雷対策(避雷器・接地工事など)
高圧電力を利用する工場や店舗、オフィスビルでは、落雷による設備の故障や停電リスクを避けるために雷対策が欠かせません。
特に高圧受電設備は、雷サージ(過電圧)の影響を受けやすく、設備の損傷や火災、業務停止といった大きなトラブルにつながる恐れがあります。
雷対策の基本要素
高圧電力設備における雷対策は、主に以下の2つに分けられます。
1.避雷器(サージアレスタ)の設置
- 雷サージを地面へ逃がす装置
 - 受変電設備に設置することで、機器への過電圧侵入を防止
 - 定期点検により劣化状況を確認することが重要
 
2.接地工事(アース)の強化
- 雷電流を安全に大地へ逃がすための接地が必須
 - D種接地工事(電気設備技術基準で定められた接地方式)が一般的
 - 接地抵抗値が基準を満たしているかを定期測定する必要あり
 
雷対策を怠った場合のリスク
- 瞬時停電やブレーカー遮断による業務停止
 - 高圧機器(変圧器・制御盤など)の故障
 - 火災リスクの増加
 - 復旧コストが大きく、長期的な損失につながる
 
定期点検とメンテナンスの重要性
雷対策は設置して終わりではなく、定期点検とメンテナンスが不可欠です。
特に避雷器は劣化により動作不良を起こす場合があるため、電気主任技術者や専門業者に点検を依頼することが望まれます。
ポイント
トラブルは「雷そのもの」よりも、「老朽化や点検不足」が原因で起こることが多いです。
専門業者に点検を委託し、“設備を守る保険”としての雷対策を継続的に実施することが、結果的にコスト削減につながります。
