「QRコード共通化で具体的にどう変わった?」
人気の2大スマホ決済「メルペイ」と「d払い」。どちらも店舗で簡単に使えるコード決済に対応しており、2020年には店舗向けQRコードも共通化されました。
1つのQRコードで両方の決済に対応できる便利さは大きな魅力ですが、手数料や入金タイミングが気になる店舗も多いでしょう。
この記事では、QRコード共通化後に変化した手数料や入金タイミングの詳細、さらにコスト削減や利便性向上の具体的なポイントについて、事業者目線でわかりやすく解説します。
目次
メルペイとd払いはどう違う?基本情報
メルペイとは?
「メルペイ」は、 フリマアプリ「メルカリ」と連携したスマホ決済サービス です。
メルカリの売上金や登録済み銀行口座からチャージした残高を使って、QRコードやIDでの決済が可能です。
d払いとは?
「d払い」は、 NTTドコモが提供するスマホ決済サービス で、ドコモユーザー以外でも利用できます。
クレジットカードや口座引き落とし、携帯料金と合算した支払いも可能なため、幅広い層に浸透しています。
メルペイ・d払いの共通点・相違点
メルペイ・d払いの 共通点として、どちらもコード決済に対応し、店舗で簡単に導入できる 点が挙げられます。
相違点としては、メルペイはメルカリ連携・ID決済対応、d払いはdポイント対応という独自の強みがあります。
項目 | メルペイ | d払い |
---|---|---|
利用ユーザー | メルカリユーザー中心 | ドコモ・非ドコモ含む幅広い層 |
支払い方法 | 売上金/チャージ/iD決済 | クレカ/携帯合算/口座引落 |
ポイント連携 | メルカリポイント | dポイント |
決済方式 | iD・QRコード | QRコード |
メルペイ・d払いのQRコードが共通化へ
QRコード共通化の概要
2020年9月より、NTTドコモの「d払い」とメルカリグループの「メルペイ」は、店舗向けのQRコードを共通化しました。
これにより、 加盟店は1つのQRコードを設置するだけで、両サービスの支払いに対応できます。
店舗向けの共通QRコードの申込受付は2020年7月1日から開始され、同年9月初旬より順次、共通QRコードの提供が始まりました。
利用者は、d払いまたはメルペイアプリで共通のQRコードを読み取り、支払い金額を入力するだけで決済が完了します。
店舗負担の決済手数料も2.6%に統一
d払いとメルペイのQRコード共通化に伴い、店舗が負担する決済手数料も2.6%に統一されました。
共通化以前の決済手数料は、d払いが3.24%、メルペイが1.5%と、差がありました。
しかし今回の統一により、d払いの手数料は約0.6ポイント引き下げられた分コスト削減につながる一方、メルペイの手数料は1.1ポイント引き上げとなっています。
メルペイ加盟店にとって手数料増は負担ですが、d払いユーザーの取り込みによる売上拡大や利便性向上を考えれば、全体としてはメリットがあるとも言えるでしょう。
入金手数料の無料条件も緩和された
メルペイでは、売上の振込時にかかる入金手数料の無料条件が緩和されました。
これまで、入金金額が10万円未満の場合は200円の手数料が発生していましたが、 2020年7月末締め分からは1万円以上の入金で手数料が無料 となっています。
ただし、入金金額の合計が1万円未満の場合は、従来通り200円の手数料がかかる点には注意が必要です。
小口の売上が多い店舗は、入金せずに繰り越し、合計1万円以上で無料入金するようタイミングを調整するのがおすすめです。
メルカリではドコモの「dポイント」が利用可能に
2020年6月11日から、メルカリでもドコモの「dポイント」が利用可能に なりました。メルカリとNTTドコモの業務提携によるもので、以下のような使い方ができます。
- メルカリがdポイント加盟店となったため、購入時にdポイントが使用可能
- メルカリ内での購入金額に応じて、最大1.5%のdポイントが付与
- キャンペーン期間中は、ポイント還元率のアップや特典が追加されることも
dポイントを活用すれば、メルカリでの買い物をさらにお得に楽しめます。利用前には、最新のキャンペーン情報を公式サイトでチェックしておくのがおすすめです。
d払い加盟店手数料無料キャンペーン実施中!

現在、d払いの加盟店向けに決済手数料が無料になるキャンペーンが実施されています。
対象期間中にWEBから申し込むだけで、d払いの決済手数料が一定期間無料に なるため、キャッシュレス決済の導入を検討している店舗にとっては大きなチャンスです。
キャンペーン詳細(d払い加盟店向け)
- キャンペーン内容
「d払い」と「メルペイ」の共通QRコードを新規に導入する加盟店について、申込日の月を含む最大6か月の間、d払い決済手数料を無料になる。 - 参加条件
キャンペーン期間内に初めて加盟店登録をWEBで完了した事業者。メルペイ・d払い共通QRコード決済を導入していること(店舗用アプリまたは顧客読み取り式)。 - キャンペーン期間
2023年12月1日(金)~終了日未定 ※終了日については決まり次第告知。 - 対象外
2023年12月1日(金)以降に「d払い」と「メルペイ」の共通QRコードを新規にWebサイトから申込みした加盟店。 - 参加方法
キャンペーン期間内に加盟店登録の申込を完了すること。※POSシステムや決済ゲートウェイ、決済専用端末を利用した決済取引は対象外となります。
キャンペーンの注意点
- メルペイの加盟店手数料無料キャンペーンは2021年6月30日で終了しています。
- 本キャンペーンにつきましては、メルペイ加盟店向けキャンペーンに関する特約が適用されます。
- d払い決済のみ対象となり、メルペイ決済は対象外です。
- キャンペーン内容は予告なく変更・中止される場合があります。
メルペイ・d払いの導入メリット
キャッシュレスユーザーの来店を促進
メルペイ・d払いの導入によって、キャッシュレス決済を利用するユーザー層の来店促進が期待できます。
特に若年層を中心に広く利用されている「メルペイ」、ドコモユーザーやdポイント利用者に人気の「d払い」の2つに対応することで、幅広いキャッシュレスユーザーへのアプローチが可能になります。
実際に、 メルカリの月間アクティブユーザーは2,260万人、dポイントクラブの会員数は約9,481万人※と、両サービスの利用者数は非常に多く 、潜在的な集客効果は大きいといえるでしょう。
※参考:メルペイとd払いでキャッシュレス決済をはじめよう│メルカリ公式サイト
現金の扱いが減り、ミスや防犯リスクも低下
メルペイ・d払いを導入することで、現金管理の手間を大幅に削減でき、スムーズなキャッシュレス決済を実現できます。
これにより、お金の数え間違いなど、会計時のミスも起きにくくなり 、トラブル防止にもつながります。
また、現金の紛失リスクが減るだけでなく、閉店作業の効率化やスタッフ教育の負担軽減にも効果的です。
メルカリ・dポイント利用者の囲い込み
メルカリやd払いの導入店舗では、「メルカリの売上金」や「dポイント」を使って支払いをしたい顧客の囲い込みが可能になります。
メルカリの年間流通総額は約9,846億円、dポイントは年間で約3,395億ポイント※が利用されており 、これらを消費したいユーザーの受け皿になることで、リピーターの獲得や客単価の向上も期待できます。
さらに、dポイントがたまる・使えることを訴求することで、ポイント重視のユーザーにとって魅力的な店舗として認識されやすくなるでしょう。
※参考:メルペイとd払いでキャッシュレス決済をはじめよう│メルカリ公式サイト

メルペイ・d払いの導入手順と必要な準備
メルペイ・d払い導入までのステップ


必要な機器や環境
- スマートフォンまたはタブレット(決済アプリ確認用)
- QRコードを置くスペース(卓上スタンドなど)
- ネット回線(通知確認用)
メルペイ・d払いの導入事例と成功ポイント
導入事例(1)d払い導入で売上アップ!「菓子屋カランドリエ」
導入前の課題
菓子屋カランドリエでは、 現金決済のみだったため、キャッシュレス決済を希望するお客様の機会損失が発生 していました。
特に「キャッシュレス決済は使えますか?」と尋ねられることが多く、対応が求められていました。
導入後の変化・効果
d払いを導入後、現金を持ち合わせていないお客様にも対応できるようになり、機会損失を防止。
さらに、月2回の入金で資金繰りが安定し、売上も2割増加しました。スタッフにとっても会計の負担が減り、衛生面でも安心感が得られました。
※参考:d払い導入で機会損失を防ぎ、売上にも好影響があったパティスリー│d払い公式サイト
導入事例(2)ビジネス街の定食屋がメルペイ導入で利便性向上!
導入前の課題
まるつ食堂では、すでに他社のスマホ決済を導入していたものの、 より多くの顧客ニーズに対応するため、さらなる決済手段の拡充を検討 していました。
導入の決め手
メルペイの営業担当から提案を受けたことがきっかけ。店主の津さんは「世間のトレンドを取り入れることが、事業継続や売上向上につながる」と考え、迷いなく導入を決定しました。
導入後の変化・効果
- メルペイ導入当日から若年層の利用が開始
- 常連客がレジ横のQRコードスタンドを見てメルペイを利用開始するなど、徐々に認知が広がる
- 複数のスマホ決済サービスを導入することで、幅広い年齢層の顧客ニーズに対応し、リピーター獲得にも寄与
導入効果を最大化する3つの施策
メルペイ・d払いの導入はあくまでスタート地点です。 効果を最大化し、リピートや売上につなげるには、運用面の工夫がカギ になります。
施策1.スタッフ教育をしっかり行う
QRコード決済に不慣れな顧客に対して、スタッフがしっかり説明できるかどうかは大きな差になります。
- 基本操作の把握:コード提示の手順や確認方法を全員が理解
- トラブル対応力:エラー発生時の対応(再読み取り・通信確認)を共有
- 推奨フレーズの準備:「メルペイも使えます」「dポイントたまります」などの案内力
施策2.店頭POPやSNSでの告知を強化
メルペイ・d払いを導入しても、顧客が「使える」と知らなければ機会損失になります。アピールの仕方次第で、利用率は大きく変わります。
- 店頭POP・ステッカー:入り口やレジ周りに「d払い使えます」など明示
- SNS・Googleビジネスプロフィール:対応決済を記載し、検索流入に備える
- レジ前での口頭案内:「本日dポイント○倍です」と一言添えるだけでも効果大
施策3.dポイント連携キャンペーンなどを活用する
d払い・メルペイは、ポイント還元キャンペーンを定期的に実施しており、これをうまく活用することでリピート促進につながります。
- dポイント◯倍キャンペーンへの参加(ドコモの公式提携を通じて)
- 「メルカリの売上金を使ってお得に買い物」などの訴求
- 店舗独自の特典設定(ポイント利用で◯%OFFなど)
メルペイ・d払いと他の決済サービスを比較
決済サービス比較表
項目 | メルペイ | d払い | PayPay | 楽天ペイ | au PAY |
---|---|---|---|---|---|
導入費用 (税込) |
無料(初期費用・月額利用料なし) | 無料(初期費用・月額利用料なし) | ・無料(制限プラン) ・ライトプラン:月2,178円※2か月間の無料トライアルあり |
無料 | 無料(初期費用・月額利用料なし) |
決済手数料 | 2.6%※共通QRコードの場合 | 2.6%※共通QRコードの場合 | ・1.98%(制限プラン) ・1.60%(ライトプラン) |
・2.20%(スタンダード) ・2.48%(ライト) |
2.6% |
ユーザー数 | 2,260万人 | 約9,481万人 | 6,800万人以上 | ? | 約3,700万人 |
ポイント還元 | メルペイポイント(キャンペーン依存) | dポイント(200円で1P、キャンペーンで増) | PayPayポイント(0.5%〜、キャンペーンで増) | 楽天ポイント(1%〜、キャンペーンで増) | Pontaポイント(0.5%〜、キャンペーンで増) |
集客効果 | ◎年間流通総額約9,846億円 | ◎年間約3,395億ポイント利用 | ◎幅広いユーザー層、キャンペーン多数 | ◎楽天経済圏ユーザー(1億人超) | ◎auユーザー、Ponta会員(1億超) |
入金サイクル | 月1〜2回(1万円未満は200円手数料) | 月1〜2回(1万円未満は200円手数料) | 月1回翌月末(入金手数料は無料) | 月1回(楽天銀行は翌日、無料) | 月1〜2回(無料)、 早期振込サービスあり |
キャンペーン | なし | 最大6か月手数料無料(2023年12月〜) | ご紹介キャンペーンあり | 楽天ペイターミナル導入0円キャンペーン | なし |

au PAY(auペイ)とは?EC・店舗事業者向けのメリット・手数料・導入方法をわかりやすく解説
EC・店舗事業者向けに、au PAYのメリット・手数料・導入方法をわかりやすく解説していきます!
詳しくはこちらQRコード決済を導入するなら「マルチ決済サービス」
QRコード決済は、PayPay・楽天ペイ・メルペイ・d払い・au PAYなど多彩な選択肢があります。
とはいえ 「どれを導入すれば良いのか迷っている」「複数対応したいが管理が面倒そう」という声も少なくありません 。
そんなときに便利なのが、複数のQRコード決済を一括で導入・管理できる「マルチ決済サービス」です。
各サービスの違いやメリット・手数料を比較したい方は、以下の記事をご覧ください。

人気マルチ決済サービス比較!費用や対応ブランドは?
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メルペイ・d払いに関するよくある質問
A
はい、ドコモ回線以外でもd払いの導入は可能です。法人・店舗側は回線を問わず利用できます。
A
はい、導入後も専用のサポート窓口があります。管理画面の使い方やトラブル時の対応などをサポートしています。
A
契約時に発行されるログイン情報を使って、各サービスの加盟店専用ページにアクセスできます。売上確認や取引履歴の確認が可能です。
A
ID・パスワードの入力ミス、推奨ブラウザ以外の利用が原因の可能性があります。ログイン画面の「パスワードを忘れた方」やサポート窓口から問い合わせてください。
まとめ:d払い導入は店舗にとってメリット大
今回は、「d払い」と「メルペイ」で共通のQRコードが利用可能になったことや、決済手数料・入金手数料に関するキャンペーンについてご紹介しました。
NTTドコモとメルカリの業務提携により、国内最大級の顧客基盤が形成され、今後も多様なサービスの展開が期待されています。
両社の連携がさらに強まることで、d払いとメルペイの利便性もますます高まっていくでしょう。
すでにd払いまたはメルペイを導入している店舗は、共通QRコードの申し込みを忘れずに。まだ導入していない店舗は、この機会にぜひご検討ください。


この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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