「クラウドフォンに乗り換えるメリットは?費用は安くなる?」
ビジネスフォンには明確な耐用年数があり、超過すると修理費の増大や突然の故障リスクが高まるだけでなく、2024年以降に本格化したNTTのIP網移行によって、将来的にアナログ回線が使えなくなる見通しです。
本記事では、クラウドフォン導入支援の現場で蓄積した相談実績をもとに、「今すぐビジネスフォンからクラウドフォンへの乗り換えを検討すべき5つのサイン」を整理します。
さらに移行にかかる期間・費用の目安、現状維持を続けた場合のリスクも数値でお伝えします。年度末に慌てて動いて後悔する前に、ぜひ一度チェックしてみてください。
目次
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ビジネスフォンからクラウドフォンへの乗り換えを検討すべき5つのサイン
ビジネスフォンは、「壊れてから」乗り換えるのでは遅すぎます。以下の5つのサインに当てはまる項目が多いほど、 早期に移行を検討することで余計なコストとリスクを回避できます 。
| 判断基準 | 放置した場合のリスク | |
|---|---|---|
| 設置から7年以上経過 | 設置年を確認 | 突然停止・代替調達に数日 |
| リース契約が終了または更新直前 | 契約書の満了日 | 再リースで割高維持費 |
| アナログ回線(ISDN)の廃止案内 | 廃止通知の受領 | 回線品質劣化・最終的に利用不可 |
| テレワーク未対応 | 在宅発着信の可否 | 出社強制・採用競争力低下 |
| 保守部品の供給終了・修理費の高騰 | 直近1年の修理費推移 | 突発的な高額修理費 |
ビジネスフォンの設置から7年以上が経過
設置から7年以上が経過している場合は、ビジネスフォンの乗り換えを検討すべきタイミングです。なぜなら、 ビジネスフォンの法定耐用年数は6年(国税庁耐用年数表)とされており、7年以上使用している場合はメーカーの補修部品保有期間(販売終了後7年が目安)も過ぎている 可能性があるため、乗り換えの検討タイミングです
「まだ動いているから大丈夫」という判断は危険で、基板や電源部品などの消耗は外からは見えません。
特に、主装置が突然停止した場合、代替機の確保と設定のやり直しに数日〜1週間以上かかることもあります。
7年が一つの目安として、定期的に設備年数を確認しておくことが重要です。
ビジネスフォンのリース契約終了または更新直前
ビジネスフォンをリース契約で導入している場合、リース満了のタイミングは乗り換えの絶好の機会です。
リース終了後に再リース(月額延長)を選ぶと、割高な維持費がかかり続けます。
また、リース中の途中解約は残債の一括支払いが発生するため、 「満了直前〜満了後」という時期に動き始めることがコスト面でも最もスムーズ です。
契約書を確認し、リース終了時期を把握しておきましょう。
ビジネスフォンに関わるアナログ回線(ISDN)の廃止案内
ビジネスフォンがアナログ回線に依存している場合、廃止前にクラウド化しておくのが賢明です。
NTTは2024年以降、ISDNおよびアナログ公衆電話網のIP網移行を本格的に進めています。
廃止といっても「今すぐ使えなくなる」わけではありませんが、 段階的にサービス品質が低下し、最終的には対応回線自体がなくなります 。
廃止案内が届いた段階で「いつまでに移行が必要か」を確認し、余裕を持って準備を始めることが重要です。焦って動き始めると、業者の工事枠が取れずに対応が遅れるリスクがあります。
ビジネスフォンによるテレワーク・在宅対応の課題
ビジネスフォン(従来型)は物理的な設置場所に縛られるため、社員が在宅でも会社の番号を使った発着信ができません。
クラウドフォンはスマートフォンやPCがあればどこからでも内線・外線に対応できる ため、ハイブリッドワーク体制をとる企業では特に欠かせない通信インフラです。
「電話対応のために出社が必要」という状況が続いているなら、業務効率と採用競争力の両面からも乗り換えを検討するタイミングです。
ビジネスフォンの保守部品供給終了と修理費高騰
ビジネスフォンの製造から年数が経過している場合、メーカーが部品の生産・供給を終了しているケースが見られます。
古く製造されたモデルほど、 修理対応できる業者が減少し、修理費が通常の2〜3倍に膨らむリスク が高まります。
実際に当社の相談窓口でも「修理見積もりが30万円を超えたため乗り換えを決意した」という事例も存在します。
修理費が増えてきたと感じたら、コスト比較を始めるサインです。

ビジネスフォンを取り巻く環境の変化【アナログ回線・ISDNの廃止スケジュール】
NTTは2024年1月より ISDNサービスの『デジタル通信モード』を地域ごとに段階的にサービス終了 し、2024年8月31日にはINSネットの新規申込受付も終了しました。残る通話モードを含む全サービスは2028年12月31日をもって完全終了する予定です
「まだ通話はできているから問題ない」と考えがちですが、実態は異なります。
ビジネスフォン利用企業がISDN廃止後に直面する3つの影響
ビジネスフォンを利用している法人は、ISDN廃止によって以下のような影響を受ける可能性があります。
- 回線品質の段階的な低下
ISDNはNTTが保守・維持する前提のサービスであり、廃止後は障害発生時の復旧が遅くなり、音声品質が安定しなくなる可能性があります。 - 新規増設・移転対応が困難になる
オフィス移転や増員に際して新たにISDN回線を引くことはできなくなるため、拡張性がゼロになります。 - 代替手段への強制移行
ISDN終了後に電話を継続利用するには、何らかの代替回線(IP回線、クラウドフォン等)への切り替えが避けられません。
計画的に動いた場合と、追い詰められてから慌てて動いた場合で、コストと業務停止リスクの高さは異なります。
ビジネスフォン以外で見落とされがちな連動機器への影響
ISDN廃止はビジネスフォンだけの問題ではありません。以下の機器は、アナログ回線やISDNを使って動作している可能性があるため、事前に確認が必要です。
- FAX(G3規格の複合機・専用FAX):2028年末までは通話モードで引き続き利用可能ですが、IP回線への完全移行後は動作が不安定になるケースもある
- 警備システム:アナログ回線で警備会社に通報する構成の場合、動作しなくなる
- クレジット決済端末:CAT端末の一部はアナログ通信を前提としており、IP化後に要確認
上記の機器が業務上不可欠な場合は、ビジネスフォンの乗り換えと同時並行で確認・対応を進める必要があります。
移行前に通信設備全体をリストアップしておくことが、スムーズな移行の前提条件 となります。
ビジネスフォンの乗り換えにかかる期間とコストの目安
ビジネスフォンからクラウドフォンへの移行は、適切に進めれば 最短2〜3ヶ月で運用開始 できます。
ただし、年度末(1〜3月)は工事業者が混み合うため、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
検討開始から稼働までのタイムライン
| ▼ フェーズ ▼ | 主な内容 | 目安期間 |
|---|---|---|
| 1 検討・情報収集 | 現状の設備確認、要件整理、相見積もり | 1〜2週間 |
| 2 業者選定・契約 | 提案比較、サービス選定、契約手続き | 1〜2週間 |
| 3 設定・工事準備 | 番号ポータビリティ手続き、クラウド設定 | 2〜4週間 |
| 4 工事・切り替え | 回線工事・機器撤去・テスト通話 | 1〜2日 |
| 5 稼働・研修 | 社員向け操作研修、運用開始 | 1週間程度 |
初期費用の目安は0〜30万円(回線工事費・設定費用・端末費用による)、月額費用は5,000〜3万円程度(規模・オプションによる) です。
ゼロ初期費用でスタートできるプランもありますが、その分月額に費用が含まれるケースもあるため、総コストで比較することが重要です。

ビジネスフォンを年度末に移行する際は早期申し込みが鉄則
ビジネスフォンからクラウドフォンへの移行で、よくある失敗として「3月に工事を依頼したが、業者が混み合っていて4月に間に合わなかった」というケースがあります。
特に リース満了・年度切り替えのタイミングに動こうとする企業が集中するため、工事枠が取りにくい傾向 です。
対策としては、リース満了の6ヶ月前から検討を開始し、遅くとも3ヶ月前には契約を済ませておくことが理想です。「満了の翌月から新サービスで稼働」というスケジュールを目標にすると、余裕が生まれます。

ビジネスフォンを使い続けるリスクとクラウドフォン移行後のコスト比較
ビジネスフォンからクラウドフォンへの乗り換えを迷う主な理由として、「移行コストがかかる」という点が挙げられます。
しかし、実際には現状維持にもコストが発生しており、比較してみると 移行の方が中長期的に安くなる可能性 があります。
「動かないコスト」を可視化することが、意思決定の第一歩です。
| 現状維持(ビジネスフォン) | クラウドフォン移行後 | |
|---|---|---|
| 初期費用 | 再リース事務手数料(数千円~1万円) | 〜30万円 |
| 月額費用 | 8,000〜2万円(中規模の場合) | 5,000〜3万円 |
| 修理・部品費 | 5〜30万円/件(増加傾向) | 基本的に不要 |
| テレワーク対応 | 追加設備投資が必要 | 追加費用なし |
| スケーラビリティ | 拠点追加・増員に工事必要 | 工事不要、オンラインで即時追加 |
| ISDN廃止リスク | 対応必須(強制移行) | 対応不要 |
| 5年間の総コスト試算(目安) | 150〜300万円 | 60〜150万円 |
上記はあくまで目安ですが、設置から8年以上経過したビジネスフォンを使い続けている場合、 修理費が年間30〜50万円を超える場合もあります 。
実際の相談事例では「3年間で修理費が累計80万円を超えたため、クラウドフォンに切り替えたところ月額コストが半減した」という企業もありました。
現状維持が「安全」ではなく「リスク」であることを、数字で確認することが重要です。
ビジネスフォンの保守費が高騰している企業の実態
ビジネスフォンの乗り換え検討に際して、当社に相談いただいた企業の中で、乗り換えのきっかけとして最も多かったのは「修理費・保守費の高騰」です。
古い機種になるほど対応できる業者が限られ、競争原理が働かないため費用が高止まり します。また、一度修理してもまた別の箇所が壊れるという「もぐら叩き状態」に陥る事例もあります。
上記のような状況に直面してから動き始めると、移行先の選定を急ぐことになり、最適でないサービスを選んでしまうリスクがあります。
したがって、保守費用が上がり始めた時点で、移行の比較検討を始めることをお勧めします。

小規模企業向けクラウドPBXおすすめ比較10選!失敗しない選び方とコスト削減の秘訣
メリットや注意点、選び方のポイントを押さえつつ、小規模企業向けおすすめクラウドPBX10選を詳しく解説
詳しくはこちらビジネスフォンの移行に関するよくあるご質問(FAQ)
A
原則として、リース契約の途中解約は可能ですが、残債の一括支払いが求められます。たとえばリース残期間が24ヶ月、月額20,000円であれば48万円の残債が発生します。
ただし、残債をクラウドフォン移行後のランニングコスト削減効果と比較した場合、早期乗り換えが総コストで有利になるケースもあります。リース満了まで待てる場合は待つのが理想ですが、ISDN廃止や故障リスクが高い場合は、残債を含めたコスト試算のうえで判断することをお勧めします。
A
クラウドフォンへの切り替えは、従来のビジネスフォン工事と比べて業務停止時間が短い傾向があります。番号ポータビリティ(既存の電話番号を引き継ぐ手続き)が完了すれば、切り替え当日の停止は数時間〜半日程度が一般的です。
多くの場合、夜間や土日の工事を選択することで、平日の業務への影響を最小化できます。事前に担当業者と「業務への影響が最小になる切り替えタイミング」を相談しておくことが重要です。
A
ナンバーポータビリティ(番号持ち番制度)を利用することで、現在使っている電話番号をそのままクラウドフォンに引き継ぐことが可能です。
ただし、0AB〜J番号(03、06などの市外局番から始まる番号)に限られており、フリーダイヤル(0120/0800)や特定の番号は別途手続きが必要な場合があります。
また、番号ポータビリティの手続き期間は、一般的に数週間程度かかる場合があるため、スケジュールに余裕を持って進めることが大切です。
まとめ
本記事では、ビジネスフォンからクラウドフォンへの乗り換えを検討すべきタイミングを5つのサインとともに解説してきました。
設備の年数・リース契約・ISDN廃止・テレワーク対応・修理費高騰——といったチェック項目に一つでも当てはまるなら、早めに情報収集を始めることが、結果的にコストとリスクの両方を下げることにつながります。
移行後の稼働まで最短2〜3ヶ月かかることを踏まえ、余裕を持って動き出しましょう。
この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
WizCloud編集部メンバーが執筆・更新しています。 Web関連、デジタル関連の最新情報から、店舗やオフィスの問題解決に使えるノウハウまでわかりやすくご紹介します!