ドコモ法人携帯の新プラン「ギガホ」「ギガライト」はデータシェアパックとどう変わった？

ドコモのシェアパック　「カケホーダイ・パケあえる」は新規申し込み終了

ドコモで提供されていたデータシェアパック「カケホーダイ・パケあえる」は、2019年5月31日をもって新規申込受付を終了しました。こちらは、カケホーダイプランとパケあえるサービスが同時に利用できるプランで、毎月2,700円で通話し放題なのでご家庭にはありがたいプランでした。

家族向けだけでなく、法人でもよく利用されていたプランで、親回線がパケット料金を払うことで子回線は月額500円で毎月のデータ通信量をシェアすることができました。

そして、カケホーダイ・パケあえるのサービスが終了し、新たにドコモで開始された新プランが「ギガホ」「ギガライト」の2種類です。ギガホ・ギガライトはこれまでのプランとはいくつか異なる点があり、より効率的に通話やデータ通信ができるプランになっています。

それぞれの特徴や料金プランについて、みていきましょう。

データシェア可能な新サービス「ギガホ・ギガライト」

「ギガホ・ギガライト」はデータシェア可能

ギガホ・ギガライトはそれぞれ、毎月利用できるデータ通信量に違いがあります。企業の従業員によっては毎月10GBを使用する人もいれば、5GBしか使用しない人もいるはずです。そうした個人の利用状況の違いにも着目し、ギガホ・ギガライトでもデータシェアを可能にしています。

これまでのシェアパックを利用されていた場合は、そのままシェアパックが継続されますが、プランを乗り換えてギガホ・ギガライトにすることもできます。そして、データ通信量をシェアできるギガホプランは2021年4月1日から「5Gギガホプレミア」「ギガホプレミア」に変更されました。

また、音声通話はできない代わりに、ギガホ・ギガライトと契約しているとタブレット・ルーターとデータをシェアできる「データプラス」というサービスも提供されています。今回は、ギガホ・ギガライトはどのような特徴と料金プランなのか、みていきます。

ギガホの特徴と料金プラン

ギガホは、2021年4月1日から「ギガホプレミア」にプラン名が変更されています。ギガホプレミアは、毎月60GBまでデータ使い放題の「ギガホプレミア」とデータ量無制限の「5Gギガホプレミア」があり、毎月の余った通信量はグループ内で分け合えます。

ギガホプレミアは4G・Xi対応になっており、毎月のデータ通信量が多く効率的に使うことを考えるならギガホプレミアがおすすめです。

ギガホプレミアの詳細については、以下の通りです。

ギガホプレミアは中規模～大企業向けのプランで、データ通信量60GBの大容量が魅力のプランです。毎月の余った通信量を翌月に繰り越して利用できるほか、データ制限が掛かってもその都度データの購入もできます。また、プランが高いと感じる場合には、上記の割引以外に「ドコモ光セット割」もあります。

ドコモ光セット割は、同一の「ビジネス通話割引」グループ内にドコモ光と契約している回線があれば、最大で20回線までスマホの月額料金から永年で1,100円割引（最大）がされるものです。

ただし、以前の「カケホーダイ・パケあえる」のように通話かけ放題は基本料金にはついていないため、オプションで追加する必要があります。かけ放題オプションは1,870円/月、5分通話無料オプションは770円/月が必要です。

営業職が多い企業の場合、外部との連絡に利用頻度が高いことが想定されるため、かけ放題または5分通話オプションを検討する必要があるでしょう。逆に社内の通話のみで、外部とのやりとりはメールなどのツールを利用することが多いなら、オプションは必要ありません。

ドコモ公式HP：https://www.nttdocomo.co.jp/biz/charge/

ギガライトの特徴と料金プラン

ギガライトは毎月のデータ通信量が少なく、使った分に応じて支払う料金が変わるので、無駄を少なく使いたい場合におすすめです。使ったデータ量に応じて、7GBまでステップ式に料金が変化するプランです。

ステップ1では1GBまで、ステップ2では3GBまで、ステップ3では5GBまで、そしてステップ4で7GBまで利用でき、各ステップに料金が設定されています。

データ通信量によっては、ギガホプレミアで3GB未満使用の場合よりも安いので、各社の利用状況によってどちらがよりお得に利用できるか検討してください。

ギガライトは個人事業主～小規模企業向けのプランで、7GBまではステップを踏むことで効率的にデータ通信を利用することができます。ギガホプレミアと同様、使わなかった分は翌月に繰り越せるほか、データ制限にかかってもその都度データを追加購入することもできます。

また「ドコモ光セット割」も加入が可能で、無駄なく利用しつつコストも抑えることができる点が魅力です。ギガライトではギガホプレミアにはない細かい設定として、「ギガプラン上限設定オプション」もあります。

ギガライトは一定の通信量で次のステップへと移行するため、利用料金の節約やスマートフォンの使い過ぎを防ぐ目的で、利用可能データ量に上限を設定するために存在するオプションです。毎月の通信量が少ない企業や小規模の企業の場合、コストを抑えるためにもギガライトプランがおすすめです。

データシェア可能なキャリアはドコモ以外もある？

ここまではドコモをメインに紹介しましたが、続いてドコモ以外のキャリアのデータシェアについて紹介します。データシェアが可能なプランは、ドコモ以外の大手であるソフトバンク、auも導入しています。また、格安SIM会社であればY!mobileもデータシェア可能なプランがあるので、比較検討したうえで検討してください。

ソフトバンクのデータシェアできるプランは通話用の100GBまでのプランや、通話なしのデータのみで3000GBまでのプランもあります。auの場合はデータシェアできるプランに加えて、同一グループ間でデータ容量を贈りあうことができるサービスもあるので、データ容量をグループ内で効率的に利用可能です。

Y!mobileのシェアプランは、スマートフォンとタブレットで別々のデータ通信量と契約を結ぶキャリアが多いところ、スマートフォンとタブレットで通信量を共通にすることで、毎月の管理がしやすい仕組みにしています。キャリアによってデータシェアプランはあるものの、それぞれが提供しているサービスは異なるので、どこを選択するのが最もお得になるのか比較検討してください。

キャリアそれぞれのプランと特徴について、みていきましょう。

データシェア可能なキャリアとプランの特徴

データシェア可能なドコモ以外のキャリアとして、ソフトバンク・au・Y!mobileの3社を紹介します。それぞれのプランと料金を紹介するので、比較するための参考にしてください。

データシェア可能なソフトバンクのプラン

ソフトバンクには、法人データシェアプランが大きく分けて2種類あります。

1つは通話も可能な「法人データシェアギガパック」、もう1つは通話なしでデータ通信のみの「法人データシェア専用パック」です。法人データシェアギガパックは50GBまで16,000円/月のプランと、100GBまで25,000円/月のプランの2つがあります。

シェアできるグループの子回線の上限も異なり、50GBのプランでは子回線は19回線まで、100GBのプランでは子回線は29回線までシェア可能です。法人データシェア専用パックは、10GBで9,500円/月のプランから3,000GBで1,900,000円/月のプランまで幅広く用意されています。

子回線の数も9回線～999回線まで幅広く利用可能で、法人携帯の利用者が多い企業ではソフトバンクが選択肢になるでしょう。ソフトバンクは、通話もできるプランに加えてデータ通信のみに特化したプランもあるため、企業のニーズに柔軟に対応しやすい点が魅力です。

ソフトバンク公式HP：https://www.softbank.jp/biz/mobile/priceplan/

データシェア可能なauのプラン

auのデータシェアプランは、ご家庭向けのデータシェアプランと基本的には同様で、法人向けには「データギフト」というサービスを提供しています。データギフトは、グループ間でデータ容量を贈りあうことができ、月々の通信量に余裕のある人から通信量が制限にかかりそうな人に通信量を渡すことができる無料サービスです。

毎月のデータを余すことなく利用できるため、無駄を少なくしたい場合におすすめのサービスです。ギフト対象となるデータ量は毎月のプランの上限からで、0.5GB単位で贈ることができます。

対象となる条件は以下の通りです。

• それぞれの回線で「データチャージ」に加入
• それぞれの回線で「データ定額サービス」または「料金プラン」に加入
• 「法人割プラス」「auスマートバリュー」または「一括請求/KDDIまとめて請求」に加入

選べる基本料金プランは「使い放題MAX（4G）」または「ピタットプラン 4G LTE」で、それぞれの基本料金は「使い放題MAX」が4,928円から、「ピタットプラン」が2,178円からとなっています。

注意してほしいのはデータギフトの可能容量には限界があるため、事前にどのくらいまでギフトが可能か確認しておくことです。上手く利用すれば通信量を余らせることなく利用できるので、使いやすいデータシェアプランになっています。

au公式HP：https://biz.kddi.com/service/mobile/charge/

データシェア可能なY!mobileのプラン

Y!mobileのデータシェアプランは、大手のキャリアのシェアプランとは少し異なり、スマートフォンとタブレットで通信容量を共通にできる点が特徴です。スマートフォンとタブレットが別々の請求になっていると、それぞれで通信容量の余りが発生した場合、繰り越しは出来ても余った分が無駄になってしまいます。

Y!mobileのシェアプランではその無駄をなくすため、親回線のスマートフォンで使わなかった通信量を子回線のタブレットと分け合うことができます。スマートフォンとタブレットでそれぞれ何GB残っているか計算する必要がなくなり、煩雑な作業も不要です。

Y!mobileは通信量に合わせてS・M・Lの3つからプランを選択でき、法人の場合は2回線以上の契約で全回線から700円/月の割引も受けられます。

それぞれのプランについては、下記の通りです。

• シンプルSプラン：月々3GBまで1,980円/月
• シンプルMプラン：月々15GBまで2,980円/月
• シンプルLプラン：月々25GBまで3,780円/月

Y!mobileは格安SIM会社で、ソフトバンクの回線を利用し、月額料金の安さも魅力なので個人事業主や小規模企業でおすすめのキャリアです。

契約前に比較検討して自社にあったキャリアをみつける

ドコモのデータシェアパックがギガホ・ギガライトになって、どのように変わったのかを紹介してきました。

大きく変わった点は、通信量の上限がついたことやかけ放題がオプションになった分、毎月のデータ使用量に応じたプラン選択ができるようになったことです。ドコモは定期的にプラン内容を変更しており、よりユーザーが使いやすい方向に移行しています。

また、同じく大手キャリアであるソフトバンクやauも独自のデータシェアプランを提供しており、キャリアを選択する前に比較検討することが重要です。最近では格安SIM会社でもデータシェアプランを提供しているので、大手キャリアだけでなく格安SIM会社など幅広い視野で、自社に最も適したキャリアを検討してください。

キャリアごとに提供するサービスは異なりますが、自社に最適なプランがどこかにあるはずなので、じっくりと探してみてください。