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保育ICTシステム導入事例・リアルな声【大原野こども園】

保育ICTシステム導入事例・リアルな声【大原野こども園】
木々に囲まれた自然いっぱいの竹林を駆け抜けると、田んぼに囲まれた広い空間に佇む大原野こども園が見えてきます。周りには電車などはなく、車でないと移動しづらい場所のように感じられます。 でも広い園庭で元気いっぱいに走り回る子ども達を見ると、この場所ならではの良さを改めて感じることができました。「不便な場所だからこそパソコンを駆使していろいろなことをできるように」と、ICTシステムを導入した園長の櫛引 雄一先生にお話を伺いました。

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労働環境を変えたいという一心でICTシステムを導入

――ICTシステムを導入したきっかけを教えてください 職員の業務削減のため、というのが一番大きいですね。20年位前はサービス残業で、子どもの成長記録や月間計画、指導案の作成もほぼ手書きで行っていました。そういった様子を見ていて、ICTシステムを使いながら労働環境を変えていきたいなと思いました。 ――導入はいつ頃ですか? 10年くらい前に導入して、使っています。 ――10年前といえば、結構早い段階からの導入だったのではないですか? そうですね、当時は病院等の電子カルテや老人関係のものは早い段階でシステムを導入していましたが、保育園だとICTシステムを導入しているところは少なかったと思います。ただ、年々こういったシステムは進化しているので、昔よりは今の方が使い勝手がよくなったりもしていますよね。 ――今は複数のシステムを使われているということでしたが、どういった順番で導入されたのですか? 「チャイルドケアウェブ(ChildCareWeb)」を最初に導入しました。選んだ理由は、子どもの発達記録や指導案の作成が便利にできると同時に、内容が優れていたからです。その後、「スーパー事務員あやこさん」と「こどもーしょん」を導入しました。「スーパー事務員あやこさん」は主に書類作成ソフトとして使っています。行政に提出する書類を作るのがメインですかね。 ――つまり担当する業務によってシステムを使い分けているということですか? その通りです。園の職員は「チャイルドケアウェブ」を、管理職の私たちは「スーパー事務員あやこさん」と「こどもーしょん」をメインで使っています。「チャイルドケアウェブ」と「こどもーしょん」は「スーパー事務員あやこさん」と連動しているので、操作はとても楽ですね。

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音声入力で業務が飛躍的に改善

――実際にICTシステムを導入して、園の業務はどのように改善されたと思いますか? iPadなどの音声入力が一番便利だなと感じていますね。今まで用紙1枚分の文書作成に何十分もかかっていたのが、ほんの数分でできてしまうのは本当に凄いなと思います。そのため、この2,3年は音声入力を中心に行っていますね。 業務で使用するものは、データ化した方が後で検索がしやすいので、とても便利になったと感じています。時間に余裕ができた分、保護者の方へのお便りなどは手書きするなど、用途によって使い分けも考えられるようになりました。 ――音声入力はどのような時に使っていますか? 日誌関係や議事録を書くときに使用しています。議事録は話したことがそのまま文章になるので、本当に便利ですね。 ――日誌を書く場合、園の先生方が関わってくると思いますが、導入時の反応はいかがでしたか? そうですね、最初は手で書かないと頭に入らないなどの否定的な意見もありました。しかし、音声入力って丁寧に話さないと文章にならないので、実は考えて話す分、コミュニケーション力の向上に繋がり、メリットもあるなと感じています。 中にはキーボードを叩くよりも音声入力を使用するほうが楽という先生方もいますし、業務短縮に繋がるので慣れない方も頑張って覚えようとしてくださってますね。 ――音声入力の精度は高くなっていると感じますか? はい、特にiOS端末(iPad)はかなり精度が高くなっていると感じています。そのため、私たちの園ではiPadを各部屋に一台ずつ置いていて、先生方もそれを使用しています。

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レポートはデータで提出、保護者とのコミュニケーションはアナログで

――大原野こども園では、レポートはすべてデータで提出するようにされているのですか? はい、そうですね。やり方などは個人に任せていますが、手書きがいいという先生でも最終的に私の手元にくるときにはデータ化しなければならないのでPCで入力したり、タブレット中心で音声入力を利用したり様々です。 ――どうしてレポートをデータにしようと思われたのですか? 手書きだった時は、子供達の記録を調べようと思うと、大きなダンボールを降ろして、去年の資料、一昨年の資料をひとつひとつ探して…という形で、本当に大変だったんです。大きなクラスだと1クラス30人、全体でも150人の子供達の資料を探すとなると、それはそれは重労働で。 ――ひとつの記録を探すだけなのに、かなりの肉体労働ですね。 はい。その頃は手書きしかなかったけれど、今はICTシステムを使えばデータ化できて、数年前の記録もすぐに見つけることができます。本当に便利だと感じますね。以前は何十時間もかかっていた作業が一瞬でできるようになった分、アナログの時間を大切にしてもらっています。 ――アナログの時間とは、具体的にはどのようなことですか? 「レポートはデータ化」と言いましたが、保護者の方向けの連絡などは、いまだに手書きなんです。でもその方が職員の感情も伝わるし、見ていても温かみがありますよね。 大切なのはデジタルとアナログをしっかりと区別すること。システムは便利な道具としてとらえ、任せた方が良い業務はデジタルに、そうではない業務は今後もアナログにこだわっていきたいと思います。 ――今後のICTシステムに求めることはありますか? 私がこだわっているのは、とにかくいろんなシステムがあっても連動できることですね。自作でWordやExcelを駆使してツールをつくることもあるのですが、システムを導入しても連動できなければ作り直しになってしまいます。 そういった手間を考えて、あえてICTを入れていないものもあります。便利なサービスが増えてくるからこそ、今あるシステムとの連動を望みますね。

【取材協力】大原野こども園

「子供達に自然いっぱいの環境で育って欲しい」という創立者の願いから、昭和55年に開園し、櫛引園長先生で3代目になる大原野こども園。遮る高いビルが周囲にない分、園の入り口にある大きな窓から差し込む光が園を照らします。 先生と子供達の笑い声が、明るい雰囲気をより一層盛り立てていました。徒歩で通うのは難しいという園児のために、送迎バスも完備しており、自然豊かな環境で子育てをしたいと望む保護者の願いを叶えています。

保育園情報

使用システム: チャイルドケアウェブ、スーパー事務員あやこさん、こどもーしょん 定員:定員144名 開園時間:開所時間… 7:00~19:00 >>>>>保育標準時間認定の方(時間外保育除く)…7:00~18:00 >>>>>保育短時間認定の方(時間外保育除く)…8:30~16:30 >>>>>時間外(延長)保育… 有 18:00~19:00 >>>>>一時預かり(月~土曜日)… 有 住所:〒610-1131 京都府京都市西京区大原野上羽町318 電話:332-0666 ホームページ:http://www.oharano.com/index.html

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まとめ

「ICTシステムに頼ることでアナログの時間をより一層大切にできる」……どれだけデジタル化が進んでも、無くしてはならない作業があるということを教えられた今回の取材。そんな園長先生の優しさが、大原野こども園の雰囲気をつくっているのだなと感じると共に、ご自身もエクセルやワードを駆使して様々なデータ管理をされているという知識の豊富さに、終始驚かされました。 取材中も次々とかかってくる電話に、ひとつひとつ丁寧に答えられている姿が印象的でした。こんな素敵な園長先生がいる場所でなら、ICTシステムと上手に付き合いつつ、子どもたちや保護者の方との大切なひと時が守られていくのだろうなと感じました。本当にありがとうございました。
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ICTキッズ編集部

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