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給与計算とは?計算方法やリスク、効率化を測れる方法はある?

給与計算は、従業員を雇用したときに必ず行わなければならない業務です。しかし給与計算に多くの時間を割いているという企業も多いでしょう。 支払いミスを起こさないためには算出方法を理解する必要があります。そこで本記事では、初心者でもわかりやすいように給与計算について解説していきます。 算出方法や給与計算で起こりやすいリスクに加えて、給与計算を効率化する方法についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

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給与計算とは

給与計算は「従業員の給与を支給するための作業」です。雇用形態の違いや、稼働スタイルに応じて給与を計算するため、算出に時間がかかります。

給与の計算ミスが起きれば、未払いや過払いなど、企業にとって大きな損失に直結しますので、正確な計算が求められています。

給与計算の流れと算出方法

(1)固定支給額の計算

給与の支給には「固定的な支給」と「変動的な支給」の2つがありますが、まずは固定支給額を計算しましょう。

固定支給額は「基本給」や「各種手当」が該当します。この額は雇用契約書や就業規則で定められた一定の給与ですので、求めるのは簡単なはずです。

(2)変動的な給与支給額の計算

変動的な給与としては「残業代」や「休日手当」が該当します。変動的な給与は、従業員の労働時間に応じて変化しますので、正確な勤怠管理が必要です。

上記で算出した固定的な支給額に、変動的な給与支給額を加えたものが「総支給額」です。「額面」と評されることもあります。

計算式

残業代=時間外労働時間×1時間あたりの賃金×定められた割増率

ex.)=20時間×1,550円×1.25
    =38,750円

割増率は、働き方に応じて変動しますので、注意が必要です。

種類 労働時間の詳細 割増率
時間外労働(法内残業)
※就業規則上の所定労働時間は超えているが法定労働時間は超えない
1日8時間、週40時間以内 1倍(割増なし)
時間外労働(法外残業)
※法定労働時間を超える残業
1日8時間、週40時間超 1.25倍
1ヶ月に60時間超 月60時間を超える時間外労働 1.5倍
法定休日労働 法定休日の労働時間 1.35倍
深夜労働 22:00~5:00の労働時間 0.25倍
時間外労働(限度時間内) +深夜残業 時間外労働+深夜労働の時間 1.5倍
法定休日労働 + 深夜労働 休日労働+深夜労働の時間 1.6倍

(3)控除額の計算

総支給額が求められたら、控除額の計算を行いましょう。控除額は主に、以下の4つに分類できますので、この機会に覚えてみてはいかがでしょうか。
 
  • ・社会保険控除
  • ・雇用保険控除
  • ・所得控除
  • ・住民控除
  •  
控除した額は税金として国に収めるので、不備があれば脱税にあたるリスクもあります。控除の計算には正確性が求められるのです。

計算式

・社会保険控除=標準報酬月額×保険料率÷2
・雇用保険控除=給与額×雇用保険料率
・所得控除=課税所得金額×税率-税額控除額
・住民控除=所得割額+均等割額

(4)支払う給与額の計算

総支給額から控除額を差し引くことで、従業員の手元に渡る給与額を算出します。給与額は「手取り」とも呼ばれるので、聞いたことがある人も多いでしょう。

計算式

給与額=総支給額-総控除額

(5)振り込み手続き

給与計算の過程で控除された金額を、税務署へ納付します。また従業員本人の銀行口座に給与を振り込めば、給与支給手続きは完了です。

社会保険料の計算方法

雇用保険料の計算

(画像引用:平成30年度の雇用保険料率表 厚生労働省

雇用保険料は、厚生労働省が事業に応じて定めている雇用保険率と、手当をふくめた総支給額をかけたものが請求されます。

計算式

雇用保険料=総支給額×保険料率

健康保険料の計算

健康保険料は、基本給に手当を足した「標準報酬月額」を、都道府県ごとに定められた保険料率をかけることで算出できます。

計算式

標準報酬月額×保険料率

厚生年金保険料の計算

厚生年金保険料は、日本年金機構が定める保険料率18.3%に、標準報酬月額をかけた額が控除されるようになっています。

算出された厚生年金保険料は、企業と保険加入者が折半する方法をとっていますので、請求額は上記の計算式で求められた額の半分です。

計算式

標準報酬月額 × 保険料率÷2

介護保険料の計算

介護保険料は40歳〜64歳までの従業員のみ対象の控除です。標準報酬月額に保険料率1.73%をかけた額が請求されます。

介護保険料は厚生年金保険料と同じく、控除額を企業と保険加入者で折半するので、実際に給与から天引きする額は上記の半分です。

計算式

標準報酬月額 × 保険料率÷2

所得税の計算

所得税は1年間の所得合計額から、所得控除を引いた額に、一定の税率をかけ、さらに税率ごとの控除額絵を差し引くという複雑な計算が必要です。

所得税は企業が一括納税するので、源泉徴収や年末調整など手間がかかります。所得税の計算を簡単にしたい方は、クラウド会計ソフトを使いましょう。

計算式

総所得-所得控除×累進課税

住民税の計算

住民税は、地方自治体から送付される住民税課税決定通知書を元に計算します。納税は所得税と同じく、企業が従業員に代わって一括納税するのが特徴です。

注意点としては、住民税課税決定通知書の管理です。通知書は郵便で送られてくるので、個人情報を手打ちでエクセル等に打ち込まなければなりません。

計算式

前年の総所得-所得控除×0.1+5,000

時間外労働の計算

割増率は、法定時間外労働が25%、深夜労働なら25%と定められています。計算が手間だと感じる企業は、給与計算の自動化をしてみてはいかがでしょうか。

計算式

時間外労働の時間数×1時間あたりの賃金×割増率

残業代計算でミスが起きたときの対処法


給与計算は、時間外労働の時間に応じて変動するので、計算ミスが起こりがちです。万が一、支払いに不足があれば、早急に不足分を支払いましょう。

正当な給与を支払わければ、労働基準法第24条に違反することとなります。小さな計算ミスが大きな損失につながることのないよう、給与計算の自動化が重要です。

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給与計算にまつわる3つのリスク

労務リスク

給与計算業務で起こりうる労務リスクとしては、残業代の未払いではないでしょうか。給与計算のミスは、従業員トラブルにもつながるので注意が必要です。

労務リスクを軽減するためには、勤怠管理や給与計算を自動化してくれるソフトを使うことがおすすめです。人的ミスを起こさないためにもDX化を図りましょう。

情報漏えいリスク

給与計算をするために、従業員や従業員の家族の個人情報を管理することも多いはずです。適切な管理を行い、情報管理に努める必要があります。

万が一企業が従業員の個人情報を漏洩した場合、個人情報保護法になる触れるかもしれません。企業の社会的信頼にも直結しますので、管理意識を高く持ちましょう。

税務リスク

給与計算の不備は、税務リスクにつながります。税金の未納は、その後本来よりも高額な納税を求められることが多いため、正確な決算処理が重要です。

給与計算の前に準備しておくポイント

就業規則の作成

従業員の労働条件をまとめたのが就業規則です。就業規則は労働基準法に準じて作成していないと、無効になってしまいます。

就業規則の作成にお悩みの方は、厚生労働省のホームページから、就業規則のテンプレートを確認できます。作成の流れが掴めるので、チェックしましょう。

給与規定の作成

就業規則と同時並行で進めるのが、給与規定の作成です。基本給や手当、割増賃金を決めて記載しなければなりません。

給与規定を定めることは、従業員と会社の権利を守るために必要です。あいまいな表記をなくすことで、従業員とのトラブルを防ぐことができるでしょう。

給与計算を簡単にする方法

クラウド会計サービスが便利

給与計算を効率化するなら、クラウド会計サービスがおすすめです。税金の計算も残業代の計算も自動算出してくれるので、給与計算の時間を短縮できます。

勤怠管理と連携できるサービス

給与計算には勤怠管理の正確さが求められます。そこで会計ソフトと連動できる自動勤怠管理サービスを導入するのもおすすめです。

外注(アウトソーシング)

給与計算にかかる業務を0にするなら、外注という選択肢もあります。外注には費用がかかりますが、税理士が給与計算をしてくれるという安心度が特徴です。

給与計算サービスのおすすめ3選

  キングオブタイム マネーフォワード
クラウド勤怠管理
他ソフトとの連携
給与ソフト以外にも様々なソフトと連携可能

マネーフォワードクラウド給与との連携のみ
設定しやすさ
基本勤務制
フレックスタイム制
裁量労働制
1ヶ月単位の変形労働時間制
1年単位の変形労働時間制
1週間単位の変形労働時間制 ×
シフトパターンの色分け ×
シフト割り当て方法
打刻エラー表示
遅刻早退を一覧表示は不可
打刻エラー表示を従業員へ通知 ×
時間外労働の超過状況表示
任意の時間設定は不可
時間外労働アラート ×
年次有給休暇の自動付与
年次有給休暇の年間5日状況表示
任意に表示設定は不可
未取得者の抽出は不可
年次有給休暇の年間5日アラート ×
メリット 昨日が非常に豊富 デザインが良い
法律に沿った集計がしやすい
デメリット UIがすこし分かりにくい 通知や分析機能が物足りない

人事労務freee

人事労務freeeは、勤怠管理と給与計算の両方が1つのソフトで自動化できるクラウドサービスです。税率変更にも対応してくれるので、計算ミスが防げます。

人事労務freeeを使えば、書類作成もオンラインで行えるので、年末調整にかかる時間を5分の1まで削減することができるでしょう。
会計ソフトfreeeに関するお問合せはこちら
お問い合わせ

マネーフォワード クラウド給与計算

マネーフォワードクラウド給与計算は、労務勤怠サービスと連動して、給与計算が自動化できるクラウドサービスです。

管理画面がシンプルなので、初めてマネーフォワードをダウンロードした方でも、直感的にわかりやすく操作することができます。

無料期間もあり

マネーフォワードでは、1ヶ月の無料トライアルが用意されています。どの給与計算ソフトにするかお悩みの企業は、ぜひ1度使ってみましょう。
MoneyForwardクラウドに関するお問合せはこちら
お問い合わせ

まとめ

給与を算出するためには、法律に対する理解や税金に関する正しい知識が必要です。給与計算にかける時間を短縮するなら、給与計算ソフトを導入しましょう。

給与計算ソフトを導入することで、給与の自動計算だけでなく、源泉徴収や年末調整も今より簡単になるでしょう。

現在は、在宅ワークやフレックスなど働き方に変化がでてきています。この機会に手間のかかる給与計算も、クラウドサービスで変えてみてはいかがでしょうか。
 

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この記事を書いたライター

Wiz Cloud編集部

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