たとえば、不審なメールが届いたり、夜間の無人オフィスが気になったり。
そんなとき、セキュリティシステムの導入や見直しが頭をよぎるものの、「何から手をつければいいのか分からない」と感じる方も多いはずです。
この記事では、セキュリティシステムの基本的な役割や種類、導入のメリットについて、初めての方にもわかりやすく解説します。
防犯カメラやUTMなど、現場でよく使われる対策の選び方にも触れていきますので、「うちに合った対策を知りたい」という方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
セキュリティシステムとは
一言で「セキュリティシステム」と言っても、その種類はさまざまです。
たとえば住宅内の防犯性を高めるため、オートメーション技術などを利用して、建物全体を守るホームセキュリティや、その際に活用される防犯カメラやセンサーといった物理的なセキュリティシステムなどがあります。この場合、センサーが異常をキャッチしたら契約している警備会社に連絡が入り、警備員が現場に駆けつけたりするほか、防犯カメラなどで自分自身でチェックする方法などがあります。
また物理的なセキュリティシステム以外にも、パソコン内や社内ネットワークを守るためのセキュリティシステムがあります。ウイルス感染を防ぐセキュリティソフトや、サイバーセキュリティの脅威からネットワークを守る「UTM」など、内部から会社を守ります。
中小企業でも導入しやすいサイバーセキュリティ対策とは?
最低限知っておきたい脅威の種類
中小企業の経営者・総務担当者であっても、「サイバー攻撃は大企業だけの話」と考えるのは危険です。むしろ セキュリティ体制が整っていない企業が狙われやすい というデータもあります。以下のような脅威は、いまや企業規模を問わず発生しています。
脅威の種類 | 説明 |
---|---|
マルウェア | 有害なソフトウェア全般。PCに侵入してデータ破壊・盗難などを引き起こす。 |
ランサムウェア | データを暗号化し、元に戻す代わりに「身代金」を要求される攻撃。 |
フィッシング | 偽サイトや偽メールで情報を盗み取る手法。パスワード漏えいなどにつながる。 |
内部不正・誤操作 | 社員の誤操作や意図的な漏えいなど、内部からのセキュリティリスク。 |
企業の信頼や売上にも直結するリスクのため 、「なにもしない状態」はもっとも危険 です。
よく使われる中小企業向けサイバーセキュリティ対策
小規模〜中規模の企業でも、比較的簡単に導入できるサイバー対策は複数あります。ここではコストと効果のバランスに優れた代表的な4つを紹介します。
- ウイルス対策ソフト
基本中の基本です。個人向けと法人向けがありますが、法人版では集中管理や自動更新機能があるため、従業員が多い企業では必須です。 - ファイアウォール
社内ネットワークに外部からの不正アクセスを遮断する防壁のような存在。ルーター内蔵型もありますが、専用機器の導入でより強固になります。 - UTM(統合脅威管理)
1台で複数のセキュリティ機能を提供する「オールインワン」型の装置。小規模オフィスにも導入可能で、設定も比較的簡単です。 - クラウドバックアップ
攻撃を完全に防ぐのは不可能だからこそ、「万一の備え」として必要。データの自動保存と復旧体制があれば被害を最小限に抑えられます。
導入費用の目安と選び方のコツ
「コストが高そう…」というイメージから、導入を先延ばしにする中小企業は少なくありません。しかし実際は、予算に応じた段階的な対策が可能です。
セキュリティ対策の費用イメージ(参考)
対策内容 | 初期費用(目安) | 月額費用(目安) | 補足 |
---|---|---|---|
ウイルス対策ソフト | 無料〜数千円/台 | なし〜500円/台 | 法人契約は年間契約が多い |
ファイアウォール | 1万〜5万円 | 数百円〜数千円 | 高機能なルーターで代替可能な場合も |
UTM装置 | 5万〜15万円 | 3,000円〜1万円 | 機能数や導入規模によって大きく変動 |
クラウドバックアップ | 0円〜数万円 | 1,000円〜5,000円 | 容量・頻度によって価格差がある |
選び方のコツ
- 業種・業務内容に合った機能があるか?
- 管理・運用が現実的か(難しすぎないか)?
- 相談・サポート体制が整っているか?
単純な価格だけでなく「被害が出た場合の損失」と比較する視点が大切です。
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テレワーク時代の安全対策:VPNとリモートアクセス管理
コロナ禍をきっかけにテレワークが一般化した今、 社外から社内ネットワークにアクセスする仕組みは不可欠 です。しかし、「自宅のWi-Fi経由で社内PCにアクセスしている」といった状況では、情報漏えいや不正アクセスのリスクが高まります。
ここで重要になるのが、「VPN(仮想専用線)」や「リモートデスクトップ」といったリモートアクセスの仕組みです。
VPNとは?基礎からわかりやすく解説
VPN(Virtual Private Network)は、インターネット上に仮想の専用回線をつくり、 暗号化された通信を実現する仕組み です。
■ VPNの主な役割
- 安全な社内アクセス:外部から社内ネットワークへ安全に接続できる
- 通信内容の秘匿化:第三者に盗み見されにくい
- IP制限の回避:海外・外出先からも国内アクセス同様の扱いにできる
社内サーバーや基幹システムにアクセスする社員が多い業種では、VPNは必須といえるセキュリティ対策です。
-
VPNの接続イメージ図(簡略)
- [在宅PC] → [VPN接続] → 🔐 → [社内ネットワーク]
社内サーバーや基幹システムにアクセスする社員が多い業種では、VPNは必須といえるセキュリティ対策です。
リモートデスクトップとは?使い方と注意点
リモートデスクトップとは、社内のパソコン画面を自宅のPCに表示し、遠隔操作できる仕組みです。 VPNと組み合わせることで、より安全に利用できます。
■ リモートデスクトップ導入のメリット
- 社内環境をそのまま使える:ソフトやデータの移動が不要
- クラウド移行不要:既存システムをそのまま活用可能
- 設定の柔軟性:ユーザーごとにアクセス制限を設けられる
■ 注意すべきポイント
項目 | 注意点 |
---|---|
アクセス制限 | 接続元IPや時間帯などの制御が必要 |
認証強化 | 二要素認証などで安全性を向上させる |
アップデート管理 | 社内PCが最新状態であることが前提 |
VPN未使用でリモートデスクトップだけを使うと「通信が丸見え」になりかねないため、 必ずVPNとセットで導入することを推奨 します。
物理的なセキュリティ対策システム
端末やネットワーク以外にも、建物内におとずれる危険を防ぐため、物理的なセキュリティ対策システムも必要です。
防犯カメラ・見守りカメラ
セキュリティ対策、防犯対策として最も有名と言えるのが、外部や内部の不審者をチェックすることができる、防犯カメラ・見守りカメラです。
出入口や室内など、死角となるところに設置し、外部からの不審な侵入者や、内部の不正などを映像で記録します。万が一外部から侵入があった場合も、防犯カメラを設置していれば、映像を確認し対処することが可能なうえ、そもそも設置してあることで侵入者を抑止する効果もあります。
また自宅や室内には、小さな見守りカメラを置いておくことで、内部で起こったトラブルや不正などの確認、発生抑止に繋げることができます。
>録画機器不要!専用アプリから遠隔で確認できる「クラウドカメラ」電子錠
最近では、オフィス内外の出入口に電子錠を取り付けている企業も増えてきました。電子錠は、従来の物理的なカギと違い、スマートフォンやICカードなどを使って開錠する鍵のことを言います。
電子錠を使うことで、パスワードやIDを持っている限られた人間しか、鍵を開けられないうえ、ピッキングによる侵入防止にも効果的です。また入退室の記録が取れるものがほとんどなので、出退勤記録にも使えるだけでなく、不正入室などにもいち早く気づくことができます。
セキュリティ対策を見直すべき5つのサインとは?
セキュリティ対策は、一度導入すれば終わりではありません。IT環境や脅威の変化に応じて、定期的な見直しが不可欠です。とはいえ、「何をきっかけに見直すべきか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
以下に示す5つの具体的なサインに当てはまる場合は、今すぐセキュリティ体制を再確認すべきタイミングです。
1. 最近、不審なアクセスやウイルス警告が増えている
「社員から“変なメールが届いた”という報告が増えた」「セキュリティソフトで警告が頻発している」——これらは明確な異常の兆候です。 一見深刻に見えない軽微な警告も、重大な情報漏えいの予兆である可能性 があります。
主な異常の例
- 急に送信不能となったメールアドレス
- 社内ネットワークが不安定になる
- 不審な通信ログ(国外IPとの通信など)
ウイルス検知やアクセスログがすでに異常を示しているなら、それは 今のセキュリティ対策が限界に達しているサイン といえるでしょう。
2. セキュリティ機器・ソフトの更新が数年以上されていない
IT資産の更新頻度は、企業規模に関わらずセキュリティの要です。 「何年も前に導入したまま放置している」「自動更新が有効かどうか分からない」という状況は非常に危険です。
なぜ古いままだと危険か?
- 脆弱性に対応していない
- 新しい攻撃手法に非対応
- サポートが終了している製品も
セキュリティは 「最新版であること」そのものが防御力 になります。とくにUTMやルーター、OSなどは要チェックです。
3. オフィスの増設や拠点の拡大があった
オフィスの増床や複数拠点の開設は、ネットワークやアクセス権限の再設計が必要なタイミングです。 以前と同じセキュリティ設定のままだと、想定外の抜け穴ができてしまうことも。
よくある見落とし
- 新拠点のネットワーク機器が未保護のまま
- テレワーク者用VPNが導入されていない
- 拠点間通信に暗号化がされていない
物理的な環境変化=セキュリティ構成の見直しが必須 と心得ておきましょう。
4. 社員の入退社が多く、アクセス権限管理が煩雑に
人の 出入りが多い企業では、アクセス権限の管理ミスが起こりやすくなります 。退職者が社内ツールにアクセスできる状態が放置されていると、内部不正のリスクも高まります。
必要な対応項目
- 退職者のアカウント即時停止
- 権限見直しの定期スケジュール化
- 管理者権限の付与範囲見直し
特に共有アカウントの使い回しやID削除の遅れは、外部攻撃より危険とも言われています。組織変更が頻繁な企業ほど、対策のルール化が不可欠です。
取引先や顧客からセキュリティ対策に関する要望があった
最近では、大手企業から中小企業に対し、 取引条件としてセキュリティ対策を求めるケースが増えています 。 「ISMSの取得状況は?」「不正アクセス対策はしているか?」といった質問が届いたことがあれば、それは“対応せよ”というサインです。
ありがちな要求内容
- 外部との通信の暗号化
- アクセス制御と操作ログ管理
- クラウドサービスの適正使用ルール
自社の信頼性向上にもつながるため、防御だけでなく営業・取引面での強みにもなります。
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セキュリティシステムのメリット・デメリット
セキュリティシステムを導入することで、企業が得られるメリットやデメリットにはどういったものがあるでしょうか。
セキュリティシステム導入のメリット
まずセキュリティシステムを導入しておくことで、大きなメリットと言えるのは、サイバー攻撃をはじめとした脅威に対して、先手を打って守ることができる点にあります。情報が漏れたり、社内のネットワークがウイルス感染してしまった後からは、いくらセキュリティシステムを入れようと意味がありません。
事前にセキュリティシステム を導入しておくことで、サイバー攻撃や情報セキュリティリスクの発生を防ぐ効果があります。セキュリティ対策を行い、機密情報や顧客情報などの持ち出しや紛失を防ぐだけでなく、パソコンの不正利用などを防止することで、企業にとっても大きな損失を防ぐことができます。
セキュリティシステム導入に伴うデメリット
セキュリティシステムを導入するには、手間やコストが発生します。セキュリティシステムの導入費用や、それにともなう社内での運用コスト、定期的なメンテナンスが必要な場合の管理コストなど、かかる費用はさまざまです。
ただしセキュリティ対策を講じることで得られるメリットを最大限生かすには、デメリットとなる部分は最小限に抑えられるよう動く必要があります。導入時に、社内の現状や業務フローなどを見直し、整理することで、最終的には負担を抑えつつ効率的なセキュリティ対策が実施できるようになります。
どこに相談すればいい?セキュリティ導入はプロに任せよう
中小企業にとって、セキュリティ対策は「重要だとわかっていても、何から始めればいいかわからない」領域です。
ウイルス対策ソフトだけで十分? UTMを入れるべき? 防犯カメラは何台必要? このような悩みに対し、独自判断で導入を進めると「無駄な出費」や「抜け漏れ」の原因になりかねません。
だからこそ、複数のセキュリティ対策を横断的に理解している“プロ”の存在が重要です。業者選びは価格だけでなく、「相談体制」と「導入後のサポート体制」まで含めて検討するべきです。
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まとめ
今回は、店舗や会社を経営していて、これからセキュリティシステムの導入・見直しを考えている方に向けて、セキュリティシステムの種類やメリット・デメリットについて解説してきました。
特に新型コロナウイルスの影響で増加した、テレワークやリモートワークといった新しい働き方が入ってきたことで、セキュリティ対策もそれに合わせたシステムが必要です。

この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!