ピークカット・ピークシフトの方法

ピークカットとは?

ピークカットとは、電力使用量がピーク(最大値)に達しそうなときに、一部の設備を一時的に停止または稼働を抑制して、瞬間的な電力使用量を削減する方法です。
これは基本料金を下げるための即効性の高い手段として有効です。

ピークカットの概略図。契約電力以上の消費電力量を削減し、最大需要電力を減らす

実践例

  • 空調機の台数制御(ピーク時は一部運転停止)
  • 不要照明の消灯
  • 加熱・冷却機器の稼働抑制
  • 生産ラインの一部工程を一時中断

ピークシフトとは?

ピークシフトとは、電力使用の多い時間帯から、使用量の少ない時間帯に電力消費を移動させる方法です。
これはピークカットに比べ、日常的に負荷を平準化する長期的な戦略です。

ピークシフトの概略図。使用電力の少ない時間帯に電力使用を分散させる

実践例

  • 蓄熱式空調で夜間に冷房・暖房を準備し、昼間の負荷を軽減
  • 夜間に製品の予備製造を行い、昼間の生産負荷を軽減
  • 大型冷蔵庫を夜間に強めに運転し、昼間は負荷を抑える
  • 蓄電池に夜間充電し、昼間の電力供給に活用

ピークカットとピークシフトの使い分け

ピークカット:緊急時の即効対策
→ 需要が急増したときに一時的に削減
ピークシフト:計画的な負荷平準化
→ 電力契約全体を安定化し、長期的なコスト削減