電力のデマンド管理とは?

「デマンド」とは、一定期間(通常30分)における最大需要電力(kW)を指します。
高圧電力契約では、この最大需要電力をもとに基本料金が算出されます。
つまり、一瞬でもピークが高くなれば、その値が1年間の基本料金に反映されてしまいます。

デマンド管理とは、この最大需要電力のピークを抑える取り組みです。
空調や照明、生産設備の稼働時間を調整し、同時使用を避けることで、基本料金の引き下げを狙います。

デマンド値(最大需要電力)が契約電力を超過すると、基本料金がアップ

デマンド管理で得られる効果

デマンドをコントロールすることで、単なる節電を超えた「コスト削減」と「運用改善」につながります。主なメリットを見てみましょう。

基本料金の削減
例:契約電力が500kW → デマンド管理で450kWに削減 → 年間で数十万円の削減可能
設備の安定稼働
突発的な過負荷を防ぎ、トラブルリスク低減
省エネ・CO₂削減
使用電力の平準化で環境負荷を軽減

デマンド管理の主な方法

デマンドを抑える方法にはいくつかのアプローチがあります。
代表的な3つの方法を知っておくことで、自社に合った対策を検討しやすくなります。

1.デマンド監視装置の導入
・リアルタイムで電力使用量をモニタリング
・設定した上限値に近づくと警報や自動制御を実施
2.ピークカット
・使用電力がピークに達しそうな時に一部設備を停止
(例)空調温度を一時的に変更、不要な照明を消灯
3.ピークシフト
・電力需要の高い時間帯から低い時間帯に移す
(例)夜間に冷凍庫を強めに稼働し、昼間は消費を抑制

ポイント

デマンド値を抑えることは、基本料金の削減=固定費の圧縮につながります。
効果を最大化するには、監視装置+運用改善の組み合わせがポイントです。
まずは現状のピーク値を可視化し、どの時間帯に負荷が集中しているかを把握することが第一歩です。