エアコンの電気代を抑えるために知っておきたいこと

エアコンの電気代を抑えるために知っておきたいこと

室内の温度を快適に保つエアコン。現在では事業所だけでなく学校や一般家庭にも普及し、一部屋に1台ずつ設置しているというお宅も多いのではないでしょうか。その一方で、エアコンが消費する電気エネルギーの割合は大きく、電気代に頭を悩ませている方も多いと思います。そこで今回はエアコンの節電について考えてみたいと思います。

エアコンの仕組み

夏は涼しく、冬は暖かくて快適な部屋にしてくれるエアコン。特に近年は猛暑になりがちな夏場は生活必需品です。まず簡単にエアコンの仕組みをおさらいしておきましょう。

エアコンは室内機と室外機の2つで1セットとなっており、それぞれに熱交換器という装置が肺いています。またこの2つをつなぐパイプの中に熱を運搬する冷媒(れいばい)という物質が仕込まれています。

熱には多いところから少ないところに異動する性質があり、夏は熱交換器で吸収した室内の熱を冷媒で室外機に運搬して、室外機から排出します。冬はその逆で、室外機が外気の熱を吸収し、冷媒によって室内機に運んだ熱が室内に放出されるという仕組みになっています。これはヒートポンプと呼ばれています。

ヒートポンプの根幹を担うコンプレッサー

ヒートポンプ装置にはコンプレッサーという機械が入っていて、冷媒を圧縮します。このとき冷媒は気体になっていて、圧力が高くなると温度も高くなります。熱を蓄えた冷媒は適切な場所に異動して熱を放出すると、さまざまな装置を経て減圧され、液体から気体に変化します。冷媒は液体から気体に変わる際、周囲の空気の温度を奪います。ここで温度が冷やされた空気がエアコンでは冷房に利用されます。

一番電気を使う「コンプレッサー」の進歩

エアコンの熱交換システムで最も重要な役割を担うコンプレッサーは、エアコン全体のおよそ9割の電力を消費するそうです。そのため、各メーカーはコンプレッサーの省エネ化に長年取り組んでいます。

例えば東芝はデュアルコンプレッサーを開発し、コンプレッサーの圧縮部を2つのシリンダーで構成しました。これにより設定温度に近づくと1シリンダーを休ませることができ、節電できる仕組みになっています。

一方日立はスクロール方式を採用しています。固定スクロールと旋回スクロールの2枚の羽根でなめらかな回転を実現し、小さな動きで振動や騒音を減らし、圧縮ガスの漏れを減らして効率をUPさせています。

<参考>東芝:
https://www.toshiba-lifestyle.co.jp/living/air_conditioners/pickup/edr/voice01.htm

<参考>日立:
http://kadenfan.hitachi.co.jp/ra/history/tech.html

ユーザーができる省エネ対策

エアコンの使い方によっても電気代のかかり方には差が生じます。まず基礎知識として夏よりも冬の方が電気代がかさむことを覚えておきましょう。冬は夏よりも室内気温と設定温度の差が大きいため、設定温度にするために使うエネルギー量が多くなります。

例)夏:室温35度から25度に下げる場合→10度
  冬:室温5度から25度に上げる場合→20度

フィルターのお手入れは大切

フィルターのお手入れは大切

季節を問わず、フィルターのお手入れは大切です。室内機のフィルターが汚れると、空気の流れが悪くなり、電気代が最大25%も余計にかかると言われています。異常音やにおいの原因にもなるため、2週間に1度は掃除をしましょう。

フィルターを外す前にエアコンパネルのホコリを掃除機などで取り除いておくと、ホコリが降って部屋が汚れるのを防ぐことができます。室内機から外したフィルターのほこりは説明書に従って掃除機で吸ったり水洗いでキレイにしましょう。

室外機の周辺には物を置かない

エアコンの室外機は空気の熱を出し入れする大切な役割を担っています。室外機の前に物を置いて空気の流れが悪くなると、排出した熱をそのまま吸いこんでしまい、エアコンの効きが悪くなることがあります。

また雪の多い地域では、室外機の周りに雪が積もって空気が流れなくなったり、雪が吸い込まれて効率が悪くなることがあります。防雪フードなどで雪の対策もしておきましょう。

季節に応じた省エネ対策

- 夏の節電

エアコンは動き始めるときに最も電気を消費します。こまめにスイッチを切ると消費電力が増えてしまうので、短時間の外出ならつけっぱなしの方が省エネになります。

また風量を弱風や微風にすると室温を下がるためにかかる時間が長くなり、かえって消費電力が増えてしまうことがあります。風量は自動に設定しておくと良いでしょう。

推奨温度にしても熱く感じる時は、設定温度を下げる前に風量を挙げてみましょう。強風にすることで体感温度を下げる方が、結果的に消費電力を抑えることができるそうです。
なお、1度高めに室温を設定するだけで約10%の節電になります。

- 除湿の使い方

エアコンには冷房と除湿があり、除湿の方が節電になるというイメージを持っている方も多いと思いますが、一概にそうとも言えません。除湿機能は空気中の湿気を結露させて湿気を摂る仕組みが基本ですが、方式には再熱除湿と弱冷房除湿の2種類があります。

再熱除湿は、空気を室内に戻す際に暖め直すので、室温を下げずに除湿できます。しかし温め直す際に余計な電力を使うので、部屋をあまり冷やしたくない時は除湿、真夏は冷房と使い分けると良いでしょう。

弱冷房除湿は取り込んで冷やした空気をそのまま室内に戻すので、室内の温度は下がります。弱冷房なので電力消費は大きくありませんが、除湿量は再熱除湿に比べると少なくなります。弱冷房除湿タイプのエアコンを使っている場合は、少しだけ冷やしたいときに除湿、しっかり冷やしたいときには冷房を使うと良いでしょう。

- 冬の節電

エアコンは夏と同様、暖房運転の場合にも動き出しから設定温度にするまでに電気をたくさん消費します。そのため、自動運転で一気に室温を上げる方が電気代の節約になります。自動運転を利用して、設定温度になったら自動で弱運転に切り替わるようにしておくのが便利です。

部屋の断熱効果を上げることも冬の節電には効果的です。窓はガラス1枚で冷気が入りやすいため、可能であれば断熱ガラスにしたり、断熱カーテンをかけたり、断熱フィルムを窓に貼るなどの工夫をすると効果的です。

サーキュレーターで部屋の上部にたまりがちな暖かい空気を循環させてエアコンの働きを助けることも効果があります。

実は買い替えが最も省エネ!?

実は買い替えが最も省エネ!?

30年ほど前のエアコンは水を利用して空気を冷やすタイプもあったようですが、現在は技術が発達し、熱効率を良くする仕組みや人のいる位置や滞在時間などを感知して無駄なく室温を快適に保てるよう工夫されているものも増えています。

特にエアコンは「統一省エネラベル」表示が必要となる品目で、省エネ基準(目標値)の達成率などの表示が義務付けられており、ラベルを見れば10年前、15年前よりもずっとエネルギー効率の良いエアコンが多くなっていることがわかります。ちなみに資源エネルギー庁のホームページによると、2013年型のエアコンは2003年型に比べて約12%省エネできるそうです。10年以上前に製造されたエアコンを使っているなら、新製品に変えて年間の電気代を節約することができる可能性が大いにあります。

<参考>資源エネルギー庁:
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/choice/

まとめ

今回はエアコンの省エネについて考えてみました。エアコンは電気の消費量が最も多い機械の1つです。フィルターの掃除や断熱対策も効果が見込めますが、古いエアコンを使っている場合には買い替えが一番手っ取り早い省エネ対策になります。

業務用の場合は埋め込み式や露出型など種類が豊富で、部屋の形状によって適するものが異なります。専門の業者に依頼して適切なエアコンが設置されているかをチェックしてみるのも良いのではないでしょうか。

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