社内のセキュリティ強化を考える中で、そんな言葉に引っかかったことはありませんか?
ウイルス対策ソフトやファイアウォールではもう不十分かもしれない——
そう感じたとき、選択肢にあがるのが「UTM(統合脅威管理)」です。
とはいえ、専門用語も多く、導入のハードルが高そうに思えるのも事実。
本記事では、UTMの基本的な仕組みからファイアウォールとの違い、自社に必要かどうかの判断軸、さらには選び方のポイントまでわかりやすく解説します。
「必要そうだけど判断がつかない」「社内に詳しい人がいない」
そんな方には、無料での状況ヒアリングと最適な対策をご提案します。
目次
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UTMとは何か
UTMの概要
UTM(Unified Threat Management)とは、 複数のセキュリティ機能を1つの機器に統合した総合的な脅威管理システム で、UTMは企業のネットワークを様々な脅威から守ります。
従来のファイアウォールが単一の防御壁だったのに対し、UTMは多層防御を実現。ウイルス対策、不正侵入防止、スパム対策など、複数の機能を備えています。
最新のサイバー脅威に対しても、UTMは迅速な対応が可能です。例えば、新種のマルウェアが発見された場合、UTMは自動的にアップデートを行い、企業のネットワークを守り続けます。
UTMとファイアウォールの違い
UTMとファイアウォールの違いは、その機能の範囲にあります。従来のファイアウォールが交通整理員のように、ネットワークの出入りを管理するだけだったのに対し、UTMは多機能な警備システムのような役割を果たします。
UTMは、 ファイアウォール機能に加え、ウイルス対策、不正侵入防止、Webフィルタリングなど、複数のセキュリティ機能を1つの機器に統合 しています。これにより、より包括的な防御が可能になります。 UTMの導入により、複数のセキュリティ対策を一元管理できるため、運用コストの削減と効率化が図れます。
しかし、初期投資が高額になる可能性や、専門知識が必要となるなどのデメリットもあります。 皆さんの企業に最適なセキュリティ対策を選ぶ際は、UTMとファイアウォールの特徴を十分に理解し、自社のニーズに合わせて検討することが重要です。
UTMの主要なセキュリティ機能
最新UTM製品では、 AIを活用した高度な脅威検知機能も搭載 されています。これにより、従来の方法では検出が難しかった新種の脅威にも対応できるようになりました。
これらの機能が一つの機器に統合されているため、セキュリティ管理が効率化され、運用コストの削減にもつながります。まさに、現代のサイバーセキュリティにおける万能ツールと言えるでしょう。

UTMのメリット
総合的なセキュリティ対策の一元化
UTMとは、 複数のセキュリティ機能を一つの機器に統合した総合的なセキュリティソリューション で、UTMは企業のネットワークを守る様々な機能を一つにまとめています。
この統合により、管理者は複数のセキュリティツールを個別に運用する手間から解放されます。例えば、ファイアウォール、アンチウイルス、侵入検知システム(IDS)などを個別に管理する代わりに、UTMの単一インターフェースで全てを制御できるのです。
さらに、UTMは各セキュリティ機能間の連携を強化し、より効果的な防御を実現します。例えば、不審なトラフィックをファイアウォールで検知した場合、即座にアンチウイルススキャンを実行するといった連携が可能になります。
コスト削減と効率化
UTMの導入により、 企業は大幅なコスト削減と運用効率化を実現 できます。 従来の個別セキュリティ製品の購入・管理コストと比べ、UTMは初期投資こそ高くなる可能性がありますが、長期的には大きな節約につながります。
また、UTMは 自動更新機能により、常に最新の脅威に対応 できます。これは、セキュリティ担当者の負担を軽減し、より戦略的な業務に集中できることを意味します。さらに、統合されたレポート機能により、セキュリティ状況の把握が容易になり、経営陣への報告や監査対応の効率化にもつながります。
UTMは、 限られたIT人材でも、包括的なセキュリティ管理が可能 になります。FortiGateのようなUTM製品は、直感的なインターフェースで、専門知識がなくても効果的な運用が可能です。
最新のサイバー脅威への対応
UTMは、 サイバー空間の変化する脅威に対して、常に最新の防御を提供 します。例えば、新種のマルウェアが出現した場合、UTMは迅速にシグネチャを更新し、即座に防御を開始します。これは、個別のセキュリティ製品を使用する場合と比べ、はるかに効率的です。
さらに、 UTMは機械学習やAIを活用し、未知の脅威にも対応 します。例えば、FortiGateは高度な脅威インテリジェンスとAIを組み合わせ、ゼロデイ攻撃などの新しい脅威も検知・防御します。 また、 UTMはクラウドサービスとの連携も強化 しています。リモートワークが増加する中、クラウドアプリケーションの安全な利用をサポートし、データ漏洩リスクを軽減します。
UTMは、ネットワーク、エンドポイント、クラウドを包括的に保護し、現代のサイバー脅威に対する強力な防御線となります。常に進化するサイバー攻撃に対し、UTMも進化し続けています。
UTMのデメリット
高コストの初期投資
UTMの 導入には、高額な初期投資が必要となる場合があります 。
UTMは、複数のセキュリティ機能を一つの機器に統合したオールインワンソリューションですが、その分、導入コストが従来のファイアウォールよりも高くなります。 例えば、中小企業向けのUTM製品でも、購入ともなれば数十万円から百数十万円の初期費用がかかることがあります。これは、セキュリティ対策にあまり予算をかけられない小規模企業にとっては大きな負担となるでしょう。
しかし、長期的な視点で見ると、複数の機能が一つの機器に統合されていることで、運用コストや電力消費を抑えられるため、UTMの方がコスト効率が良くなる可能性があります。また、最近では月額制のUTMサービスも登場し、初期投資を抑えられるオプションも増えてきています。企業の規模やニーズに合わせて、適切な導入方法を選択することが重要です。
専門知識の必要性
UTMの運用には、 多機能な統合セキュリティ装置を効果的に管理するため、高度な専門知識が求められます 。
UTMの場合、ファイアウォール、アンチウイルス、侵入検知システムなど、多岐にわたる機能を適切に設定し、監視する能力が求められます。これらの機能を最適化し、偽物の判定を減らすには、深い知識と経験が不可欠です。
また、常に進化するサイバー脅威に対応するため、UTMの設定を定期的に更新する必要があります。 これには、 最新の脅威動向を把握し、適切な対策を講じる能力が求められます 。 中小企業にとっては、このような専門知識を持つ人材の確保や育成が課題となることがあります。そのため、UTM導入を検討する際は、社内のIT人材の能力や、外部のサポートサービスの利用可能性も考慮に入れる必要があるでしょう。
パフォーマンスの低下
UTMの導入は、 ネットワークのパフォーマンスに影響を与える場合があります 。UTMにより安全性は高まりますが、通行速度が落ちる可能性があるのです。
UTMは、すべてのネットワークトラフィックを検査するため、データの処理に時間がかかります。特に、暗号化されたトラフィックの解読と再暗号化は、大きな負荷となります。 この影響は、ネットワークの規模や利用状況によって異なります。小規模なオフィスでは気にならないかもしれませんが、大規模なデータセンターでは顕著になる可能性があります。
しかし、 最新のUTM製品では、高性能なハードウェアや最適化されたソフトウェアにより、パフォーマンスへの影響を最小限に抑える工夫がなされています 。 UTM導入を検討する際は、ネットワークの要件を慎重に評価し、適切な性能を持つ製品を選択することが重要です。また、定期的なパフォーマンス監視と最適化も忘れずに行いましょう。
UTM導入前に知っておくべきポイント
導入前に確認すべきセキュリティ課題
UTMを導入する前に、まずは「自社のセキュリティ課題を正しく把握する」ことが大切です。 セキュリティ対策は万能ではなく、自社にとってどのリスクが最も深刻なのかを明確に しなければ、UTMの性能を十分に活かせません。
たとえば、以下のような点を確認しましょう
チェック項目 | 主なリスク |
---|---|
社内で使用している端末数 | 管理が行き届かない端末からの侵入リスク |
外部とのファイル共有方法 | USBやクラウド経由での情報漏洩 |
社員のセキュリティリテラシー | フィッシングメール被害の可能性 |
在宅勤務・テレワーク環境の有無 | VPN未導入などによる通信経路の脆弱性 |
これらの課題が複数該当する場合、UTMによる統合管理で解決できる可能性が高まります。 自社の環境に応じた課題整理は、UTM選定の「前提条件」 です。
UTM選定時に重視すべき5つのポイント
数あるUTM製品から最適なものを選ぶには、価格や性能だけでなく、導入後の運用も見越した視点が必要です。以下の5つの軸で比較・検討することをおすすめします。
🔍 比較の5大ポイント
- 対応する脅威の範囲
→ ウイルス対策、スパムフィルター、IDS/IPS、Webフィルタリングなど含まれているか? - ネットワーク性能(スループット)
→ 業務に支障のない通信速度が保てるか? - ログ・レポート機能の有無
→ 可視化されているか?セキュリティインシデントの分析が可能か? - 保守・サポート体制
→ 導入後の問い合わせ対応・設定支援などを受けられるか? - 価格(初期費用+運用費)
→ コストに対して得られる対策範囲や使いやすさは適切か?
これらの比較項目を整理した一覧表を作ることで、自社に合うサービスを見極めやすくなります。
よくある失敗例とその対策
UTM導入に失敗してしまう企業には、いくつか共通の落とし穴があります。以下はその代表例と、その回避方法です。
よくある導入失敗パターンと対策
失敗例 | 原因 | 対策 |
---|---|---|
高性能UTMを導入したが持て余した | 自社規模に対して過剰スペック | 利用シーンに応じて機能を絞って選定 |
導入後、設定や運用が複雑で使いこなせない | 専門知識が必要 | サポート付き・運用代行サービスを選ぶ |
コストが予想より高かった | 運用費・保守費が想定外 | 月額制や運用込みの料金体系を選ぶ |
社内のITリソースが不安な場合の選択肢
「UTMが必要なのはわかった。でも、設定や運用はうちでは難しい…」
そう感じた方には、外部のセキュリティ支援サービスを活用するという選択肢があります。 たとえば、以下のようなサポートを受けられるサービスを選ぶと、導入の不安が大幅に軽減されます。
- 導入時のヒアリングと構成提案
- 初期設定の代行
- 稼働後の監視・運用保守
- トラブル発生時の対応窓口
「UTMを導入したいけど、何から始めればいいかわからない…」
そんな方には、プロによる無料診断と導入支援をご案内します。

UTMに関するよくある質問(初心者向けQ&A)
A
UTM(Unified Threat Management)は、複数のセキュリティ機能を一つの装置に統合したオールインワンのセキュリティ対策ツールです。
A
主に、ファイアウォールやアンチウイルス、不正侵入防止(IPS)、Webフィルタリングなどがあります。これらの機能を個別に導入する必要がなく、一元管理できるのがUTMの大きな特徴です。
A
UTMは、ファイアウォールの機能を含みつつ、多層的なセキュリティ対策を1台にまとめた「進化版」とも言える存在です。
一方、単純なネットワーク制御だけが目的であれば、ファイアウォールで十分なケースもあります。
A
UTMの費用は、製品の性能や機能、サポート範囲によって大きく異なります。加えて、「運用を自社で行うか、外部に委託するか」によっても変動します。特にUTMは、定期的なアップデートやログ監視が重要なため、専門の支援サービスをセットで契約するケースが増えています。
A
必ずしも専門知識が必要なわけではありません。それでも難しい場合、最近では、中小企業向けに設定から運用まで支援するサービスが増えています。
A
UTMは強力ですが、エンドポイントセキュリティや従業員教育など、多層防御の一部として考えるべきです。
A
製造元が提供する更新プログラムを、できるだけ早くインストールしましょう。多くの場合、月1回程度のペースでリリースされます。
A
高度なUTMでは、AIを活用した自動対応機能も備わっていますが、重要なアラートは人間の判断も必要なので、迅速に対応するようにしましょう。
UTM導入の検討ステップとおすすめサービス
まずは自社のセキュリティ状況を棚卸し
UTMの導入を考える前に、 最も大切なのが「現状のセキュリティ環境を可視化すること」 です。 なぜなら、UTMが必要かどうか・導入するならどの機能が必要かは、現在のリスク状況に左右されるからです。
セキュリティ棚卸しで確認すべき項目
確認ポイント | 内容 |
---|---|
使用している端末数・ネットワーク構成 | 管理台数が多いとリスクも増加 |
リモートアクセスの有無 | VPN未導入だと通信が無防備に |
外部とのデータ授受 | クラウド共有・USB利用などに要注意 |
社員のセキュリティ教育状況 | フィッシング被害の温床になりやすい |
これらを1つずつ整理することで、 「自社にはどんな脅威が潜んでいるか」「UTMで何を守るべきか」 が見えてきます。 セキュリティ診断ツールや、支援サービスの「無料相談」などを活用するとより効果的です。
導入検討時のステップガイド(全5ステップ)
UTMの導入は、単に「機械を置くだけ」ではありません。導入目的を明確にし、選定・構成・運用まで計画的に進めることで、効果的なセキュリティ対策になります。
導入ステップ一覧(中小企業向け)
-
STEP.1
社内の課題を整理する
セキュリティの抜け穴や不安な点を具体的に洗い出す
-
STEP.2
必要な機能・性能を決める
予算、対応脅威、ネットワーク規模に応じた要件整理
-
STEP.3
製品・サービスを比較する
各社のUTM機能、サポート内容、価格などを比較検討
-
STEP.4
導入フローを確認する
導入タイミング、業務影響、設定作業のスケジュールを確認
-
STEP.5
運用体制を整える(自社 or 外注)
社内で運用できるか?保守・監視を外部委託するか判断
このように導入前に5つのステップを踏むことで、 費用対効果の高い選定が可能 になります。
自社対応が難しい場合の「丸ごとお任せ」型の選択肢
UTMを導入したいけれど、自分たちだけでは難しそう…と感じる場合は、UTM導入から設定・監視・保守までを一括で任せられる外部サービスを選ぶのがおすすめです。
- 専門スタッフがヒアリングし、自社に合ったUTMを選定
- 初期設定・設置作業をすべて代行
- 24時間の稼働監視・アラート通知
- 不具合時のサポートもワンストップ
とくに中小企業でIT専任者が不在の場合、このようなサービスを 活用することで「導入後に困らない体制」 が整います。
「必要そうだけど判断がつかない」「社内に詳しい人がいない」
そんな方には、無料での状況ヒアリングと最適な対策をご提案します。
まとめ
UTMとは、 統合脅威管理(Unified Threat Management)の略称で、複数のセキュリティ機能を一つの機器に統合したソリューション です。従来のファイアウォールと比べ、より包括的な保護を提供し、管理の簡素化とコスト削減を実現します。
UTM導入を検討する際は、自社のニーズや予算、既存のIT環境との整合性を慎重に評価することが重要です。特に中小企業では、スケーラビリティや使いやすさを重視して選択することをおすすめします。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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