飲食店のテイクアウト・デリバリーに食品表示って必要?

コロナ禍において、飲食店では落ち込んだ売上を取り戻すために、テイクアウトやデリバリーを導入している店舗も多いでしょう。その際に気になるのが「消費期限の表示」「原材料名の表示」などの食品表示についてではないでしょうか。これからテイクアウトやデリバリーを始める方は、「食品表示」について適切に対応してなければ、知らないうちに法令違反をしてしまうリスクもあります。
今回は、このようなリスクを未然に防ぐために、「商品表示」について詳しく解説するとともに、ラベルの作成手順や注意点などについてもご紹介します。

テイクアウト・デリバリーを始める際にしっておくべき「食品表示法」

まずは、飲食店がテイクアウトやデリバリーを始めるときに、必ず知っておくべきことが食品表示法という法令についてです。

「食品表示法」とは、2013年に公布された消費者が食品の内容に対して、しっかり理解することで、正しく商品を選べるように定めた食への安全性を守るための法律です。生鮮食品や加工食品など食品を販売する際には、食品表示法の基準に基づき、原材料やアレルギー物質といった表示が義務付けられています。また任意表示というものもあり、容器包装や加工食品であるかどうかなどの条件によって表示しなければいけない情報も変わり、食品に合わせたラベルの表示が必要となります。

製造・販売場所によって食品表示の義務は異なる

テイクアウトやデリバリーを導入する際は、必ず理解しておく必要のある「食品表示法」ですが、一部表示が不要なケースもあります。ここでは、「食品表示法」が不要な場合と必要な場合をご紹介します。

「食品表示法」が不要なケース

一般的に「食品表示法」では、消費者に販売する食品については、表示が義務付けられていますが一部以下のようなケースは例外となります。

それは、飲食店がお客様の注文に応じて弁当・惣菜をその場で容器に詰めて販売する場合です。テイクアウトやデリバリーもこれに含まれ、食品表示は不要となります。なぜなら製造者が消費者に直接販売することにより、品質について口頭で説明できるからとされています。

また、飲食店の店内やスーパーマーケットのバックヤードなどの製造所と販売する場所が同敷地であったり、同施設で弁当や惣菜を調理して自ら販売する場合なども、原材料名や内容量、原料原産地などの一部の表示事項は不要となります。

「食品表示法」が必要なケース

「食品表示法」が必要なケースは、自社工場のセントラルキッチンなど他の場所で製造された弁当や惣菜を別の場所にある店舗へ陳列して販売するケースや通販で販売する場合などについては、消費者への直接販売にあたらないため、食品表示が必要となります。

具体的には、どのような表示が必要なのか消費者庁が公開している食品表示法の基準をみてみましょう。

食品表示法の基準

表示義務あり:〇
表示義務なし:×

食品表示の項目

他の施設で調理したものを販売する場合

自社で販売する場合

名称

保存の方法

消費期限又は賞味期限

原材料名

添加物

内容量又は固形量及び内容総量

栄養成分の量及び熱量

食品関連事業者の氏名又は名称及び住所

製造所又は加工所の所在地及び

製造者又は加工者の氏名又は名称等

アレルゲン

(特定原材料※の成分を含む食品)

原料原産地名

(国内で製造した加工食品)

 

参照:消費者庁公式サイト「早わかり食品表示ガイド」

食品表示ラベル作成の流れとは?

次に、食品表示ラベルの作成する場合、どのように作成するといいのでしょうか。ここでは、食品表示のラベルを作成する手順についてみていきましょう。

STEP①情報収集

まずは、情報収集から始めましょう。食品に含まれる食物アレルギー、添加物などを確認します。

STEP②ラベルデータを作成する

消費者庁のガイドライン「早わかり食品表示ガイド(令和2年11月版・事業者向け)」に沿って、食品表示のルールに従って、ラベルデータを作成しましょう。

STEP③ラベルを印刷

最後にラベルの印刷です。専用のラベルプリンターを利用するとカンタンに印刷することができます。ちなみに、感熱式のラベルプリンターが食品表示の際によく使用されています。とくに弁当や惣菜といった消費期限がすぐ切れる商品に向いており、導入コストも安価なため、飲食店のテイクアウトやデリバリーに向いているといえるでしょう。

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テイクアウト・デリバリーを始める際の注意点

  ここでは、テイクアウトやデリバリーを始める際の注意点についてご紹介します。

冷凍・冷蔵はテイクアウト販売をする場合は要注意

基本的に飲食店では「飲食店営業許可証」を取得しているため、テイクアウトやデリバリーの販売は認められています。しかし、ケースによっては許認可が必要となる場合があるので注意が必要です。

たとえば、ハンバーグ専門店がハンバーグ弁当を提供するのはとくに問題ではありませんが、調理前の冷凍ハンバーグをテイクアウトとして販売するためには「食肉販売業」の許可が必要です。提供するメニューによっては、複数の許可が必要になる場合もあるため注意が必要といえるでしょう。

許認可が必要な例

下記の表に該当する商品をテイクアウトやデリバリーなどで販売する場合は、所轄の保健所へ認可許可の申請を行うことが義務付けられています。

乳飲料

乳製品製造業・乳類販売業

アイスクリーム

アイスクリーム類製造業

食肉(生)

食肉販売業

食肉(加工品)

食肉製品製造業

鮮魚介類

魚介類販売業

弁当・惣菜

食料品等販売業

お菓子・パン

菓子製造業

生めん

めん類製造業

冷凍品

冷凍冷蔵業

 

また上記以外にも別途許可申請が必要な場合があります。もし飲食店がテイクアウトやデリバリーを始める際に食品表示に迷ったら、独自の判断をせず店舗の管轄の保健所へ直接問い合わせて正しい回答をもらうようにしましょう。

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テイクアウトやデリバリーには食品表示対策を徹底しよう

 ここまでは、飲食店がテイクアウトやデリバリーを始める際に、食品表示が必要なケースや不要なケースなどを詳しく解説しました。

飲食店がテイクアウトやデリバリーを始めるには、上でご紹介したように食品表示法に基づいた正しいラベル表示と取り扱い商品に応じた許可申請が必要になるケースがあります。とくにアレルギーを持っているお客様にとっては、この食品表示は命にかかわる重要な情報となります。食品表示は義務であり、購入者の安全と企業の安全を守るためにも、しっかり正しい食品表示の記載を行うようにしましょう。

利益を上げるにはテイクアウト・デリバリーを始めよう

飲食店では、コロナ禍において厳しい状況が続く中、テイクアウトやデリバリーをうまく活用し、クチコミから新規顧客を獲得しているという事例も見られます。
とくにウーバーイーツや出前館などのデリバリーサービスを利用すると、自店で配達員や配達専用のスクーター、デリバリー用のメニューの用意など不要で、デリバリーに必要な容器などを用意するだけで手軽にデリバリーを始めることができます。初期投資をあまりかけずに、店舗の売上アップを目指せるため、飲食店にとっては非常にメリットのあるサービスといえるでしょう。

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まとめ

今回は、飲食店のテイクアウトやデリバリーを始める際に気になる「商品表示」について詳しく解説しました。するとともに、ラベルの作り方や短縮できる方法などについてもご紹介します。食品表示は飲食店事業者の義務であり、お客様の安全と企業の信頼性を確保するために必ず知っておかなければいけない内容です。これからテイクアウトやデリバリーを始める方は、今回の記事を参考に食品表示法に対応しつつ、危機をチャンスに変えて売上の巻き返しを図りましょう。

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