注目の「RPA」導入前に知っておきたいデメリットとその解消方法は?

近年、大きく注目を集める「RPA」。「Robotic Process Automation」の略であるRPAは、単純な事務作業や定型業務をロボットを使って自動化することで、さまざまな業務の生産性アップ、業務効率化をはかれるものです。

現在、慢性的な人手不足、少子高齢化に人件費の高騰など、労働力確保に関してさまざまな課題があります。

こうした問題を解消し、人の手をあまりかけずに業務効率化や生産性向上が可能となる「RPA」ツールに、大きな注目が集まっています。

そこで今回は、注目を集める「RPA」を導入する前に、知っておきたいポイントと、デメリット、その解消方法について解説していきます。
 

RPAの導入状況は?

現在、RPAツールはさまざまな業界で導入がすすめられていますが、実際どのぐらい導入が進んでいるのか、地方自治体や中小企業のデータをもとに解説していきます。

地方自治体

総務省が発表した「地方自治体におけるAI・RPAの実証実験・導入状況等調査」によると、都道府県や政令指定都市のほとんどで「RPA」の導入が済んでいたり、少なくとも検討中という状況です。ただし、その他の市区町村では66%以上がRPAの導入予定もなく、検討すらしていないという結果となっています。

こうした結果から、全国的に見ても都道府県や政令指定都市など、規模の大きい自治体と、それ以外の自治体で大きな差が出ているのが現状です。

中小企業

一方、中小企業庁が作成した「中小企業白書」では、RPAの認知数は有効回答に対して約60%弱、活用率は1%ほどと、AiやIoTに比べて非常に低い結果となりました。実際のところ、活用率はそう大差があるわけではないですが、認知率がAIの95%と比べても差が開いており、RPAの認知率の低さが目立つ結果となりました。

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RPAには種類がある?

「RPA」と一言でいっても、その種類は作業の難易度別に3つに分けられます。

RPA (Robotic Process Automation)

RPAツールの中で、最も難易度が低いのが「RPA」です。ロボットを使って業務を自動化するという広い意味で使われる「RPA」ですが、それ以外にも、自動化した業務の中で最も難易度が低いものという意味で使われることもあります。

「RPA」は、決められたルールに従ってのデータ処理業務を行うのが主な特徴です。これは人的ミスを抑止し、定型業務を効率化できるメリットもありますが、逆に言えば決められたこと意外は出来ないため、何か異変があっても判断することが出来ないというデメリットがあります。

EPA (Enhanced Process Automation)

「強化された」という意味の「Enhanced」は、RPAよりも大量のデータを処理することができ、さらに自動で分析を行うなど、より高度な作業を行うことができます。例えば、大量の画像を自動でカテゴリ分けができるなど、ロボット自身が判断して画像の振り分けが可能なため、人間が行う作業を大幅に削減することができます。

これにより「EPA」は、ビックデータなどの大きなデータ処理や分析に向いているといえます。

CA (Cognitive Automation)

「Cognitive」は、認知という意味の言葉で、これまで人が行っていた「判断」などの部分を自動化できるツールとして「CA」が誕生しました。人の判断と近い作業を行うため、RPAの作業難易度としては、最も高いです。

CAでは、売上データや顧客応報、トレンドや経済状況といったさまざまな情報を分析するほか、分析結果を生かして経営判断まで行うことが可能です。

これもEPA同様、ビッグデータの活用に適したツールになっており、コールセンターなどで「自動応答」や「資料送付」などの判断を行い、最適な対応に振り分けることができます。

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RPAツールやで自動化できる業務は?

RPAで自動化できる業務は、基本的なデータの検索や抽出のほか、大量のデータの集計、入力作業や、毎月・毎日発生するような請求書などの発行業務まで多岐にわたります。

これまで人が行っていた事務作業をRPAツールで自動化することで、より正確でスピーディーかつ膨大な量を処理することが可能です。

RPAツールで自動化できる業務や、抑えておきたいポイントなどは、コチラで詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。

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RPAのメリットは?

では「RPA」を実際に導入することで、どのようなメリットがあるのでしょうか。

業務効率化

RPAを導入すると、これまで人の手で行っていた定型業務や単純作業を、ロボットが代わりに対応してくれます。ロボットが記憶した業務に関しては、処理速度も人間と比較しても各段に早いうえ、人的ミスも発生しないので、作業に対する稼働時間を大幅に短縮することができます。
さらにこうした単純作業をRPAに任せることで、今までその作業を行っていた分の人材を別の業務に携わらせることができます。

コスト削減

RPAによって、定型業務を自動化することにより、従業員の対応時間が軽減されるため、対象の業務にかかっていた人件費の削減に大きく貢献することができます。人間の手で行う場合、稼働時間や休憩時間などさまざまな費用が発生していましたが、ロボットであれば稼働時間に伴う人件費が一切かかりません。

生産性の向上

RPAを導入し、定型業務をロボットに記憶させれば、単純なルーティン作業などは全てロボットが対応します。ロボットであれば、人間と違って疲れることもないうえ、24時間365日稼働することができるため、業務にかかる時間短縮のほか、生産性も上がります。

またRPAが行うことで、これまでかかっていた労働力が余るため、それを別の業務に割り振ることができ、非定型業務へ積極的に取り組めるほか、新しい事業開拓の機会もふえていきます。

人的ミスの防止

人が手作業で行う場合、いくら経験を積んでいて集中できていても、ヒューマンエラーが起こることがあります。しかしRPAであれば、記録したシナリオを忠実に再現して作業するため、正確な作業が可能です。

このように人的ミスが減ることは、サービスの向上や生産性の向上に繋がるだけでなく、ミスが起こったことによる時間的なロスや、ミス起因による情報漏洩などのリスク回避にも大きく影響します。
 

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RPAのデメリットは?

RPAの導入は、もちろんメリットばかりというわけではありません。注意しておくべきデメリットもありますので、しっかり理解しておきましょう。

情報漏洩の可能性

RPAシステムを利用する際、IDやパスワードを使ってログインを行うと、それらはロボットに記憶されます。RPAに限らず、ID・パスワードを記憶させた場合、万が一不正利用のリスクが伴うことを覚えておきましょう。インターネット回線などを通じて、第三者による不正アクセスやアカウントの乗っ取りにより、社内情報が漏洩してしまう可能性もあります。

そのためRPA導入前には、しっかりと社内ネットワークやパソコンへの、情報セキュリティ対策は万全にしておく必要があります。

業務がブラックボックス化してしまう

RPAは、一度記憶させればずっと自動で業務を続けてくれるため、周囲の人の動きがあったとしてもそのまま稼働させ続けてしまうことがあります。こうしてブラックボックス化した業務は、業務フローやプロセスの見直しやシステムの更新時などに、正しい設定変更などが行えなくなります。もしうまく設定変更が出来ない場合には、誤作動や異常検知による業務停止も起こりえます。

またRPAは動いたままで、運用担当者が退職したり異動により変更があった際に、きちんと情報の共有を行わないと、詳細を知っている人がいないままブラックボックス化してしまうので、気を付けましょう。

システム変更による誤作動

RPAは、複数のシステムやアプリケーションを連携させて作業することができますが、フローやシステムの変更点・改修点などを学習して、自身で処理方法を修正することが出来ません。そのため、システム変更が発生する場合、現場間の連携が不十分なまま進めると、誤作動をおこしてしまい業務停止ということにもなりかねません。

もちろん人的要因以外にも、ロボットの急な不具合や障害でのシステムダウンや、災害などによる動作停止なども頭に入れておきましょう。

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RPAのデメリットの解決方法

こうしたRPAのデメリットを解消する方法には、いくつかあります。

まずはRPA導入時に、対象となる業務やそのプロセスを文書化して残しておくことです。業務フローのような形でマニュアルを作成しておけば、万が一運用担当者が退職・異動で変更になった際も、スムーズに引き継ぎができますし、他の人が確認することも可能です。こうしておけば、RPAで起こりがちなブラックボックス化も抑止できます。

もちろん内容や設定に変更があった際は、修正しておくほか、現場とシステム担当者間の連携が取れるようにしておくことも重要です。

さらに導入するRPA選びも重要です。効果をあげるためには、会社の規模や業務内容、RPAを導入する目的、必要な機能や予算などを照らし合わせて、最適なRPAツールを選ぶ必要があります。評判や価格だけで決めてしまうと、導入後にうまくいかなかったりして、不要なコストを発生させてしまうこともあるので、必ず比較検討をしましょう。
 

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うまくいくRPAの導入ステップ

では、最適なRPAツールを導入するには、どういった流れで進めたらよいのでしょうか。ここでは、RPAの導入にあたり行うべきプロセスについて解説していきます。

導入前に必要なポイントを精査し、検討することで、実際にRPAを導入した後で失敗してしまうといった事例を減らすことが可能です。面倒とは思わずに、しっかり考えて進めていきましょう。

①課題の把握と業務精査

RPAの導入を検討している段階で、まず行う必要があるのが「課題の把握」です。自社の生産性を向上させるために、今何がネックになっているのか、ボトルネックになっている箇所やその原因を把握する必要があります。

課題を正しく把握するために、自社の業務を精査する棚卸を行いましょう。現場の業務を洗い出すことで、見えないところで属人化している業務や、無駄に行っている作業の見える化が可能です。属人化してしまっている作業は、手順書やマニュアルを作成し、誰でもできる状態に整理するようにしましょう。

②対象業務の選定

自社の業務を把握したら、どういった業務にRPAを導入すれば、自社の課題を解決できて、一定の効果が得られるかチェックしておきましょう。すべての業務にRPAを導入することは、正直難しい部分もあるため、まずは一定の効果が得られる業務から導入していくことをおススメします。

たとえば、事務作業がメインの部署に絞って導入し、効果が見られるようであれば、その他適した部署で導入するといった、スモールスタートで始めるのが良いでしょう。RPAには向き不向きがあるので、親和性の高い業務を中心に検討するようにしましょう。

③RPAツールを選定

課題やRPA化する業務を選定したら、次にRPAツールの選定を行います。現在、国内外問わず、さまざまなRPAツールが登場していますが、日本語対応などを考えると国内で多く使われているツールから選定する方が良いと思います。

有名だから、安いからという理由だけでは、いざ導入した際に効果が得られなかったり、適応しなかったりと失敗も多いので、機能面なども踏まえて、しっかり比較検討するようにしましょう。

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まとめ

今回は、RPAツールの導入を検討している企業に向けて、導入前に知っておきたいデメリットやその解消方法、導入までのプロセスについて解説してきました。

業務内容によっては、導入だけでも大きな決断になり、コストもかかってきますので、導入後の失敗事例を少しでも解消するため、手間はかかりますが、事前の現状把握と業務整理は重要なプロセスと言えます。

 
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