ウーバーイーツが配達員の報酬を引き下げ?理由や経緯は?飲食店への影響も解説

大手フードデリバリーサービスの「Uber Eats(ウーバーイーツ)」が一部地域での配達員の報酬を大きく減額させたとして、世間では大きな物議を醸しているようです。 今回は、ウーバーイーツの実施した配達員報酬の引き下げに焦点をあてながら、報酬の減額による飲食店への影響などについても、問題の原因などを踏まえながら、わかりやすく解説していきます。

Uber Eatsが配達員の報酬を3割カット?

ことの発端は3月1日、ウーバーイーツが実施した「配達報酬に係る計算方式の変更」に端を発します。

ウーバーイーツジャパンは3月1日、京都府と福岡市の一部地域において、新しく「ドロップ先と報酬額が受注時にわかる」という新しい報酬システムの運用テストを開始しました。

従来のウーバーイーツでは、配達が完了するまでは確定した報酬金額がわからないようなシステムとなっていたため、あらかじめ報酬を確認することができる今回のシステム変更などは、一見すると聞こえの良いシステムであるかのように見受けられます。

しかし、蓋を開けてみると、単なるシステムの変更だけにはとどまらず、配達報酬の「計算方式」まで事前の告知なしに変更されており、配達員への報酬は従来の報酬額よりも3割ほど減少していたことが発覚したため、現場の配達員からは混乱と怒りの声が相次ぎました。

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原因は「報酬計算システム」のエラー?

その後、事態を察知したウーバーイーツは、すぐさま原因の究明に乗り出し、結論としては「報酬が300円に満たない場合はシステムエラーによるもの」との見解を発表しています。

しかし、報酬の計算方式にはたしかに変更が加えられており、平均すると従来よりも3割ほど低い報酬になるように調整されていたことで、配達員の間では波紋が広がっています。

減額の対象地域は「京都」と「福岡」のみ?

現状のところ、新しい報酬システムが導入されている地域は「京都」と「福岡」の2つの都市に限定されています。

しかし、今後は大阪や兵庫などの関西エリアを中心に、新たな報酬システムが拡大していく可能性があるため、今後の動向に注目しておきたいところです。

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Uber Eatsは配達員を増やし過ぎた?

ここまでのように、今回の一件を発端として、ウーバーイーツと配達員との間では、さらなる軋轢が生じているように感じます。

しかし、こうした問題の根本的な原因については、一体どのようなところにあると言えるのでしょうか。

デリバリー需要の増加

ウーバーイーツの配達員が急激に増加してしまった背景としては、やはり昨年より猛威を振るっている「新型コロナウイルス」の影響による、テイクアウトやデリバリーへの需要の集中というものが挙げられるでしょう。

世界的に流行している新型コロナウイルスの影響などにより、国内にある多くの家庭では「食事を在宅で済ませる」という「中食(なかしょく)」の文化が、昨年から広がりを見せ始めるようになりました。

それにともなって、業界最大手の同社が率先して配達員の調達を行ったことで、今日のデリバリーサービス文化の普及があるというわけですね。

競合他社との価格競争

このことから、ウーバーイーツをはじめとするデリバリーやテイクアウトサービスの需要が急激に増加したことに加えて、多くの一般企業では「働き方改革」や「テレワーク」の推進なども重なり、余暇時間を副業に充てる層が登場してきます。

しかし、デリバリーサービスの需要が増加するということは、それにともなって、競合他社との価格競争が激化してしまうということも意味しているのです。

現実に、大手の「出前館」はもちろんのこと、ドイツ発祥のフードデリバリーサービスでもある「foodpanda(フードパンダ)」や、新興の「FOODNEKO(フードネコ)」など、近ごろでは新しいフードデリバリーサービスが続々と登場するようにもなりました。

増え過ぎた配達員をいかにコントロールするか

現状、母数が増え過ぎた配達員をいかにコントロールしていくのかについては、世間的な議論が交わされています。

競合他社も続々と登場したことで、既存のパイを奪い合うというストレスに加えて、すでに飽和状態にある配達員のコントロールも同時に行わなければなりません。

このような複数の要因が折り重なり、今回のウーバーイーツの騒動に発展したことが考えられます。
                    

Uber Eatsが取り組んでいる配達員の待遇改善

上記までの解説のように、注目されやすいウーバーイーツとその配達パートナーですが、ウーバーツ自体も様々な改善策に取り組んでいるのをご存知でしょうか。
以下で配達員の待遇改善に向けた取り組みとしては、一体どのようなものが挙げられるのかご紹介していきます。

ブーストエリアの導入

「ブーストエリア」とは、特定のエリアにおける注文数に対して、配達員の数が明らかに足りていない場合に出現する供給不足エリアのことです。

ブーストエリアに指定された地域では、基本料金の報酬倍率がアップする仕組みとなっているため、供給不足の改善などに大きな効果を発揮しています。

クエストシステムの導入

「クエストシステム」とは、指定された時間内、もしくは指定された期間内に、商品の配達を一定以上こなした場合に支払われる追加報酬制度のことです。

これにより、配達員は基本料金だけではなく、自身の配達した商品の配達数に応じて、追加の報酬を受け取ることができるようになったため、給与待遇の改善などに効果を発揮しています。

チップ機能の導入

「チップ機能」とは、その名の通り、配達員に対して、感謝の意味を込めたチップを渡すことができる機能のことです。

当初では、チップの文化がない日本では根付かないのではないかと不安視されていた機能ですが、実施してみると、配達員に対してチップを支払う利用者も多く、モチベーションの維持などに効果を発揮しています。

まとめ

今回は、ウーバーイーツの実施した配達員報酬の引き下げに焦点をあてながら、報酬の減額による飲食店への影響などについても、問題の原因などを踏まえながら、わかりやすく解説していきました。

さまざまな方面から現状の課題を指摘されているウーバーイーツですが、それと同時に、特に新型コロナウイルスの流行以降は、その画期的なシステムによって数々の恩恵を飲食業界にもたらしてきました。

また、配達員に対する待遇の改善措置も着々と進められるようになったため、今後はさらなるサービスの発展のためにも、飲食店・利用者・配達員のそれぞれが、より使いやすいサービスとなるように、今後の取り組みに注目していきましょう。

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阿部 長生

新卒から20年以上IT業界に従事。Webサイトの立ち上げコンサルやWebマーケティング、SaaSの導入支援など、幅広い分野で活躍した経験を活かし、現在はお店の集客支援をけん引しています。IT導入補助金の活用支援を行った実績等もあるため、集客ツールを導入する際、コストが不安という方もぜひご相談ください。