そこで今回は支出のなかでも大きな割合を占める「家賃」の支払い猶予や減額について注目していきます。
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ポイント①:家賃支払い猶予に関する政府の動き
新型コロナウィルスの流行により、経済にも大きな打撃を与えていますが、政府として事業者に対する家賃支援策は行われているのでしょうか。新型コロナウィルスによるテナント家賃に関する支払い猶予や補助金など、政府が行う支援対策について注目してみましょう。
また以下でご紹介する対策以外にも給付金や貸付制度があります。家賃に関する支援策だけなく、こうした国の様々な支援策をうまく活用するようにしましょう。
家賃支払いについて柔軟な措置の実施を依頼
2020年3月31日、経済産業省が不動産関連団体を通して通達ししました。テナントに対して、その事業者が置かれた状況を考慮して賃料支払い猶予などの措置を検討する依頼。
あくまで依頼というかたちであるため、強制力等はありません。
不動産所有者がテナント賃料を減免した場合の支援策
2020年4月17日、国土交通省が不動産会社やオーナー側に対する支援策を明確化。賃料を減免した場合、条件を満たしていれば、税務上の損金として扱うことを可能にした、不動産のオーナー側に対する支援策となっています。
持続化給付金
2020年5月1日申請受付開始。売上が前年同月比50%以上減少の事業者を対象とした給付金として最大200万円を支給。テナント家賃の支払いに充てることも可能とされています。
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2020年6月17日、参議院本会議で可決・成立。
売上減少の条件などを満たした事業者(中小事業者や個人事業主)を対象とした給付金として、例外措置も含めると、半年間分として最大600万円を支給。申請期間等の詳細は今後発表される見通しとなっています。
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ポイント②:家賃支払い猶予に関する法律
家賃の支払い猶予や減額に関連する法律はいくつかあります。新型コロナウィルスの影響によって、賃料の減額や支払い猶予が法律で認められるのか、どうしたら支払い猶予や家賃減額が可能になるのか、具体的に民法や借地借家法をピックアップして確認していきましょう。
民法第419条1項,3項
「金銭の給付を目的とする債務の不履行については、その損害賠償の額は、債務者が遅滞の責任を負った最初の時点における法定利率によって定める。ただし、約定利率が法定利率を超えるときは、約定利率による。」、「第一項の損害賠償については、債務者は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。」としています。
今回の新型コロナウィルスの賃料の件に当てはめた場合、賃料の支払い不履行があった場合、その損害賠償として利息を払うことになり、借りている側は新型コロナウィルスなどの不可抗力だった場合でも支払いを拒否することができないとしているのです。
(参考文献:『民法第四百十九条 第一項,第三項』電子政府の総合窓口e-Gov)
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民法611条1項
「(賃借物の一部滅失による賃料の減額請求等)
賃借物の一部が滅失その他の事由により使用及び収益をすることができなくなった場合において、それが賃借人の責めに帰することができない事由によるものであるときは、賃料は、その使用及び収益をすることができなくなった部分の割合に応じて、減額される。」
こちらの条項では、テナント物件が借主側の問題ではなく使うことができない場合にテナント賃料の減額を要請することができるとする内容です。
今回の新型コロナウィルスの場合、緊急事態宣言や営業自粛要請などでテナントが利用できなかった場合も、対象になる可能性はあります。
しかし、国や都道府県からの要請が「名指し」ではなく「業種」等に対して行われたものである場合、最終的には「自己判断」としての休業・自粛として扱われ、この条項が認められないもあります。
(参考文献:『民法第六百十一条 第一項』電子政府の総合窓口e-Gov)
ポイント③:家賃滞納に対する不動産会社の対応
家賃滞納や家賃支払いの猶予に関して、不動産会社やオーナーはどのような対応を取るのでしょうか。そもそも、支払い猶予や家賃減額は可能なのでしょうか。賃貸借契約の解除なども含めて、確認していきましょう。
家賃支払い猶予は可能か
家賃の支払い猶予に関しては、上記でご紹介した法律などを踏まえてみても、法律を以て賃料の支払い猶予を強制することは厳しい場合が多いでしょう。
しかし、国としても不動産関連団体を通じて支払い猶予などの柔軟な措置を求めていることを鑑みると、オーナーの状況や信頼関係にもよります。まずは間に入っている不動産会社や直接オーナーに相談してみてはいかがでしょうか。その際には、本記事冒頭でご紹介した「不動産所有者がテナント賃料を減免した場合の支援策」などにも触れながら話し合うことが効果的かもしれません。支払い猶予をするオーナー側にも配慮する姿勢や資料の準備が重要になってくるでしょう。
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家賃減額は可能か
家賃減額に関しても、最終的にはオーナー側と借主側との状況によります。
しかし、借地借家法32条1項で「土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃額の増減を請求することができる。」としています。これは、賃貸契約を結んだ際の賃貸料金が、適切でないと言える状況になった場合に賃料の増減を要請できるとした内容です。
賃料の減額を求める場合には、土地の価格や周辺地域の賃料相場を調べたうえで、適切でないと言える場合には賃料減額を申し入れることも可能となっている点には注目です。
しかしこの場合、あくまでも土地の価格や賃料の相場を踏まえた上で認められるのであり、単純に新型コロナウィルスの影響といった理由では認められない場合が多いでしょう。
(参考文献:『借地借家法 第三十二条第一項』電子政府の総合窓口e-Gov)
賃貸借契約の解除はできるのか
賃貸借契約の解除や解約は、厳密には異なるものとして定められています。
解除にしても解約にしても、長期契約を結んでいる場合には一方的には解除や解約はできない場合があるという点を把握しておく必要があるでしょう。
しかし借主側とオーナー側の両方の当事者が合意していれば、契約を終了することは可能となっています。
一方的に契約を終了する場合、借主の契約違反(債務不履行など)があった場合に主張できますが、信頼関係を破壊する程度や根拠が必要になるでしょう。その逆として、借主側がオーナー側の債務不履行(修繕を行わない、第三者による妨害をした場合等)を訴える場合もあり得ます。
また双方どちらにも契約違反がない場合に契約終了させたい場合もあるでしょう。その事由ごとに、対応して判断するということになります。
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ポイント④:家賃支払い猶予・家賃減額の交渉
実際に家賃支払いの猶予や家賃減額の交渉を行う際に重要になってくるポイントを確認していきましょう。
不動産会社への交渉は早い方が良い
テナント物件を借りる上で、店舗(借主側)とオーナーのあいだに不動産会社が入っている場合もあるでしょう。この場合、まずは不動産会社に賃料に関する相談を行うべきです。不動産会社の判断により、直接オーナーに交渉するのか、不動産会社や専門家を通して交渉するのがよいのかといった相談も含めて事前にコンタクトを取っておくことをおすすめします。
また、今回のコロナウィルスの影響で家賃交渉や支払い猶予の対応が増えている可能性があります。なるべく早い対応をしてもらうためにも、早い段階で動くようにしましょう。
賃料適正化サービスを活用する
家賃交渉を行う場合、直接オーナーに交渉するために資料の準備や交渉術なども重要になってきます。これまでの信頼関係を崩さないためにも、オーナーの以降も尊重する必要もあるでしょう。そこで注目したいのが「賃料適正化」のプロによるサポートサービス。
家賃交渉では、法律や不動産の価格、土地の相場など、専門的な知識や情報収集が必要になります。またこうした家賃の値下げ要請の根拠となる資料はしっかり用意するべきです。
これらの準備を専門家に任せて行うことで、経営や売上対策などに注力できるでしょう。効率よく家賃交渉を進めたい場合はこうしたサービスを活用することをおすすめします。
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家賃110番
「家賃110番」の特徴は、成果報酬型として、成果が出るまでは報酬が発生しない内容でサービスを提供しています。減額できなかった場合は、報酬が発生しないという点は安心して利用できるでしょう。
また、適正賃料の査定は無料となっているため、まずは適正賃料を確認してみるのも良いでしょう。33,000件以上の成功実績と、と、削減率平均17%という驚異的な数字も強味です。なかには、30%以上の削減に成功したという事例も。家賃を減額できれば、大幅なコスト削減に繋がるはず。コスト削減としても大きな効果が見込めるでしょう。
気になる方は是非チェックしてみてください!
まとめ
今回は新型コロナウィルスの影響により、テナント家賃の支払い猶予や賃料減額についてご紹介しました。
国として支援策はあるものの、売上の状況や今後の見通しが立たないなかで不安を感じている経営者や事業者は多いはず。一時的な給付金や支援に頼るだけでなく、コスト削減として今後も効果のある対策を行うことが重要になってきます。
固定コストのなかでも大きな支出となる「家賃」。まずはこの家賃減額について、動いてみてはいかがでしょうか。
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