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「CRMはなぜスゴイ?」
「そもそもCRMで何ができる?」
CRMの導入メリットは、効率的な顧客管理、データの統合と可視化、顧客満足度の向上など、多岐にわたります。
しかし、上記のようなCRMの効果を引き出すために、どのように活用すべきか分からない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、CRMの導入メリットと、そのメリットを最大限に引き出す活用方法についてわかりやすく解説していきます。
CRMの機能やSFAとの違いなどの基本知識、導入成功事例も紹介しているので、導入を検討している方は必見の内容です!
▼この記事で紹介している商品
CRM導入によるメリット:顧客満足度UPと業務効率化により売上増大につながる
顧客情報を一元管理・見える化できる
CRMの導入により、顧客情報が可視化され一元管理されることで、生産性が向上します。
従業員はリアルタイムで最新の顧客データにアクセスでき、情報の共有がスムーズになり、 重複作業や手動入力の手間を省けます。
これにより、営業活動やマーケティング戦略が効率化され、迅速かつ効果的な意思決定が可能となり、全体の生産性が向上します。
部署・チーム間でリアルタイムに共有できる
CRMの導入により、部署・チーム間で情報をリアルタイムに共有することが可能です。
これにより、 営業、マーケティング、サポート部門が一貫した顧客情報にアクセス可能となり、効率的な業務遂行が可能になります。
また、情報の透明性が向上し、迅速な意思決定と顧客対応が実現し、全体の業務パフォーマンスが向上します。
欲しい情報へのアクセスがスムーズになる
CRMの導入により、顧客データが一元管理されるため、必要な情報へのアクセスが迅速かつ効率的に行えます。
これにより、営業担当者やカスタマーサポートは、 顧客の履歴やニーズを即座に把握でき、個別対応や問題解決の質が向上します。
また、データの統合により分析も容易になり、戦略的意思決定が強化されます。
営業担当者のパフォーマンスを向上させる
CRMの導入により、 営業担当者は顧客情報や営業活動の進捗を一元管理でき、効率的な営業プロセスを実現します。
これにより、リードの追跡やフォローアップが自動化され、顧客との関係構築を強化することが可能です。
また、データ分析を通じてターゲット層の理解が深まり、効果的なアプローチが可能になるため、全体的なパフォーマンスの向上が期待されます。
割当を平準化させて負荷を軽減する
CRMの導入により、営業活動やタスクの割当が自動化され、チーム内のリソース配分を最適化することが可能です。
これにより、 業務の偏りが減少し、個々の担当者の負荷が平準化されます。
リアルタイムでの進捗管理が可能となるため、業務の過負荷を防ぎ、効率的な作業分担を実現できます。結果として、全体の生産性と業務品質が向上します。
既存顧客のニーズをつかんでアプローチし、優良顧客を生み出す
CRMの導入により、既存顧客のデータを詳細に分析し、ニーズや行動パターンを正確に把握できます。
これにより、個別にカスタマイズされたアプローチが可能となり、 顧客満足度を向上させます。
さらに、適切なタイミングでのフォローアップや提案ができるため、顧客ロイヤルティを強化し、優良顧客に育成することも可能です。
編集部
結果として、リピート購入や紹介による収益増加が期待できます。
顧客満足度の向上が自社の利益となる
CRMの導入により、正確な顧客データと履歴の管理により、個々のニーズや好みに合わせたサービス・商品を提案でき、成約率アップを図れます。
また、 迅速かつ効果的な対応やフォローアップにより、顧客の満足度が向上し、リピート率や顧客の生涯価値が増加します。
これにより、売上の安定化と拡大が実現され、長期的な利益増加に寄与します。
営業業務の効率化でコア業務に専念できる
CRMの導入により、営業業務の効率化が図られ、担当者はコア業務に専念することが可能です。
自動化されたタスク管理、スケジュール管理、顧客データの一元管理により、手作業の煩雑さが軽減されます。
これにより、営業担当者はより多くの時間を顧客対応や戦略的な営業活動に割けるようになり、業績向上や顧客満足度の向上に直結します。
属人化から脱却しチームプレイに移行できる
CRMの導入により、顧客情報の属人化を防ぎ、チーム全体での情報共有が可能です。
各営業担当者が独自に管理していた顧客データをシステムに集約することで、全員が同じ情報にアクセスできるようになります。
これにより、 営業活動が個人依存から脱却し、チームとしての一貫した対応が可能となります。結果として、組織全体の連携が強化され、顧客満足度の向上や業績の改善が期待できます。
経営戦略・営業戦略に役立てられる
CRMの導入により、顧客データの一元管理と詳細な分析が可能となり、経営戦略や営業戦略の策定に有益なインサイトを提供します。
市場動向や顧客の購買パターンを把握することで、ターゲティングやセグメンテーションが精緻化され、戦略的な意思決定が強化されます。
さらに、データに基づく予測分析を活用し、迅速かつ効果的な戦略の実行が可能となり、競争優位性が向上します。
編集部
マーケティングにおける「インサイト」とは、消費者の気持ちを洞察し、それに必要な情報のことを指します。
CRMを導入すると顧客側にもメリットがある
自分が必要な情報が手に入りやすくなる
CRMを導入することで、顧客は自分が求めている情報を高い精度で迅速かつ容易に入手できります。
例えば、最近ではホームページの「マイページ」でも、興味のある情報だけを厳選し、反対に関心のない情報を排除するように設定することが可能です。
担当者からの的確な提案が得られる
CRMを導入することで、顧客は担当者からより的確な提案を得ることができます。
担当者は、 顧客履歴や過去の問い合わせデータを元に、個々のニーズや嗜好を正確に把握しています。
そのため、最適な情報提供やサポートを受けられ、満足度も向上するでしょう。
CRM導入によるデメリット
初期費用や月額費用が発生する
CRMの導入には、初期費用や月額費用が発生するデメリットがあります。
システムの導入に伴う ソフトウェアライセンス料、カスタマイズやデータ移行のための コンサルティング費用、そしてシステムの運用や保守のための 月額利用料が必要です。
特に大規模な組織や複数部門を対象とする場合、初期投資が高くなりやすいです。また、システムのアップデートや拡張によっても追加費用が発生することがあります。
マニュアルや業務フローの整備、社員研修にコストがかかる
CRMを効果的に活用するためには、従来の業務プロセスをシステムに適合させるための マニュアルや業務フローの再構築が必要です。
また、全社員にシステムを効果的に活用してもらうため、 CRMの操作方法やデータ入力、 レポーティング方法などを共有する研修やトレーニングも欠かせません。
このように、CMSを使いこなすには時間とリソースが必要であり、導入初期段階では業務の一時的な停滞や混乱が生じる可能性があります。
施策の効果を実感するまでに時間がかかる
CRMの導入には、施策の効果を実感するまでに時間がかかるデメリットがあります。
CRMシステムを導入しても、 初期設定やデータの準備、トレーニングなどに時間がかかるため、システムがフル稼働し、効果が発揮されるまでには時間が必要です。
また、組織全体での変革や業務プロセスの最適化も時間を要するため、即効性を求めることが難しい場合があります。
編集部
さらに、データの精度や分析方法の改善が必要となることもあり、初期段階での予測や期待と実際の成果にはズレが生じる可能性があります。
CRMの運用が社内で定着しないことがある
従業員が新しいシステムを受け入れなかったり、企業が適切なトレーニングを実施しなかったりした場合、CRMの運用が社内で定着しない可能性があります。
また、データの正確性や一貫性が欠如していると、CRMの本来の目的である効率化や顧客満足度の向上といった利用価値を十分に発揮できなくなります。
CRMの信頼性にも影響を与える場合があるため、 導入前に適切なシステム選びとサポート体制の構築が必要です。
社内のセキュリティ対策が必須
CRMには顧客データや業務情報が集約されるため、 適切なアクセス制御やデータの保護が必要です。
セキュリティ対策を怠ると、機密情報の漏洩や外部からの不正アクセスのリスクが高まります。
したがって、強固なパスワードポリシーやデータの暗号化、定期的なセキュリティ監査などを実施することが重要です。
CRMのメリットを活かすための注意点
「導入しただけ」では役に立たない
「導入しただけ」ではCRMのメリットを最大限に活かせません。システム導入後は、 適切なデータの入力と定期的な更新が必要です。
さらに、組織全体での文化として顧客情報を活用し、データに基づいた戦略的な意思決定やサービスの改善を行うことが重要です。
定期的なトレーニングやフィードバックループを通じて、システムの有効活用を促進しましょう。
目標を定める
CRMを効果的に活用するための重要なポイントに、目標(KPI)を明確に定めることが挙げられます。
具体的なKPIを設定することで、ビジネス目標とCRMの活用を直接結びつけることが可能です。
例えば、 顧客獲得数、 顧客の定期利用率、 クロスセル率などが一般的なKPIです。これにより、組織全体がCRMシステムを活用した業績向上を意識できます。
編集部
また、定期的なKPIのモニタリングと分析を通じて、必要に応じて戦略の修正を行いながら、持続的な改善を目指すと良いでしょう。
評価指標を定める
CRMを効果的に活用するためのカギとして、評価指標を明確に定めることが重要です。
評価指標は、例えば 顧客満足度、 顧客離脱率、 顧客維持率、 売上成長率などのパフォーマンス指標を指します。
これらの指標を定めることで、企業はCRMの導入や改善の効果を定量的に評価し、戦略的な意思決定を行うための参考データを得ることができます。
編集部
さらに、評価指標を適切に設計し、データを定期的に分析することで、顧客の行動パターンやトレンドを把握し、マーケティングやサービス戦略の最適化に活用可能です。
変化があったらすぐに入力することを徹底する
CRMシステムのメリットを最大限に活かすためには、変化があった場合にリアルタイムでデータを入力することが重要です。
例えば、顧客のニーズ変化や取引内容の更新など、 すべての重要な情報を迅速に反映させることで、正確な顧客データや最新の営業進捗情報を維持できます。
これにより、タイムリーな意思決定やパーソナライズされたサービス提供が可能となり、顧客満足度の向上につながります。
データは分析・活用してこそ意味がある
CRMシステムのデータを単に蓄積するだけではなく、分析・活用することが重要です。
適切なデータ分析を行うことで、 顧客行動のパターンや傾向を把握し、ニーズの予測や顧客セグメンテーションを行うことが可能となります。
これにより、個々の顧客に最適なマーケティング施策やサービス提供が実現し、顧客満足度とリピート率の向上につながります。
データを日々の営業プログラムに組み込む
CRMの導入直後は馴染みがなく、データを営業プロセスに組み込むのが難しいこともあります。
しかし、 日々の行動管理や受注獲得のためのアドバイス、営業会議・経営会議で積極的に活用することが重要です。
また、営業担当者が入力したデータを有効に活用しないと、営業担当者のやる気を削ぐことになるため、蓄積したデータを会社全体で意識的に使い続けることも大切です。
顧客とのコミュニケーションは大切なアクション
CRMを活用する際、顧客との良好な関係を維持するために、 適切なコミュニケーションチャネルやコンテンツの選択が重要です。
具体的には、定期的なメールマガジン、セールスレター、会報誌、コールセンターを通じた顧客との対話といったコミュニケーション手法があります。
自社のサービスに合わせて適切なコミュニケーション方法を選択することで、顧客を囲い込み、優良顧客へと育成することが可能です。
スモールスタートで、導入を段階的に進める
CRM導入に失敗しないためには、スモールスタートで段階的に進めることが重要です。まずは 主要な機能を限定的に導入し、従業員の習熟度と運用状況を確認します。
次に フィードバックを基に改善を行い、段階的に機能を拡大していくことで、組織全体に無理なく浸透させることが可能です。
上記のアプローチにより、導入リスクを最小限に抑え、効果的なCRM運用を実現します。
社員の理解を得てから導入する
CRMシステムを効果的に活用するためには、導入前に社員の理解を得ることが重要です。まず、CRMの利点や導入に伴う変化を明確に伝えましょう。
社員がシステムの目的や利用方法を理解し、自らの業務に活かす意識を持つことで、データの質や活用効果が向上します。
また、トレーニングやサポート体制の整備も必要です。このようにすることで、組織全体がCRMを活用し、顧客サービスの向上や営業効率化につながる環境が整います。
運用体制を整えておく
CRMシステムのメリットを最大限に活かすためには、適切な運用体制を整えておくことが不可欠です。
運用体制を整える際は、データの入力から管理、分析、そして実務への活用まで 包括的に考える必要があります。
具体的には、データの品質を保つための定期的なクリーニング、使用する技術者や管理者の役割分担、システムのアップデート、さらにはセキュリティ機能の確認などを考慮すると良いでしょう。
企業トップの理解と支援は不可欠
CRM導入には業務プロセスの大幅な変更が伴うため、現場からの反発が予想されます。
マネージャーが、現場からの反発に対応しますが、マネージャーだけでは解決が難しい場合もあります。
そのためトップダウンでの支援が重要です。 企業トップが積極的に関与し、CRM推進の意識を全社に浸透させることで、スムーズな導入と運用を実現できるでしょう。
CRMとは「顧客との関係を管理・最適化するための戦略と技術」
CRM(Customer Relationship Management)とは、 顧客との関係を管理・最適化するための戦略と技術のことです。
顧客データを一元管理して、顧客の購入履歴や対応履歴を簡単に把握できるため、マーケティングや営業、カスタマーサービスなどの各部門を強化できます。
また、顧客のニーズや好みに合わせたサービス・商品を提供できるため、顧客満足度を高めて、自社サービス・商品のリピート率向上も図れます。
▶関連記事:マーケティングツールおすすめ20選を比較!ツールの種類一覧と選び方
▶関連記事:CRMとは?機能やメリットなど基本知識から活用事例までわかりやすく解説
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▶CRMシステムとは?
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CRMシステムとは、 顧客情報を収集し、一元的に管理するシステムです。
多くのCRMシステムは、クラウドサービスとして提供されており、場所を問わずにアクセスできます。
CRM導入の目的
CRMの導入の主な目的は、 顧客との関係を強化し、顧客満足度を向上させることです。
CRMシステムを導入することで、顧客のデータを効果的に管理し、個別化されたサービスやターゲティングされたマーケティングを実現します。
これにより、顧客のニーズや行動パターンを理解し、より適切なタイミングでアプローチすることが可能となり、売上アップや利益の確保が見込めます。
編集部
また、売上の増加や顧客ロイヤルティの向上を通じて、企業の競争力を強化することも期待されます。
CRMの市場動向
IT専門調査会社IDC Japanの報告によれば、 2022年の日本のCRMアプリケーション市場は前年比17.0%増加し、約2,174億4,400万円に達しました。
新型コロナウイルスの影響でデジタル化が加速し、顧客の行動パターンが多様化した結果、企業は顧客体験(CX)全体を重視するようになり、関連するデジタル技術とCRMの需要が増加しました。
2023年以降もリモートワークの普及に伴いCX向上が重要視され、2027年には市場規模が約3,510億7,400万円に達すると予測されています。
出典:IDC Japan「国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア/CRMアプリケーション市場予測を発表」
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▶CX(カスタマーエクスペリエンス)とは?
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CX(カスタマーエクスペリエンス)とは、 顧客が企業やブランドと接触する全ての過程で得られる体験や感情のことを指します。
商品・サービスの「機能」「性能」「価格」だけでなく、「購入するまでの過程」「使用する過程」「購入後のフォローアップ」など、全ての接点を含みます。
CRMマーケティングとは?
CRMマーケティングは顧客関係管理(Customer Relationship Management)の一環であり、 顧客との長期的な関係構築を重視するマーケティング手法です。
顧客の行動履歴や嗜好をデータベース化し、それを基に個別化されたサービスやコミュニケーションを提供することで、顧客満足度の向上と長期的な売上増加を図ります。
データ駆動型のアプローチを通じて、効果的なターゲティングとパーソナライズされたマーケティング施策の展開が特徴です。
CRMを導入するべき理由・必要性
顧客ニーズの変化に対応するため
CRMは、消費者のニーズや行動が多様化・複雑化する中、企業が顧客との長期的関係を構築し、競争優位性を維持するために不可欠です。
デジタル化が進む現代において、 顧客の購買行動や期待が変化し、パーソナライズされた体験の提供が求められています。
CRMは、消費者のニーズに迅速かつ効果的に対応し、顧客満足度とロイヤルティの向上を図るための重要なツールとなっています。
顧客満足度を高めて、LTV(顧客生涯価値)を向上させるため
企業が利益を上げるためには、既存顧客の満足度を高めてLTV(顧客生涯価値)を向上させることが重要です。
新規顧客の獲得には多大なコストと時間がかかるため、 既存顧客との関係を強化し、長期的な信頼関係を築くことでLTVが向上します。
これにより、新たな商品やサービスの提供が可能となり、企業の収益性が向上します。
編集部
LTV(顧客生涯価値)とは、顧客が取引を開始してから終了するまでの全期間を通じて、自社へもたらした総利益を意味します。 簡単に言えば、顧客一人あたりが自社に落としてくれる利益の総額です。
コスト削減と仕事の効率化を図るため
CRMは、企業がコスト削減と業務効率化を図るために不可欠なツールです。
顧客データを一元管理することで、重複作業を減らし、営業やマーケティングの効果を最大化します。
自動化されたプロセスにより、人的リソースを最適化し、時間とコストの削減を実現します。
AI(人口知能)の進化
大量のデータを解析しパターンを見つけ、学習して得た知識を問題解決に活用できるAI技術は、ビジネスの世界でも業績向上のカギとなると言われています。
企業がCRMを導入して、顧客データを集約し、AIによる分析を活用することで、迅速で効果的な戦略立案を行うことができます。
これにより、 顧客ニーズに応じた営業活動や商品開発を迅速に実現し、競争優位性を確保し売上を伸ばすことが可能です。
インサイドセールスの台頭
インサイドセールスは、非対面での顧客アプローチを行う効率的な営業手法です。
新型コロナウイルスの影響でインサイドセールスが台頭したことで、多くの企業が営業活動にITツールを導入するようになりました。
CRMもインサイドセールスに役立つITツールで、 顧客優先度の整理や、 戦略的な顧客関係の構築、 営業部門の連携強化を図るのに効果的です。
CRMシステムの低価格化
CRMシステムはコスト的に低価格化が進んでおり、 より身近かつ導入しやすいものになっているため、積極的に取り入れべきです。
クラウド技術の普及により、従来の高コストな導入費用や運用コストが削減され、低価格で利用可能となっています。
また、オープンソースのCRMソフトウェアやサブスクリプションベースのサービスも増加しており、初期投資を抑えながらも高品質なCRM機能を利用することが可能です。
編集部
中小企業も顧客との関係を強化し、競争力を高めるための戦略的なツールとしてCRMを活用することが可能です。
CRMの歴史
1990年代初頭:CRMの登場
顧客情報の管理は江戸時代から「台帳」として行われてきましたが、 1990年代初頭には消費者ニーズの多様化に応じて、CRMが登場しました。
初期のCRMは主に顧客データベース管理に焦点を当て、企業は顧客情報を一元管理し、営業プロセスの効率化を図るために導入していたと言われています。
1990年代後半:マーケティング手法としてのCRM
1990年代後半に入ると、「第一世代CRM」と呼ばれるシステムが開発され、 マーケティング手法としてのCRMの重要性が広く認識されるようになりました。
情報化社会の到来により、顧客のニーズやライフスタイルが多様化し、対応するためにコンピュータを活用した顧客情報の整理が注目されました。
初期のCRMシステムは大規模で網羅的なものでしたが、既存の業務形態との調和が課題となり、多くの企業がCRMを事業に統合する過程で苦労しました。
2000年代後半:CRMとSFAの統合
2000年代後半に入ると、「第一世代CRM」を拡張した「第二世代CRM」が台頭しました。この時期、IT技術の進化により、CRMは大きな変革を経験しました。
それまで 独立して発展してきたSFA(営業支援システム)との統合が進み、CRMは顧客情報の収集・蓄積から営業活動の管理までをカバーするようになりました。
SFAは営業活動を可視化・効率化するシステムであり、この統合によってCRMはより実践的で統合された管理ツールとして進化を遂げました。
2010年代以降:最新技術を取り込んだCRM
2010年代後半からは、「第二世代CRM」にIT技術やAI(人工知能)が組み込まれた「第三世代CRM」が普及し始めました。
これまでのCRMシステムでは、手動で顧客データを分析し営業活動に活用する属人的なアプローチが一般的でしたが、人間の手による限界が明確になってきました。
現在では、AIの深層学習技術を活用することで、 CRMシステム自体が自動化され、 顧客の行動パターンや好みも深く分析できるようになりました。
CRMは単なる情報管理ツールを超え、効果的なマーケティング戦略や営業戦略の展開を支援し、顧客満足度とロイヤルティの向上を目指す戦略的なシステムとしての役割を果たしています。
CRMの基本機能
顧客情報管理
CRMの機能の中でも特に重要なのが顧客情報管理です。この機能によって、企業は顧客の基本情報から購入履歴、対応記録までを一元的に管理できます。
顧客情報管理の機能を活用することで、顧客への迅速な対応が可能となり、 顧客満足度の向上やマーケティング戦略の最適化に役立ちます。
また、高度なフィルタリングやソート機能も備わっているため、特定の顧客層に対するアプローチも容易です。
編集部
具体的には、顧客の名前、住所、メールアドレス、電話番号、過去の問い合わせ履歴、商談の履歴などの情報を入力して管理できます。
営業案件・進捗管理
CRMの営業案件・進捗管理機能は、 営業プロセス全体を可視化し、各案件の進行状況やステージを追跡します。
これにより、前回の商談内容や顧客の興味に応じて、次のアクションプランを自動生成することが可能です。
編集部
営業案件・進捗管理は、「進行管理」「営業進捗管理」「活動履歴・タスク管理」と呼ばれることも多いです。
ワークフロー機能
CRMのワークフロー機能は、 ビジネスプロセスを自動化し、タスクの割り当て、承認プロセス、通知の送信などを効率化します。
具体的には、事前に設定したルールや条件に基づいて、タスクが自動的に割り当てられ、連携して進行していきます。
これにより、従業員は手動での作業を減らし、業務の遂行を迅速かつ正確に行うことが可能です。
編集部
例えば、承認プロセスやタスクの通知、または特定のイベントに応じたアクションなど、様々な業務フローを柔軟に設定・管理することが可能です。
配信機能
CRMの配信機能では、 顧客に自動でメールを配信でき、効果的なメールマーケティングを実現できます。
例えば、一定期間ごとに送信するステップメールや、アフターケアメールを顧客の属性に合わせて適切に配信します。
時間をかけずに効率的に顧客とのコミュニケーションが可能になるため、多くの顧客を抱える企業におすすめの機能です。
問い合わせ管理
CRMの問い合わせ管理では、 メールやフォームから顧客が送った問い合わせ内容を自動管理可能です。
問い合わせへの対応漏れを防ぐだけでなく、顧客対応のノウハウを蓄積して質の高いカスタマーサポートを実現します。
スケジュール管理
CRMのスケジュール管理機能は、 営業担当者やチームが顧客との予定を効果的に調整し、会議やタスクのスケジュールを管理するための機能です。
これにより、重要なイベントや取引の進捗状況をリアルタイムで把握し、タイムリーに対応することが可能となります。
ドキュメント管理
CRMのドキュメント管理機能は、 契約書や提案書などの、顧客とのやり取りにおいて重要な文書を効率的に管理し、簡単にアクセスできる機能です。
これにより、営業担当者は顧客の状況や要望を把握しやすくなり、より適切な対応が可能となります。
また、文書のバージョン管理やセキュリティ機能を活用することで、情報の整合性と安全性も確保できます。
マーケティング・プロモーション支援
CRMのマーケティング・プロモーション支援は、 企業が効果的なマーケティング戦略を展開するために必要な機能です。
例えば、顧客セグメンテーションを行ってターゲットを明確にしたり、キャンペーンの効果をリアルタイムに測定できたりします。
さらに、顧客の行動データや購買履歴を基に、顧客に適したメールマーケティングや広告を展開することも可能です。
顧客データ分析機能
CRMの顧客データ分析機能は、 蓄積された顧客情報を定量的・定性的に分析し、顧客の行動パターンや嗜好を理解するための機能です。
これにより、営業戦略やマーケティングキャンペーンの効果を評価し、顧客に対してよりターゲティングしたアプローチを実現します。
さらに、データの可視化やレポート機能を通じて、意思決定をデータに基づいて行うことが可能となり、顧客満足度の向上や売上拡大に寄与します。
レポート作成
CRMのレポート作成機能は、 顧客データや営業活動の情報を集計し、視覚的に分かりやすい形で報告書を作成する機能です。
営業成績や顧客動向、マーケティングキャンペーンの効果などを定量的に評価し、管理者やチームメンバーに対して進捗状況や課題を報告します。
これにより、組織全体のパフォーマンスを把握し、戦略的な意思決定をサポートします。
ダッシュボード作成
CRMのダッシュボード作成機能は、「今期の売上状況」「担当者別の月次売上状況」「進行中の商談件数と金額」など、 複数のデータを同時に参照したい場合に便利です。
複数のレポートをまとめて一画面に表示し、一目で直感的に情報を把握できます。
CRMとSFA、MA、ERPの違い
SFAとは「営業活動の組織化・効率化を担う」
SFA(Sales Force Automation)とは、 営業プロセスを効率化するためのツールです。
営業担当者は、顧客情報の管理や商談の進捗状況・履歴確認、スケジュール管理などを一元的に把握できるため、営業チーム全体の生産性が向上します。
また、効果的な営業施策や戦略立案に必要なデータも手間なく取得できるようになります。
編集部
例えば、営業担当者が商談ステータスを随時更新することで、マネージャーも状況をリアルタイムに把握でき、適切なサポートを行えるようになります。
▶関連記事:SFA(営業支援ツール)おすすめ比較15選!機能や選び方、無料システムを解説
CRMとSFAの違い
特徴 | CRM(顧客関係管理) | SFA(営業支援システム) |
---|---|---|
対象領域 | 顧客関係と対応状況の管理 | 営業タスクとプロセスの自動化 |
目的 | 全体的な顧客関係の改善と満足度向上 | 営業活動の効率化と生産性向上 |
範囲 | 幅広く、顧客ライフサイクル全体をカバー | 狭く、営業サイクルに集中 |
主な機能 | 顧客データ管理、分析、マーケティング自動化 | コンタクト管理、リード管理、予測 |
使用者 | 営業、マーケティング、顧客サービス、経営陣 | 営業担当者、営業マネージャー |
利点 | 顧客体験の向上、顧客維持率の改善 | 営業効率の向上、正確な予測 |
MAとは「顧客へのアクションを自動化し、効率的なマーケティングを実現」
MA(Marketing Automation)とは、 マーケティング活動の効率化と自動化を実現するツールです。
機能としては、メールマーケティング、リード生成、顧客セグメンテーション、キャンペーンのトラッキング、ROI分析などがあります。
特に、MAツールは大量のデータを解析し、顧客一人ひとりに合ったマーケティング活動を自動で行えるのが特徴です。
編集部
例えば、無料で提供される資料のダウンロード数やWebページへのアクセス状況を把握し、営業担当がタイムリーにフォローアップできるようになります。
CRMとMAの違い
特徴 | CRM(顧客関係管理) | MA(マーケティングオートメーション) |
---|---|---|
対象領域 | 顧客関係と対応状況の管理 | マーケティングタスクとプロセスの自動化 |
目的 | 全体的な顧客関係の改善と満足度向上 | マーケティング効率とROIの向上 |
範囲 | 幅広く、顧客ライフサイクル全体をカバー | 狭く、マーケティングキャンペーンとリード管理に集中 |
主な機能 | 顧客データ管理、分析、マーケティング自動化 | メールマーケティング、リード生成、ワークフローの自動化 |
使用者 | 営業、マーケティング、顧客サービス、経営陣 | マーケティングチーム、デジタルマーケター |
利点 | 顧客体験の向上、顧客維持率の改善 | マーケティング効率の向上、リードの変換率向上 |
ERPとは「社内情報を最適化し経営判断に活かす」
ERP(Enterprise Resource Planning)は、 企業が複数の業務部門間で情報を統合し、効率的に管理・運営するためのシステムです。
ERPシステムは、財務、人事、生産管理、在庫管理などのビジネスプロセスを統合し、リアルタイムでデータを共有することで、意思決定の迅速化や業務の効率化を実現します。
さらに、企業全体の可視化やコスト削減、リスク管理の向上などを目的としており、現代の大規模企業や中小企業において不可欠なビジネス基盤となっています。
CRMとERPの違い
特徴 | CRM(顧客関係管理) | ERP(企業資源計画) |
---|---|---|
対象領域 | 顧客関係と対応状況の管理 | 企業全体の業務プロセスと部門間の操作管理 |
目的 | 全体的な顧客関係の改善と満足度向上 | コアなビジネスプロセスの統合と管理 |
範囲 | 幅広く、顧客ライフサイクル全体をカバー | 全部門間での企業の業務運営を対象とする |
主な機能 | 顧客データ管理、分析、マーケティング自動化 | 財務報告、在庫管理、人事管理 |
使用者 | 営業、マーケティング、顧客サービス、経営陣 | 財務、人事、オペレーションなどの各部門 |
利点 | 顧客体験の向上、顧客維持率の改善 | 業務プロセスの統合と効率化、企業全体の可視化と統制 |
主要CRMツール5選を紹介
GENIEE SFA/CRM(株式会社ジーニー)
GENIEE SFA/CRMとは、株式会社ジーニーが提供する、 「使いやすい」「作りやすい」「入力しやすい」を掲げるCRMツールです。
シンプルな画面設計で、多くの項目がプルダウン形式で選択でき、実際に入力を行う営業現場での定着率が高い点が特徴です。(定着率99%)
また株式会社ジーニーは、国内でも有数の開発力に強みを持つ企業のため、GENIEE SFA/CRMのカスタマイズ性が高く、業務フローに合わせた追加開発も対応してくれます。
Sales Cloud(株式会社セールスフォース・ジャパン)
Sales Cloudは、多機能性と拡張性に優れた業界を代表するCRMツールです。
リード管理から営業フロー、顧客データの一元管理まで、 幅広いビジネスプロセスをサポートしています。
また、AIを活用したデータ分析機能ができるのが特徴で、営業チームがより効率的に働けるようサポートします。
eセールスマネージャー(ソフトブレーン株式会社)
eセールスマネージャーは、ソフトブレーン株式会社が提供する、 5,500社を超える豊富な導入実績が魅力のCRMツールです。
eセールスマネージャーは、情報の「見せる化」により情報共有の課題を解決します。
重要な情報は「わざわざ探す」必要がなく、関係者に自動通知されるので、チームでの情報連携や部下への指示出しがリアルタイム化できるようになります。
Knowledge Suite(ブルーテック株式会社)
Knowledge Suiteは、ブルーテック株式会社が提供する、 統合型ビジネスアプリケーションです。
CRMツールの機能だけでなく、SFA機能、グループウェア機能、問い合わせ管理機能、集計・分析ツールといったビジネスに役立つ機能がオールインワンで提供されています。
また、顧客データベースへのアクセスや社員同士のメッセージのやりとり、書類の提出などをネットワーク上で行うことができるため、テレワークを導入している企業にもおすすめです。
Mazrica Sales(旧Senses)(株式会社マツリカ)
Mazrica Salesは、顧客データ管理から営業活動の効率化までをサポートする高機能なCRMツールです。
AIによるデータ分析機能が搭載されており、 営業に役立つ情報の収集や管理が簡単にできる特徴があります。
また、クラウドベースであるため、場所を問わずいつでもアクセスできる点も魅力的です。
最適なCRMを選ぶときのポイント
導入コストや運用コストは適切か、費用対効果は高いか
CRMツールを選ぶ際には、導入コストと運用コストが重要な比較ポイントです。
導入コストにはライセンス料、カスタマイズ費用、トレーニングコストなどが含まれます。運用コストには保守サポート費用、データストレージ費用、アップグレード費用などがあります。
これらのコストを明確に把握し、 長期的な視野での費用対効果を評価することが重要です。
必要な機能を搭載しているか
CRMツールを選ぶ際、ビジネスの具体的なニーズに合った機能が揃っているかどうかを確認することが不可欠です。
例えば、 顧客管理が目的の場合、顧客情報の集約と管理、対応履歴、セグメンテーションとターゲティング、タスクとスケジュール管理などの機能が必要です。
また、 セールスパイプラインの効率化が目的の場合、リード管理、タスクとアクティビティ管理、見込み顧客の評価とスコアリングなどの機能があると良いでしょう。
編集部
セールスパイプラインとは、営業活動において、商談から受注までを各ステップに分け、案件の進捗を見える化して管理する方法です。
クラウド型かオンプレミス型か
CRMツールを選ぶ際に重要なのは、 クラウド型かオンプレミス型かを選定することです。
クラウド型は低コストで始めやすく、アクセスが容易ですが、データセキュリティやカスタマイズ性がオンプレミス型よりも制限される場合があります。
一方、オンプレミス型はデータの完全な管理が可能でセキュリティが高いですが、導入コストや運用負荷が高くなることがあります。
特徴 | クラウド型CRM | オンプレミス型CRM | |
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配置 | 遠隔地のサーバーに配置 | 自社で用意したサーバーにインストール | |
アクセス性 | インターネットに接続されていれば どこからでもアクセス可能 |
ベンダーが保守やアップグレードを担当 | |
メンテナンス | ベンダーが保守やアップグレードを担当 | 企業自身が保守やアップグレードを担当 | |
拡張性 | 必要に応じて簡単に拡張可能 | ハードウェアとソフトウェアに 大きな投資が必要 |
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コスト | 特徴 | サブスクリプション・ベースで提供 | ソフトウェアやハードウェアに 多額の先行投資を必要 |
導入コスト | 低い | 高い | |
インフラコスト | 不要 | 必要 | |
ライセンス料金 | 月額課金 | 一時費用 | |
カスタマイズコスト | 中程度 | 高い | |
セキュリティコスト | 低い | 高い | |
バージョンアップコスト | 不要 | 高い | |
運用コスト | 低い | 高い | |
サポートコスト | 低い | 高い | |
ネットワークコスト | 中程度 | 低い | |
セキュリティ | セキュリティの責任はベンダー | セキュリティの責任は企業 |
特定機能型か汎用型か業界特化型か
CRMツールを選ぶ際の重要なポイントは、特定機能型、汎用型、業界特化型の選択です。
特定機能型は 特定の機能に特化しており、特定の機能のクオリティは高いですが、他の業務には適さないことがあります。
汎用型は 多様な業務に適用可能で柔軟性がありますが、特定のニーズに最適化されていないことがあります。
業界特化型は 特定業界向けに設計され、業界特有のニーズに応える機能を提供しますが、他の業界には適用しづらい場合があります。
編集部
ビジネスのニーズや業界の特性に応じて、最適なタイプを選ぶことがカギです。
ユーザビリティ・使い勝手は良いか
CRMツールを選ぶ際の重要なポイントは、ユーザビリティと使い勝手です。
直感的で操作が簡単かどうか、そして 従業員が業務に集中できるようなインターフェースがあるかが重要です。
CRMの使い勝手が良いと、従業員のトレーニング時間も削減でき、CRMにスムーズに慣れることができるでしょう。
他ツールとの連携や拡張性は十分か
CRMツールを選ぶ際の重要なポイントは、他ツールとの連携と拡張性です。 シームレスなデータの流れや自動化が可能かどうかを確認しましょう。
ERPシステムやマーケティングツール、カスタマーサポートソフトとの連携がスムーズであることが、業務効率向上に不可欠です。
また、モジュールやAPIを通じたカスタマイズや拡張性も考慮すべき点です。これにより、ビジネスの成長に合わせた柔軟な対応が可能となります。
導入実績があるか
過去に同業種での成功事例があるかを確認することで、 自社のビジネスモデルや業務運営に適したサービスかどうか判断しやすくなります。
また、導入実績が豊富なサービスは、多くの企業が利用していることから信頼性や実用性が高いといえます。
導入実績をチェックする際には、ウェブサイトや資料請求などを活用し、詳細な情報を得るようにしましょう。
セキュリティ対策は十分か
顧客情報や企業の重要データが含まれる通信を取り扱うCRMツールでは、 高度なセキュリティ対策が不可欠です。
具体的には、エンドツーエンドのデータ暗号化、アクセス制御と認証の強化、定期的なセキュリティ監査や脆弱性評価の実施が求められます。
比較時には、各システムがどのようにセキュリティ要件に対応しているかや、安全性を確保するための措置が適切に実施されているかを評価しましょう。
サポート体制は整っているか
CRMツールを選ぶ際の比較ポイントに、サポート体制が挙げられます。問い合わせやトラブル時に迅速かつ適切に対応してくれるサポート体制が重要です。
例えば、 24時間対応や 専門スタッフの配置、 複数のコンタクトチャネル(電話、メール、チャット)の提供などがポイントです。
また、トレーニングや定期的なコンサルティングも含まれるか確認し、運用上のサポートも含めてツールを比較しましょう。
CRM導入のステップ
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STEP.1
目的と要件の定義
顧客管理の効率化、売上の向上、マーケティングの最適化など、CRMを導入する目的を明確にします。
必要な機能や予算、導入スケジュールなどを具体的に定義しましょう。 -
STEP.2
ベンダー選定
複数のCRMベンダーを調査し、機能、価格、サポート体制などを比較します。
候補となるCRMのデモやトライアルを実施し、実際の使用感を確認し、最適なベンダーと契約を結びましょう。 -
STEP.3
システム設計とカスタマイズ
定義した要件に基づき、システムを設計します。
必要に応じて、業務フローに合わせてカスタマイズを行いましょう。 -
STEP.4
データ移行
既存のデータをクリーンアップし、不要なデータを削除します。
新しいCRMシステムにデータを正確に移行するためのマッピングを行い、データを新しいシステムに移行しましょう。 -
STEP.5
テストとトレーニング
新しいシステムが正しく動作するかを確認するためのテストを実施します。
従業員が新しいシステムを効果的に使用できるように、トレーニングを行いましょう。 -
STEP.6
本稼働と改善
全ての準備が整ったら、CRMシステムを本稼働させます。
定期的にフィードバックを収集し、システムの改善を続けることで、より効果的なCRM運用が可能です。
CRMを活用した導入事例
【カスタマーサービス】顧客対応の効率化で20%以上のコスト削減
株式会社ビックカメラはDX宣言を通じてデジタル化を推進し、効率化とコスト削減を目指して「Salesforce」を導入しました。
顧客対応の改善を目標に、コンタクトセンターの運営方法を見直し、以下の施策を実施しました。
- AIを活用した電子メールの自動振り分け
- 音声データからの自動データ入力
- Amazon Connectとの連携によるクラウドシステム運用
これにより、 コストを20%以上削減し、電話対応業務を50%短縮しました。また、FAQページの公開で電話問い合わせ数も減少し、さらなる効率化を実現しました。
▶参考:株式会社ビックカメラ | セールスフォース・ジャパン【営業】見込み客へのタイムリーなフォローで成約率向上
戸建て住宅の建設・販売を行うA社の事例を紹介します。
A社はCRM導入前、Webサイトは資料請求した見込み客の情報を個別で管理し、営業所では商談や成約した顧客を独自に管理していたため、情報が分散し機会損失が多発していました。
CRMを導入し顧客情報を一元管理することで、 見込み客のフォローを適切なタイミングで行えるようになり、成約率が向上しました。
▶参考:【導入事例】CRM導入で営業プロセスの見える化が実現 - CRM(顧客管理)ならオープンソースのF-RevoCRM
【マーケティング】One to One施策を中心としたメール改善で昨対比2倍の売上アップ
ヒラキ株式会社は、既存顧客のリピート率向上を目指し、CRMシステムを活用した「One to Oneメールマーケティング」を開始しました。
顧客の購買データを基に、購入後2週間以内の再購入を促すメール配信を実施し、メールの開封率とクリック率を向上させるためにABテストを重ねました。
また、LINEのOne to One配信も導入し、メールとLINEを組み合わせた効果的なリピート施策を展開しました。
これにより、 メールマガジン経由の受注額が前年比1.8倍に増加し、リピート購入の促進に成功しています。
▶参考:ヒラキ株式会社 | CRM事例 | シナジーマーケティング株式会社
残念なCRM失敗事例
CRMを導入しても使われなくなった
【失敗例】CRMを導入しても使われなくなった・既存の管理環境から脱却できない | |
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原因 |
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防ぎ方 |
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残念なCRM失敗事例に、「CRMを導入しても使われなくなった」「既存の管理環境から脱却できない」ことが挙げられます。
CRM導入に失敗しないためには、スモールスタートで段階的に進めることが重要です。まずは 主要な機能を限定的に導入し、従業員の習熟度と運用状況を確認します。
次に フィードバックを基に改善を行い、段階的に機能を拡大していくことで、組織全体に無理なく浸透させることが可能です。
CRMの担当者が退職した
【失敗例】CRMの担当者が退職した | |
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原因 |
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防ぎ方 |
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CRMを導入したものの、CRM運用を担当者個人に任せていたことで、CRM担当者が退職したあと活用できなくなってしまった事例もあります。
CRM運用自体の属人化を防ぐため、 CRMチームを立ち上げたり、パートナーを入れて体制を整えたりすることが重要です。
現場からの反発が起きた
【失敗例】現場からの反発が起きた | |
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原因 |
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防ぎ方 |
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CRM導入には業務プロセスの大幅な変更が伴うため、現場からの反発が予想されます。
マネージャーが、現場からの反発に対応しますが、マネージャーだけでは解決が難しい場合もあります。
そのためトップダウンでの支援が重要です。 企業トップが積極的に関与し、CRM推進の意識を全社に浸透させることで、スムーズな導入と運用を実現できるでしょう。
CRMに関するよくある質問
A
CRMでは、主に以下のような機能を利用できます。
・顧客の基本情報や商談内容の管理
・案件の取引相手や進捗状況の管理
・仕事の進捗管理やタスク機能
・メール配信機能
・問い合わせ内容・履歴の管理
・売上データの分析機能
A
CRMは顧客関係管理システムであり、顧客情報や顧客とのやり取りを管理するシステムです。
一方、CMS(Content Management System)はコンテンツ管理システムで、ウェブサイトやデジタルコンテンツの作成・管理を行うシステムです。
A
CRMツール導入が失敗してしまう一般的な理由は以下の通りです。
・CRMを使う文化が根付かなかった
・何の顧客情報を記録すべきなのかを考えられていなかった
・CRMツールを運用できる人材がいなかった
A
CRMシステムとは、顧客情報を収集し、一元的に管理するシステムです。
多くのCRMシステムは、クラウドサービスとして提供されており、場所を問わずにアクセスできます。
A
CRM業務とは、顧客情報を管理・分析し、顧客一人ひとりのニーズやタイミングに合った施策を行うことです。
まとめ
CRMの導入メリットは、効率的な顧客管理、データの統合と可視化、顧客満足度の向上など、多岐にわたります。
CRM導入の成功事例では、売上の増加や顧客ロイヤルティの向上が報告されています。
CRMツールは、近年低価格化が進んでおり、企業の成長と競争力強化に不可欠なツールのため、気になる企業はぜひ導入を検討してみてください。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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