チャーンレートとは
チャーンレートとは、サービスの解約や有料版から無料版へのダウングレードをした割合をさす言葉です。
チャーンレートは低ければ低いほどよく、チャーンレートが低いと、顧客全体に対して解約をする顧客数が少ないと言えます。
チャーンレートの種類
カスタマーチャーンレート
チャーンレートの中でも、カスタマーチャーンレートは、顧客ベースで解約率を算出します。
類似のチャーンレートに「アカウントチャーンレート」というのがありますが、作成されたアカウント数をベースにして計算するもので、顧客数=アカウント数である場合は、どちらも求められる数は同じです。
ただ、1人につきいくつもアカウントを作成することができる場合はその限りではありません。
レベニューチャーンレート
レベニューチャーンレートとは、収益ベースで算出されるチャーンレートです。
同じサービスの中で、複数の価格帯のサービスを展開している場合に用いられ、どの価格帯のユーザーの解約数が多いのか、収益がどのくらい減っているのかを把握することができます。
レベニューチャーンレートはカスタマーチャーンレートと併せて算出されることが一般的です。
ネガティブチャーン
ネガティブチャーンは、解約率ではありませんが、顧客数や収益額の増加が、チャーンによる収益低下を上回った場合のことを指します。
簡単に言えば、既存の顧客からの新規収益が、キャンセルやダウングレードにより、失う収益の方が多くなることです。
ただ、アップグレード等で、既存の顧客から追加の収益が得られた場合、解約によって失う収益が相殺されることもあります。
チャーンレートの計算式
カスタマーチャーンレートの計算方法
カスタマーチャーンレートは下記の計算方法で、算出されます。
カスタマーチャーンレート=当月の解約顧客数÷前月末時点の契約顧客数×100
例えば、当月の解約数が30件で、前月末時点の契約顧客数が1,000だった場合、カスタマーチャーンレートは3%になるということです。
レベニューチャーンレートの計算方法
レベニューチャーンレートは、下記の計算方法で算出されます。
レベニューチャーンレート=当月に解約やプラン変更に伴って失われた収益÷前月の月次収益×100
そのため、解約やプラン変更によって減った収益が前月の収益の何パーセントかを計算する方法になります。
チャーンレートの平均や目安は3%
チャーンレートの平均値は、企業の成長度合いやサービスのターゲットによって変動がありますが、一般的に1ヶ月あたりのチャーンレートの目安は3%とされています。
3%を上回る場合は、改善施策を早めに検討し、実行しなければなりません。
ただ、月によってチャーンレートに大きく変動がある場合(例:3月7%、4月:3%など)、年間の平均値も見ておく必要があります。
チャーンレートの改善方法
1対1でコミュニケーションを取る
チャーンレートの改善策のポイントとして「パーソナル」というのがありますが、顧客と1対1でコミュニケーションを取ることも重要です。
コミュニケーションを取った上で、サービスや商品がマッチしなかったのか、他の良い商品を見つけたのかなど、解約の原因を探っていきます。
顧客が解約をする原因は様々ですが、コミュニケーションを取ることで、対応によっては解約を回避できる可能性もあります。
迅速に対応する
顧客から解約をしたい、商品やサービスに不満があるという、マイナスな意見に対しては、特に迅速に対応する必要があります。
なぜなら、マイナスな意見を持っている以上、いつ解約に至ってもおかしくないためです。そのうえ対応が遅れてしまうと、更に解約意識を掻き立てることになってしまいます。
そのため顧客対応は日ごろから迅速に行い、特にマイナスな意見に対する対応は、早期解決をしていくことが将来的なチャーンレート改善に繋がります。
信頼を獲得する
チャーンレートを改善するには、ロイヤルティを持つ顧客を増やすことが重要です。ロイヤルティとは、顧客がサービスやブランドに対して、持つ特別な信頼感や愛着の気持ちのことを指します。
例えば、このブランドが好きだから購入したい、使い続けたい、この会社を信頼しているから、解約したくない、乗り換えたくないと思ってもらうことで、チャーンレートを大幅に下げることができるのです。
ただし、ロイヤルティを獲得するためには、ファンに提供できる価値を上げることが重要なため、併せてサービス向上や、施策を考える必要があります。
既存の機能を伝える
解約をしたいと考えている顧客の中には、商品やサービスの使い方が分からない方や、使ってみたけど役に立てられなかったという方もいます。
特に、新規契約の際の担当者と、現場で実際に活用する担当者が違うと、機能の認識にずれがある可能性もあります。
顧客の利用状況や、利用目的をしっかりと把握したうえで、サービスの内容やメリット・活用例を詳しく解説することが重要です。
価格体系の見直しをする
チャーンレートが高い理由の1つに、単に「価格が高い」「市場価値と価格に乖離がある」という可能性があります。
しかし、適正な価格設定をするのは当然のことですが、値下げをしすぎてしまうとサービス面で劣って行く可能性があります。
サービスやサポート等機能面を見直した上で、価格が市場価値とマッチしているかを見極め、必要であれば見直しをしなければなりません。
カスタマーサクセスの最大化を目指す
カスタマーサクセスとは、「顧客の成功体験」という意味で、顧客が目指しているゴールを認識し、先回りしてサポートすることが重要視されます。
顧客満足度を向上させることで、信頼の獲得や新規顧客の獲得にも繋がります。
カスタマーサクセスの最大化は顧客満足度や顧客ロイヤリティの向上に繋がり、チャーンレートの抑制に効果的です。
大手企業の開拓
チャーンレートを改善していく際、大手企業に向けたサービス浸透に注力していなかったのであれば、大手企業の開拓に注力するのもおすすめです。
具体的にはターゲットの見直しで、中小企業やベンチャーに向けたアプローチよりも、中長期的に関係性を築いていけるよう、施策を打たなければなりません。
大手企業開拓担当には時間がかかる可能性もあるため、コストはかかるものの、大手企業開拓に適した人材を採用してみましょう。
チャーンレートが注目される理由
サブスクやSaaSの台頭がきっかけ
チャーンレートが注目されるのは、サブスクやSaaS型ビジネスの台頭がきっかけです。必要機能だけをネットで購入できたり、気に入ったサービスをネット上で月額契約が出来たりすることで、2015年から急激に市場が拡大しています。
SaaS型ビジネスにはサブスクが活用されることが多いですが、手軽に契約できる一方、手軽に解約出来てしまうのも難点でした。
そのため、チャーンレートに注目し、顧客の離脱や乗り換えを阻止するための改善策が重要視されているというわけです。
様々なビジネスでチャーンレートの改善が重要視
SaaS型ビジネスやサブスクリプションサービスだけでなく、ネットの普及であらゆるサービスをネットで契約することが出来るようになっているため、様々なビジネスでチャーンレートの改善が重要視されています。
どんなビジネスも長期的に購入を継続する既存顧客がいなければ、新規顧客の獲得利益を回収したとしても、赤字になる可能性が高いです。
そのため、顧客の不満点を可視できるチャーンレートが重要視されているとも言えます。
チャーンレートとLTVの関係
チャーンレートとLTV(ライフタイムバリュー:顧客生涯価値)は、密接な関係性があります。
LTVは、企業やサービスに対するロイヤリティ(愛着や信頼)が高ければ高いほど、それに比例して高くなります。つまり、顧客が生涯企業にもたらしてくれる利益が高くなるということです。
そのためLTVが下がると、おのずとチャーンレートも上がり、LTVが上がると、チャーンレートがさがるという仕組みになります。
チャーンレートを改善するには、LTVの改善も視野に入れましょう。
まとめ
チャーンレートとは、主にSaaS型ビジネスやサブスクリプションサービスにおける、サービスや商品の解約率のことで、売上を順調に上げていくためにもチャーンレートの改善に注力していく必要があります。
しかし、チャーンレートの改善には、手厚いカスタマーサポートや、LTV改善施策などが必要で、自社だけでは難しいという企業も多いです。
その場合は、カスタマーサポート業務をチャット対応に移行し、アウトソーシングで強化していくこともできます。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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