
さらに、初期工事が不要でWeb完結の手続きに対応する事業者を選べば、手間をかけずに固定費削減を実現できます。
比較軸2:電力供給の安定性とサポート体制
新電力に切り替えても送配電設備は従来の地域事業者が担うため、電力の品質や安定性は変わらず、停電リスクも増えません。
比較すべきは、万一の際に備えた新電力会社のサポート体制 です。例えば、HTBエナジーは365日24時間の応急処置を提供しています。
さらに、エコログDenkiのように設備トラブル時の訪問対応や、税理士・社労士への相談窓口を提供する事業者もあり、法人にとって実務面での安心材料となります。
比較軸3:環境対応力(再エネ比率など)
SDGsやESG投資の広がりにより、再エネ比率の高い電力プランは企業価値向上の重要な要素となっています 。
U-POWERは10%・50%・100%の比率を選択可能で、シン・エナジーの「GREEN100」は国際基準RE100(ver.4.1)に準拠しています。
さらに、エコログDenkiはCO₂フリー電気購入契約証明書を発行しており、環境報告書やPR活動に活用可能です。
比較軸4:企業としての信頼性と導入実績
新電力は700社以上存在するため、信頼性の確認が欠かせません 。
大手資本系ではNTTグループのエネットやENEOSが代表例で、経営基盤の安定性に優れます。
導入実績の確認も重要で、ハルとくでんきは低圧供給量No.1を誇り、シン・エナジーはGLION ARENA KOBEへの再エネ100%供給を実現しています。
比較軸5:ガス・通信サービスとのセット割引の有無
一部の新電力会社は、電気とあわせてガスやインターネット(光回線)を契約することでセット割引を提供しています。
複数拠点や複数サービスを抱える法人にとっては、単なるコスト削減だけでなく、請求や問い合わせ窓口を一本化できる点が大きな利点 です。
例えば、オフィスでんき119は電気とともにガスや光通信を提供しており、経理・管理部門の事務負担を軽減します。
割引率の比較だけでなく、管理コスト削減効果も選定基準とすべきポイントです。
法人電力契約で押さえるべき安定供給と契約リスク
新電力の倒産・撤退に備えるBCP対策
新電力は市場変動の影響を受けやすく、倒産や撤退のリスクを抱えています 。
ただし、送配電設備は地域の送配電事業者が担うため、電気供給が直ちに止まることはありません。
倒産時も最終保障供給制度で一時的に継続されますが、利用者は速やかな契約切替が必要です。
特に高圧・特別高圧契約では供給停止が事業継続に直結するため、財務基盤の安定した事業者を選ぶことがBCP(※)対策の要となります。
※BCP…事業継続計画(Business Continuity Plan)の略称。災害やテロなどの緊急事態が発生した際に、事業を中断させないための計画
違約金を避けるための乗り換えタイミング
多くの新電力契約には契約期間が設定され、途中解約には違約金が発生します 。
特に初期費用無料や割引特典付きプランは、解約時に割引分を請求されるケースがあるため注意が必要です。
乗り換え時には契約期間や違約金の条件を必ず確認し、将来の柔軟性を確保したい場合は、Looopでんきのように契約期間や解約金の縛りがないプランを選ぶことが有効です。
複雑な契約内容を簡単にチェックする方法
法人向け電力契約は、基本料金や従量料金単価に加え、燃料費調整額や容量拠出金など多くの項目で構成されるため複雑です。
効率的に確認するには、直近12か月分の料金明細やマイページのデータを整理し、法人向け比較サービスを活用することが有効 です。
専門家が基本料金、従量料金単価、燃料費調整額、容量拠出金といった項目を統一した比較表にまとめ、最適なプランを提示してくれます。
電力会社乗り換え以外のコストダウン施策
設備投資で電気代を下げる(LED照明など)
電力会社を切り替えずとも、省エネ設備への投資で電気代を抑えることが可能です。
代表的なのがLED照明への交換で、消費電力を大幅に削減しつつ、蛍光灯に比べて寿命が長いため交換コストも低減できます 。
さらにLEDは照射範囲が広く、設置台数を減らせるケースもあり、設備数削減による間接的なコスト効果も得られます。
その他の電気代削減策
- 空調を高効率インバーター機種に更新する
 - 冷蔵庫や冷凍庫を省エネ型に更新する
 - モーターやエレベーターにインバーター制御を導入する
 - 断熱ガラスや断熱フィルムで冷暖房負荷を下げる
 - BEMSを導入し照明や空調を自動制御する
 - 高効率変圧器で電力ロスを減らす
 - 人感センサーやタイマーで無駄な稼働を防ぐ
 
自家消費型太陽光発電・蓄電池導入
太陽光発電と蓄電池を組み合わせて自家消費することで、外部からの購入電力を減らし、電気代を継続的に削減できます 。
停電時にも自社で電力を確保できるため、BCP(事業継続計画)対策としての効果も高い点が特徴です。
初期投資が負担となる場合には、オンサイトPPAやリースを利用すれば、大規模な資金を投じずに導入が可能です。
これらは事業者が敷地内に設備を設置し、使用量に応じて電気代を支払う仕組みで、導入ハードルを下げられます。

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電気代は、法人にとって事業運営に直結する固定費であり、削減効果が大きいコスト項目です。
しかし、政府補助金の縮小や再エネ賦課金の上昇、燃料価格の高騰などにより、今後も電気料金は高止まりする可能性があります。
そのため、法人向け新電力の多様なプランを比較し、自社に最適な契約を選ぶことが重要です。
とはいえ、料金体系や契約条件、再エネ比率、サポート体制までを一つずつ比較検討するのは、担当者にとって大きな負担となります。
そこで役立つのが、一括見積もりサービス「電力会社の切り替え」です。複数の電力会社から最適プランを無料で提案してもらえるため、効率的にコスト削減を実現できます。
「電気代を削減したいが、どこから見直せばよいかわからない」という方は、一度利用してみることをおすすめします。
        
                                    この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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