「新紙幣に具体的にどうやって対応したらいい?」
2024年7月前半を目途に発行される新紙幣に向けて、具体的な対応に困っている方は多いのではないでしょうか。
新紙幣に対応するには、新紙幣に対応できるレジの準備が必要です。
そこで本記事では、新紙幣の目的から、具体的な対応方法まで詳しく解説していきます。事前にご自身の事業の方向性を決めて対処することで、焦らずスムーズに移行できるため、ぜひ参考にしてみてください。
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新紙幣はいつから発行される?
新紙幣予定スケジュール
新紙幣は、 2024年7月前半を目途 に発行される予定です。
新紙幣は約20年の間隔で発行されており、今回の発行も2004年以来20年ぶりです。
なお、新紙幣発行の発表は2019年でしたが、印刷開始や企業における機器の対応準備に猶予をもたせるため、早めに発表をした形とみられています。
新紙幣のデザイン
新紙幣では、現在の肖像画の人物から以下のように変更されます。
- 一万円札「福沢諭吉」→「渋沢栄一」(日本の資本主義の父)
- 五千円札「樋口一葉」→「津田梅子」(日本初「女子英学塾」の設立)
- 千円札「野口英世」→「北里柴三郎」(近代日本医学の父)
人物の選定は、「 精密な写真、品格、名前や業績の認知度があること 」を基準に選ばれました。
新紙幣の発行目的
新紙幣の発行目的は、「 偽造の防止 」と「 ユニバーサルデザインの採用 」の2点です。
紙幣の偽造は年々高まっており、財務省は定期的な仕様変更で対策をしています。さらなる対策強化のために、新紙幣では「紙幣を見る角度によって肖像画の向きが変わるような3D技術」の導入が計画されています。
年齢や障害の有無にかかわらず、誰もが使いやすいよう、金額の文字を洋数字にすることで、フォントのサイズが上がっているのもポイントです。
新紙幣になったら対応レジに変更が必要
新紙幣が発行された際には、新紙幣に対応したレジへ変更が必要です。
現行のレジのままだと、 偽造紙幣と誤認されるリスクがあり、エラーや故障の原因になる可能性が高い ためです。
早めに対応レジを準備しておくことで、エラーを未然に防げる他、計画的な資金調達や余裕をもった従業員へのレジ教育ができます。
新紙幣・硬貨に対応する3つの方法
システムをアップデートする
使用中のシステムをアップデートすることで、新紙幣に対応できるケースがあります。
ただし、レジシステムをアップデートする場合は、以下の点に注意しましょう。
- レジ会社による、有償のアップデート対応が必要
- 新500円硬貨へのアップデート対応も必要
システムのアップデートを実施しなかった場合、新紙幣の読み取りができなくなります 。各システムの会社へ問い合わせ、事前に対応しておくことをおすすめします。
システムの導入・交換
新紙幣導入を機に、新紙幣に対応する新規システムを導入あるいは交換するのもおすすめです。
機能が充実しており、自身の事業に合った使い方ができます。
費用をできるだけ抑えたい場合は、必要な機能のみにしたり、補助金を積極的に使ったりすると良いでしょう。 中には無料でトライアルできるシステムもあるため、実際に使ってみて見極めるのをおすすめ します。
▶POSレジ導入の補助金・助成金まとめ!対象条件や申請方法を徹底解説
完全キャッシュレス化
現金の取引を完全になくすことで、 長期的なコストの削減や、時代のニーズに応えて売上減少を防げる 場合があります。
新紙幣導入を機に、キャッシュレス方式にすれば、レジの買い替え費用やアップデート費用が不要です。さらに、新紙幣になるたびに対応する必要がなくなるため、将来的な費用も削減できます。
ただし、現金払いが多いお店などは、顧客の意見も参考にするとよいでしょう。
新紙幣への対応がもたらす世間へのメリットとは
デジタル化やキャッシュレスに対応できる
IT技術の発展にともない、店舗のシステムは進化していますが、企業によってはアナログ方式や現金取引を使い続けているケースがあります。
新紙幣に対応できれば、同時にデジタル化やキャッシュレス決済への対応につながります。
また、 キャッシュレス決済の需要が年々増加している他、 新紙幣への対応コストを抑制するために、キャッシュレス導入を決断する企業が多くなると予想 されます。
【出典】2022年のキャッシュレス決済比率を算出しました(経済産業省)
時代のニーズに合わせることで店舗イメージが向上する
新紙幣にもキャッシュレスにも対応できる企業は、 顧客に支払い方法の選択肢を与えるため好印象を与えます 。
「支払いの選択ができず購入ができなかった」という機会損失が起こらないため、売上の維持またはアップができるのです。
新紙幣導入の動きに合わせられると、今後も存続できる可能性が高まるでしょう。
新紙幣発行にともなう経済効果
新紙幣・硬貨の発行コスト
新紙幣・硬貨の発行によって、約6,114億円程度の特需がもたらされる想定です。
ただし、昨今のキャッシュレス決済増加にともない、貨幣流通量の減少が予想されているため、 経済効果が想定以下になる可能性も高い です。
ATMの改修、買い替えコスト
ATMの改修、買い替えコストには、約3,709億円(買い替え3割、改修7割として試算)の特需がもたらされる想定です。
ATMを買い替える場合、 コンビニでは1台200万円、銀行ATMでは500〜800万円の費用が必要 です。
全国の設置台数を考慮すると改修で対応する店舗も多い想定ですが、近年増加しているコンビニATMに関しては前回よりも多い変更需要が期待されています。
自動販売機・自動券売機の改修、買い替えコスト
自動販売機・自動券売機の改修、買い替えコストには、約6,064億円(1台あたり買い替え50〜60万円、改修2.5万円で試算)の特需がもたらされる想定です。
全国には約298万台の自動販売機があり、買い替えや改修に多くのコストがかかるでしょう。
【出典】第一生命経済研究所「新紙幣・硬貨発行で期待される特需」
新紙幣対応にかかるコスト
アップデートコスト
現在使用中のレジをアップデートする場合、担当者の訪問対応による費用が発生します。
各レジ会社によってアップデート費用が異なったり、担当者の出張費など追加の費用がかかったりします。各レジ会社に問い合わせて確認しておくことをおすすめします。
なお、 新紙幣対応のアップデートをするには「新500円硬貨に対応済」であることが前提 です。未対応の場合は。アップデート対応と合わせて申し込みましょう。
編集部
アップデート対応は担当者訪問の日程調整のため、事前に申し込みが必要です。各レジ会社のWeb専用ページから申し込めます。
システム導入コスト
新たにシステムを導入する場合、機器本体の買い替えか、本体の一部を変更する必要があり、費用が発生します。
システム | 買い替え費用の目安 |
---|---|
パソコン型レジ | 無料~50万円程度 |
タブレット型レジ | 無料~20万円程度 |
コンビニATM | 200万円~ |
銀行ATM | 500万円~800万円 |
自動販売機 | 50万円~60万円 ※改修は2.5万円 |
【出典】第一生命経済研究所「新紙幣・硬貨発行で期待される特需」
「どのレジが自身の店舗に合っているか分からない」「どんなレジを選べばいいのか困っている」という方は、ぜひご相談ください。
【無料】POSレジの相談はこちらキャッシュレス対応のほうがコストはかからない
初期投資を抑えるなら完全キャッシュレス
初期費用を抑えたいのであれば、決済手段を完全にキャッシュレスにすることをおすすめします。
システムの買い替えやアップデートは一時的な対応で、今後も 新紙幣になるたびに同様の対応が必要になり、継続的なコストが発生 します。
キャッシュレスであれば、0〜5万円程度で導入でき、一度きりの購入で済みます。さらに費用を抑えたい場合は、無料で導入できるキャンペーン期間や、補助金をチェックしてみましょう。
初期費用 | 決済手数料 | 入金サイクル | 振込手数料 | |
---|---|---|---|---|
クレジットカード決済 | 1~5万円 | 3~7% | 最短翌日入金 | 原則無料 |
ICカード決済 | 0~5万円 | 3~5% | ||
非接触型決済 | 0~5万円 | 3~5% | ||
QRコード決済 | ユーザースキャン方式であれば無料 | 2~4% |
幅広い年齢層に対応するならアップデートorシステム導入
幅広い年齢層に対応したいのであれば、システムのアップデートか、システムの新規導入がおすすめです。
キャッシュレス化は年々増加していますが、いまだ現金払いが多いのも事実 です。
そのため、顧客の好みや年齢層の希望に合わせられるよう、現金払いが選択できる余地を残しておくのも一つの手段です。ご自身の事業状況に合わせて選ぶことが大切です。
新紙幣への対応に関するよくある質問
A
旧札の利用期限はなく、2024年新札導入以降も利用できます。
A
新札になってもタンス預金が消失することはありません。銀行やATMへ行けば、新紙幣に交換できます。
A
旧紙幣を新紙幣に変えるには、銀行や両替機、ATMで交換できます。
A
新500円硬貨は2021年11月1日(月)より発行を開始しています。旧500円硬貨は引き続き利用でき、現在は新旧の500円硬貨が混在している状態です。
A
2024年の新札発行以降も、旧紙幣は利用できます。利用期限はありません。もし旧紙幣を新紙幣に交換したいのであれば、銀行やATMで交換できます。
まとめ
2024年7月前半を目途に発行される新紙幣に対応するには、新紙幣に対応できるレジの準備が必須です。
対応方法として、「システムのアップデート」「システムの導入・交換」「完全キャッシュレス化」の3つの選択肢がありますが、ご自身の事業状況に合わせて選ぶことが大切です。
新紙幣発行の対応には検討時間やコストがかかるため、事前に検討し方向性が決まったら、補助金の活用や必要な機能のみを備えたシステムを決めていきましょう。
レジのご準備に困っている方は、一度ぜひご相談ください。
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この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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