「速度が遅い原因はなに?」
店舗のWi-Fiが遅いと、業務効率が落ちたり、顧客満足度が下がったりするデメリットがあるため、改善策を取るべきです。
しかし、「原因が分からないから対処できない」「速度を劇的に改善するならどんな方法がある?」といった疑問を抱く方も多いはずです。
本記事では、店舗Wi-Fiの速度を改善する14の方法と、Wi-Fi環境を整えるうえで知っておきたい知識を徹底解説します。
店舗のWi-F速度が遅い原因
アクセスポイントが遠い
オフィスの広さや構造によっては、アクセスポイントの位置が遠くWi-Fi電波が十分に届かない場所が生じてしまいます。
Wi-Fiは無線通信のため、基本的にAPから離れるほど信号が弱まり、通信速度が低下 します。
この問題を解決するには、アクセスポイントを複数設置したり、アクセスポイントの場所を見直したりするのが効果的です。
また、中継器やメッシュWi-Fiの導入により、フロア全体に万遍なく電波を届けられるでしょう。
障害物がある
Wi-Fiの電波は障害物によって減衰する ため、設置場所は繋がりやすさを大きく左右します。
特に、金属、石材、コンクリート、水などは電波を遮蔽しやすいので、これらの近くは避けましょう。
また、電子レンジやエアコンなどの電化製品は電磁波を発生させるため、Wi-Fiルーターとの距離を置くことが大切です。
加えて、電波干渉の原因となるBluetoothデバイスにも注意しましょう。
同時接続している端末が多すぎる
同時接続している 台数が多いほど、電波が多方面に分散するため、通信が不安定に なります。
オフィスでは、PCやスマートフォン、タブレットなど、多くのデバイスが一斉にネットワークを利用するため、ネットワークが混雑しやすいのです。
特に、大容量のファイル転送や動画ストリーミングを行う端末が多いと、帯域を圧迫し、全体の通信速度が低下します。
この問題に対処するには、帯域制限の設定や、使用していない端末の切断が効果的です。
電波干渉が発生している
Wi-Fiが信号を発する 2.4GHzや5GHzは、Bluetooth機器、電子レンジなど他の無線機器が使用するのと周波数帯 なので、これ電波干渉が起こりやすく、通信速度の低下や接続の不安定さに繋がってしまいます。
さらに、近隣のWi-Fiネットワークが同じチャンネルを使用している場合も干渉が起こり、速度低下の原因になります。
電波干渉を避けるためには、他の無線機器との距離を保ったり、干渉の少ないチャンネルや5GHz帯への切り替えが有効です。
LANケーブルの規格が合っていない
古い規格のLANケーブルほど、対応できるデータ転送速度と帯域幅に制限があるため、高速通信がしにくい 傾向にあります。
たとえば、古いCAT5ケーブルは最大100Mbpsの速度しかサポートしていないため、ギガビット通信(1Gbps以上)が主流となった現在では、通信速度が遅く感じられることがあります。
また、古いケーブルは信号の干渉対策やデータ損失防止の技術が未発達な場合が多く、高速でデータを送るとエラーが増え、結果として通信が不安定になることもあります。
高速なインターネットや大容量のデータ転送を快適に行うためには、CAT5eやCAT6などの新しい規格のLANケーブルに交換することが推奨されます。
ネットワークの構成が複雑になっている
ルーターやスイッチ、アクセスポイント(AP)などのネットワーク機器が多すぎたり、接続経路が複雑だったりすると、 各機器間で通信が効率的に行われず、速度が低下する ことがあります。
また、接続先が多いことでトラフィックが集中し、特定のデバイスやエリアで速度低下が生じることもあります。
さらに、適切なルーティングや負荷分散が行われていない場合、ネットワーク全体のパフォーマンスが落ちてしまいます。
対策としては、ネットワークを見直し、シンプルな構成や適切な負荷分散を行うことで、通信速度の改善が期待できます。
サイバー攻撃や通信障害が発生している
サイバー攻撃では、 DDoS(分散型サービス拒否)攻撃によって大量のデータがネットワークに流れ込み、回線が過負荷になる ことで、通信速度が低下します。
また、マルウェアが社内のデバイスに感染している場合、バックグラウンドで大量のデータ送受信が行われることがあり、これも速度低下につながります。
さらに、ネットワーク機器や回線の故障などによる通信障害も、安定したWi-Fi利用を妨げます。
これらの問題を防ぐために、セキュリティ対策や機器の定期的なメンテナンスが不可欠です。
ルーターに不具合がある
ルーターはインターネット信号を無線で配信する役割を果たしており、これに不具合があると通信速度が低下し、接続が不安定になります。
不具合の原因としては、 古いルーターを使用していることや、最新のファームウェアに更新されていないこと が挙げられます。
最新の通信規格(例えばWi-Fi 6など)に対応していない旧式ルーターだと、速度や接続の安定性が大きく劣る可能性があります。
パソコンやスマートフォンに問題がある
店舗のWi-Fi速度が遅い原因は、利用するパソコンやスマートフォン自体にある場合も考えられます。
- 端末の無線LANアダプタが古い規格(Wi-Fi 4や5など)に対応している
▶最新のWi-Fi 6対応ルーターの性能を活かしきれず、速度が制限される - 端末のソフトウェアが古い場合や、端末のメモリ不足 の場合
▶処理速度が遅くなり、通信性能が低下する - アプリの多重起動
▶バックグラウンドで大量のデータ通信が行われていると、Wi-Fi接続も遅く感じられる
プロバイダ側で通信障害が発生している
プロバイダは、インターネット回線を通じて店舗とインターネットを繋ぐ役割を果たしており、ここで障害が発生すると、店舗側の通信速度が低下するか、接続が不安定になります。
通信障害の原因としては、 プロバイダのサーバーでのトラブル、回線の過負荷、工事作業など が考えられます。特に、利用者が増加する時間帯や地域でのネットワーク過密も速度低下の一因です。
この場合、店舗側でできる対策は限られますが、プロバイダの障害情報を確認し、状況が改善されるまで待つのが一般的です。
また、頻繁に障害が起こる場合は、信頼性の高いプロバイダへの変更を検討することも有効な手段です。
店舗のWi-Fiが遅いときの対処法14選
対処法1|ルーター(モデム)の設置場所を見直す
ルーターの周辺に障害物があると、電波が阻害されたり、電波障害が起きたりします。
Wi-Fiルーターの電波は、 放射状に360度広がっていく性質 を持っているため、 家や部屋の中心に設置することで、万遍なく電波を飛ばすことが可能 です。
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▶床や天井に近すぎると、部屋や家の隅まで効率的に電波が届かなくなってしまうので注意しましょう -
▶理想的な設置場所は、部屋の中央にある棚の上です
対処法2|Wi-Fiルーターを再起動する
再起動によって ルーターの内部メモリがリフレッシュされ 、多くの問題が解消されます。
- まず、電源コードを抜いて30秒ほど待ちます。これは、コンデンサーに蓄えられた電気を完全に放電させるためです。
- その後、電源を入れ直し、ランプの点灯を確認します。
- 再起動後は、Wi-Fi接続を試みましょう。
多くの場合、この簡単な操作で接続が改善されます。ただし、頻繁に再起動が必要な場合は、ルーターの寿命や設定に問題がある可能性があります。
また、ルーターのファームウェアを最新版に更新することで、セキュリティや性能が向上することもあります。
対処法3|Wi-Fiルーターをアップデートする
スマートフォンのOSアップデートと同様、ルーターも定期的な更新が必要です。
最新のファームウェアには、セキュリティの強化や新機能の追加、既知の不具合の修正が含まれています 。これにより、通信速度の向上や安定性の改善が期待できます。
アップデート方法は、メーカーのウェブサイトからファームウェアをダウンロードし、管理画面から適用するのが一般的です。中には自動更新機能を持つ機種もあります。
ただし、アップデート中は通信が一時的に遮断されるため、業務時間外に行うことをおすすめします。
また、アップデート後に設定が初期化される場合があるので、事前に現在の設定をメモしておくことが大切です。
対処法4|ルーターのアンテナを強化する
社内Wi-Fiの電波を強化し速度を改善する方法の一つに、ルーターやアクセスポイントのアンテナを強化することがあります。
多くのルーターは外部アンテナを取り替え可能で、 より高性能なアンテナに交換することで電波の範囲や強度を向上させることが可能 です。
特に、広いオフィスや壁などの障害物が多い環境では、指向性アンテナを使用すると電波を特定の方向に集中させ、効率よくカバー範囲を広げるのが効果的です。
加えて、アンテナの向きを調整するだけでも電波の届き方が変わり、速度の改善に繋がることがあります。必
対処法5|LANケーブルやICカードを挿し直す
LANケーブルやICカードを挿し直すことで、物理的な接続がリセットされ、再度正しく認識されることがあります。
これは、 デバイスやルーターが接続情報を再確認し、新しい接続を確立する ためです。
また、LANケーブルやICカードの接続部分が時間と共に緩むことや、ほこりなどが溜まることで、電気的な接触が悪くなることがあり、挿し直すことで、接触不良が解消され、安定した通信が復元される場合があります。
対処法6|ビームフォーミング機能を活用する
ビームフォーミング機能は、 Wi-Fi電波を特定の方向に集中させる先進技術 です。まるでスポットライトのように、電波を必要な場所に的確に届けます。
この機能を活用すると、電波の到達距離が伸び、通信速度も向上します。
設定方法は機種によって異なりますが、多くの場合、ルーターの管理画面から簡単に有効化できます。
ただし、この機能を最大限に活かすには、接続デバイス側もビームフォーミングに対応している必要があります。
point
- ビームフォーミング使用時は、ルーターとデバイスの間に大きな障害物がないよう注意しましょう。
- 複数の部屋で使用する場合、ルーターの向きを調整することで、さらなる効果が期待できます。
対処法7|IPv6を活用した「IPoE接続」で接続する
「IPv6」を活用した「IPoE接続」は、Wi-Fiの接続性を大幅に改善する可能性があります。従来の「IPv4」に比べ、 「IPv6」は広大なアドレス空間を持ち、通信の効率化が図れます 。
「IPoE接続」は、この「IPv6」を利用して、インターネットに直接接続する方式です。従来の「PPPoE接続」と比べ、通信速度の向上や安定性の確保が期待できます。
特に、夜間や休日などの混雑時に効果を発揮します。
ただし、「IPoE接続」に対応していないプロバイダーもあるため、まずは自身の契約状況を確認しましょう。対応していれば、設定変更だけで恩恵を受けられる可能性があります。
対処法8|接続先を他のWi-Fiチャンネルに切り替える
Wi-Fiは複数のチャンネルで通信しますが、特に2.4GHz帯は多くの機器が利用するため、特定のチャンネルにトラフィックが集中しやすくなります。
近隣のWi-Fiネットワークが同じチャンネルを使用していると、電波干渉が発生して通信速度が低下することがあります。
この場合、 干渉の少ないチャンネルを選んで設定することで、電波の安定性が向上 し、速度の改善が期待できます。これは、混雑した高速道路から空いている裏道に迂回するようなものです。
Wi-Fiルーターの管理画面や専用アプリを使用すると、周囲のチャンネルの混雑状況を確認できるため、最適なチャンネルを見つけやすくなります。
対処法9|中継機を導入する
中継機は、 ルーターからの電波を受信し、それを再度発信することで、電波の届く範囲を拡大 します。
電波が弱い場所に設置することで、家の中のどこにいても繋がりやすいネットワークを構築できます。
例えば、2階建ての家なら階段付近に設置すると、上下階への電波の行き来がスムーズになります。
最新の中継機では、メッシュWi-Fiシステムを採用しているものもあり、複数の中継機を連携させて家全体をシームレスにカバーすることが可能です。
編集部
使用しているルーターとの相性や、必要な通信速度を考慮して機種を選びましょう。
対処法10|メッシュWi-Fiの活用
Wi-Fiの速度向上を目指すなら、メッシュWi-Fiシステムの導入がおすすめです。メッシュWi-Fiは、 複数のルーターを連携させて広範囲をカバーする革新的な技術 です。
従来の中継器と異なり、メッシュWi-Fiは自動で最適なルートを選択可能。壁や階をまたいでも、途切れることなくスムーズな接続を実現します。
さらに、設定も簡単で、専門知識がなくても導入できるのが魅力です。 大きな家や複雑な間取りの住宅でも、メッシュWi-Fiなら死角なくカバーできます。
対処法11|接続する周波数帯を変更する
Wi-Fiルーターの周波数帯(2.4GHzと5GHz)を変更することで、電波の届きやすさを改善できる場合があります。多くのルーターでは 設定画面から周波数帯の切り替えが可能 です。
長所 | 短所 | |
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2.4GHz | 障害物を通過しやすく、広範囲をカバー | 電子レンジなどの家電にと干渉されやすい |
5GHz | 高速通信が可能で干渉も少ない | 障害物に弱い |
対処法12|電波強度が高いルーターへ買い換える
最新のルーターは、高性能アンテナや先進的な信号処理技術を搭載し、より広範囲で安定した通信を実現します。
例えば、Wi-Fi 6(802.11ax)対応のルーターは、従来モデルと比べて通信速度が大幅に向上し、複数デバイスの同時接続にも強いのが特徴です。
選び方のポイントは、自宅の広さや接続デバイス数、主な用途などです。大きな家や多数のデバイスを使用する場合は、トライバンドルーター(※)がおすすめです。
ただし、新しいルーターを導入する際は、接続デバイス側の対応状況も確認しましょう。最新規格に対応していないデバイスでは、ルーターの性能を十分に活かせません。
※トライバンドルーター:2.4GHzと5GHzに加えて、もう1つの5GHz帯を持つ高性能モデル。
対処法13|LANケーブルの規格を見直す
LANケーブルの規格を見直すことで、Wi-Fi環境を大幅に改善できる可能性があります。古いケーブルを使用していると、せっかくの高速回線も十分に活かせません。
最新のCAT8規格のケーブルは、従来のCAT5eと比べて40倍以上の速度を実現 します。 まるで水道管を太くするように、データの流れがスムーズになるのです。
また、ケーブルが必要以上に長いと信号が弱まる可能性があります。適切な長さと規格のケーブルを選ぶことで、Wi-Fi環境全体のパフォーマンスが向上します。
ただし、ケーブルを交換する際は、ルーターやモデムの対応規格も確認しましょう。相性の良い組み合わせで、快適なネット環境を実現できます。対処法14|インターネット回線の見直し
インターネット回線の見直しも、Wi-Fi環境改善の重要な一手です。回線速度が遅ければ、どんなに優れたルーターを使っても十分な効果は得られません。
まず、現在契約している回線の速度を確認しましょう。 動画視聴や大容量ファイルのダウンロードが多い場合は、より高速な回線への乗り換えを検討する価値があります 。
光回線やケーブルインターネットなど、様々な選択肢がありますが、自宅の環境や利用目的に合わせて選びましょう。
また、プロバイダの変更も効果的かもしれません。同じ回線速度でも、プロバイダによってパフォーマンスが異なることがあります。
光回線の見直し相談はこちら店舗にWi-Fiを設置するメリット
来店数や客単価アップにつながる
フリーWi-Fiを整えることで、 顧客がお店を選ぶ際の決め手となり、来店数アップ に繋がります
また、高速で安定したWi-Fi環境は、顧客の滞在時間を延ばし、結果として客単価の上昇をもたらすでしょう。
さらに、Wi-Fiを通じて収集できる顧客データをマーケティング戦略に活用できます。来店頻度や滞在時間、利用サービスなどの情報を分析することで、効果的なプロモーションやメニュー開発が可能です。
顧客満足度アップにつながる
多くの顧客は外出先でもスマートフォンやタブレットを使用するため、 無料Wi-Fiが利用できる店舗は利便性が高く、居心地の良い場所として評価されやすくなります 。
特に、通信量を気にする必要がなくなるため、長時間滞在するカフェやレストラン、小売店などで顧客に喜ばれるポイントとなります。
また、観光客や外国人にとっても無料Wi-Fiは重要で、通信プランを持たない訪問者がネットを利用できることは店舗の評価を上げる要因になります。
顧客満足度の向上により、リピート率や滞在時間の増加が期待され、結果として売上向上や口コミ効果にもつながる可能性があります。
店舗運営の効率化にもながる
Wi-Fiを活用することで、 タブレットやスマートフォンを使った在庫管理や、POSシステムによるレジ業務が円滑に行え、接客や会計のスピードが向上 します。
また、ネット接続を通じてクラウドベースの管理システムを活用できるため、売上や顧客データのリアルタイムな把握や分析が可能になり、適切な在庫補充や販売戦略の見直しがしやすくなります。
さらに、Wi-Fi環境があると、従業員間のコミュニケーションも迅速化され、必要な情報を即座に共有できるため、業務効率が向上します。
加えて、IoT機器やセキュリティシステムもWi-Fiで統合管理できるため、運営コストの削減や店舗全体の生産性向上にも寄与します。
店舗をレイアウトしやすくなる
従来の有線LANに依存する配置では、ケーブル配線が必要となり、レジやPOSシステム、在庫管理端末などの配置が限られてしまいます。
しかしWi-Fi環境が整っていると、これらの 端末を無線で利用できるため、レジやカウンター、商品ディスプレイの配置をより自由に調整できます 。
また、タブレットやモバイル端末を利用した接客が可能になり、必要に応じて店舗のどの場所でも顧客対応や会計ができるようになるため、レジ周りの混雑を緩和できます。
さらに、イベント時や商品入れ替えの際もレイアウト変更がスムーズになり、店舗の雰囲気や季節に合わせた最適な空間づくりが可能になるなど、店舗運営の柔軟性も向上します。
店舗Wi-Fiの導入手順
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STEP.1
必要なスペック(同時接続数・通信速度)を把握する
まず、同時接続数を考慮しましょう。これは、お店の規模や客層によって大きく異なります。例えば、カフェなら席数の1.5倍程度、ファミリーレストランなら2倍程度が目安となります。
次に、必要な通信速度を見極めます。一般的に、1人あたり5Mbps程度を確保できれば、基本的な利用には十分でしょう。
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STEP.2
申し込み
まず、自店舗に最適なプランを選びましょう。
申し込み手続きは、オンラインフォームや電話で完結することが多く、煩わしい書類作成は最小限に抑えられています。
申し込み時には、 同時接続台数や通信速度などの要件を伝え、最適なプランを提案してもらうことをおすすめします 。これにより、店舗の需要に合った効果的なWi-Fi環境を構築できるでしょう。
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STEP.3
インターネット回線の開通
光回線やモバイル回線など、店舗の立地や需要に応じて最適な回線を選びましょう。
例えば、光回線は安定性が高く、大規模店舗に適しています。一方、モバイル回線は工事不要で即日利用可能なため、小規模店舗や期間限定の出店に向いています。
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STEP.4
機器の設定
機器の設定時は、 近隣の電波と干渉しないチャンネルを選ぶことで、通信速度の低下を防げます 。
また、セキュリティ設定も忘れずに。WPA3など最新の暗号化方式を採用し、定期的にパスワードを変更することで、安全性を高められます。
さらに、QoS(Quality of Service)機能を活用しましょう。これにより、重要な業務用通信と顧客用Wi-Fiの帯域を適切に配分できます。
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STEP.5
ルーターの設置場所を決める
ルーターは、電波の届きにくい場所や障害物を避け、店内全体をカバーできるよう設置します。
店内の見取り図を作成し、電波の届きにくい場所を特定しましょう。 壁や什器などの障害物を考慮し、できるだけ中央付近の高い位置に設置するのが理想的 です。
また、大規模な店舗では、複数のアクセスポイントを設置することで、デッドゾーンを解消できます。例えば、メッシュWi-Fiシステムを導入すれば、シームレスな接続が可能になります。
加えて、電子レンジやコードレス電話など、Wi-Fi信号と干渉する機器からは離して設置することが重要です。
設置後は、実際に店内を歩き回って電波強度を測定し、必要に応じて調整を行いましょう。
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STEP.6
ゲストWiFiを設定する
まず、 メインのネットワークとは別に、ゲスト用のSSIDを作成 しましょう。これにより、店舗の業務用ネットワークとお客様用を分離し、セキュリティを強化できます。
パスワードは定期的に変更し、掲示板やメニューに記載するなど、お客様が簡単にアクセスできるよう工夫しましょう。
また、帯域制限を設けることで、特定のユーザーによる過度な帯域占有を防ぎます。例えば、動画ストリーミングサイトへのアクセスを制限するなど、用途に応じた設定が可能です。
さらに、利用時間制限を設けることで、長時間の滞在を抑制し、客席回転率の向上にもつながります。
店舗Wi-Fiの選び方
通信速度が速いものを選ぶ
Wi-Fiの通信速度が遅いと、顧客がインターネット接続にストレスを感じ満足度が下がるほか、POSレジやモバイルオーダーがスムーズに動作せず、業務効率も落ちてしまいます。
特に、複数の顧客が同時に利用する店舗では、回線が混雑しやすくなるため、安定した高速通信を提供できるWi-Fi環境が求められます。
速度を重視するには、最新の通信規格に対応したWi-Fiルーター(例えばWi-Fi 6対応)を選ぶと効果的です。多くの端末が接続しても速度が落ちにくく、高速かつ安定した接続を提供します。
また、 通信プランも店舗規模に応じて適切な帯域幅のあるものを選ぶことが大切 です。
セキュリティ性が高いものを選ぶ
店舗Wi-Fiは不特定多数の人が接続する分、セキュリティリスクも高まります。
高度な暗号化技術を採用したWi-Fi機器を選ぶことで、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを防止することが重要 です。
例えば、WPA3規格対応の機器は、従来よりも強固なセキュリティを提供します。
また、コストを抑えつつ高いセキュリティを実現する方法として、クラウド管理型のWi-Fiサービスも注目されています。
ゲストWi-Fi対応機種を選ぶ
ゲストWi-Fiとは、店舗スタッフ用のネットワークとは別に、顧客専用のネットワークを提供する機能です。
店舗スタッフ用と顧客用のネットワークを分離することで、業務データの保護と顧客プライバシーの確保を両立 できます。
また、ゲストWi-Fi対応機種は、接続時間や帯域幅の制限、簡単なログイン方法など、顧客管理に便利な機能も備えています。
さらに、ゲストWi-Fiを通じて収集したデータを活用し、マーケティングに役立てることも可能です。顧客の利用傾向を分析し、サービス改善につなげられるでしょう。
編集部
ゲストWi-Fi対応機種を選ぶことで、顧客満足度向上と店舗運営の効率化を同時に実現できます。
導入・運用コストが予算に見合ったものを選ぶ
店舗Wi-Fiのコストは、 予算と期待される導入効果のバランスを考慮して選ぶことが重要 です。
例えば、小規模カフェと大型商業施設では、必要な機能や規模が異なるため、選ぶべき機種や仕様が異なります。
初期投資を抑えたい場合は、月額制のWi-Fiサービスも検討価値があります。一方、長期的な視点では、高性能な機器への投資が結果的にコスト削減につながる場合もあります。
また、最新の省電力技術を採用した機器は、電気代の削減にも貢献します。 コストと機能のバランスを取りつつ、店舗の成長に合わせて段階的にアップグレードできる柔軟性も考慮しましょう。
回線タイプで選ぶ
店舗Wi-Fiの回線タイプを選ぶ際は、安定性と速度、店舗が重要です。 店舗の規模や利用目的に応じて最適な回線を選びましょう 。
光回線は高速で安定した通信が可能で、大規模店舗に適しています。一方、ホームルーターは設置が簡単で、小規模店舗向けです。
モバイルWi-Fiルーターは工事不要で即日利用可能ですが、通信容量に制限があることが多いため注意が必要です。
例えば、カフェでは安定した光回線が顧客満足度を高めます。一方、期間限定のポップアップストアならモバイルWi-Fiが便利です。
店舗Wi-Fiの回線タイプ
●光回線+Wi-Fiルーター
光回線とWi-Fiルーターの組み合わせは、安定した高速通信が可能なため、人気の選択肢です。
光回線は、銅線を使用する 従来の回線と比べて、データ転送速度が圧倒的に速いのが特徴 です。 Wi-Fiルーターと組み合わせることで、店舗全体に強力な無線ネットワークを構築できます。
ただし、初期費用や月額料金が他の選択肢と比べて高くなる可能性があるため注意が必要です。
しかし、長期的に見れば、顧客満足度の向上や業務効率化によるコスト削減効果が期待できます。店舗の規模や利用状況に応じて、適切なプランを選択することが重要です。
●ホームルーター
ホームルーターは設置が簡単で、コンセントを指し、 本体の電源を入れるだけですぐに使えるため、小規模店舗やポップアップストアに適しています 。
しかし、同時接続数や通信速度に制限があることを念頭に置く必要があります。
例えば、多くの顧客が一斉に接続すると、通信速度が低下する可能性があります。これは、ホームルーターが元々家庭用に設計されているためです。
また、電波の届く範囲も限られているため、広い店舗では十分なカバレッジを得られない場合があります。
そのため、席数の多い大規模店舗には向かない可能性があります。
●モバイルWi-Fiルーター
モバイルWi-Fiルーターは、電源さえあれば即座にWi-Fi環境を構築できるため、設置場所の柔軟性が高く、イベントや期間限定ショップにも最適です。
しかし、ホームルーターと同様に、同時接続数や通信速度、電波の届く範囲に限界があるため、規模の大きい店舗には向きません。
また、月間のデータ通信量に上限がある場合が多いため、利用状況によっては追加料金が発生することもあります。
さらに、建物の構造や周囲の電波環境によっては、通信が不安定になりやすいため、事前に店舗内での電波状況の確認が必要です。
同時接続台数の目安
30席以下の小規模店舗・個人店
30席以下の小規模店舗や個人店では、 同時接続数20台程度のWi-Fiルーターで十分対応できる でしょう。
ただし、セキュリティ対策は必須なので、ゲストWi-Fi対応機種を選び、不正アクセスや情報漏えいには注意すべきです。
30席~100席の中規模店舗
30席~100席の中規模店舗では、 同時接続数50~100台程度 のハイパフォーマンスなWi-Fiルーターが必要です。
ある程度まとまった利用人数が想定されるため、メッシュWi-Fiシステムの導入が効果的です。これにより、店舗全体をシームレスにカバーし、デッドゾーンを解消できます。
また、帯域制限機能を活用し、特定のアプリケーションやユーザーの通信速度を調整することで、全体的なパフォーマンスを維持できます。
さらに、高度なセキュリティ機能を備えたビジネス向けWi-Fiソリューションを選択し、顧客データの保護にも配慮しましょう。
席数が100席以上ある大規模店舗
席数が100席以上ある大規模店舗では、多数の利用者が同時に快適に通信できるよう、 同時接続数200台以上に対応する高性能なWi-Fiシステムの導入が不可欠 でしょう。
また、エリア内のどこでも途切れない接続を実現するため、複数のアクセスポイントを戦略的に配置することが重要です。これにより、店舗の隅々まで安定した通信環境を提供できます。
さらに、帯域幅の管理や負荷分散機能を活用し、混雑時でも安定したパフォーマンスを維持できます。
セキュリティ面では、高度な暗号化と認証システムを導入し、大量の顧客データを安全に管理することが求められます。
店舗Wi-Fi導入時のデメリット
Wi-Fi目的の顧客が増え、回転率が低下する可能性
店舗Wi-Fiの導入するデメリットの一つが、Wi-Fi目的の顧客増加による回転率の低下です。無料Wi-Fiを求めて長時間滞在する客が増えると、席の回転が悪くなる可能性があります。
これは、カフェなどで「ノマド客」と呼ばれる長時間作業する人々が増加する現象に似ています。例えば、一杯のコーヒーで数時間席を占有されると、店舗の収益に影響を与えかねません 。
対策:利益確保と回転率の維持
- Wi-Fi利用時間の制限を設ける
- 一定時間ごとに再認証を要求するシステムを導入する
- Wi-Fi利用には最低注文金額を設定する
運用コストがかかる
店舗Wi-Fiの導入には、運用コストという避けられない課題があります。 インターネット回線の月額料金や機器のメンテナンス費用 など、継続的に発生する支出を指します。
しかし、このコストは投資として捉えることが重要です。Wi-Fi環境の改善は、顧客満足度の向上や業務効率化につながり、長期的には収益増加に貢献する可能性があります。
対策:コスト削減
- 複数の店舗でWi-Fi機器を共同購入して1台当たりの価格を抑える
- サブスクリプション型のサービスを利用する
- 適切な機器選定と効率的な設置により、初期投資を抑える
店舗Wi-Fi導入時の注意点
家庭用Wi-Fiではなく業務用Wi-Fiを選ぶ
業務用Wi-Fiは、同時接続数や通信速度、セキュリティ面で家庭用よりも優れている ため、店舗のWi-Fiは家庭用ではなく業務用Wi-Fiを選ぶびましょう。
長時間の使用に耐える設計になっており、店舗の営業時間中も安定したパフォーマンスを発揮します。
さらに、セキュリティ面でも、顧客データを守るための高度な暗号化技術が搭載されています。
加えて、多くの業務用Wi-Fiサービスは専門的なサポートを提供しており、トラブル時にも迅速な対応が期待できます。
編集部
初期投資は家庭用より高くなる可能性がありますが、長期的には顧客満足度の向上や業務効率化につながり、投資に見合う価値があると言えるでしょう。
開通期間・工事立ち会いなどが発生する可能性もある
店舗にWi-Fiを導入する際には、開通までの期間や工事の立ち会いが必要になる場合がある点に注意が必要です。
特に、 新規にインターネット回線を引く場合、回線工事が発生し、開通までに数週間から1か月以上かかることも あります。
繁忙期は工事日程が混み合いやすく、開通までさらに期間が延びる可能性があるため、店舗オープンのタイミングを考慮して早めの準備が望ましいです。
十分なセキュリティ対策を行う
店舗Wi-Fiのセキュリティ対策は、 顧客データ保護と店舗の信頼性維持に不可欠 です。
- 強力な暗号化技術(WPA3など)を採用し、データの盗聴や改ざんを防ぐ
- ゲストネットワークを分離し、店舗の内部ネットワークへのアクセスを制限する
- 定期的なパスワード変更や、アクセスログの監視を徹底する
- ファイアウォールの設置やVPNの利用で、外部からの攻撃を防ぐ
- 最新のセキュリティアップデートを適用し、脆弱性を塞ぐ
店舗におすすめのWi-Fi
platwifi(プラットWi-Fi)
platwifi(プラットWi-Fi)は、世界シェアNo.1のP-Link製高性能ルーターを月額利用でおトクに利用可能です。
最大同時接続台数100台で、メッシュWiFiやIPv6方式にも対応しており、広範囲かつ高速な通信を、オフィスや飲食店、美容室など様々な業種で活用いただけます。
また、Wi-Fiを使ったチラシや1000万ダウンロードアプリとの連携でマーケティングや集客にも活用でき、売上に貢献します。
さらにサポート体制も充実しており、専門のスタッフがご利用環境にピッタリの失敗しない機器選びを支援してもらえます。
ギガらくWi-Fi
ギガらくWi-Fiは、NTT東日本が提供するオフィスや店舗内の業務用Wi-Fiサービスです。
顧客満足・従業員満足向上に役立つ機能に加え、プロによる導入から運用までのサポートが付いているので、安心・簡単・すぐに使える点がメリット。
専門スタッフが事前に設定も行ってくれるため、Wi-Fi端末に電源コードを挿し、ルータとLANケーブルでつなげばすぐに利用可能です。
U-SPOT biz
U-SPOT bizは、「大容量×超高速」のIPv6プロバイダを標準搭載したオフィス、店舗向けFree Wi-Fiサービスです。
メール登録やSNSの連携不要で接続できるため、お客様の利便性も高く、満足度アップに繋がるでしょう。
全都道府県140ヶ所以上のサポート拠点をもち、24時間365日体制でトラブルに対応してもらえるため、もしもの時でも安心です。
BizAir (ビズエアー)
BizAirは、店舗やオフィス向けに設計された高速・安定したWi-Fiソリューションです。
業種・場所・形態を問わず利用できるほか、工事も不要で、コンセントに挿すだけで場所を選ばずすぐに使い始められる手軽さも魅力です。
また、BizAirは専門スタッフによる設置サポートや、運用後のサポート体制が充実しているため、Wi-Fiの知識が少ない企業でも安心して導入できます。
申込手続き完了から最短3日で利用可能なので、短期間でWi-Fi環境を整備したい場合にも最適でしょう。
NURO Biz
NURO Bizが提供する法人向けのインターネット接続サービスの「NUROアクセス」は、ビジネスシーンでのインターネット利用を、より快適かつ安心にしてくれるサービスです。
固定IPアドレスが発行されるため、自社サーバーの運用にも活用できます。なお、固定IPアドレスは有料オプションで最大30個まで追加できます。
また、24時間365日のリモート保守やオンサイト保守が提供されているほか、サービス品質保証制度もあるため、安心したサポート体制も魅力です。
まとめ
店舗Wi-Fiの改善は、顧客満足度向上や業務効率化など、様々なメリットをもたらします。
ポイントは、速度低下の原因を特定し、適切な対策を講じることです。
特に、メッシュWi-Fiの導入や最新規格の採用は、広範囲で安定した通信を確保しやすいため、おすすめです。
導入時は、店舗の規模に合った規格を選び、業務用Wi-Fiの選択やセキュリティ対策に注意しましょう。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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