利益率とは?利益の種類や計算方法、経営改善に向けた対策まで紹介!

企業の経営において、「利益率」は非常に重要な指標の一つです。これらは経営者でなくてもよく耳にしているのではないでしょうか。これまで、売上第一で会社を運営した方でも、新型コロナの影響から売上が思うように上がらないという悩みをお持ちの経営者もきっと少なくないでしょう。

本記事では、売上だけでなく利益主義の考え方を一から学びたいという方に向けて、利益の種類や計算方法はもちろん、企業の経営改善に向けた対策まで徹底解説します。

 

利益率とは?

「利益率」とは、企業の経営において、事業計画や業績について考えるときに重要な指標を見るための指標の一つであり、売上高に対する利益の比率のことを言います。利益は、「儲け」を表しており売上から費用を引いた残りを指します。

通常は、企業の規模に比例し、資本や売上高は大きくなるので、利益の金額も大きくなります。そのため、利益の額だけで企業の収益性を判断するのではなく、売上高に占める利益の比率を求めた上で判断することが正解なのです。つまりは、利益ではなく利益率こそが、儲かる商売を見定める目安としてふさわしいものといえるのです。

利益率の重要性について理解したあとは、利益率の計算方法と種類についてさらに詳しくみていきましょう。

利益率の計算方法

利益率は、パーセンテージで表されるもので利益÷売上高×100で計算することができます。例として、商品A(価格:2,000円)と商品B(8,000円)で計算すると次の計算式になります。

・Aの商品の利益率(%):500円(利益)÷2,000円(価格)×100=25%
・Bの商品の利益率(%):1,000円(利益)÷8,000円(価格)×100=12.5%

上の計算式からも分かる通り、商品Aの利益率は商品Bの2倍となります。一方、商品A・Bを100個ずつ販売した際の売上高は、商品A=50,000円、商品B=100,000円となり商品Bが商品Aの2倍となるのです。

利益には種類がある

企業の経営状況を表す財務諸表の一つである「損益計算書」は、企業の利益と損失を示す表のことです。しかしながら、損益計算書に示される利益は全部で5つの種類に分けられます。それぞれカンタンに解説します。

①売上総利益
「売上総利益」は、売上高から売上原価を差し引いたもので、企業の収益力を指すものです。

≪計算式≫
売上高 - 売上原価=売上総利益

②営業利益
「営業利益」とは、売上総利益から販売費および一般管理費などを差し引いた利益になります。

≪計算式≫
売上総利益 - 販売費及び一般管理費=営業利益

③経常利益
「経常利益」は、営業利益に財務における収益や費用からなる「営業外損益」を加減した利益になります。

≪計算式≫
営業利益 - (営業外収益 - 営業外費用)=経常利益

④税引前当期純利益
「税引前当期純利益」は、法人税などの税金を支払う前に得た利益です。

≪計算式≫
経常利益 + 特別利益 - 特別損失=税引前当期純利益

⑤当期純利益
「当期純利益」は、税引前当期純利益から法人税や都道府県税などを差し引いたもの利益のことをいいます。

≪計算式≫
税引前当期純利益 - 法人税・都道府県税等=当期純利益

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利益率と粗利率の違い

「粗利率」は、粗利の利益率のことをいいます。粗利は粗利益とも言われており、売上高から売上原価を差し引いた収益のことを指し、財務会計上では売上総利益と言われています。

粗利率は、売上高総利益率とも呼ばれていますが、商品の付加価値を示す指標となっているため、薄利多売戦略では不利な立場にある中小企業でとくに重視されるものになります。なお、粗利率は次の計算式で出すことができます。

粗利率(%)=粗利÷売上高×100

利益率の相場や業界による違い

利益は、売上からさまざまなコストを引いた残りになるのですが、業種・業界によっても必要なコストの種類や多寡は異なるため、利益率も違ってきます。総資本利益率を指標とする各業界の利益率の相場は以下のとおりです。

1位・・シンプレクス・ファイナンシャル・ホールディングス(SFH)/ROA:57.95%/その他金融
2位・・    カカクコム/ROA:53.54%/サービス
3位・・ZOZO/ROA:51.79%/小売業
4位・・    ガンホー・オンライン・エンターテイメント/ROA:51.62%/サービス
5位・・OKウェイヴ/ROA:47.09%/サービス

これらのランキングからも分かるとおり、ランキングの上位は、サービス業の比率が高い傾向にあります。この理由には、一般的にサービス業は原価率が低い傾向にあるため効率的に利益を残せるといったことが挙げられます。つづいて、カカクコム・ZOZO・OKウェイブなどのインターネットサイト運営を行っている会社も収益性の高いビジネスモデルになります。

利益率を上げるには?

これまでの内容を踏まえ、企業が利益率を上げるには、具体的にどのようなことを行えばいいのでしょうか。ここでは、3つの方法をご紹介します。

方法①売上を上げる

利益率を上げるためには、売上を増やすことが有効な方法です。売上を増やすためには、基本的に、商品単価を上げること、または販売量を増やすの2択のみとなります。しかし、安易に値上げを行うことも危険です。競合他社との競争力やリピート客を失ってしまう原因につながる可能性もあるため、商品の値上げを行う場合などは、慎重に行うようにしましょう。

次に、販売量を増やすことも売上を上げることができます。単純にいえば、1つ売れたモノを2つや3つに増やしていくことです。方法として、多くの人に知ってもらうために広告を出稿したり、営業の人員を増やすといった対策が考えられます。一方で、その分コストが膨大にかかってしまうと元も子もないので、あまりコストをかけずに販売員を増やす方法を検討する必要があるといえるでしょう。

方法②原価を削減する

利益率を上げる方法として、原価を削減することも重要です。例えば、洋服を例にすると、作るためにかかる材料費5,000円を下げることが原価の削減となります。材料費の安いものに変更したり、材料をまとめて仕入れて少しでもコストを下げたりすることなどが検討できます。
なお、自社で製造している際には、人件費をはじめ、設備費用や工場でかかる電気代なども原価に含まれているため、これら費用の削減も対象となるでしょう。

方法③固定費などのコスト削減を行う

コストの中には、売上によって変動する変動費と売上の大小にかかわらず発生する固定費があります。固定費に関しては、その月の売上がゼロだとしても発生する費用となるため、なるべく最小限で抑えられるよう改善ポイントを探る必要があります。

 

業務効率化・生産性向上ツールとは?

利益率の向上には、じつは業務の効率化も大きく影響してきます。考えてみると当たり前の話ですが、業務が効率化されると、同じ業務量をこなすのに必要なリソースが減り、コストが削減され利益率が向上するという仕組みが成り立つことになります。利益率というものは、売上に対する利益の割合である以上、同じ売上を上げている場合でもコストの増減によって変化するのです。要は、コストがかさむほど利益率は下がることになり、コストを削減できれば利益率は上がることになります。

企業では、今まで利用していない新しいツールを導入することにより、業務効率化に成功する事例も多くあります。ここでは、企業の利益率を上げるための業務効率化や生産性向上ツールをご紹介します。

チャットボットツール

Webサイトなどで、質問などを入力をしてすぐに返答がくる機能「チャットボット」。近年業務効率化を図ることのできるチャットボットを導入する企業が増加しています。チャットボットは、問い合わせ対応や社内用のヘルプデスクの業務効率化や人件費削減に効果的です。

チャットボットが登場する前は、オペレーターが電話での対応をするのが一般的であり、ユーザー側もなかなかオペレーターに繋がらないため何度も電話を掛け直すことで、オペレーター側も手が回らないということが課題の一つとして挙げられていました。しかし、チャットボットの登場により、カンタンな問い合わせなどはすべてチャットボットが対応できるようになります。これにより、ユーザーの満足度も向上し、企業も人件費の削減など多くのメリットがもたらされるでしょう。

クラウド会計ツール

経理に関わる業務を一気にラクにしてくれるクラウド会計ツール「freee」。経理に関わる業務を、会計freeeで一元化できるため、業務効率化が実現します。売上利益の詳細分析なども見たいと思った瞬間にすぐ確認することもできるため、経営状況の見える化を実現してくれます。また、会計freeeを利用して給与明細を作成すると、勘定科目の割り当てから仕上げまで自動で完了するため、さらなる業務効率化と生産性向上が期待できるでしょう。

まとめ

今回は、利益の種類や計算方法、企業の経営改善に向けた対策などを詳しく解説しました。企業の経営において、利益主義は、経営を上手く行かせるための重要な考え方です。まずは、企業に合った利益率を上げる手法を試してみてはいかがでしょうか。

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