「既存のルーターで通信速度が遅く、新しい端末を増設したい…」
店舗やオフィスに設置するルーターは、家庭向け以上に高い安定性・耐久性・セキュリティ性が求められます。
しかし「どの規格が良い?」「接続台数に余裕はある?」「メッシュやIPv6は必要?」など、疑問や不安も多いはずです。
この記事では、店舗・オフィス運営者や新規開業オーナーが知るべき選び方のポイントを整理し、事業者のルーター選びをサポートします。
目次
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Wi‑Fiルーターとは?店舗・事業所に必要な基本知識
Wi‑Fiルーターの役割とビジネス用途の特徴
Wi‑Fiルーターは、インターネット回線と、スマホやPCといった端末を無線でつなぐ中継機のような役割を果たします。
法人においては、POSレジや監視カメラなどネット接続が前提の機器が増えており、ルーターにトラブルが起きると営業にも支障をきたします。
また、カフェや美容室では、来客用と業務用で通信環境を分けて提供するケースもあります。
そのためビジネス用途では、 単なるインターネット接続だけでなく、同時接続数の多さや安定性、セキュリティの高さなどが重要 です。
Wi‑Fi規格(Wi‑Fi 6/6E/7)の違いと導入の目安
Wi‑Fiの規格は、通信速度や接続の安定性を左右する重要な要素です。
- Wi‑Fi 6 :多数の機器が接続されても安定して通信できる性能があり、業務用としても十分な性能
- Wi‑Fi 6E :Wi‑Fi 6の性能に加え、6GHz帯を利用できることで、干渉の少ない広帯域を実現
- Wi‑Fi 7 :最新規格で、速度・遅延ともに格段に向上しており、大容量データを扱う業務や多拠点展開にも最適
10台以上の端末が同時に接続される環境ならWi‑Fi 6以上を推奨 します。将来の拡張性も考慮するなら、Wi‑Fi 6EやWi‑Fi 7の導入を検討するとよいでしょう。
店舗・オフィスでの選び方のポイント
- 下位互換性と既存端末との相性を確認
- Wi‑Fi 6以上の規格がおすすめ
- 周波数帯とチャネル幅が十分か
- 接続台数とストリーム数
- 通信エリアと、メッシュWi-Fi/中継器に要否
- セキュリティ機能
- LANポートの規格
下位互換性と既存端末との相性確認の重要性
Wi‑Fiルーターを選ぶ際は、新しい規格に対応しているかだけでなく、既存の端末と問題なく接続できるかどうかも重要なポイントです。
Wi‑Fiは基本的に下位互換性があるため、 古い端末でも接続は可能ですが、安定性や速度に差が出る可能性があるため、端末側の対応状況を事前に確認しましょう 。
たとえば、最新のWi‑Fi 6やWi‑Fi 7ルーターを導入しても、業務で使用しているPCやPOSレジがWi‑Fi 5までの対応であれば、性能を最大限に活かせません。
新しいルーターを導入する際は、業務機器の買い替えタイミングとも合わせて検討するのが理想的です。
Wi‑Fi 6以上を選ぶべき理由
Wi‑Fi 6は、従来の規格に比べて同時接続性能や通信速度、安定性が格段に向上しており、 店舗やオフィスなど多数の端末が接続される環境に最適 です。
たとえば、POSレジ・スマホ・タブレット・監視カメラなどを同時接続しても、遅延が発生しにくく、業務の効率化が図れます。
特にこれからルーターを新調するのであれば、最低でもWi‑Fi 6対応モデルを選ぶことで、将来の業務拡張にも安心して対応できます。
周波数帯とチャネル幅
ルーターを選ぶ際は、利用環境や用途に応じてバンド数とチャネル幅を確認しましょう。
チャネル幅が160MHzや320MHzに対応していると、より広い帯域を活用できる ため、データの送受信がスムーズになります。
また、Wi‑Fiには主に2.4GHzと5GHzの2つの周波数帯があり、それぞれ長所と短所があります。
- 2.4GHz:障害物に強く広範囲に届くが、通信速度は控えめで、電波干渉も起きやすい
- 5GHz:通信速度が速く安定しやすい反面、電波の届く距離が短く、壁などの障害物に弱いという欠点も
近年は6GHz帯も追加された「トライバンド」対応のルーターも登場しています。
接続台数とストリーム数(アンテナ数)の目安と計算方法
業務用ルーターを選ぶ際は、接続する端末数に応じて必要なストリーム数(アンテナ数)を意識することが大切です。
ストリームとは同時に送受信できる経路数で、例えば「4×4 MIMO」と表記されていれば、4つのアンテナで同時に通信可能な状態を指します。
小規模店舗なら2×2、10台以上の接続が見込まれる場合は4×4以上を目安にするとよい でしょう。
また、来客用のフリーWi‑Fiと業務用端末を分けて運用する場合、余裕をもったストリーム数を確保しておくと安定性が増します。
通信エリアとメッシュ/Wi‑Fi中継機能の活用
広い店舗やオフィスでは、ルーター1台では電波が届かず、接続不良が発生しがちです。そんな時に役立つのが「メッシュWi‑Fi」や「中継機」。
メッシュWi‑Fiは複数の機器が連携し、広範囲にわたって電波を自動で補完・最適化してくれる仕組み で、複数階や障害物が多い環境でも安定した通信が得られます。
一方、中継機は親機と子機を固定的に接続するため、配置の自由度や安定性にやや劣ります。広範囲をカバーするには、将来的にも拡張しやすいメッシュ対応モデルがおすすめです。
セキュリティ機能
店舗やオフィスでは、顧客情報や業務データを扱うため、Wi‑Fiのセキュリティは非常に重要です。
- 最新の暗号化規格「WPA3」対応ルーターは、不正アクセスのリスクを大きく減らせます。
- ゲストWi‑Fiを設定できるモデルは来客用と業務用のネットワークを分離でき、内部ネットワークの保護にもつながります。
- SSID(ネットワーク名)を用途ごとに分けて設定できる機能も有効です。
こうしたセキュリティ機能を備えたルーターを導入することで、安心して業務に集中できる環境が整います。
有線LANポートの規格
Wi‑Fi環境が主流とはいえ、業務で使うサーバーやNAS、業務PCは依然として有線接続が安定・高速です。その際に注目したいのが、有線LANポートの規格です。
たとえば、 2.5Gbpsや10Gbps対応ポート があれば、大容量ファイルのやり取りもスムーズに行えます。
また、インターネット回線側の接続方式も重要で、「IPv6/IPoE」に対応していれば、混雑の少ないルートで高速通信が可能です。
光回線の性能を最大限に活かすには、Wi‑Fiだけでなく、有線ポートのスペックにも注意を払いましょう。
店舗・オフィス向けWi-Fiをご提案!
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数台のパソコン・スマホ中心の小規模オフィス向け
小規模オフィスであれば、 Wi‑Fi6対応で2ストリーム程度のルーターでも十分に対応可能 です。
パソコン数台とスマートフォン、タブレットが主な接続機器であれば、同時接続数も限られるため、高性能なモデルは不要です。
むしろ、価格とのバランスを重視し、設定のしやすさや管理のしやすいUIを備えたモデルを選ぶことが重要です。
また、将来的な拡張性も視野に、メッシュ機能付きモデルを選んでおくと安心です。
多数端末や4K動画配信がある店舗向け(飲食店など)
飲食店やサービス業の店舗などで、来客のフリーWi‑Fi提供や、業務で高画質の映像コンテンツを活用する場合は、 Wi‑Fi6EやWi‑Fi7対応の高性能ルーターがおすすめ です。
特に4ストリーム以上のアンテナ構成があれば、多数のデバイスが接続されても通信が混雑せず、快適なネット環境が維持できます。
また、トライバンドや320MHz対応機種であれば、動画再生・クラウドPOS・音楽ストリーミングなど複数の用途を同時にこなせます。
顧客満足度を高めるためにも、通信品質への投資は価値のある選択です。
店舗展開や拡張性を見据えたメッシュ対応モデル
複数の支店やフロア展開を視野に入れている事業者は、 将来的な拡張にも柔軟に対応できるメッシュ対応ルーター の導入も検討しましょう。
メッシュWi‑Fiは、親機と中継機が一体化してシームレスに連携する仕組みで、通信エリアをムラなく広げられるのが特長です。
設置場所やレイアウト変更があっても、電波の死角を減らすようにネットワークを自動で最適化してくれるため、再設定の手間も省けます。
事業の成長に合わせてネットワークも拡張できるため、中長期的に見るとコストパフォーマンスにも優れています。

コスト重視 vs 高速通信重視のバランス例
コストを重視するなら、Wi‑Fi6対応の2ストリームモデルを選べば、基本的な業務用途には十分 対応可能です。
一方で、映像配信や大容量データの送受信、接続端末の多い環境では、Wi‑Fi6Eや7対応のハイエンドモデルが適しています。
導入時には多少高価でも、将来の拡張や業務効率化を考えれば、その差は投資効果として回収できる可能性があります。
用途ごとの性能差を理解した上で、自社に最適な選択を行いましょう。
法人がルーター選びでチェックすべき要件
法人向けルーターは、家庭用の製品以上に 安定性・耐久性・セキュリティ性を重視すべき です。
- ゲストWi‑FiやVLAN対応:セキュリティ性を維持できる
- クラウド管理機能:管理者が遠隔から設定・監視できる
- メッシュWi-Fi:ビジネス用モデルには、法人契約に対応したモデルや、複数SSID、VLAN機能を持つものも
- IPv6の通信方式:特に「IPv6 IPoE」では速度低下が起こりにくい
- 2.5Gの有線接続ポート:大容量のファイル転送や高速なNASアクセスなどがスムーズに
導入時は、接続台数や使用頻度に見合う法人仕様モデルを選びましょう。
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中小企業が特に重視すべきWi‑Fiルーターの要件
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小〜中規模オフィスでは、 コストと性能のバランスが取れたタイプを選ぶことで、長期的に安定した運用が可能 になります。
▶Wi‑Fi6対応のスタンダードモデルに、メッシュやゲストネットワークといった実用的な機能が付いたタイプ
▶有線LANとの併用を前提とした設計のものや、設定画面が分かりやすいUIの機種従業員数10〜30名程度であれば、4ストリーム前後のモデルで十分対応可能です。
必要な機能に過不足がないかを確認しながら、過剰投資にならない選定がポイントです。
店舗やオフィスなら「platwifi」がおすすめ

platwifi(プラットWi-Fi)は、世界シェアNo.1のP-Link製高性能ルーターを月額利用でおトクに利用可能です。
最大同時接続台数100台で、メッシュWiFiやIPv6方式にも対応し ており、広範囲かつ高速な通信を、オフィスや飲食店、美容室など様々な業種で活用いただけます。
また、Wi-Fiを使ったチラシや1000万ダウンロードアプリとの連携でマーケティングや集客にも活用でき、売上に貢献します。
さらにサポート体制も充実しており、専門のスタッフがご利用環境にピッタリの失敗しない機器選びを支援してもらえます。
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A
家庭用ルーターと法人・業務用ルーターでは、想定される利用環境や機能性が大きく異なります。業務用は家庭用と比べて、多数端末の安定接続や長時間稼働、セキュリティ面に優れています。また、法人向けにはVLAN設定やリモート管理機能など、ビジネスに必要な機能も搭載されていることが一般的です。
A
現在、Wi‑Fi 7は対応ルーター・端末ともにまだ限られています。導入には高額な機種が多く、既存のスマホやPCが未対応であれば、その恩恵を十分に受けられない可能性があります。したがって、現時点での必須性は低く、Wi‑Fi 6や6Eで十分な環境が整うケースが多いです。ただし、今後新機種導入や事業拡大を予定している場合は、将来を見据えてWi‑Fi 7対応モデルを選ぶのも有効な判断と言えます。
A
まず、接続している端末が古い規格(例:Wi‑Fi 4や5)にしか対応していない場合、ルーターの性能を活かしきれません。また、回線自体の速度(例:ADSLや低速プラン)にボトルネックがあるケースもあります。さらに、設置場所が悪い、干渉が多い、設定が最適化されていないといった物理的・設定的な問題も影響します。ルーターを変えるだけでなく、回線や環境全体を見直すことが重要です。
A
メッシュWi‑Fiと中継機は、どちらも電波の届く範囲を広げる目的がありますが、仕組みが異なります。中継機は親機と中継機が固定的に接続され、場合によっては通信速度が落ちたり、接続先が切り替わらなかったりすることがあります。一方、メッシュWi‑Fiは複数の機器が連携し、端末の位置に応じて最適な経路に自動で切り替えてくれるため、広い範囲でも安定した通信が可能です。複数フロアや障害物の多い環境では、断然メッシュWi‑Fiが有利です。
A
IPv6は、通信が混雑しにくく安定しやすい次世代の接続方式で、特に都市部や混雑時間帯に効果を発揮します。また、2.5Gポートは大容量データの高速転送や高画質映像配信に適しており、業務効率の向上に寄与します。すべての環境で必須ではありませんが、クラウドサービスの多用、ファイル共有が多い業種、または将来的な回線アップグレードを視野に入れている場合は、導入しておく価値は高いです。現在の業務内容と今後の拡張性を踏まえて判断しましょう。
まとめ
Wi‑Fiルーターの選定は、単に「つながればOK」という時代から、業務効率や顧客満足度を左右する重要なインフラ選びへと変化しています。
店舗やオフィスでは、規格・対応台数・通信安定性・セキュリティの各要素をしっかり比較することが、後悔しない導入につながります。
「何を基準に選べばいいか不安」「予算内で最適な構成を知りたい」という方は是非ともご相談ください。事業規模や業種に応じた最適プランを、無料でご提案いたします。

この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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