テレワークの基本を簡単に解説!リモートワークとの違いやデメリットも紹介

「テレワークとリモートワークの違いは?」
「メリット・デメリットを知っておきたい」
「そもそもテレってどんな意味?」


テレワークとは、在宅勤務やリモートワークなどオフィス以外の場所で働くことを指します。

しかし、在宅勤務やリモートワークの違い、メリット・デメリットなどが分からず、全体像がなかなかつかめない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、テレワークの基本から、企業側・従業員側のメリット・デメリット、そして導入方法まで網羅的に解説します。

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テレワークとは「場所を選ばない働き方」

テレワークとは「場所を選ばない仕事」

テレワークの意味とは

テレワークは、 情報通信技術(ICT)を活用し、時間や場所にとらわれずに柔軟に働く形態 です。

単に在宅勤務を指すのではなく、オフィス以外の場所、例えばカフェやコワーキングスペース、サテライトオフィスなどで働くことも含まれます。

企業にとってコスト削減やワークライフバランスの改善などのメリットをもたらす一方、情報セキュリティ対策やコミュニケーション不足などの課題も存在します。

テレワークの語源:何の略?

テレワークは、略語ではなく、和製英語です。

「tele=遠隔」と「work=働く」を組み合わせた造語 で、1970年代にアメリカで生まれた「telecommuting」の概念を日本語で表現するために作られました。

「telecommuting」は、電気通信技術を活用してオフィスから離れた場所で働くことを意味し、当時は自宅勤務を行う形態が想定されていました。

テレワークとリモートワークの違い

テレワーク 情報通信技術(ICT)を活用して、オフィス以外の場所(自宅、カフェ、サテライトオフィスなど)で働くこと。国の制度に基づいて定義されており、労働基準法上の労働時間や休憩時間などの適用を受ける
リモートワーク 遠隔地から働くこと。必ずしもICTを活用する必要はなく、電話や郵便などを使って業務を行うことも含まれる。国の制度では定義されておらず、労働基準法上の適用も明確ではない。


テレワークとリモートワークは、どちらも時間や場所にとらわれずに柔軟に働くことができる働き方ですが、厳密には定義が異なります。

ただ、近年では、テレワークとリモートワークの境界線は曖昧化しており、 実質的には同じ意味で使われることが多くなっています

テレワーク導入の現状

テレワーク導入の現状

総務省の調査によると、 令和5年のテレワーク導入割合は約5割 となっており、「導入していないし、具体的な導入予定もない」企業が増加傾向にあります。

導入目的の内訳は、「感染症への対応」が前年より減少している一方、「ワークライフバランスの向上」「非常時の事業継続に備えて」が増加しています。

企業にとって、テレワークは単なる感染症対策ではなく、働き方改革や事業継続計画(BCP)の一環としての重要性が高まっていると言えるでしょう。

参考:通信利用動向調査(令和5年調査)|総務省

テレワークの種類

テレワークの種類 説明 主な特徴 メリット デメリット
在宅勤務 自宅で業務を行う勤務形態 通勤不要、自宅の設備を使用 通勤時間の削減、ワークライフバランスの向上 自宅環境に依存、仕事とプライベートの境界が曖昧になりがち
モバイルワーク スマートフォンやノートパソコンを使い、場所を問わずに業務を行う勤務形態 どこでも仕事ができる、柔軟性が高い 作業場所を自由に選べる、出張や外出先でも仕事ができる 安定したインターネット接続が必要、プライバシーの確保が難しい場合がある
サテライト
オフィス勤務
自宅以外の指定されたサテライトオフィス(分室)で業務を行う勤務形態 特定の施設を利用、職場の近くのサテライトオフィスを利用 通勤時間の短縮、オフィス設備が整っている、チームメンバーとの連携がしやすい サテライトオフィスへの依存、施設の利用時間が制限される場合がある
ワーケーション 旅行先やリゾート地などで休暇を取りながら業務を行う勤務形態 旅行と仕事の両立、非日常の環境で仕事ができる リフレッシュしながら働ける、創造性の向上 仕事と休暇の区別が難しい、旅行費用がかかる、インターネット接続が不安定な場合がある
デュアルワーク 週の一部をオフィスで、残りを自宅や他の場所で勤務する形態 オフィスとリモートの併用、柔軟な勤務形態 オフィスのメリットとリモートワークのメリットを両方享受できる スケジュール管理が必要、頻繁な移動が負担になる場合がある

在宅勤務

在宅勤務は、テレワークの形態の一つであり、 従業員が自宅を就業場所として業務を行う働き方 です。

オフィスに出勤する代わりに、自宅でパソコンやインターネット回線などを活用して仕事を進めます。

モバイルワーク

モバイルワークは、ノートパソコンやタブレット、スマートフォンなどの モバイル端末を活用して、場所や時間にとらわれずに業務を行う働き方 です。

オフィスだけでなく、カフェやコワーキングスペース、移動中など、様々な場所で仕事をすることができます。

サテライトオフィス勤務

サテライトオフィス勤務は、企業がオフィス以外の場所(サテライトオフィス)に就業場所を設け、 従業員がサテライトオフィスで業務を行う働き方 です。

サテライトオフィスは、自宅から近い場所や交通の便利な場所などに設置されることが多く、通勤時間の削減やワークライフバランスの向上などのメリットがあります。

【関連記事】サテライトオフィスとは?メリット・デメリットを解説▶

編集部

サテライトオフィスには、専用型と共有型の2種類があります。

専⽤型

専用型サテライトオフィスは、 自社やグループ企業専用のオフィススペース です。

営業活動や出張の合間に利用したり、在宅勤務の代替として自宅近くのオフィスで勤務したりするなど、柔軟な働き方を可能にします。

設置場所は、自社事業所内に設ける社内サテライトオフィスと、既存の事業所とは別に設ける独立型サテライトオフィスの2種類があります。

共有型

共用型サテライトオフィスは、自社やグループ企業だけでなく、 複数の企業や個人事業主が共用するオフィススペース です。

近年では、シェアオフィスやコワーキングスペースとも呼ばれています。

当初はフリーランスや起業家を中心に利用が広がっていましたが、近年では企業がこれらの施設と契約し、従業員に利用させるケースも増えています。

ワーケーション

ワーケーションは、リゾート地や温泉地など、 普段のオフィスとは離れた場所で休暇を楽しみながら、テレワークを活用して仕事を行う働き方 です。

リラックスした環境で仕事に集中できる、気分転換になりストレスを解消できる、観光やアクティビティを楽しめるなどのメリットがあります。

編集部

ワーケーションは、Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語です。

デュアルワーク

デュアルワークは、 本業と副業の両立を可能にするテレワークの形態 です。

本業はオフィスで勤務し、副業は自宅やカフェなどの場所を活用してテレワークで行います。

副業は、ブログやアフィリエイト、プログラミング、デザイン、翻訳など、さまざまなものがあります。

編集部

近年では、副業を解禁する企業が増えており、デュアルワークがますます注目されています。

【企業側】テレワーク導入のメリット

【企業側】テレワーク導入のメリット
企業側のメリット
  • コスト削減
  • 生産性の向上
  • 営業効率の向上
  • 事業継続性の向上
  • 企業イメージの向上
  • 人材の確保・離職防止

コスト削減

テレワーク導入は、企業にとってさまざまなメリットをもたらしますが、中でもコスト削減は大きな魅力です。具体的には、以下のコスト削減効果が期待できます。

【関連記事】テレワークはコスト削減に有効?ポイント3つを解説▶

削減できるコスト 説明
オフィス賃料、光熱費、設備費 オフィススペースの縮小、光熱費の削減、オフィス機器・家具の購入・リース費用の削減
通勤手当、残業代 通勤距離の短縮・不要化による通勤手当の削減、集中しやすい環境による残業時間の削減
印刷・コピー代、交通費 ペーパーレス化による印刷・コピー代の削減、出張・会議の交通費の削減

編集部

コスト削減効果は、企業にとって大きな利益となり、経営効率の向上や事業拡大に貢献します。

生産性の向上

テレワーク導入により、 従業員が通勤に費やしていた時間を仕事に充てられるため、労働時間の有効活用につながります

例えば、従業員が往復で1時間の通勤をしていた場合、1日あたり1時間、週に5時間の追加労働時間が確保でき、タスクの完了速度が向上します。

快適な自宅環境での作業はストレスを軽減するので、創造性や問題解決能力、業務効率の向上にも効果的です。

営業効率の向上

顧客とのやり取りをオンライン化することで、 場所や時間に縛られずに迅速な対応が可能となり、顧客満足度の向上につながります

ビデオ会議ツールを用いた商談や、深夜帯でも対応可能なチャットサポート体制を構築すれば、海外拠点の顧客への対応もスムーズに行えます。

フレキシブルな働き方ができるので、「オフィスでの対面や電話を主体とした顧客対応で、対応範囲が限られている」という悩みを抱える企業にもおすすめです。

事業継続性の向上

オフィスでの業務が困難になった場合の代替手段として、 テレワークを事前に準備しておくことで、事業中断のリスクを軽減できます

例えば、自然災害やパンデミックのような突発的な事態が発生した場合でも、従業員が自宅など安全な場所から業務を継続することが可能です。

​​​​​​​顧客や取引先との信頼関係を維持するためにも、BCP(事業継続計画)対策の一環としてテレワークを積極的に検討することが重要です。

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企業イメージの向上

テレワークの導入は、 時代の変化に柔軟に対応できる先進的な企業であるというイメージを顧客や求職者に与えます

​​​​​​​特に、近年注目を集めているダイバーシティやインクルージョンへの取り組みと親和性が高く、優秀な人材の獲得にもつながる可能性があります。

​​​​​​​企業にとって、テレワークは単なる勤務形態の変更ではなく、経営戦略上重要な施策と言えるでしょう。

人材の確保・離職防止

テレワークは、通勤距離や勤務時間の制約が少なくなるため、 地方在住者や育児・介護中の社員など、これまで採用が難しかった人材の獲得ができるように なります。

​​​​​​​オフィスに依存する場合、応募者が働きたくても通勤時間が負担で応募を躊躇したり、企業が限られたエリア内で他企業と人材の獲得競争をしたりする可能性があります。

​​​​​​​テレワークにより個々の事情に合わせた働き方を提供できれば、地理的・時間的・ライフスタイルの多様性を持つ人材からの応募を促進することが可能です。

編集部

従業員は仕事と私生活をより柔軟に調整できるため、モチベーションが向上し、離職防止にもつながります。

【企業側】テレワーク導入のデメリット

【企業側】テレワーク導入のデメリット
企業側のデメリット
  • 労務管理の難しさ
  • セキュリティリスク
  • モチベーションの低下
  • コミュニケーション不足

労務管理の難しさ

テレワーク導入により、労務管理が複雑化するリスクがあります。

​​​​​​​具体的には、 勤務時間の正確な把握や労働時間の適正な管理が難しくなり、長時間労働などに陥る ことで、労働基準法の違反となる可能性があります。

​​​​​​​従業員のメンタルヘルスケアやコミュニケーションの不足も懸念されるため、勤怠管理システムの導入や定期的なミーティングなど、管理体制の整備が不可欠です

セキュリティリスク

テレワークでは、 社内ネットワーク外での業務が増えるため、情報漏洩やサイバー攻撃のリスクが高まります

​​​​​​​特に、自宅のネットワーク環境の脆弱性や個人デバイスの使用がセキュリティリスクを増大させます。

企業はVPNの導入やデータ暗号化、セキュリティ教育の強化など、徹底したセキュリティ対策が必要です。

モチベーションの低下

物理的なオフィス空間の欠如や直接的なチームコミュニケーションの減少 により、従業員が仕事に対して抱く当事者意識や集中力が低下する可能性があります。

情報の把握やタスクの進行状況の確認が難しくなり、チーム全体の調整やプロジェクトの管理に支障をきたすケースも少なくありません。

モチベーションの低下を防ぐためには、定期的なチームミーティングやフィードバックセッションの実施、適切なコミュニケーションツールの導入が必要です。

コミュニケーション不足

テレワークではオフィスでの直接的なコミュニケーションが減少し、 チームメンバーや上司との情報共有やフィードバックの機会が限られる ことがあります。

​​​​​​​特に新入社員やプロジェクトメンバーは、適切な指導やサポートを受ける機会が少ないと孤立感を感じやすく、モチベーションが低下する可能性も高いです。

​​​​​​​企業は、定期的なオンライン会議やチームビルディングイベントを通じて、コミュニケーションの強化を図る必要があります。

【関連記事】テレワークのデメリットとは?解決策や対策を解説▶

【従業員側】テレワーク導入のメリット

従業員側のメリット
  • 生産性の向上
  • ストレスの軽減
  • 仕事の選択肢の拡大
  • 介護や育児との両立
  • ワークライフバランスの向上

生産性の向上

テレワークの導入により、従業員は自身の生産性を高められます。

​​​​​​​オフィス環境での騒音や集中できない環境から解放され、 自宅や好きな場所でリラックスしながら作業できることで、個々の最も効率的な働き方を見つけやすくなる のです。

​​​​​​​柔軟な勤務時間で生産性のピークに合わせて進め方も可能なので、従業員はより満足感を得られ、結果として企業にとってもより価値ある業績をもたらせるでしょう。

ストレスの軽減

テレワーク導入により、通勤によるストレス、 オフィスでの人間関係やコミュニケーションに伴うストレスなどが減少 します。

オフィスでは人間関係による競争や緊張感が常にありますが、リモートワークではよりリラックスした環境で業務に取り組むことが可能です。

​​​​​​​自分のペースで進められる環境もあり、従業員は心身ともに健康を保ちながら、より生産的で満足度の高い仕事ができるようになります。

仕事の選択肢の拡大

テレワーク導入により、従業員は仕事の選択肢が大幅に拡大し、 居住地に依存せずにキャリアの機会を追求できるように なります。

例えば、地方在住者や海外在住者も、就業を希望する企業の一員として貢献できる機会が増えます。

オフィスベースでは地理的な制約で活動範囲が狭まりがちですが、テレワークではより多様な仕事を追求することが可能なのです。

介護や育児との両立

テレワーク導入により、従業員は介護や育児と仕事をより柔軟に両立できるようになります。

​​​​​​​例えば、 緊急の介護や子供の予期せぬ体調不良に対応したり、家族のスケジュールに合わせて効率的に働いたりすることが可能 です。

​​​​​​​通常のオフィス勤務では柔軟な対応が制限され、仕事と家庭の間での矛盾や不満が生じやすくなるため、企業選択においてテレワークの実施有無は見逃せません。

ワークライフバランスの向上

自宅やリモートでの勤務が可能になることで、 従業員は通勤時間を削減し、プライベートの時間を確保しやすくなります 。

​​​​​​​例えば、朝の通勤時間が1時間あった場合、その時間を家族との朝食や子供の送迎に充てることが可能です。

​​​​​​​従業員はより充実した日々を送りながら、仕事にも集中しやすくなるため、生産性の向上も見込めます。

【従業員側】テレワーク導入のデメリット

運動不足になる可能性

オフィス勤務では通勤時間やオフィス内での移動などにより、比較的自然に身体活動を行う機会がありますが、テレワークではこれらの機会が大幅に減少します。

​​​​​​​特に、デスクワーク中心の仕事では長時間座りっぱなしになりやすく、 運動不足や筋肉の衰え、さらには健康リスクの増加につながる可能性が高い です。

​​​​​​​運動不足が継続すると、従業員の生産性に悪影響を及ぼす可能性もあるため、企業側はフィットネス関連の支援を積極的に提供する必要があります。

仕事とプライベートの切り替え

自宅での作業では、仕事と家庭の間での切り替えが難しくなることがあります。

​​​​​​​特に、家庭内での生活や家事の中で仕事の影響を受けやすく、 リラックスする時間や休息を確保することが難しくなるケースが多い です。

​​​​​​​精神的な疲労やストレスが増加し、心理的な健康に影響を及ぼす恐れもあるため、企業側で仕事とプライベートの分離を支援するポリシーを策定しましょう。

テレワーク導入時の注意点

テレワーク導入時の注意点
導入時の注意点
  • 制度・ルールの整備
  • 労務管理体制の整備
  • セキュリティ対策の強化
  • 従業員のメンタルヘルス対策
  • コミュニケーションツールの導入

制度・ルールの整備

テレワークを導入する際には、従業員と企業の両者が適切に業務を行うための制度とルールの整備が不可欠です。

​​​​​​​具体的には、勤務時間や出勤日数の明確化、業務報告の方法や期限の設定、セキュリティ対策の強化、パフォーマンス評価の方法などが含まれます。

制度やルールの整備は、 従業員に業務の透明性や公平性を感じさせ、自己管理能力を高める 他、従業員間や管理者とのコミュニケーションを円滑にします。

編集部

企業は定期的に制度の見直しや改善を行い、変化する業務環境に適応していくことが重要です。

労務管理体制の整備

従業員が自宅やリモートから業務を行う場合、 労働時間の正確な把握や労働基準法への適合が課題 となります。

​​​​​​​具体的には、勤務時間の記録方法や労働時間外労働の管理、休憩時間の確保、業務内容の適正評価などが含まれます。

​​​​​​​企業側は、適切な労働契約書の作成や運用、コミュニケーションツールを活用した業務管理などを通じて、従業員の健康と安全を確保する体制の整備が必要です。

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セキュリティ対策の強化

従業員が自宅や外部の場所からアクセスすることで、企業の情報資産が外部からの脅威にさらされる可能性が高まります。

​​​​​​​物理的なセキュリティ対策としては、 適切なVPNの利用、データの暗号化や二要素認証の導入、セキュリティポリシーの明確化 などが挙げられます。

​​​​​​​企業全体のセキュリティ状況を強化するためには、従業員のセキュリティ意識向上も重要なため、教育やトレーニングを定期的に実施しましょう。

従業員のメンタルヘルス対策

自宅やリモートからの勤務では、 仕事とプライベートの境界が曖昧になりがちであり、ストレスや孤独感を引き起こす 要因となり得ます。

​​​​​​​従業員が適切なワークライフバランスを保つためには、企業による定期的な個別面談や心理カウンセリングのサポート提供が不可欠です。

​​​​​​​企業側で従業員のメンタルヘルスを考慮した柔軟な労働環境を提供できれば、生産性の向上とともに企業の長期的な成功につながります。

コミュニケーションツールの導入

従業員間やチーム間の円滑なコミュニケーションを促進し、業務効率を向上させるためには、適切なツールの選定が重要です。

具体的には、 リアルタイムのチャットツールやビデオ会議システムを導入し、遠隔地からの参加も容易に する必要があります。

​​​​​​​最適なツールの選定と従業員への適切なトレーニングが実行できれば、テレワーク環境下でも円滑な業務遂行が可能となります。

編集部

ファイル共有やタスク管理機能を備えたプロジェクト管理ツールの活用もおすすめです。

勤怠管理ツール

テレワーク環境における勤怠管理ツールは、 従業員の労働時間の正確な把握と管理を支援 してくれます。

​​​​​​​具体的には、出勤時間や退勤時間の記録、休憩時間の管理、特定のプロジェクトやタスクに費やした時間の追跡が可能です。

​​​​​​​週次や月次の勤務時間の集計やレポート作成機能も備わっており、労働法や企業のポリシーに準拠した労働時間の管理が実現します。

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グループウェア

グループウェアは、従業員がプロジェクト管理、スケジュール調整、タスク管理、ドキュメント共有などを効率的に行うための機能を提供します。

​​​​​​​チームメンバーがリアルタイムで情報を共有し、共同作業を行えるため、 地理的に分散したチームでも協力関係を強化することが可能 です。

​​​​​​​ビデオ会議やチャット機能を含むコミュニケーションツールと統合されているケースも多く、円滑なコミュニケーションと意思決定プロセスの改善を支援します。

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Web会議システム

Web会議システムは、地理的に分散したチームやリモートワーカーとの効果的なコミュニケーションを可能にする重要なツールです。

​​​​​​​特にテレワーク環境では、 日常的な対面会議の代替として広く利用され、会議の柔軟性とアクセスの容易さを提供 します。

​​​​​​​会議の記録やフォローアップ、文書の共有などの機能も搭載しているため、ビジネスの成果と同時に効率性を高める効果が期待されます。

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ビジネスチャットツール

ビジネスチャットツールは、リアルタイムでのコミュニケーションと情報共有を促進するための重要なツールです。

​​​​​​​特にテレワーク環境では、 時間と場所を問わずチームメンバーが連絡を取り合える ため、業務効率が向上します。

チャットの履歴や検索機能によって情報の追跡と管理が容易になり、意思決定の迅速化にも寄与するため、生産性の最大化と競争力の強化が期待できます。

テレワーク導入が特に向いている業務・職種

テレワーク導入が特に向いている業務・職種
業務 職種
成果が明確な個別作業 編集/データ分析/ライティング/プログラミング
創造性を発揮する業務 商品開発/研究開発/マーケティング企画
集中力を要する業務 翻訳/校正/デザイン
情報通信技術を活用した業務 ウェブ制作/オンライン教育/営業(オンライン商談など)/コンサルティング(オンライン会議など)/カスタマーサポート(オンラインチャットなど)
機密情報を取り扱わない業務 経理/事務作業/資料作成/データ入力

成果が明確な個別作業

成果が明確な個別作業
  • 編集
  • データ分析
  • ライティング
  • プログラミング

以上の業務は成果が明確に形に残るため、上司や同僚とのコミュニケーションが少なくても問題ありません。

例えば、 プログラマーであれば開発したコード、デザイナーであれば作成したデザイン、ライターであれば書いた記事 などを指標として成果を評価できます。

創造性を発揮する業務

創造性を発揮する業務
  • 商品開発
  • 研究開発
  • マーケティング企画

創造性を発揮するには自由な発想が重要ですが、オフィスという限られた空間では、固定観念にとらわれやすく、新しいアイデアが浮かびにくいケースも考えられます。

テレワークであれば、 場所や時間の制約から解放され、リラックスした状態で思考を巡らせる ことができます。

集中力を要する業務

集中力を要する業務
  • 翻訳
  • 校正
  • デザイン

オフィスでは、電話や来客、同僚との会話など、集中を妨げる要素が多く存在します。

テレワークであれば、自宅やカフェ、コワーキングスペースなど 静かな環境で作業できるため、集中力を高め、作業効率を向上させることが可能です

情報通信技術を活用した業務

情報通信技術を活用した業務
  • ウェブ制作
  • オンライン教育
  • 営業(オンライン商談など)
  • コンサルティング(オンライン会議など)
  • カスタマーサポート(オンラインチャットなど)

情報通信技術を活用した業務は、 インターネットとパソコンさえあれば、場所や時間を問わずに作業できます

ビデオ会議やチャットツールなどを利用すれば、オフィスにいる時と同じように、同僚や上司とコミュニケーションをとることが可能です。

機密情報を取り扱わない業務

機密情報を取り扱わない業務
  • 経理
  • 事務作業
  • 資料作成
  • データ入力

機密情報を扱わない業務では、 情報漏洩やセキュリティ侵害のリスクが低いため、リモートワークにおいてもセキュリティ管理が比較的容易 です。

高度な暗号化技術や特別なセキュリティソフトウェアの導入が必須ではなく、基本的なファイアウォールやアンチウイルスソフトで対応できます。

テレワーク導入に向いていない業務・職種

業務 職種
機密情報を取り扱う業務 総務/人事/法務
顧客や取引先と頻繁に接する業務 営業/コンサルティング/カスタマーサポート
チームワークが重要な業務 研究開発/プロジェクトマネジメント
大規模な機械や設備を扱う業務 製造/建設/運輸
緊急対応が必要な業務 災害時の対応/システム障害の対応/顧客からのクレーム対応

機密情報を取り扱う業務

機密情報を取り扱う業務
  • 総務
  • 人事
  • 法務

上記の業務では、企業の重要な情報を取り扱うため、情報漏洩のリスクが高くなります。

自宅のネットワークは企業のセキュアなネットワークほど強固ではなく、ハッキングの標的になりやすい のです。

機密情報を保護するためには、VPN、エンドポイントセキュリティ、暗号化、二要素認証など高度なセキュリティ対策を導入する必要があります。

顧客や取引先と頻繁に接する業務

顧客や取引先と頻繁に接する業務
  • 営業
  • コンサルティング
  • カスタマーサポート

上記の業務では、顧客や取引先との信頼関係を築いたり、微妙なニュアンスを伝えるために、対面でのコミュニケーションが不可欠です。

テレワークでは顔を合わせての対話が難しく、関係性の構築や維持が困難になるため、顧客満足度の低下や売上の減少につながる可能性 があります。

編集部

表情やボディランゲージなどの非言語コミュニケーションが欠如し、誤解も生じやすくなります。

チームワークが重要な業務

チームワークが重要な業務
  • 研究開発
  • プロジェクトマネジメント
上記の業務は、チームメンバーと密に連携して作業することが重要です。
 

オフィスであれば、同僚と顔を合わせて会話したり、ちょっとした相談をしたりすることで、円滑なコミュニケーションを図れます。

しかし、テレワークでは、オンラインでのコミュニケーションが中心となるため、 意思疎通の阻害や業務効率の低下につながる可能性 があります。

大規模な機械や設備を扱う業務

大規模な機械や設備を扱う業務
  • 製造
  • 建設
  • 運輸

上記の業務は、大規模な機械や設備を扱う現場での作業がメインになるため、テレワークが基本的に不可能です。

一部の管理業務をリモート対応できるシステムもありますが、 インターネットの接続状況によっては操作が不安定になったり、遅延が発生したりする可能性 があります。

また、現場で異常事態が起きた際、その場に居なくては迅速に対応できない点でも、リモートワークと相性が悪いと言えます。

緊急対応が必要な業務

緊急対応が必要な業務
  • 災害時の対応
  • システム障害の対応
  • 顧客からのクレーム対応

上記の業務は、緊急事態が発生した場合に迅速な判断と行動が求められます。

テレワークでは、 情報伝達や意思決定に時間がかかったり、関係者との連携がスムーズに行かなかったりするなどの課題が生じやすい です。

誰がどのような指示を出したのか、誰がどのような責任を負うのかといったことが曖昧になる可能性も高いため、ルール策定などの対策が必要となります。

編集部

テレワーク導入を検討している企業は、業務内容を分析し、テレワークに適している業務と適していない業務を明確にすることが重要です。

テレワーク導入で成功した企業の好事例

テレワーク導入で成功した企業の好事例

アイシン精機株式会社

自動車部品メーカーのアイシン精機株式会社では、テレワーク導入により、育児や介護といった従業員のニーズに柔軟に対応できる環境を整えました。

​​​​​​​2016年にトライアルを経て正式導入し、2017年に介護事由がある従業員に拡大する他、2020年の感染症拡大時にも迅速なテレワーク化を実現しています。

​​​​​​​従業員のキャリアロスを最小限に抑えつつ、生産性を維持する環境を構築 できた結果、85%が従業員がワークライフバランスにプラスの影響を与えたと回答しました。

出典:TELEWORKDAYS「社内全体を見回し細部を突き詰めることで見いだした、バランスの取れたテレワーク運用とは」

日本航空株式会社

日本航空株式会社はオフィスのフリーアドレス化、ペーパーレス化、セキュリティ強化、IT改革を進め、場所にとらわれない働き方を実現しました。

​​​​​​​テレワーク導入後は、 女性の離職率低下、障がいのある社員の就業継続、総実労働時間の削減、有給休暇取得率の向上などに成功 しています。

​​​​​​​国内外の全社員がオンラインで同じ研修を受講できるようになり、部門間コミュニケーション機会の創出や、ネットワーク構築にも役立っています。

出典:令和3年度 テレワーク先駆者百選|総務省

岩井コスモ証券株式会社

岩井コスモ証券株式会社では、従業員が安心して働ける環境を目指し、テレワークを導入しました。

​​​​​​​幹部職員がテレワークを積極的に活用し、全社的なテレワーク利用の雰囲気を醸成することで、短時間勤務や在宅勤務など多様な働き方を促進したのです。

​​​​​​​その結果、優秀な人材の確保に成功し、 シニア営業職員数が36.9%増加し、離職率が2.5ポイント、女性営業職員の離職率が5.1ポイント減少 しました。

出典:令和元年度 テレワーク先駆者百選|総務省

テレワークのやり方(導入手順)

  1. STEP.1

    導入目的の明確化

    なぜテレワークを導入するのか、どのような目的を達成したいのかを明確にする
    例)業務効率の向上/コスト削減/ワークライフバランスの改善など

  2. STEP.2

    対象範囲の決定

    テレワークに適している業務と適していない業務を明確にする

  3. STEP.3

    現状の社内制度の把握

    就業規則や労働基準法などの社内制度を見直し、必要に応じて変更する
    例)勤務時間/休憩時間/在宅勤務に関するルール/労災保険/福利厚生

  4. STEP.4

    導入計画書・セキュリティガイドラインの策定

    【導入計画書】導入目的、対象範囲、スケジュール、責任分担、費用などを明記する
    【セキュリティガイドライン】情報漏えいリスク防止の対策を明記する

  5. STEP.5

    システム・ツールの選定

    業務内容や予算に合わせてシステム・ツールを選定する
    例)ビデオ会議/チャットツール/クラウドストレージなど

  6. STEP.6

    社内体制の整備

    ■テレワークに関する担当部署の設置
    ■テレワークに関する教育・研修の実施
    ■コミュニケーションのルールの策定
    ■情報セキュリティ対策の強化

  7. STEP.7

    運用ルールの策定

    ■勤務時間/休憩時間
    ■在宅勤務に関するルール
    ■情報セキュリティ対策
    ■労災保険/福利厚生

  8. STEP.8

    運用状況の評価・改善

    テレワーク導入後は定期的に運用状況を評価し、必要に応じて改善する
    【評価項目】業務効率/従業員の満足度/情報セキュリティ/コストなど

テレワークの導入に便利なツール

テレワークの導入にあたって「オフィス内でしか電話業務ができない」という課題がある場合は、「CLOUD PHONE」の導入がおすすめです。

​​​​​​​CLOUD PHONEとは、 場所や端末に縛られずどこからでも受発信できる固定電話サービス で、自宅からでも受電業務ができます。

​​​​​​​通常のビジネスフォンで負担となる、高額な初期工事費や毎月の保守費用もすべて不要なので、リスクなく導入することも可能です。

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テレワークの導入に利用できる補助金

補助金名 概要 期待される効果 申請のポイント
IT導入補助金 中小企業や個人事業主がITサービスを導入する際の費用負担を軽減する補助金 業務効率化、生産性向上、テレワーク導入、オンライン営業強化、コスト削減、サービス向上 申請には審査があるため、詳細や条件を確認し、適用可否を慎重に検討
テレワーク推進強化奨励金 企業がリモートワークや在宅勤務を導入する際の支援金 通勤時間削減、柔軟な勤務体制、働きやすい環境整備、人材確保、雇用状況の向上 一定の要件を満たす必要があり、適用前提条件や導入方法の理解が重要
人材確保等支援助成金 企業が人材確保やオフィス環境整備を行う際の経費を支援する助成金 人材確保・維持、職場環境改善、働きやすさ・生産性向上 申請方法や適用条件が複雑なため、事前の詳細な調査


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テレワークを導入している求人の探し方

テレワークを導入している求人を探すためには、専用の求人サイトやリモートワーク特化型の求人検索エンジンを活用しましょう。
企業の公式ウェブサイトやSNSをチェックし、テレワーク制度の有無を確認することも有効です。

編集部

専門のリクルートエージェントに相談すれば、適切な求人情報を得ることが可能です。

テレワークに関するよくある質問

Q
長時間労働を防ぐための対策を教えてください。

A

長時間労働を防ぐためには以下のような対策が挙げられます。

■休憩時間をしっかりと取る
■労働時間の上限を設け、厳守する
■ITツールを活用して、業務を自動化する
■仕事の優先順位を明確にし、効率的に作業する
■残業の申請には理由を明記し、上司の許可を得る
■職場全体で長時間労働を是正する文化を醸成する

Q
テレワークに関する情報はどこで入手できますか?

A

テレワークに関する情報は以下で入手できます。

■書籍
■インターネット
■民間企業の調査レポート
■厚生労働省「テレワーク推進のための総合ポータルサイト」 
■独立行政法人 労働政策研究・研修機構「テレワーク白書」 

Q
チームワークを向上させるための方法はありますか?

A

チームワークを向上させるためには以下のような方法が挙げられます。

■共通の目標を設定する
■メンバーの貢献を認める
■チームビルディングを行う
■互いの意見を尊重し、協力する
■定期的にチームミーティングを開催する
■メンバー同士のコミュニケーションを密にする

Q
働き方改革によってどのような変化が期待できますか?

A

働き方改革によって以下のような変化が期待できます。

■生産性の向上
■長時間労働の是正
■労働市場の活性化
■多様な働き方の実現
■イノベーションの創出
■ワークライフバランスの向上

Q
時間管理が苦手な人のための効果的な方法を教えてください。

A

時間管理が苦手な人のための効果的な方法として以下が挙げられます。

■集中できる環境を作る
■マルチタスクを避ける
■休憩時間をこまめに取る
■TODOリストを作成する
■スケジュール管理ツールを活用する
■書籍やセミナーを参考に、自分に合った方法を見つける

まとめ

テレワークは、「tele=遠隔」と「work=働く」を組み合わせた造語で、「時間や場所にとらわれない働き方」を意味します。

​​​​​​​生産性の向上やワークライフバランスの改善などのメリットがある反面、適切な環境の確保やコミュニケーションの課題もあります。

​​​​​​​導入を検討する際には、労務管理体制やルールの整備、従業員のメンタルヘルス対策、コミュニケーションツールの導入などの対策が不可欠です。

編集部

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