「光回線を引く際、大家さんに反対されないコツは?」
「勝手に工事をしてしまった場合どうなる?」
賃貸に入居している方がインターネットを契約する場合、基本的には物件の大家さんや管理会社の許可を取る必要があります。
しかし、「どのように切り出すべき?」「許可をもらいやすくするにはどうしたらいい?」といった疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
今回は、アパートのインターネット工事において大家さんの許可が必要なケースを徹底解説!了承を得やすくするためのコツや注意点などもご紹介します。
目次
インターネット工事は2種類
引き込み工事
「引き込み工事」とは、建物そのものに光回線設備が整っていない場合に、 住宅近くの電柱から建物まで光ファイバーケーブルを引き込む工事 のことです。
通常、電話用の配管かエアコンダクトを利用して行われるケースが多いですが、住宅状況によっては壁に約10mm程度の穴を開けて引き込むケースもあります。
宅内工事
光回線の「宅内工事」は、建物に引き込んだ 光ファイバーケーブルを室内の光回線用コンセントから引き出して光回線終端装置に繋ぐ作業 です。
工事自体は2時間程度で終わる簡単なものですが、室内での作業なので必ず立ち会いが必要になります。
ファミリータイプとマンションタイプでも異なる
ファミリータイプ
ファミリータイプの光回線を導入する場合は、 必ず電柱から建物へ光ファイバーを引き込む「引き込み工事」が必要 です。
一方で、マンションタイプは既存の共用設備を流用できることがあるため、工事不要で利用できるケースもあります。
ファミリータイプでは外部から光回線を新設するため、引き込み後は宅内までケーブルを通し、室内に光コンセントを設置して回線終端装置(ONU)へ接続します。
光ケーブルはエアコンダクトや既存の配管を活用することが多いものの、利用できる穴がない場合は最終手段として壁に新たな穴を開けて引き込む場合もあります。
マンションタイプ
既にマンションタイプの光回線設備が導入されている集合住宅であれば、電柱からの引き込み工事は不要 です。
電柱から建物内の共用スペース(MDF)までは光回線が引き込まれているため、各部屋までは宅内配線と光コンセントの設置といった比較的シンプルな工事で利用を開始できます。
また、マンションタイプは建物内に既存設備が整っているケースが多いため、工事が比較的軽微で済む傾向があります。
ただし、物件自体に光回線設備が未導入の場合は、ファミリータイプと同様に引き込み工事が必要となる点には注意が必要です。
インターネット工事をするのに大家の許可が必要なケース
- 物件に光回線工事がされていない場合
- すでに工事済みだが別の光回線を契約したい場合
- マンションタイプで穴あけやビス止めが必要な場合
物件に光回線工事がされていない場合
物件そのものに光回線が導入されていない場合は、 電柱からの引き込み工事を行っていいかどうか、大家さんに確認する 必要があります。
大掛かりな工事ではありませんが、場合によっては壁に穴をあけたりビス止めをする必要があるため、事前にその旨を説明しておきましょう。
すでに工事済みだが別の光回線を契約したい場合
建物に導入されている光回線とは別のサービスを契約したい場合 は、事前に大家さんから許可をもらっておきましょう。
例えば、NTTフレッツ光が導入されている物件で「auひかり」や「NURO光」を利用する場合、全く違う設備を用意する必要があるため、それに伴って工事が発生します。
工事の際に穴あけやビス止めが必要になる可能性もあるので、事前に了承を得ることでトラブル防止につながります。
マンションタイプで穴あけやビス止めが必要な場合
- 建物共用部に光配線ルートがない(古いマンション)
L VDSLや電話線前提で建てられた古い物件
L MDF室やPS(パイプスペース)から各戸へ光ケーブルを通す配管がない - 共用配管・配線が満線・劣化していて通せない
L すでに他回線で配管が埋まっている
L 配管の曲がり・劣化・途中で潰れている - 部屋の位置的に共用部から引き込みできない
L 角部屋・最上階・共用部から遠い部屋
L PSが部屋の近くにない構造 - ベランダ直結型の構造(UR・分譲賃貸など)
L ベランダ側に通信設備を後付けする設計
L 他の住戸も外壁配線が見えるタイプ - 10Gbps(光クロス)など高速プランを選択した場合
L 既存のマンション設備が1Gbpsまでしか対応していない
L クロス用設備が共用部にない
マンションタイプの工事でも、まれに外から直接引き込みをするケースがあり、その場合は大家さんの許可を取る必要があります。
一般的に、 工事中に穴あけやビス止めが必要だと分かるパターンが多い ので、一度作業を止めてもらい、その場で電話して許可を取るか、一度その日の工事は諦めて、後日許可が取れてから改めて再工事を依頼することになります。
業者が勝手に工事を進めることは基本的になく、必ず作業の前に確認されるため、大家さんの連絡先などを用意しておくとスムーズです。
光回線工事済みのマンション・アパートであれば許可は不要
もともと建物にマンションタイプの光回線が導入されている場合、大家さんや管理会社の許可は不要 です。
マンションタイプの設備を導入する時点で入居者が工事することも想定されているため、基本的にトラブルに発展することはありません。
ただし、工事当日は共用スペースに立ち入る必要があるため、管理会社などに事前連絡を行い、開錠の手配をしてもらう必要があります。
この連絡を忘れてしまうと、工事当日に立ち会っても工事ができなくなってしまうので、工事が決まった時点で早めに依頼するのがおすすめです。
賃貸の場合は光回線工事済みの物件か確認しよう
賃貸のアパートやマンションに入居している場合は、 まず自分の住んでいる物件にマンションタイプの光回線が導入されているかどうか確認する のがおすすめです。
インターネット設備の有無は、入居時の賃貸契約書に記載されていますが、分からない場合は直後大家さんか管理会社に問い合わせましょう。
インターネット工事の許可は誰に取る?
集合住宅または戸建ての場合
マンションタイプが導入されていない集合住宅や賃貸の一戸建てで光回線の工事を行う場合は、 その建物を管理している管理会社、もしくは大家さんに許可を取ります 。
建物に関する問い合わせ先は賃貸契約書に記載されているケースがほとんどなので、一度契約時の書面を確認し、もしわからなければ管理会社に直接連絡しましょう。
UR賃貸住宅や市営住宅の場合
UR賃貸住宅の場合はUR都市機構、市営住宅の場合は、 市の担当課まで直接連絡をして工事の許可を取る 必要があります。
ただし、UR賃貸住宅や市営住宅は公共性の高い物件のため、外壁工事や共用部を利用するファミリータイプの導入は原則認められていません。
そのため、建物にあらかじめ導入されているマンションタイプの回線設備を利用しましょう。
賃貸の場合は勝手に光回線(ネット回線)工事をしないこと
工事が中断する可能性がある
許可を取らずに工事を始めてしまうと、工事途中で管理会社や大家さんが気づいた場合、 状況説明を求められて途中で工事が中断されるリスク があります。
また、工事中に穴あけやビス止めが必要と判明した場合、事前に大家さんへ話を通していないと許可がスムーズに下りず、工事を中止せざるを得ないパターンも考えられます。
工事が中止になると、日程の再調整で開通が遅れたり、無駄な工事費用が発生したりする可能性もあるので、必ず許可を取ったうえで進めるようにしましょう。
壁の穴あけや外傷の修繕費を請求される可能性がある
管理会社や大家の許可を取らないまま工事を行った場合、 開通時に発生した壁の穴や外傷の修繕費を請求される 可能性があります。
賃貸の場合、建物の所有者である管理会社やオーナーの許可なく建物に傷を入れる行為は基本的に禁止されています。
万が一ルールを破った場合、弁償請求に正当性が認められてしまい無駄なコストが発生してしまうので、必ず事前に確認をとっておきましょう。
【アパートのインターネット工事】大家の許可をもらいやすくする方法
- 難しい言葉は使わない
- 工事という言葉を使わない
- 穴あけやビス止めをする前提で話さない
難しい言葉は使わない
大家さんに直接許可を取る際は、難しい用語を使わず、 なるべく簡単な言葉で説明をする ようにしましょう。
大家さんの中にはインターネットにあまり詳しくない方も多く、専門用語や横文字を多用すると「難しくてよくわからない」という不安から、詳細を理解しないまま拒否されてしまうことがあります。
交渉をする際はなるべくシンプルに伝え、「難しい工事をするわけではない」と理解してもらうことが重要です。
工事という言葉を使わない
「工事」という言葉を使うと、大規模な作業をイメージする大家さんも多いため、 「ネット回線の配線作業」や「導入作業」など、ライトな表現をする ようにしましょう。
実際に、光回線の導入工事は非常に簡単な作業なので、必要以上に大げさなイメージを与えないように工夫することで許可を得やすくなります。
穴あけやビス止めをする前提で話さない
光回線の工事は、必ずしも穴あけやビス止めをするものではないので、敢えてそれを強調しないよう工夫することも大切です。
「建物に傷がつく」といった内容を全面に押し出して説明すると大家さんは警戒してしまうため、 「通常はそういったことはないが、可能性がゼロではない」といったニュアンスで伝える ようにしましょう。
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- インターネットの必要性を具体的に説明する
- 工事費用は大家負担でないことを伝える
- インターネット工事に関して管理会社に連絡した場合は担当者の名前をメモしておく
インターネットの必要性を具体的に説明する
管理会社や大家さんの中には、インターネットの必要性自体は理解していても、「どのような用途で使うのか」「建物にどの程度の工事が発生するのか」が分からず、判断に迷うケースもあります。
そのため、光回線工事を相談する際は、単に「インターネットを引きたい」と伝えるのではなく、 利用目的を具体的に説明することが大切 です。
例えば、学生であればオンライン授業やレポート提出、社会人であればリモートワークや業務上のメール対応など、日常生活や仕事に直結する用途を伝えることで、必要性をイメージしてもらいやすくなります。
工事の目的が明確になれば、不要な工事だと誤解されにくくなり、許可もスムーズに取りやすくなるでしょう。
工事費用は大家負担でないことを伝える
開通工事の許可を取る際は、 工事費用が自己負担であると強調する ことで、スムーズに了承を得やすくなります。
大家さんの中には、「インターネットの工事費用は大家がすべて負担しなければならない」と勘違いしている方もいます。
トイレやお風呂の修繕とは違い、光回線の開通工事は入居者個人の契約に基づくので、工事費用を大家さんに求めることはないと説明することで、許可を得やすくなるでしょう。
インターネット工事に関して管理会社に連絡した場合は担当者の名前をメモしておく
アパートやマンションの管理会社からインターネット工事の許可を取った場合は、必ず管理会社の担当者の名前をメモしておくようにしましょう。
まれに、 担当者が独断で許可を出し、工事完了後に管理会社側が「そんな許可は出していない」と主張してトラブルに発展するケースがある ため、問い合わせ時の詳細情報を控えておくことで不当な責任追及を回避することができます。
また、光回線の事業者によっては、許可を取れた管理会社名や連絡先、担当者などを確認をされるケースがあるので、万が一に備えてメモを残しておくのがベターです。
大家さんに光回線の工事を反対された場合はどうしたらいい?
大家さんの許可が出なかった場合はホームルーターがおすすめ
どうしても管理会社や大家さんから工事の許可がもらえない場合は、「ホームルーター」を活用するのがおすすめです。
ホームルーターは、 本体のプラグをコンセントに挿すだけでネット環境を構築できる機器 のことで、工事不要で安定したインターネット通信を使用できます。
Wi-Fiはもちろん、有線LANの接続も可能なので、スマホやタブレット、ノートPC、デスクトップPCなど幅広い機器に対応します。
条件付きで許可が出た場合は現地調査を依頼することも可能
「ビス止めはOK、穴あけはNG」「工事内容の詳細説明をしてくれれば、内容によっては許可する」など、条件付きで大家さんから許可が出た場合は、導入を検討しているサービスに現場調査を依頼するという選択肢もあります。
現地調査を依頼すれば、 工事業者が現地へ赴き「どのような方法で工事ができるか」を確認したうえで工事を進めることが可能 です。
この際、穴あけやビス止めの要否も必ず説明されるため、大家さんの提示した条件を満たせないと分かった時点で工事をキャンセルすれば、無駄なコストを発生させずに可能な範囲で工事を進めることができます。
インターネット回線工事のよくある質問
A
マンションタイプの光回線が導入されていない物件でも、個別にファミリータイプを契約することが可能です。
ただし、工事が発生するため、必ず大家や管理会社に許可を取る必要があります。
A
| フレッツ 光ネクストの場合 | 工事費用(税込) | |
|---|---|---|
| 戸建て マンション アパート |
屋内配線工事が必要 | 2万2,000円 |
| 屋内配線工事が不要 | 1万1,660円 | |
| 無派遣工事(NTT局内工事のみ) | 3,300円 | |
A
マンションタイプの光回線を導入していない物件において、個別にファミリータイプの回線を導入する場合、工事費用は入居者負担となります。
ただし、物件そのものにマンションタイプの回線を導入する場合は、大家や管理会社が工事費用を負担するのが一般的です。
【まとめ】賃貸でインターネット工事をする場合は必ず大家の許可を取ろう
賃貸のの物件でインターネットを導入する場合は、必ず大家や管理会社の許可を取るようにしましょう。
無許可で工事を行った場合、壁の穴あけやビス止めで発生した外傷の修繕費を請求されるといったトラブルに発展する可能性があるので注意が必要です。
交渉をする際は、「工事費用は入居者負担であること」「必ずしも建物に傷がつくわけではないこと」などをきちんと説明し、大家にとってデメリットがないことを強調することで許可を得やすくなります。
また、万が一許可が下りない場合でも、工事なしでネット環境を構築できる「ホームルーター」を利用するといった方法があるので、光回線の導入が難しい方は検討してみてください。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!


