導入コストとランニングコストの概算

高圧電力の導入を検討する際は、初期費用(導入コスト)と年間の維持費(ランニングコスト)を正しく把握することが重要です。
ここでは、導入前に知っておきたい費用の内訳と目安を解説します。

導入コスト(初期費用)

高圧電力を利用するには、受変電設備(キュービクル)を設置し、電力会社との接続工事を行う必要があります。これらには以下のような費用が発生します。

費用項目 内容 概算費用(目安)
受変電設備(キュービクル) 機器本体と設置工事一式。容量により変動。 約200〜600万円
電気工事費 配線工事、配電盤設置など。 約50〜150万円
保安設備 接地工事、避雷設備など。 約20〜50万円
電力会社接続工事費 高圧配線接続工事。 約30〜100万円
設計・申請費用 設計図作成、官公庁申請、主任技術者選任等。 約10〜30万円

ランニングコスト(年間の維持費)

高圧電力は、契約容量や使用量に応じて料金が変わります。また、自家設備の保守費用も発生します。

費用項目 内容 概算費用(目安)
基本料金 契約需要電力(kW)×単価
(地域・契約により変動)
約1,000〜3,000円/kW×12ヶ月
従量料金 使用電力量(kWh)×単価
(プランによる)
約12〜18円/kWh
保守点検費 月次・年次点検などの保安管理 約10〜30万円
技術者委託費 電気主任技術者の外部委託費 約20〜50万円

投資回収の目安

導入費用は高額ですが、使用量や運用改善によっては年間数十万〜百万円単位のコスト削減が可能です。
そのため、投資回収年数(初期費用÷年間削減額)を試算して、導入可否を判断します。

ポイント

受変電設備や省エネ設備の導入は、国や自治体の補助金対象になる場合があります。
例)省エネ補助金、再エネ設備導入補助、カーボンニュートラル関連補助など。
申請タイミングや条件があるため、導入前に必ず最新情報を確認しましょう。