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高圧電力とは?定義・料金・切り替えまで【2026年法人向け完全ガイド】

「高圧電力と低圧電力の違いは?」
「高圧電力に切り替えると電気代は安くなる?」


高圧電力は、主に工場やビルなどで利用される「6,600V以上」の電力契約です。

一方で「低圧との違いは?」「電気代はどう決まる?」「切り替えると本当に安くなるのか?」といった疑問や不安を感じる方も多いでしょう。

本記事では、高圧電力の基本定義から料金の仕組み、設備や法令、電気代の削減方法、さらに新電力への切り替え手順まで、実務に役立つポイントをわかりやすく解説します。
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高圧電力とは?基本定義を30秒で理解する

高圧電力とは、主に 6,600V(6.6kV)で電力会社から受電する契約形態 を指します。

主に工場・ビル・大型店舗など、電力使用量が多い法人・事業者向けに提供される電力区分です。

低圧電力(一般家庭や小規模店舗)と異なり、受電設備(キュービクル)の設置が必要となり、電気料金単価が比較的安いのが特徴です。

電力コスト削減の観点でも重要なポイントとなります。

高圧電力の定義(6,600V以上の受電)

高圧電力とは、電力会社から6,600Vの電圧で受電する電力契約を指し、主に 契約電力が50kW以上の事業者が対象 となります。

受電した電気は、施設内のキュービクル(変圧器設備)で100Vや200Vに変換して利用します。

家庭用の低圧電力とは異なり、設備管理や保守が必要ですが、その分電力量単価が低く設定されているため、長期的に見るとコストメリットが大きいのが特徴です。

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低圧・特別高圧との3区分比較表

区分 電圧 契約電力の目安 主な対象 設備 電気料金の特徴
低圧電力 100V / 200V 50kW未満 一般家庭・小規模店舗・事務所 不要(そのまま利用) 単価は高め
手軽に利用可能
高圧電力 6,600V 50kW以上〜2,000kW未満 中規模施設(ビル・工場・病院・大型店舗) キュービクル必要 単価は低圧より安いコスト削減効果あり
特別高圧 20,000V以上 2,000kW以上 大規模施設(大工場・大規模商業施設・データセンター) 大規模受電設備が必要 さらに単価が安い
大規模向け

電力は「低圧・高圧・特別高圧」の3区分に分かれます。

低圧は一般家庭や小規模店舗(100V・200V)高圧は中規模施設(6,600V)特別高圧は大規模工場や商業施設(20,000V以上 )が対象です。

契約電力の目安としては、低圧が50kW未満、高圧が50kW以上2,000kW未満、特別高圧が2,000kW以上となります。

使用量が増えるほど単価が下がる傾向があり、最適な区分選びがコスト削減に直結します。

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高圧電力が必要な施設・業種一覧

高圧電力は、 電力使用量が多い施設で採用 されます。

代表的な例として、商業施設(ショッピングモール・スーパー)・オフィスビル・工場・病院・ホテル・学校などが挙げられます。

また、飲食店でも大型店舗や複数フロアを持つ場合は高圧契約になるケースがあります。

空調設備や大型機器を多く使用する業種ほど、高圧電力の導入による電気代削減効果が期待できます

図解:電力会社→変電所→キュービクル→施設

図解:電力会社→変電所→キュービクル→施設

高圧電力は 「電力会社→変電所→送電線→施設のキュービクル→各設備」という流れで供給 されます。

まず発電所で作られた電気は変電所で電圧調整され、6,600Vの高圧で施設に送られます。

その後、キュービクル内の変圧器で100V・200Vに変換され、照明や空調、機械設備に供給されます。

この仕組みにより、効率的に大量の電力を安定供給できる点が高圧電力の特徴です。

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高圧電力の料金の仕組み【基本料金・電力量料金を解説】

高圧電力の料金は主に 「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再エネ賦課金」 の4要素で構成されます。

中でもコストに大きく影響するのが、最大使用電力に基づく基本料金と、使用量に応じた電力量料金です。

特に高圧電力では「デマンド値(最大需要電力)」が料金に直結するため、使い方次第で大きくコストが変動します。

仕組みを理解することで、無駄な電気代を削減できます。

基本料金の算出方法(デマンド値×単価)

基本料金は、 過去1年間で最も電力使用量が多かった「最大需要電力(デマンド値)」を基準に算出 されます。

計算式は「デマンド値(kW)×基本料金単価(円/kW)」です。

例えば、最大デマンドが100kWで単価が1,500円の場合、基本料金は月額15万円となります。

一度上がったデマンド値は一定期間維持されるため、ピーク電力を抑えることがコスト削減の重要なポイントです。

電力量料金の計算式

電力量料金は、 実際に使用した電力量に応じて課金される従量料金 です。

計算式は「使用電力量(kWh)×単価(円/kWh)」です。

例えば、月間使用量が1万kWh、単価が20円の場合、電力量料金は20万円となります。

また、時間帯別料金(昼間・夜間)や季節別単価が設定されている場合もあり、稼働時間を工夫することで電気代を抑えることが可能です。

燃料費調整額・再エネ賦課金の概要

電気料金には、 燃料価格の変動を反映する「燃料費調整額」 と、 再生可能エネルギー普及のための「再エネ賦課金」 が加算されます。

燃料費調整額は毎月変動し、燃料価格が上昇すると電気代も増加します。

再エネ賦課金は全国一律の単価で、使用電力量に応じて課金されます。これらは削減が難しい費用のため、基本料金や電力量料金の最適化が重要になります。

高圧電力の料金シミュレーション例

シミュレーション条件 今回は、以下の条件で試算します。
・契約種別:高圧電力
・最大デマンド値:100kW
・基本料金単価:1,500円/kW
・月間使用電力量:1万kWh
・電力量料金単価:18円/kWh
・燃料費調整額:2.5円/kWh
・再エネ賦課金:3.49円/kWh
1. 基本料金の計算 基本料金は、最大需要電力(デマンド値)に基本料金単価を掛けて算出します。

100kW × 1,500円 = 15万円

このケースでは、月額の基本料金は15万円です。
高圧電力では、このデマンド値が一度上がると、その後もしばらく高い基本料金が続くため注意が必要です。
2. 電力量料金の計算 電力量料金は、実際に使用した電力量に単価を掛けて計算します。

1万kWh × 18円 = 18万円

このケースでは、月額の電力量料金は18万円です。
空調・冷蔵設備・生産設備などの稼働時間が長い施設ほど、この部分の負担が大きくなります。
3. 燃料費調整額の計算 燃料費調整額は、月間使用電力量に応じて加算されます。

1
kWh × 2.5円 = 25,000円

燃料価格の変動によって毎月上下するため、同じ使用量でも請求額が変わる要因になります。
4. 再エネ賦課金の計算 再エネ賦課金も、使用電力量に応じて加算されます。

1万kWh × 3.49円 = 3万4,900円

これは電力会社を変えても基本的には発生する費用で、使用量が多い施設ほど負担が大きくなります。
月額合計 各料金を合計すると、月額の電気料金は以下の通りです。

1.基本料金:15万円
2.電力量料金:18万円
3.燃料費調整額:2万5,000円
4.再エネ賦課金:3万4,900円
合計:38万9,900円/月

つまり、このモデルケースでは月額約39万円、年間では約467万8,800円の電気代になります。

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高圧電力に必要な設備と法令義務

高圧電力を利用するには、専用設備の設置と法令に基づく管理が必須です。

具体的には、受電した電力を使用可能な電圧に変換する 「キュービクル(受変電設備)」 の設置に加え、「電気主任技術者」の選任や「法定点検」の実施が求められます。

これらは電気事故防止や安定供給のために法律で義務付けられており、未対応の場合は罰則の対象となることもあります。安全かつ適切な運用が重要です。

キュービクル(受変電設備)の概要

キュービクルとは、 電力会社から供給される6,600Vの高圧電力を、施設内で使用できる100V・200Vに変圧するための設備 です。

変圧器・遮断器・保護装置などが一体化された金属箱で、屋外や屋上、機械室などに設置されます。

導入費用は数百万円規模になることが多いものの、安定した電力供給とコスト効率の両立に不可欠です。定期的な点検・保守が前提となります。

  • 小規模(50〜100kW):約300万〜700万円
  • 中規模(100〜300kW):500万〜1,000万円
  • 大規模(500kW以上):1,000万〜3,000万円
⇒平均的には500万円前後の見積もりが多い

電気主任技術者の選任義務

高圧電力を利用する事業者は、 電気設備の保安監督を行う「電気主任技術者」を選任する義務 があります。

自社で有資格者を配置する方法のほか、外部の保安法人や電気管理技術者に委託するケースが一般的です。

選任を怠ると、電気事故のリスクが高まるだけでなく、電気事業法に基づく指導や罰則の対象となる可能性があります。適切な管理体制の構築が重要です。

法定点検の義務と頻度

高圧電力設備は、電気事業法に基づき定期的な法定点検が義務付けられています。

主に 月次点検(目視・簡易測定)年次点検(停電を伴う精密点検) があり、設備の劣化や異常を早期に発見することが目的です。

特に年次点検では絶縁抵抗測定や保護装置の動作確認などを行い、事故防止につなげます。点検を怠ると停電や火災リスクが高まるため、計画的な実施が不可欠です。

高圧電力の電気代を下げる3つの方法

  • 新電力への切り替え
  • デマンド監視によるピーク削減
  • 省エネ設備更新と補助金活用

新電力への切り替え

電力自由化により、高圧電力は複数の新電力会社から選べるようになりました。

同じ使用量でも、電力会社や料金プランによって単価が異なるため、 新電力に切り替えるだけで電気代が下がる ケースがあります。

実際に5〜15%程度の削減が見込めることもあり、設備投資が不要な点が大きなメリットです。

ただし、契約条件や燃料費調整の仕組みは会社ごとに異なるため、複数社を比較して選定することが重要です。

デマンド監視によるピーク削減

高圧電力では「最大デマンド値」が基本料金を左右するため、ピーク電力の抑制が重要です。

デマンド監視装置を導入 すると、リアルタイムで使用電力を把握でき、設定値を超えそうなタイミングでアラートが出ます

例えば、空調や機械の稼働タイミングを分散させることで、デマンドを10%削減できれば、基本料金も同程度削減可能です。毎月の固定費を下げる効果が大きい施策です。

省エネ設備更新と補助金活用

老朽化した設備は消費電力が高く、無駄なコストの原因になります。

古い設備を LED照明や高効率空調、インバーター機器へ入れ替える ことで、消費電力量を10〜30%削減できるケースもあります。

また、省エネ投資には国や自治体の補助金が活用できるため、初期費用を抑えながら導入可能です。

​​​​​​​電力量料金の削減に直結するため、長期的なコスト削減と環境対策の両立が期待できます。

高圧電力を新電力に切り替える手順と注意点

高圧電力の切り替えは、 設備工事なしで実施できる ケースが多く、比較的スムーズに進められます。

​​​​​​​基本は「現状把握→見積もり→比較→契約→切替」の流れですが、契約条件や解約違約金、燃料費調整の仕組みなどを見落とすと、逆にコストが上がる可能性もあります。

​​​​​​​特に高圧電力は契約期間が長い傾向があるため、短期的な安さだけでなく、長期的なコストバランスを踏まえて判断することが重要です。

切り替え検討から契約まで5ステップ

  1. STEP.1

    直近12ヶ月分の電気使用量・デマンド値を確認

    まずは直近12ヶ月分の電気使用量(kWh)と最大デマンド値(kW)を把握します。
    季節変動やピーク電力の傾向を確認することで、最適な料金プランの選定精度が高まります。
    請求書や検針票、デマンドデータを用意しておくとスムーズです。

  2. STEP.2

    複数の新電力会社へ見積もり依頼

    次に、複数の新電力会社へ見積もりを依頼します。
    電気料金は会社ごとに単価や計算方法が異なるため、1社だけで判断するのは危険です。
    最低でも3社以上を比較し、料金だけでなく契約条件やリスクも含めて確認することが重要です。

  3. STEP.3

    料金単価・契約条件を比較

    見積もりが揃ったら、基本料金・電力量単価・燃料費調整の仕組みなどを比較します。
    特に市場連動型か固定単価かで料金の安定性が変わるため要注意です。
    単純な安さだけでなく、契約期間や違約金の有無も含めて総合的に判断しましょう。

  4. STEP.4

    最適なプランを選定し契約

    比較結果をもとに、自社の使用状況に最適なプランを選び契約します。
    コスト削減効果だけでなく、将来的な使用量の変動や運用のしやすさも考慮することが重要です。
    契約前には最終見積もりや条件を再確認し、認識のズレを防ぎましょう。

  5. STEP.5

    切替手続き(供給開始)

    契約後は、新電力会社と現契約先の間で切替手続きが進みます。
    原則として設備工事や停電は発生せず、次回検針日を目安に新しい電力会社へ切り替わります。
    切替後は請求内容を確認し、想定通りの削減効果が出ているかチェックすることが大切です。

切り替え時の確認事項チェックリスト

新電力への切り替え時は、事前確認が重要です。

​​​​​​​特に燃料費調整や市場連動型は、電気代が大きく変動するリスクがあるため、 上限なしの場合は要注意 です。

​​​​​​​下記のチェックを怠ると「切り替えたのに電気代が上がった」というケースもあるため、 複数社比較+条件の精査が重要 です。

  • 契約期間・解約違約金の有無
    L 現契約の更新タイミングや違約金を確認。途中解約で数十万円かかるケースもあるため要注意。
  • 基本料金・電力量単価の内訳
    L 単価の安さだけでなく、どの項目で安くなっているかを確認。総額ベースで比較することが重要。
  • 燃料費調整額の計算方法・上限の有無
    L 上限なしの場合、燃料価格高騰で電気代が大きく上振れするリスクがあります。
  • 市場連動型プランか固定単価プランか
    L 市場連動型は安くなる可能性がある一方、価格変動リスクが高いため慎重な判断が必要です。
  • 請求方法・支払い条件(紙・電子・締日など)
    L 経理処理に影響するため、請求タイミングや支払い方法も事前に確認しておきましょう。
  • 供給実績・サポート体制
    L トラブル時の対応力や実績も重要。法人向けの対応経験があるかをチェック。
  • 契約電力(デマンド)の設定条件
    L 不適切な設定だと基本料金が高くなるため、自社の使用状況に合っているか確認が必要です。

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よくある質問

Q
高圧電力と低圧電力の違いは何ですか?

A

受電電圧の違い です。一般家庭や小規模商店向けの「低圧」は100V・200Vで受電しますが、「高圧」は発電所等から送られる6,000V以上の電気を、敷地内の受電設備(キュービクル)で変圧して利用します。

Q
高圧電力は何kW以上から契約できますか?

A

一般的に、 契約電力が50kW以上となる場合に高圧電力の契約 となります。50kW未満は低圧(動力や電灯)、2,000kW以上になると「特別高圧」という区分に変わります。

Q
高圧電力に切り替えると電気代は安くなりますか?

A

1kWhあたりの単価は低圧より安く設定されていますが、 受電設備(キュービクル)の設置・維持管理コストが自己負担 となります。使用量が多い施設ではトータルで安くなりますが、使用量が少ないと割高になる場合があります。

Q
高圧電力の契約に必要なものは?

A

主に 「高圧受電設備(キュービクル)」の設置、保守点検を行う「電気主任技術者」の選任、および電力会社との受電契約書 ​​​​​​​が必要です。切り替え時には、過去1年分の電力使用量がわかる検針票などを用意するとスムーズです。

​​​​​​​まとめ

高圧電力は、契約内容や使い方を見直すだけで電気代を大きく削減できる可能性があります。

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