電気主任技術者の選任義務と確保(自社雇用と外部委託)

高圧電力を受電して使用する事業者は、法律(電気事業法)により「電気工作物の工事・維持・運用」に関して安全を確保する義務があります。
この保安業務を担う資格者が電気主任技術者です。

選任義務の基準

高圧(6,000V)で受電する事業者
→ 電気主任技術者を選任する必要があります。
低圧(100V・200Vのみ)で受電する事業者
→ 選任義務はありません。

つまり、オフィスビル・工場・商業施設・中規模以上の店舗などで高圧受電を行う場合は、法律上必須となります。

電気主任技術者の確保

電気主任技術者の確保には、2つの方法があります。

1.自社で電気主任技術者を雇用する

  • 大規模工場や電力需要の大きい企業で多く採用
  • 常駐で保安管理が可能
  • 人件費・採用難がデメリット

2.外部委託(外部保安管理業務委託)

  • 一般的な中小企業・店舗ではこちらが主流
  • 保安法人や電気管理技術者に委託可能
  • コストを抑えつつ、法令遵守と安全を確保できる

外部委託のメリット

  • 専門知識・経験豊富な技術者に依頼できる
  • 自社で資格者を採用・教育する必要がない
  • 定期点検や緊急対応を含めたサポートを受けられる
  • コストを月数万円程度に抑えられるケースが多い

ポイント

高圧電力を使用する事業者は、必ず電気主任技術者を選任する必要があります。
多くの中小規模施設では、自社雇用よりも外部委託による保安管理が一般的で、コスト効率と安全性の両立が可能です。