サテライトオフィスとは？オフィスの種類やメリット・デメリットを解説！

サテライトオフィスとは

サテライトオフィスは、 企業や団体の本社や本拠地から離れた場所に設置されたオフィス のことをいいます。本社よりも通勤しやすい場所におかれ、支社などと比べ少人数で働けるだけの広さとインフラ環境が整備されたオフィスがほとんどです。

サテライトオフィスは、オフィススペースのコスト削減や、様々な地域での人材確保が期待でき、従業員自身の働き方が柔軟になることで、業務効率の向上や人材の満足度が高まることが期待されます。

なぜサテライトオフィスが今必要なのか？

サテライトオフィスが今必要とされる理由は主に以下の3点です。

まず、 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、在宅勤務やテレワークが一般的になった ことです。企業は従業員の健康や安全を最優先に考え、柔軟な働き方を求められるようになりました。

次に、 働き方改革が進んでおり、ワークライフバランスの重要性が認識されている ことも大きな要因です。サテライトオフィスは従業員が通勤時間を短縮し、育児や介護、趣味などの時間も大切にしながら働くことができるため、多様な働き方を支える手段として注目されています。

最後に、 ICT技術の進化により、リモートでのコミュニケーションや業務が可能になった ことです。このため、企業は本社から離れた場所であっても業務を円滑に行えるようになり、地域や人材の多様性を活かすことができます。

サテライトオフィスの種類

都市型サテライトオフィス

都市型サテライトオフィスは、主に大都市の中心部に設置されるサテライトオフィスの一形態で、 通勤圏内にある場所に設置することで、従業員の通勤時間を短縮することが目的 です。そのため、企業は本社から近い場所にサテライトオフィスを設置し、より多くの人材が働きやすい環境を整備します。

都市型サテライトオフィスは、主に大手企業を中心に導入されており、従業員の人材確保や育児・介護支援、過密化対策などのメリットが期待されています。また、都市型サテライトオフィスの普及により、オフィス空間に関するコスト削減や地方への事業展開の促進など、企業の競争力向上が見込まれます。

地方型サテライトオフィス

地方型サテライトオフィスは、 企業が本社や拠点から離れた地方に設置するオフィス です。このオフィス形態は、地方に住む優秀な人材を確保することが可能となります。企業は勤務地が地方であることから、従業員の通勤時間を削減し、ワークライフバランスを向上させることができます。

また、地方型サテライトオフィスを導入することで、地域と企業との連携が強化され、地方の事業拡大や新規事業の創出につながる可能性があります。さらに、地域振興や地域活性化にも貢献することが期待されます。

地方型サテライトオフィスのデメリットとしては、コミュニケーションの効率化やセキュリティ面での対策が必要になることが挙げられます。しかし、適切な対策を行うことで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。

郊外型サテライトオフィス

郊外型サテライトオフィスは、 都心から離れた郊外に設置されるオフィス です。このオフィス形態は、都心部の高騰するオフィスコストを削減することができるほか、従業員の通勤時間を短縮し、ワークライフバランスを改善することが期待できます。

また、郊外型サテライトオフィスを活用することで、自然環境が豊かな場所で働くことができ、従業員のストレス軽減や生産性向上につながるでしょう。

郊外型サテライトオフィスのデメリットとしては、本社や拠点からのアクセスが悪い場合があることや、他社との競争が激しい場合には、優秀な人材の確保が難しくなることが考えられます。しかし、十分な人材育成や環境整備を行えば、これらのデメリットも解消できるでしょう。

企業がサテライトオフィスを導入するメリット

地方にいる優秀な人材が獲得できる

サテライトオフィスを導入することで、地方にいる優秀な人材が獲得できることは大きなメリットです。 従来は都市部に集まる優秀な人材を獲得するために、企業は本社や拠点を都心部に設置していましたが、サテライトオフィスを活用することで、地方の人材も活用できる ようになります。

このため、企業は地方での新規事業展開や地域との協力が容易になり、事業拡大のチャンスが広がります。また、地方に住む人材は地元のネットワークや情報を持っているため、地域密着型のビジネス展開が可能となります。最後に、地方の優秀な人材を獲得することで、企業は多様な視点やアイデアを持つ人材を活用でき、経営や事業のイノベーションが期待できます。

移動コストが削減でき、生産性向上につながる

サテライトオフィスの導入は、 移動コストの削減や生産性向上に効果的 です。従業員が通勤時間を減らせることから、オフィスでの労働時間がより有意義に使われる可能性が高まります。

また、地方にある営業拠点や顧客との打ち合わせに移動する際、都市部の本社からより近い場所にサテライトオフィスがあると、移動時間や交通費の削減が期待できます。

育児や介護による離職防止

サテライトオフィスは、 育児や介護のために自宅近くで働きたい社員のニーズに応えることができます 。自宅に近いサテライトオフィスを利用することで、子どもを保育園に送り迎えする時間や、介護する家族を見守る時間を確保できることで、働きやすい環境が整い、離職リスクが低減します。

例えば、子育て中の社員や介護を必要とする家族がいる社員が、本社が遠くて働きづらい状況にある場合、サテライトオフィスを活用することで、仕事と家庭の両立がしやすくなり、離職を防ぐことが可能となります。

BCP（事業継続計画）対策ができる

サテライトオフィスを導入することで、 事業継続計画（BCP）対策も実施できます 。地域の災害リスクや感染症拡大などの状況に応じて、本社や支社とは別の場所で働くことが可能になり、事業の運営を続けられるため、企業のリスク管理が強化されます。

例えば、本社が都心にある企業がサテライトオフィスを郊外に設置することで、災害時や感染症が流行した際でも、社員たちは安全な場所で働くことができ、事業が円滑に続けることができます。

サテライトオフィス導入のデメリット

セキュリティリスクがある

サテライトオフィスを導入することで、 情報漏洩のリスクが増える原因は、機密情報がリモートで扱われることや、オフィス外での通信が増えること です。

対策として、従業員に対する情報セキュリティ教育が必要であり、定期的なアップデート、または、セキュリティ対策のソリューションやツールの導入が効果的です。

コミュニケーションが取りにくくなる

サテライトオフィスによって、遠隔でやりとりすることが増えると、 直接的な対面が減ることや、社員同士の交流が制限されることがあります 。その対策として、リアルタイムのビデオ会議やチャットツールの活用が効果的であり、定期的な本社での集まりや交流イベントを開催することも必要です。

また、社員の働き方が多様化する中で、メンタルヘルスのケアや相談窓口の設置が重要です。一部の企業では、人事部や社内カウンセリングなど、社員のメンタルヘルスをサポートする施策を導入しており、今後サテライトオフィスの導入においては、効果的なコミュニケーション環境の整備が不可欠といえます。

社員の労務管理が難しくなる

サテライトオフィスは、 リモートワークによる勤務時間の管理が困難であることや、労働環境の統一が難しくなります 。その対処法として、勤務時間管理のためのシステム導入や、柔軟な働き方の推進が有効です。

実際には、労務管理の取り組みが進む企業では、適切な休憩時間の確保や、働き方改革の推進が行われています。サテライトオフィスが本格的に普及するためには、社員の働く環境や労務管理の改善が重要であり、企業の対応が求められます。

サテライトオフィス導入を成功させるポイント

コミュニケーションツールの導入

コミュニケーションツールを導入することによって、企業内のコミュニケーションは大きく改善することができます。その理由は、社員同士が離れていても、簡単にやり取りを行えるようになることです。

例えば、チャットツールやビデオ会議ツールの利用によって、リアルタイムでの情報共有が可能になり、誤解や遅れが減り、社員が自分のデスクから離れることなく、他部門との情報共有や問題解決ができるようになります。

遠隔地の社員ともスムーズにコミュニケーションができることで、生産性やワークライフバランスの向上が期待できます。

社内の管理体制を見直す

社内の 管理体制の見直しによって、業務の効率化や生産性向上を図ることができます 。これにより組織に無駄が減り、タスクの遂行がスムーズになります。

例えば、プロジェクトの進捗状況の共有やタスク割り振りの改善によって、進行中の業務が円滑に進みます。タスク管理ツールを導入して進捗状況を可視化したり、定期的なミーティングを実施して情報共有を促したりすることで、社員が自分の業務に集中できるようになっていきます。

セキュリティ対策を万全にする

セキュリティ対策を万全にすることで、 外部からのサイバー攻撃や内部からの情報漏洩リスクが軽減されます 。定期的なセキュリティチェックや最新のセキュリティソフトの導入、社員へのセキュリティ意識向上教育を実施することで、脅威に対応する。具体的には、社員が持ち出し可能なデータを制限したり、利用するデバイスに対してセキュリティ対策ソフトをインストールしたりすることで、情報漏洩リスクを軽減できる。

また、テレワークやリモートワークの普及に伴い、社員が自宅や外出先で業務を行う機会が増えるため、セキュリティ対策はこれまで以上に重要となる。社員のセキュリティ意識向上や外部からの攻撃への対策を徹底することで、企業の情報資産を守り、ビジネスの継続性を確保できる。

まとめ

2020年、新型コロナウイルスの影響を受け、多くの企業で従業員の「働き方」を見直すキッカケができたかと思います。通勤により、人の行き来が多い状況に身を置くことのないよう、サテライトオフィスの導入は、これからの生活に必要な仕組みを作る大きな役割を担うかもしれません。

もちろんサテライトオフィスを導入し、そこで仕事をしてもらうためには、サテライトオフィスでも生産性やサービスの価値を落とさずにいけることが、最重要です。クオリティを下げずに仕事を行うことを前提に、サテライトオフィスの環境構築を行っていく必要があるでしょう。