「今でも利用できるの?」
電波の届かない圏外の場所でも、メッセージを送れるアプリがあることをご存じですか?
インターネットに接続していなくても、スマホ同士でメッセージをやり取りできる便利なアプリです。
本記事では、「AirTalk」と「firechat」との特徴と利用方法についてご紹介します。
目次
▼この記事で紹介している商品
なぜ圏外でも通信ができるのか?
圏外でも通信ができるのはBluetoothで端末が中継し合うため
Bluetoothは近距離無線通信の規格ですが、この技術を使うことで、インターネットに接続せずに端末同士が直接通信できます。
近距離での通信はもちろん、距離がある場合でも、 各端末が中継役となり、データを“バケツリレー”のように送ることで、通信が可能に なります。
これが「メッシュネットワーク」と呼ばれる仕組みです。
メッシュネットワークとは?
メッシュネットワークとは、 ノード(端末)間でデータや音声を転送し合うルーティング方式の一種 です。
途中の経路が故障しても、自動的に再構成を行い、別の経路を使って目的のノードまで情報を届けます。
全ノードが相互に接続されているタイプは「完全接続ネットワーク」と呼ばれます。
インターネット接続なしで通信するメリット
- 災害時や電波が届かない場所でも通信が可能
- 電波塔が機能しない場合でも情報のやり取りができる
- 人が密集する場所でも回線混雑の影響を受けにくい
- インターネットを使わないため、政府の監視や通信遮断を回避できる
- 緊急時や抗議活動などで信頼性の高い通信手段となる
地震などの災害時やアウトドアでの事故など、 電波が届かない場所や電波塔が機能していない状況でも、助けを求めたり情報をやり取り することができます。災害時には非常に役立つ機能です。
また、イベント会場のように人が密集し、通信回線が混雑して遅くなる場合でも、近くにいる人と情報をやり取りできます。
さらに、インターネットを使わないため、政府による監視や通信の遮断を受けることなく通信が可能です。実際に、香港で中国政府への抗議デモが起きた際には、政府の干渉を避ける手段として「FireChat」というアプリが急速に広まりました。
代表的なアプリ「FireChat」「AirTalk」
代表的なアプリには、FireChatとAirTalkがあります。
FireChatはアメリカ・サンフランシスコのITベンチャー企業が開発し、AirTalkは日本・目黒区のベンチャー企業OFF Line社が開発 しました。
両サービスとも2014年に提供が開始されています。
FireChatの特徴

FireChatは、 9メートル以内であれば電話回線やインターネット接続を使わずに通信が可能 です。
さらに、「グローバルモード」ではメッシュネットワークを活用し、遠距離間でもチャットができます。匿名性を重視しており、ユーザー名はいつでも自由に変更可能です。
また、アプリを閉じると過去のチャット履歴は閲覧できない仕組みとなっているため、プライバシーが保護されます。
メッセージ送信は、パブリックメッセージとプライベートメッセージの2種類に対応。プライベートメッセージは暗号化されて送信されるため、指定した受信者のみが内容を閲覧できます。
AirTalkの特徴
AirTalkはインターネットがない環境でも、 BluetoothまたはWi-Fiを使い、最大100メートル以内の近距離ユーザーと直接チャット できます。
メッセージの表示速度は1秒以内で、FireChatより高速な通信が可能です。
チャットを利用するには、アプリをダウンロードし、BluetoothとWi-Fiの設定をオンにしておく必要があります。
FireChatの登録と利用の仕方
FireChatは、 iPhoneとAndroidの両方で登録が可能 です。
メールアドレスなどの登録は不要と記載しているサイトも多いですが、Android版ではメールアドレスか携帯番号の登録が必要な場合があります。
ここでは、Android版の登録方法と使い方について説明します。
- アプリ検索で「firechat」と入力し、インストールします。インストール後、このアプリの画面が表示されます。
- 「サインアップ」をタップすると、メールアドレスまたは携帯番号の登録画面が表示されます。
どちらかを選んで入力すると、確認コードが登録先に送られます。そのコードを入力すれば登録完了です。 - 近くで書き込んでいる人たちと自由に会話できます。
- 友達を招待して、プライベートな会話も可能です。


AirTalkの登録と利用の仕方
AirTalkのAndroid版のアプリはまだ対応していません。ここではiPhone版の登録方法と使い方を説明します。
- アプリ検索で「AirTalk」と入力してインストールします。ユーザー名と140文字以内の自己紹介文(任意)を入力すれば登録完了です。メールアドレスや携帯番号の登録は不要です。
- 近くのユーザーを探して会話に参加できます。現在いる「場所」でコメントを残せます。コメントは7日間表示されるため、お気に入りの場所やお店で投稿している人たちと「すれちがい」を通じて、未来の友だち候補と出会うことができます。

まとめ
近隣にいる不特定多数の人と会話ができるため、災害時やイベント会場などでの情報交換に便利です。
ただし、日本ではまだユーザー数が限られており、特に地方では同じエリアにいるユーザーを見つけるのが難しい状況です。
地震など災害が多い日本では、事前にアプリをダウンロードしておき、いざというときに役立てたいですね。


この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!