【完全ガイド】クラウドPBX導入の基本!メリット・成功事例も紹介

「クラウドPBXの導入って難しそう」
「クラウドPBXの費用相場はいくら?」
「どんなメリットがあるの?」


維持費の高騰やリモートワーク対応など、従来の固定電話にありがちな課題を解決できるクラウドPBX。

しかし、「導入方法が複雑そう」「導入で何が変わるの?」「結局高くつくのでは?」といった疑問も尽きないはずです。

本記事では、クラウドPBX導入のメリットや注意点、導入手順、そして具体的な費用相場までを分かりやすく解説します。

業種別の成功事例も紹介しているので、ぜひ導入検討の参考にしてください。

▼この記事で紹介している商品

クラウドPBXとは?仕組みや違い(構成図付き)

クラウドPBXとは?仕組みや違い

クラウドPBXとは「インターネット経由で提供される電話システム」

クラウドPBXとは、 インターネットを介して提供される革新的な電話システム です。

従来の固定電話のように物理的な回線設備を必要とせず、クラウド上で管理されるため、柔軟性が高く、コスト効率に優れています。

導入も迅速で、初期費用を抑えられるため、大企業だけでなく、小規模事業者や個人事業主にも親和性が高いシステムといえるでしょう。

クラウドPBXの特徴
  • PBX機器の購入や設置工事といった初期費用が不要
  • 利用者数や機能の増減に合わせた柔軟なプラン変更が可能
  • スマートフォンやPCなど、様々なデバイスから利用できる
さっそく導入手順を見る

【構成図】クラウドPBXとは?仕組みやメリット・デメリット

クラウドPBXについて、仕組みや機能、メリット・デメリットを解説し、おすすめサービスを13選を徹底比較します!

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クラウドPBXが注目されている背景

クラウドPBXは、 テレワーク時代の到来、NTTアナログ回線の廃止、そしてDX推進 という3つの大きな流れを受けて、急速に普及しています。

場所を選ばず利用できる柔軟性、初期費用の低さ、そしてビジネスの効率化に貢献する機能の充実など、多くのメリットを企業にもたらしているためです。

特に、テレワーク時代の到来により、クラウドPBXはもはやビジネスに欠かせないツールとなりつつあります。

NTTアナログ回線の廃止とは?

NTTは、2024年1月からアナログ回線(INSネット、マイラインなど)の提供を段階的に終了し、IP網への移行を進めています。これに伴い、多くの企業が従来の電話システムからクラウドPBXへの移行を検討しています。

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クラウドPBXの仕組み

クラウドPBXは インターネットを通じて、音声データをデジタル信号に変換し、クラウド上のサーバーで処理 します。

物理的な回線機器が不要になるため、新しい内線番号の追加もクリック一つで完了するなど、柔軟な拡張が可能になります。

また、複数のデータセンターで冗長化されたシステム(※)を採用している場合が多く、災害発生時でもサービスの継続性が高いです。

冗長化されたシステムとは

冗長化されたシステムとは、システムの特定の部品や機能が故障した場合でも、他の部品や機能がその役割を代行し、システム全体が停止することなく稼働し続けるように設計されたシステムのことです。

【構成図】クラウドPBX仕組みって?IP電話との違いも解説

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クラウドPBXの主要な機能

内線通話 社内での通話を、インターネット回線を利用して実現
外線通話 電話発信・着信を、インターネット回線を利用して実現
転送 着信を別の内線や外線に転送する
保留 通話を一時的に保留する
留守番電話 留守中の電話を録音する
通話録音 通話内容を録音し、品質管理や記録として活用
共通電話帳 社員全体の電話帳を共有する
IVR(自動音声応答) 自動音声で問い合わせに対応し、適切な部署に転送
CTI(顧客情報表示) 電話着信時に顧客情報を表示し、スムーズな対応を支援
スマートフォン連携 スマートフォンをビジネスフォンとして利用できる
Web会議システム連携 電話会議とWeb会議をシームレスに連携できる
CRM/SFA連携 顧客情報管理システムや営業支援システムと連携し、顧客情報をリアルタイムに確認しながら対応できる
AIによる通話分析 AIによる通話分析で、通話品質の向上や営業の効率化を実現
多拠点連携 複数の拠点間で、あたかも一つのオフィスのように利用

クラウドPBXと従来ビジネスフォンとの違い

クラウドPBXと従来型PBXの 最大の違いは、その管理方法にあります

従来型PBXが物理的な機器を必要とするのに対し、クラウドPBXではサービスが全てインターネット経由で管理されます。

拡張性の高いクラウドPBXなら、最新機能の自動アップデートにより、常に最新のサービスを享受することも可能です。

クラウドPBXと従来型PBXの比較表​​​​​​

  クラウドPBX 従来型PBX
仕組み インターネット上でサービスを提供。物理的な機器は不要。 自社内にPBX機器を設置。
導入方法 インターネット回線さえあれば、すぐに利用開始可能。 PBX機器の設置、配線工事が必要。
初期費用 比較的低コスト。 機器購入、設置工事費など、高額な初期費用がかかる。
運用コスト 利用状況に応じた従量課金制の場合が多い。 機器の保守費用、回線費用など、固定費がかかる。
拡張性 柔軟に機能を追加・変更可能。 機器の増設や設定変更が必要。
場所 インターネット環境があれば、どこからでも利用可能。 設置場所が限られる。
災害時 データセンターで管理されているため、サービス継続性が高い。 機器が故障すると、サービスが中断する可能性がある。

クラウドPBXとIP-PBXやFMCとの違い

クラウドPBX、IP-PBX、FMCは、いずれも従来のアナログPBXに代わる新しい電話システムですが、それぞれ特徴や仕組みが異なります。

機能 クラウドPBX IP-PBX FMC
サーバー
設置場所
クラウド上 自社内 通信事業者のネットワーク
導入方式 SaaS型(ソフトウェア・アズ・ア・サービス) 自社設置型 通信事業者との契約
特徴 柔軟性が高く、初期費用を抑えられる 自社でシステムを管理できる スマートフォンを内線化できる
メリット 導入が簡単、スケールしやすい、最新機能が利用できる システムのカスタマイズが可能、セキュリティが高い スマートフォン1台で内線・外線が利用できる
デメリット インターネット環境に依存する、通信事業者に依存する 初期費用が高い、専門知識が必要 通信事業者に限定される

IP-PBXとは

IP-PBXは、 自社でサーバーや機器を設置し、IPネットワーク上で電話システムを構築する方式 です。

柔軟なカスタマイズが可能な反面、初期費用や運用コストが高く、専門知識が必要になる点がデメリットです。

機器の設置や管理、トラブル発生時の対応など、自社で行う必要があるため、人的な負担も大きくなります。

FMCとは

FMCは、 固定電話と携帯電話の機能を統合し、スマートフォンを内線電話のように利用できるサービス のことです。

スマートフォン1台で内外線を完結できる反面、「キャリアの統一が必要」「転送機能がない」といった点に注意が必要です。

独自の転送機能をもつクラウドPBXと組み合わせてFMCを利用することで、より効率的な電話環境を実現できます。

POINT

オフィス環境の変化に対応するためには、クラウドPBXがおすすめです。IP-PBXのように自社で機器を管理する必要がなく、FMCよりも機能が豊富で拡張性も高いので、ビジネスの成長に合わせて柔軟に利用できます。

クラウドPBX導入のメリット

クラウドPBX導入のメリット
導入メリット
  • コスト削減
  • 務効率化による利益率向上

  • 柔軟な働き方による従業員満足度の向上
  • 柔軟性・拡張性
  • セキュリティ対策の強化
  • 災害対策

コスト削減

クラウドPBXは、 初期費用からランニングコスト、保守・運用コストまで、多岐にわたってコスト削減を実現 します。

企業の規模を問わず、経営の安定化を図りながら、ビジネスに集中できる環境を提供してくれるサービスと言えるでしょう。

 point1.  初期費用の大幅削減

従来のPBXのように、高価なハードウェアを購入したり、専門業者による設置工事を行う必要がありません。

必要なのはインターネット環境だけなので、初期投資を抑え、スムーズに導入を開始できます。

 point2.  柔軟なランニングコスト

クラウドPBXは、通話量や機能の利用状況に合わせて費用を調整できる月額制のため、無駄なコストを削減できます。

また、通話料金も従来のPBXと比較して安く抑えられるケースが多く、ランニングコストの削減につながります。

 point3.  保守・運用コストの削減

システムの更新やトラブル対応など、煩わしい保守・運用作業はサービス提供者が行います。

自社で専門のIT担当者を配置する必要がないため、人件費や時間的なコストを大幅に削減できます。

業務効率化による利益率向上

クラウドPBXを導入することで、企業は業務を大幅に効率化し、ひいては利益率の向上を実現できます。

具体的には、 内線通話無料化によるコスト削減、IVRによる顧客対応の自動化、CTIによる営業活動の効率化など が挙げられます。

これにより、人件費削減、顧客満足度向上、営業活動の活性化といった効果が期待でき、最終的に企業の収益力強化につながるのです。

柔軟な働き方による従業員満足度の向上

クラウドPBXは、現代の働き方改革を強力に支援し、従業員の満足度向上に大きく貢献します。

場所を選ばず、スマートフォンやPCでオフィス電話を利用できるため、リモートワークやフレックスタイム制の導入もスムーズです。

従業員は 通勤時間や場所の制約から解放され、自分にとって最適な環境で仕事に取り組むことができる ようになります。

編集部

従業員のワークライフバランス改善につながり、企業の生産性向上や人材の定着率向上にも貢献します。

柔軟性・拡張性

従来のPBXでは、回線数の増減や機能の追加に時間がかかり、コストも高額になることがありました。

クラウドPBXなら、インターネット環境さえあれば、いつでもどこでも利用できるので、 企業の成長に合わせて柔軟にシステムを拡張することも可能 です。

具体的な特徴
  • スケーラビリティ: 事業規模の変化に応じて、簡単に回線数を増減できる
  • 機能拡張: 新しい機能やサービスが追加される場合でも、迅速に対応できる
  • リモートワーク対応: 在宅勤務やリモートワークの導入をスムーズに行える

編集部

クラウドPBXの導入は、企業の成長を阻むことなく、常に最適な通信環境を提供し続けるために不可欠な選択肢と言えるでしょう。

セキュリティ対策の強化

最新のクラウドPBXサービスは、 強固なセキュリティ対策が施されているため、情報漏洩やハッキング等のリスクにおいても安心して利用できます

高度な暗号化技術や多要素認証により、データの安全性が確保されている他、定期的なアップデートで常に最新の脅威にも対応しています。

とはいえ、利用者側でも適切なパスワード管理など、基本的なセキュリティ対策を怠らないことが大切です。

自社でできるセキュリティ対策
  • 提供業者がどのようなセキュリティ対策を行っているか確認する
  • サービスのアップデート情報をこまめに確認し、最新の状態に保つ
  • パスワードに加えて、ワンタイムパスワードなど、多要素認証を利用する ​​​​

災害対策

災害発生時、通信インフラが寸断されると、企業活動に大きな影響を与えます。

クラウドPBXは、 データがクラウド上に保存されるため、オンプレミス型のPBXと比較して、災害時の復旧が容易 です。

インターネット環境さえあれば、スマホやPCから発着信が可能になり、業務継続をサポートします。

また、クラウド上のデータはバックアップが常時行われているので、データ復旧のスピードも速く、事業への影響を最小限に抑えられます。

クラウドPBX導入で注意すべきデメリットと対策

クラウドPBX導入で注意すべきデメリットと対策
注意すべきデメリット
  • 通信環境による通話品質の変動
  • 電話番号やFAXの引き継ぎ問題
  • 緊急通報(110/119)に対応していない場合がある

通信環境による通話品質の変動

クラウドPBXの 通話品質は、インターネット回線の状態に大きく左右されます

例えば、混雑時のカフェのWi-Fiのように、不安定な通信環境では音声が途切れたり、遅延が生じたりする可能性があります。

最新の技術では、通信品質の変動を最小限に抑える工夫がなされていますが、導入前に、通信速度やパケットロスなどを確認しておきましょう。

編集部

特に個人事業主の場合、自宅や外出先での利用が多くなるため、安定した通信環境の確保が重要です。

 対策 

  • 光回線など、安定した高速なインターネット回線を利用する
  • モバイル回線と連携する(外出先でも安定した通話品質を確保できる)
  • VPNを利用する(より安定した通信環境を実現できる)

電話番号やFAXの引き継ぎ問題

多くの企業にとって、長年使用してきた番号は貴重な資産ですが、 全てのクラウドPBXが番号ポータビリティに対応しているわけではありません

FAXについても、デジタル化への移行が必要な場合があるため、導入前に番号の引き継ぎ対応があるかを慎重に調べましょう。

番号変更が避けられない場合は、顧客への周知期間も考慮に入れる必要があります。

 対策 

  • 現在の電話番号を引き継げるか、事前にサービス提供者に確認する
  • FAX機能があるか、連携できるか事前に確認する

緊急通報(110/119)に対応していない場合がある

クラウドPBXは便利ですが、緊急通報(110番や119番)には対応していない点に注意が必要です。

これは、クラウドPBXが 仮想的な電話システムであるため、物理的な位置情報と紐づいていないことが原因 です。

固定電話や携帯電話との併用、または緊急通報対応機能を持つクラウドPBXの選択を検討しましょう。

 対策 

  • 緊急通報に対応しているサービスを選ぶ
  • 緊急時には、携帯電話を利用するようにする

クラウドPBXの失敗例7選!導入成功のための事前確認ポイントを解説

クラウドPBXにおける導入の失敗事例を中心に、具体的な対処法なども交えて、わかりやすく解説していきます。

詳しくはこちら

クラウドPBXの活用シーン

クラウドPBXの活用シーン

コールセンター

クラウドPBXの IVR機能により、複雑な顧客対応を自動化し、オペレーターの負担を軽減 できます。

また、多様な顧客に対応するための豊富なIVRシナリオを柔軟に設定可能です。

【導入事例】コールセンター

従来の課題
顧客からの問い合わせ対応が遅延し、顧客満足度が低下していた。
複数の拠点間での情報共有がスムーズに行えず、業務効率が低下していた。
システム障害発生時の復旧に時間がかかり、ビジネスに大きな影響を与えていた。

改善後の成果
クラウドPBX導入により、問い合わせ対応の迅速化を実現し、顧客満足度が向上した。
複数の拠点間でのリアルタイムなコミュニケーションが可能となり、業務効率が大幅に改善された。
クラウド上のデータバックアップにより、システム障害発生時の復旧時間が短縮され、ビジネスへの影響を最小限に抑えられるようになった。

参考:兼松コミュニケーションズ株式会社│BIZTEL

​​​コワーキングスペース

入居者に専用の電話番号を提供することで、 プロフェッショナルな印象を与え、ビジネスの発展をサポート します。

また、入居者の増加や退去に柔軟に対応できるため、スペースの運営効率化に貢献します。

【導入事例】コワーキングスペース

スタートアップ企業向けスペース
■内線機能を活用し、企業間の連携を強化。
■受付業務を自動化するIVR機能を導入し、スタッフの負担を軽減。
■各企業に専用の電話番号を割り当て、顧客からの問い合わせ対応を効率化。


フリーランス向けのシェアオフィス
■電話転送機能を活用し、外出先でも顧客対応が可能に。
■会議室に設置した電話機で、複数の参加者と同時に通話できる。
■フリーランスに専用の電話番号を提供し、プロフェッショナルな印象を与える。

多拠点展開

クラウドPBXは、 複数の拠点間をシームレスに接続し、内線化 することで、まるで一つのオフィスのようにコミュニケーションを円滑化します。

また、拠点間の転送や会議システムとの連携も容易です。

【導入事例】多拠点展開

従来の課題
在宅勤務者の増加に伴い、電話対応が複雑化し、業務に支障が出ていた。
従来のPBXの保守期限切れに伴い、新しいシステムへの移行が必要であった。
東京と大阪のオフィス間で電話のやり取りがスムーズに行えず、業務効率が低下していた。

改善後の成果
フルクラウド型で導入し、初期費用を抑えることができた。
クラウドPBXへの移行により、最新のシステム環境へ移行できた。
スマートフォンとの連携により、在宅勤務者もスムーズに電話対応が可能になった。
内線機能を活用し、東京と大阪のオフィス間でのコミュニケーションが円滑になった。
管理画面での簡単な設定変更により、人員異動などにも柔軟に対応できるようになった。

参考:BCC株式会社│ボイスクロス

失敗しない!クラウドPBX導入時の確認ポイント

失敗しない!クラウドPBX導入時の確認ポイント
確認ポイント
  • トータルコストはいくらか
  • 導入・運用サポートが充実しているか
  • 1ユーザーから柔軟に契約できるか
  • 現在の電話番号を引き継げるか
  • 音質や使い心地に問題がないか
  • 必要な機能やオプションが利用可能か

トータルコストはいくらか

クラウドPBXの導入コストは、ベンダーや利用状況によって大きく変動します。

初期費用だけでなく、 月額料金やオプション料金なども考慮し、トータルコストを比較検討することが重要 です。

一見安価なプランでも、必要な機能を追加すると高額になる場合があるため、自社の利用状況を顧みて選びましょう。

導入・運用サポートが充実しているか

企業内に専門の人材がいない場合、ベンダーのサポート体制が万全かどうかで、導入の成否が大きく左右されます。

導入前の説明はもちろん、 導入後の操作方法やトラブル対応まで、丁寧なサポートを提供してくれるベンダーを選びましょう

具体的には、料金体系の説明がわかりやすい、導入後のサポートが充実している、といった点をチェックすることがおすすめです。

1ユーザーから柔軟に契約できるか

クラウドPBXを提供するベンダーは数多くありますが、契約形態は様々です。

1ユーザー単位で契約できる柔軟なプランもあれば、 最低利用人数が設定されている場合も あります。

個人事業主のように少人数で利用する場合は、1ユーザー単位の契約がコストパフォーマンスに優れていることが多いです。

現在の電話番号を引き継げるか

クラウドPBX導入時に、現在の電話番号を引き継げるか確認することが重要です。

市外局番、050番号、フリーダイヤルといった 一般的な番号は利用できますが、サービスによっては引き継ぎができない 場合があります。

特に「完全クラウド型PBX」では制限があるケースが多いので、利用したい電話番号がそのまま使えるか、必ずベンダーに確認しましょう。

編集部

NTTで取得したアナログ回線ひかり回線の電話番号、またはMNPで移行した番号は、多くの場合引き継ぎが可能です。

クラウドPBXで電話番号をそのまま使う方法

クラウドPBXで電話番号を引き継ぐ方法は、利用中の電話番号の種類や、選択するクラウドPBXサービスによって異なります。

それぞれのケースに合わせた適切な方法を選び、スムーズな移行を進めましょう。

利用中番号 電話番号を引き継ぐ方法
市外局番 一般的に、VoIPゲートウェイを設置して、既存の電話回線をクラウドPBXにつなぐ方法が採用されます。ただし、市外局番の種類やクラウドPBXの種類によっては、移行できない場合があります。
IP電話番号 電話回線を使わないため、クラウドPBXの種類を選びません。ただし、IP電話番号自体が移行できないケースも多いため、事前に確認が必要です。
フリー
ダイヤル
クラウドPBXに代表番号を紐づけることで、引き続き利用できます。代表番号も一緒に移行したい場合は、機器設置型のクラウドPBXを選ぶと良いでしょう。

音質や使い心地に問題がないか

クラウドPBXの 通話品質は、ベンダーが使ってる技術や通信の状況によって大きな差があります

総務省が定めたIP電話の品質基準では、音質が優れた順にA、B、Cの3つのクラスに分類されており、Aクラスが最も高品質です。

契約前に、提供会社の通話品質のランクを確認し、可能であればトライアルで実際に音質を確認することをおすすめします。

編集部

ノイズのないクリアな音声は、お客様との信頼関係を築くために重要です。

必要な機能やオプションが利用可能か

クラウドPBXの導入を検討する際、自社に必要な機能やオプションが利用できるかを事前に確認することは非常に重要です。

ベンダーによって提供される機能や連携できるサービスは様々であり、 導入後に「使いたい機能がない」という事態を避けるため です。

まず、実際にクラウドPBXを使用する従業員にどのような機能が必要かをヒアリングし、その上でベンダーに確認しましょう。

クラウドPBXの導入に必要なもの

クラウドPBXを導入する際、最低限必要なものは、 インターネット環境、専用アプリ、そして電話機として使用するスマートフォンやパソコン です。

従来のビジネスフォンのように、複雑な配線工事は不要なので、契約後すぐに利用を開始できます。

ただし、導入するサービスによっては、光回線やVoIPゲートウェイなどの追加機器が必要になる場合があります。

また、どのサービスを利用するかによって必要なものが異なるため、導入前に必ず提供元のメーカーに確認するようにしましょう。

必ず必要なもの

  • インターネット環境: 光回線など
  • 電話機: スマートフォン、パソコンなど
  • 専用アプリ: スマートフォンやパソコンにインストール

サービスによって必要な場合があるもの​​​​​​

  • VoIPゲートウェイ
  • 光回線(ひかり電話)

クラウドPBXの導入手順

クラウドPBXの導入手順

導入前の準備

クラウドPBX導入前の準備として、 電話機として使用するスマートフォンやパソコンを用意 しましょう。また、インターネット環境も確認が必要です。

既存の回線を利用できる場合もありますが、サービスによっては新しい回線が必要になるため、事前に提供元に確認してください。

導入手順のステップ

  1. STEP.1

    サービス選定・問い合わせ

    ■複数のクラウドPBXサービスを比較し、自社のニーズに合ったサービスを選ぶ。
    ■選んだサービスの提供元に、見積もりを依頼する。
    ■既存の電話番号を引き継ぎたい場合は、その旨を伝えて、可能性を確認する。

  2. STEP.2

    申し込み

    ■見積もり内容に合意し、サービス提供元と契約を締結する。
    ■必要であれば、新しいインターネット回線を契約しましょう。

  3. STEP.3

    電話番号選択

    ■提供される電話番号の中から、希望の番号を選択する。
    ■既存の電話番号を引き継ぎたい場合は、番号ポータビリティの手続きを行う。

  4. STEP.4

    利用開始

    ■必要に応じて、VoIPゲートウェイなどの機器を設置する。
    ■スマートフォンやパソコンに、専用アプリをインストールする。
    ■アプリの設定を行い、利用を開始する。
    ■従来のビジネスフォンやPBXは、適切な方法で処分する。

導入後の設定と最適化

クラウドPBXを導入後、 最大限にその機能を活用するためには、適切な設定と継続的な最適化が不可欠 です。

まず、内線番号や転送設定、IVR(自動音声応答)など、業務に合わせた基本設定を行いましょう。

その後、利用状況を分析し、通話品質の改善やコスト削減につながる設定を見直します。

例えば、通話量の多い時間帯に帯域幅を調整したり、利用頻度の低い機能を停止したりすることで、運用を効率化できます。

編集部

導入後、クラウドPBXを最適化していくには、ベンダーのサポート体制も重要です。何か困ったことがあれば、気軽に相談できる体制が整っているか確認しましょう。

クラウドPBXの導入事例

クラウドPBXの導入事例

事例1.外出先でも電話対応可能

 導入企業  株式会社ジェイアイエヌ2

導入前の課題

  • 従業員数が少なく、全員が外出することが多かった。
  • 事務所に誰もいない時間が多く、電話対応が困難だった。
  • 電話対応のためアルバイトを雇うことを検討したが、人件費が負担であった。

導入効果

  • アルバイトを雇う必要がなくなったため、人件費を削減できた。
  • 会社代表番号で発信できるようになったため、顧客からの信頼感が向上した。
  • 営業担当者が直接電話に対応できるようになったため、営業チャンスを逃すことがなくなった。

参考:株式会社ジェイアイエヌ27|MOT/PBX

事例2.FAX不要、テレワークも快適

 導入企業  大阪市 財政局税務部管理課管理グループ

導入前の課題

  • 感染症拡大など、緊急事態発生時の業務継続に不安があった。
  • FAX機器の保守費用、用紙・トナーなどの消耗品費がかさんでいた。
  • FAXは固定電話機に紐付けられており、テレワーク環境での利用が困難だった。

導入効果

  • 従来のFAX業務を効率化し、業務生産性の向上に貢献。
  • 機器や消耗品のコストを削減し、大幅なコストカットを実現。
  • 定額制のオプションを利用することで、通信コストを予測しやすくなった。
  • インターネット環境があればどこからでもFAX送受信が可能になり、テレワーク環境を整備できた。

参考:大阪市 財政局税務部管理課管理グループ|03plus

事例3.電話番号そのまま移行

 導入企業  有限会社ヒキダス

導入の背景

事務所移転に伴い、電話番号を変更せずに従来の電話番号を引き継ぎ、リモートワーク環境下でもスムーズな電話対応を実現したいというニーズがありました。

導入前の課題

  • リモートワーク環境下での電話対応の難しさ
  • 小規模企業ならではの電話対応に関する課題
  • 事務所移転に伴う電話番号変更の手続きの煩雑さ

導入効果

  • 音質や安定性も良好で、ストレスなく利用できている。
  • 顧客への安心感につながり、企業イメージの向上に貢献している。
  • 従来の電話番号を継続利用可能になり、お客様への周知の手間が省けた。
  • リモートワーク環境下でも、どこからでも会社の電話番号で電話対応が可能になり、業務効率が向上した。

担当者の声​​​​

「UNIVOICE Essential」を導入して、リモートワーク環境下でも安定した電話対応が可能になり、非常に満足しています。従来の電話番号を継続利用できる点も大きなメリットです。特に、外出先からでも会社の電話番号で電話に出られるようになったことで、顧客からの信頼感が高まったと感じています。

インタビュー記事をもとに、Wiz Cloud編集部が編集

参考:有限会社ヒキダス|TramOneCloud

事例4.転送電話の煩わしさ解消

 導入企業  株式会社イノセンス

導入の背景

イノセンス社は、事業拡大に伴い、 従来の家庭用電話機と転送電話による電話対応に限界を感じ ていました。

特に、転送電話の「ププッ」という通知音や、時間外の電話対応の難しさ、そして顧客からの印象を考慮し、より効率的で柔軟な電話システムを求めていました。

導入前の課題

  • 時間外の電話対応が困難
  • 家庭用電話機と転送電話による電話対応
  • 電話の取り次ぎが煩雑で、業務効率が低下
  • 転送電話の通知音が煩わしく、顧客への印象が悪くなる

導入効果

  • 同時に複数の電話に対応でき、電話の取り次ぎがスムーズになった。
  • オフィスにいなくても、スマートフォンで会社番号の電話を受けることができる。
  • 「ププッ」という通知音がなくなり、どこからでも会社番号で通話できるようになった。

担当者の声​​​​

OFFICE PHONEは、私たちの会社のような中小企業でも導入しやすい価格で、テレワークにも対応できる点が魅力です。特に、転送電話の煩わしさが解消され、どこからでも会社番号で通話できるようになったのは大きなメリットですね。社員からも好評で、業務効率が格段に向上しました。

インタビュー記事をもとに、Wiz Cloud編集部が編集

参考:株式会社イノセンス|OFFICE110

事例5.店舗電話を廃止、効率化

 導入企業  株式会社ウェルパーク

導入の背景

ウェルパークは、141店舗のドラッグストアを運営しており、各店舗に固定電話を設置していました。

しかし、スタッフの不在時などに電話に対応できず、顧客満足度や業務効率が低下。

また、 複数の電話サービス契約により、管理が煩雑でコストも高額 という課題を抱えていました。

導入前の課題

  • 高額な電話料金
  • 顧客満足度の低下
  • 多様な電話サービス契約による管理の煩雑さ
  • 店舗スタッフの不在による電話対応の遅延や取りこぼし

導入効果

  • かけ放題オプションの活用により、電話料金を従来の1/3に削減
  • ウェブ管理画面からオプション設定が簡単に行え、管理業務の効率化を実現。
  • 必要に応じてインターネットFAX機能を追加でき、新店オープン時の対応もスムーズ。
  • どこでも電話に対応できるようになり、電話対応の遅延や取りこぼしが減少。顧客満足度向上につながった。

担当者の声​​​​

03plusを導入して、店舗間の電話サービスを統一し、コストを大幅に削減できました。スタッフもスマートフォンで簡単に電話対応できるようになり、顧客満足度も向上しています。ウェブ管理画面での操作も簡単で、管理業務の負担も軽減されました。今後は、通話録音オプションの導入も検討し、より一層のサービス向上を目指したいと考えています。

インタビュー記事をもとに、Wiz Cloud編集部が編集

参考:株式会社ウェルパーク|03Plus

クラウドPBXの料金内訳と費用相場

クラウドPBXの料金内訳と費用相場

クラウドPBXの料金内訳と費用相場

クラウドPBXの料金は、初期費用、月額基本料、通話料、本体費用、オプション料金の5つで構成されています。

(1)初期費用

サーバー構築やインターネット回線など、導入時にかかる費用です。

一般的に1万円~5万円程度と、従来のPBXに比べて安価に導入できます。

(2)月額基本料

内線数やユーザーライセンス数に応じて変動する、毎月固定で発生する費用です。

1回線あたり1,500円~2,500円程度が相場です。

(3)通話料

クラウドPBXを経由して通話する際に発生する費用です。

固定電話、フリーダイヤル、携帯電話など、相手先によって料金が異なります。

一般的に、固定電話が3分8円前後、携帯電話が1分15円前後が相場です。

(4)本体費用

クラウドPBXに接続する電話機の購入費用です。

1台あたり3万円~5万円程度が一般的ですが、既存の電話機を流用したり、スマートフォンを併用することでコストを抑えられます。

(5)オプション料金​​​​​​

自動録音、IVR(自動音声応答)、電話会議など、付加機能を利用する際に発生する費用です。

機能によって料金は異なりますが、一般的に月額2,000円~3,000円程度が相場です。

コストを最適化するには?

クラウドPBXのコストを最適化するには、以下の点を検討することが重要です。

  1. 必要な機能の見直し
    実際に利用する機能を洗い出し、不要な機能は契約から外すことでコストを削減できます。
  2. 利用状況の分析
    通話量や利用時間帯などを分析し、料金プランを見直すことで、無駄なコストを削減できます。
  3. プロバイダーの比較
    複数のプロバイダーの料金プランを比較し、自社のニーズに合った最適なプランを選びましょう。
  4. 内線電話の活用
    内線電話は、通常無料のため、外部への電話を減らすことで通話料金を削減できます。
  5. オプションサービスの検討
    自動応答システムや電話会議システムなど、必要なオプションサービスのみを契約することで、コストを抑えられます。

編集部

クラウドPBXの導入を検討する際は、初期費用だけでなく、ランニングコストも含めて総合的に比較検討しましょう。

クラウドPBXサービスおすすめランキング5選【料金比較表あり】

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料金比較一覧表

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  CLOUD PHONE トビラフォンCloud モバビジ モッテル ひかりクラウドPBX
初期費用
(税込)
無料 33,300円~(2/ID) 要問合せ (1) 32,780円~(20/ID)
(2) 48,400円~(40/ID)
(3) 107,800円~(100/ID)
(1) 8,250円~(10/ID)
(2) 8,250円~(20/ID)
(3) 8,250円~(30/ID)
月額料金
(税込)
■1アカウント:770円
■管理システム:7,150円
+えらべる番号料金
・050番号:330円
・市街局番:1,100円
・0120番号:2,200円
3,300円~(2/ID) 要問合せ (1) 5,478円(20/ID)
(2) 11,000円(40/ID)
(3) 46,200円(100/ID)
(1) 11,000円~(10/ID)
(2) 20,900円~(20/ID)
(3) 27,500円~(30/ID)
対応できる
導入規模
個人事業主~中小企業 個人事業主~中小企業 中小企業 個人事業主~大企業 中小企業~大企業
利用可能な
電話番号
■市外局番
※全国14都道府県
■050番号
■0120番号
■市外局番
■050番号
■0120番号
■0ABJ番号 ■050番号
■0120番号
■0800番号
■市外局番
■市外局番
通話品質
拡張性
API連携
セキュリティ
管理の容易さ
機能 IVR機能
通話録音機能
複数の番号契約
複数の番号契約
SMSの自動送信
スマホで内線通話
外出先への転送電話
スマホで会社番号受発信
ステータス設定
ユーザーの状態表示
電話番号の使い分け
ナンバーポータビリティ
発信元の電話番号を特定
迷惑電話フィルタリング
紛失時電話ロックアウト

など
保留転送
着信、発信
着信優先機能
クラウド電話帳
音声ガイダンス
テキストチャット
など
受付システム
クラウド電話帳
スケジュール設定
チャット、名刺管理
出退勤管理、ネットFAX
IVR、内線電話、保留転送
など
内線通話
ダイヤルイン
外線の取り次ぎ
複数番号への転送
スマートフォンの内線利用
など

CLOUD PHONE(クラウドフォン)|中小企業の導入実績豊富!

CLOUD PHONE(クラウドフォン)は、  低コストで電話番号をスピード発番できるクラウドPBX です。

従来のPBXと異なり、設備導入費用やメンテナンス費用が不要で、月額料金のみで利用できます。

導入後に発生しがちな移転や電話機の追加といった、プラスアルファの運用費も一切かかりません

さらに、ビジネスフォンよりも機能が豊富で、スマホやパソコンから会社番号に受発信できるため、外出時やテレワークにも最適です。

CLOUD PHONEとは?機能や料金を徹底解説!

工事費用0円の圧倒的低コストで、電話番号をスピード発番できる「CLOUD PHONE(クラウドフォン)」。機能や料金、導入におすすめな企業を徹底解説します。

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トビラフォンCloud|リモートワークに対応!

トビラフォンCloud(トビラシステムズ株式会社)

トビラフォンCloudは、電話業務の効率化を目指したい企業におすすめのクラウドPBXです。 業務効率化を進めるオプションが豊富に用意されています。

誰が電話対応中か一目でわかる「ステータス管理」や、誰が何件受電対応したかわかる「利用状況の可視化」を使うことで、従業員の管理が簡単に行えます。

導入規模は中小企業から大企業まで幅広く対応しており、最短翌営業日には導入できるので、クラウドPBXを迅速に導入したい場合におすすめです。
公式サイトはこちら

モバビジ|導入時のコスト0円!

モバビジ

モバビジは、 初期費用0円で業界最安値に挑戦している、いつでもどこでも使えるオフィス電話サービスです。

スマートフォンアプリでどこでも会社の電話の発着信が可能で転送不要です。電話機は新品のPanasonic製最新IP電話機がすぐに届きます。

機器が届いたらコールセンターに電話するだけで、すぐに利用できるのも魅力です。
公式サイトはこちら

モバビジとは?評判や仕組みを解説!

モバビジの特徴や、評判、メリット、デメリットなど幅広く解説していきます。

詳しくはこちら

モッテル|多機能なクラウドPBX!

MOT/TEL(モッテル)

モッテルは、20端末まで5,478円の定額制で利用できる、 業界最安値レベルの料金体系で人気の高いサービスです。

社員や拠点間の電話料金や設備費用、転送料金なども無料なほか、解約する際の違約金なども発生しません。

現在使っている電話番号が引き継げるほか、電話の利用はスマホにアプリをインストールするだけのため、キャリアに依存することなく誰でも簡単に利用できます。
公式サイトはこちら

ひかりクラウドPBX|安心のNTT品質!

ひかりクラウドPBX(NTT東日本)

ひかりクラウドPBXは、NTT東日本が提供するクラウドPBXです。 導入実績10万件超え と、数多くの企業に選ばれています。

今までのビジネスフォンやPBXと連携できるので、クラウドPBXへの段階的な移行もスムーズに行うことが可能です。

大規模な組織での利用を想定したサービスですが、安定性と信頼性を重視する個人事業主の方にもおすすめす。公式サイトはこちら

クラウドPBXおすすめ20選を比較!機能や失敗しない選び方

クラウドPBXの失敗しない選び方をもとに、おすすめサービス20選を徹底比較していきます。

詳しくはこちら

まとめ

クラウドPBXは、コスト削減や柔軟な運用を実現する革新的な電話システムです。

導入にはメリットとデメリットがありますが、適切な準備と選定をすれば多くの企業に有益なツールとなります。

通信環境や番号の引き継ぎには注意が必要なものの、スケーラビリティや高度な機能は業務効率を大きく向上させるでしょう。

自社の業務に最適なシステムを選ぶには?スムーズに移行するには?など、詳細を知りたい場合は、お気軽にお問い合わせください。  

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