目次
- クラウドPBXとは「インターネット経由で提供される電話システム」
- 個人事業主・小規模企業の電話にはクラウドPBXがおすすめ
- 個人事業主・小規模企業がクラウドPBXを導入するメリット
- 外出先など、場所を問わず会社番号の発着信ができる
- 従業員がどこにいても無料で内線通話が可能
- 転送・折り返し不要で取次ぎの手間やコストを削減できる
- 初期費用・運用コストが安い
- 契約から導入までがスピーディですぐに利用できる
- レンタルオフィスで利用できる
- 固定電話機不要でスマホやパソコンだけで電話環境を構築できる
- 会社用の携帯を契約・管理する必要がなくなる
- 充実した機能やツールで、効率的な顧客対応を実現できる
- 細かく着信ルールを設定できる
- 市外局番の電話番号を取得できて、信頼性を高められる
- 事務所移転や事業拡大にも柔軟に対応できる
- 事務所を移転しても電話番号が変わらない
- 導入サポートが充実している
- セキュリティが強固
- 音質が安定している
- 配線工事が不要で導入の手間がかからない
- 個人事業主・小規模企業がクラウドPBXを利用する際のデメリット・注意点
- 個人事業主・小規模企業の失敗しないクラウドPBXの選び方・比較ポイント
- 【比較表】個人事業主・小規模企業におすすめのクラウドPBX5選
- 個人事業主・小規模企業がクラウドPBXを導入する方法(構築方法)
- クラウドPBXに関するよくある質問
- まとめ
「個人事業主や小規模企業でもクラウドPBXは使える?」
「個人事業主や小規模のオフィスにおすすめのクラウドPBXは?」
個人事業主・小規模企業の業務用電話にはクラウドPBXがおすすめです。
クラウドPBXなら、専用機器の購入や設置工事が不要で、スマホやパソコンを使って会社の番号から発着信が可能です。
しかし、個人事業主・小規模企業がクラウドPBXを利用する際のデメリットはないのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、個人事業主・小規模企業がクラウドPBXを導入するメリット・デメリットや、おすすめサービス5選を紹介します!
目次
▼この記事で紹介している商品
クラウドPBXとは「インターネット経由で提供される電話システム」

クラウドPBXとは、 インターネットを介して提供される電話交換機システム です。
従来の固定電話のように物理的な機器や配線を必要とせず、オフィス電話の機能がすべてクラウド上で管理されるため、柔軟性が高く、コスト効率に優れています。
外出先でも会社番号での発着信が可能になるなど、ビジネスの機動性が格段に向上します。
導入~運用開始も迅速で、初期費用を抑えられるため、小規模事業者にも親和性が高いシステムといえるでしょう。
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クラウドPBXの特徴・メリット
クラウドPBXの最大の特徴は、システムの管理や提供が クラウド上ですべてが完結する 点です。メンテナンスもベンダーが対応するため、自社での手間がかかりません。
さらに、ハードウェアの設置が不要なため、機器購入や配線工事にかかる導入コストを大幅に抑えられます。回線の設定もクラウド上で管理できるため、環境の整備が容易です。
導入のしやすさや運用の手軽さ、コスト削減を考慮すると、クラウドPBXは非常におすすめです。
クラウドPBXの仕組み
クラウドPBXは 音声データをデジタル信号に変換し、インターネットを通じて送信。クラウド上のサーバーで処理 します。
物理的な回線機器が不要になるため、新しい内線番号の追加もクリック一つで完了するなど、手軽で柔軟に拡張可能です。
また、複数のデータセンターで冗長化されたシステム(※)を採用している場合が多く、災害発生時でもサービスの継続性が高いです。
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冗長化されたシステムとは
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冗長化されたシステムとは、システムの特定の部品や機能が故障した場合でも、他の部品や機能がその役割を代行し、システム全体が停止することなく稼働し続けるように設計されたシステムのことです。

クラウドPBXと従来型PBXの違い
クラウドPBX | 従来型PBX | |
---|---|---|
仕組み | インターネット上でサービスを提供。物理的な機器は不要。 | 自社内にPBX機器を設置。 |
導入方法 | インターネット回線さえあれば、すぐに利用開始可能。 | PBX機器の設置、配線工事が必要。 |
初期費用 | 比較的低コスト。 | 機器購入、設置工事費など、高額な初期費用がかかる。 |
運用コスト | 利用状況に応じた従量課金制の場合が多い。 | 機器の保守費用、回線費用など、固定費がかかる。 |
拡張性 | 柔軟に機能を追加・変更可能。 | 機器の増設や設定変更が必要。 |
場所 | インターネット環境があれば、どこからでも利用可能。 | 設置場所が限られる。 |
災害時 | データセンターで管理されているため、サービス継続性が高い。 | 機器が故障すると、サービスが中断する可能性がある。 |
クラウドPBXと従来型PBXの 最大の違いは、その管理方法にあります 。
従来型PBXが物理的な機器を必要とするのに対し、クラウドPBXは仮想の交換機をクラウド上で管理します。
拡張性の高いクラウドPBXなら、最新機能の自動アップデートにより、常に最新のサービスを享受することも可能です。クラウドPBXの便利な機能
代表番号の発着信 | すべての電話機で代表番号を使って発着信できる |
---|---|
内線通話 | 社内の電話機同士で、通話料金なしで通話できる |
保留・転送(取次ぎ) | 通話を保留し、別の電話へ転送する |
多様なデバイスの内線化 | スマホやパソコンを内線端末として利用できる |
通話録音 | 通話を録音でき、留守番電話機能としても利用できる |
顧客情報の表示(CTI) | 着信時に顧客情報が自動表示される |
外線の一斉呼び出し | 外線着信を複数の電話機で受け、応答すると他の着信音が停止する |
インターネットFAX | インターネット経由でFAXの送受信が可能 |
クラウドPBXの導入・運用コスト
月額 | 料金は契約回線数やプランによって変動。 将来的な拡張性も考慮して、最適なプランを選びましょう。 | |
基本料金 | 1,500円~2,500円/1アカウント | |
アカウント料金 | 1,000円~1,200円/1アカウント ※従業員数分のアカウントが必要。例:10人規模の会社の場合、月額料金は11,500円~(基本料金+アカウント料金) |
|
オプション | 通話録音、電話会議、IVRなど、様々なオプションが用意されている。追加しすぎると、月額料金が大幅に上がってしまうため注意が必要。 | |
通話録音 | 2,000~3,500円前後 | |
電話会議 | 3,000円前後 | |
IVR(自動音声対応) | 1,500~3,000円前後 | |
通話料金 | 社員間の内線通話や、別拠点間の通話は無料の場合が多い。外線通話も、固定電話と比較して割安な料金設定となっている。 | |
固定電話(市内) | 8.8円/3分 | |
固定電話(市外) | 8.8円/3分 | |
スマートフォン | 16円/1分 |
クラウドPBXの導入に必要なのは、インターネット環境とスマホやパソコン、IP電話機などの端末のみです。専用のハードウェアや電話回線の工事は必要ありません。
初期費用にはサーバーの設定費用や契約料が含まれ、 相場は1万円前後 です。
運用コストは月額利用料としてメーカーに支払う形で、基本料金は1ユーザーあたり 月1,500~2,000円程度が相場 です。
このほか、外線通話料やインターネット利用料が発生し、固定電話への通話は 3分8.8円が相場 となっています。
個人事業主・小規模企業の電話にはクラウドPBXがおすすめ

個人事業主・小規模企業の電話にはクラウドPBXがおすすめです。
従来のビジネスフォンはオフィス内でしか利用できず、固定電話を契約すると移転時の手間も発生します。
その点クラウドPBXなら、スマホやパソコンでも発着信が可能で、場所に縛られず柔軟に対応できます。
また、従業員が増えた際もWeb上で簡単に利用人数を変更できるため、 法人化を視野に入れる事業主にも最適 です。
個人事業主・小規模企業がクラウドPBXを導入するメリット

外出先など、場所を問わず会社番号の発着信ができる
クラウドPBXなら、インターネット環境さえあれば、 オフィスにいなくても会社の電話番号で発着信が可能です。
自宅や外出先からでも、オフィスにかかってきた着信に対応できるため、営業活動の効率化や電話の取り逃がしによる機会損失の防止、顧客満足度の向上につながります。
オフィスに縛られない働き方が実現し、生産性向上にも大きく貢献するでしょう。
従業員がどこにいても無料で内線通話が可能
クラウドPBXを導入することで、 離れた場所にいる従業員とも無料で内線通話ができるため、外線通話にかかっていた通信コストを大幅に削減 できます。
また、社員が持っているスマホを使って通話ができるため、社内連携の強化にもつながり、業務の効率化も実現するでしょう。
転送・折り返し不要で取次ぎの手間やコストを削減できる
クラウドPBXを導入することで、転送や折り返しの手間を省き、取次ぎの手間やコストを削減できます。
従来のビジネスフォンでは、外出中の担当者への転送や折り返しで追加料金が発生するほか、社員の業務負担も増えてしまいます。
クラウドPBXでは、 内線機能を活用して、外出中の社員に直接電話を取り次げるため、リアルタイムでスムーズな対応が実現 します。
このように、時間とコストの節約ができるため、限られたリソースで効率的な事業運営が求められる個人事業主や小規模企業には特におすすめです。
初期費用・運用コストが安い
クラウドPBXを導入することで、初期費用や運用コストを大幅に抑えることができます。
従来のビジネスフォンは配線の工事費に加え、主装置などの機器購入代がかかるため、数十万円以上の初期費用が必要になります。
一方、 クラウドPBXなら初期コストを数千円から数万円に抑えられる ほか、転送料金や機器のメンテナンス費用など、追加のコストも削減できます。
このように、低コストで効率的に運用できるため、資金に余裕がない個人事業主や小規模企業に最適なツールです。
契約から導入までがスピーディですぐに利用できる
クラウドPBXを導入することで、契約から利用開始までをスムーズに進められます。
従来のビジネスフォンは工事や業者の手配が必要で、導入までに1ヶ月以上かかることもありました。
一方、 クラウドPBXなら数日で設定が完了し、すぐに使い始めることが可能 です。
忙しい個人事業主や小規模オフィスでも手間をかけずに電話環境を整えられます。
レンタルオフィスで利用できる
クラウドPBXは、インターネット回線さえあればオフィス電話を構築できるため、レンタルオフィスの利用時も重宝です。
レンタルオフィスの電話サービスは高額で、別のオフィスに移転した際に使っていた番号を引き継げないこともありますが、 クラウドPBXなら低コストで通信環境を確保でき、契約や支払いの手間も省けます 。
場所に縛られずに柔軟に業務を進められるため、固定のオフィスを持たない個人事業主や小規模企業に最適です。
固定電話機不要でスマホやパソコンだけで電話環境を構築できる
クラウドPBXを導入することで、 電話機を購入することなく、スマホやパソコンだけでオフィスの電話環境を構築できます 。
これにより、外出が多い場合や、少人数で運営する事業者でも、電話番の心配なく電話対応が可能です。
会社用の携帯を契約・管理する必要がなくなる
クラウドPBXを導入することで、個人事業主や小規模企業は会社用の携帯を契約する必要がなくなります。
個人のスマホで代表番号を使った発着信ができる一方、プライベートと業務を分けるための営業時間設定機能があるため、仕事と生活のバランスも保てます。
また、 BYOD(私用端末を業務で利用)により端末購入代を削減でき 、コストの負担を軽減できる点も大きなメリットです。

編集部
顧客にプライベートの電話番号を知られずに済みます!
充実した機能やツールで、効率的な顧客対応を実現できる
クラウドPBXを導入することで、インターネットを活用した便利な機能を利用できます。
以下の機能は他のシステムでも使用できますが、 クラウドPBXに一元化することで、セキュリティリスクを軽減でき、迅速で効率的な顧客対応が可能に なります。
細かく着信ルールを設定できる
クラウドPBXを導入することで、着信ルールを細かく設定でき、業務の効率化が進みます。
例えば、「特定の日時に自動音声案内を流す」「着信を担当者別に振り分ける」など、業務内容に合わせて設定可能です。
個人事業主や少人数で運営する場合、電話対応が負担になりがちですが、 鳴り分けや自動案内を設定することで、コア業務に集中できるため大きなメリットとなります 。
市外局番の電話番号を取得できて、信頼性を高められる
クラウドPBXでは、市外局番のビジネス用電話番号を利用できるため、顧客からの信頼を得やすくなります。
個人の携帯番号を代表番号として使うと、事業者としての信頼性に不安を感じる顧客もいるため、事業専用の番号を持つことをおすすめします。
特に 個人事業主や小規模企業にとっては、信頼性の向上が取引拡大に直結する ため、市外局番を利用できるクラウドPBXは有効な選択肢です。
事務所移転や事業拡大にも柔軟に対応できる
クラウドPBXを導入することで、事務所移転や事業拡大にも柔軟に対応できます。
従来のビジネスフォンは、電話回線の工事や番号変更が必要ですが、 クラウドPBXは物理的な機器や電話線を使わないため、移転もスムーズです。
これにより、移転や拡張時の手間やコストを削減でき、事業の成長に合わせたスムーズな対応が可能となります。
事務所を移転しても電話番号が変わらない
クラウドPBXで利用できる050番号は、物理的な配線設備を要さないため、地理的な制約がなく、 オフィスの場所が変わっても番号をそのまま利用できます。
そのため、事務所移転に伴う番号変更が起きず、取引先への通知や名刺、ホームページの更新といった手間を省けます。
移転の際に電話番号が変わらないことで、顧客や取引先に対する信頼を保ち、無駄なコストや手間を削減できるといったメリットがあります。
導入サポートが充実している
クラウドPBXの多くは導入サポートが充実しているため、初めての方でも安心して利用できます。
特に、ITに詳しくない個人事業主や小規模企業では、 専門知識がなくてもサポートを受けながら設定や運用ができる点が大きなメリット です。
サポートが手厚いと、導入後のトラブルを避け、業務の効率化をスムーズに進めることができます。
セキュリティが強固
クラウドPBXを導入することで、強固なセキュリティ対策のもと安心してオフィス電話を利用できます。
通信の暗号化やアクセス制限など、 メーカーが高度な保護を施しているため、情報漏洩のリスクを軽減できます 。
さらに、データはクラウド上に安全に保管されるため、紛失や破損の心配もありません。
IT管理に不安のある個人事業主や小規模企業でも、セキュリティ対策の手間をかけずに安全な電話環境を維持できます。
音質が安定している
クラウドPBXを導入することで、安定した高音質の通話が可能になります。
特に光回線を利用したサービスを選べば、ノイズや音声の途切れが少なく、クリアな音質で通話ができます。
音声の品質はビジネスの信頼性にも影響するため、個人事業主や小規模企業にとって重要なポイント です。
快適な通話環境を整えるために、実績のあるメーカーを選ぶことが大切です。
配線工事が不要で導入の手間がかからない
クラウドPBXを導入することで、配線工事が不要になり、スムーズにオフィス電話を運用開始できます。
従来のビジネスフォンは、導入時に専門業者による配線工事が必要でしたが、 クラウドPBXはインターネット環境があれば、スマホやパソコンにソフトを入れるだけで利用可能 です。
設備投資や設置作業の負担を減らせるため、コストや手間を抑えたい個人事業主や小規模企業に最適です。

個人事業主・小規模企業がクラウドPBXを利用する際のデメリット・注意点

通話品質が不安定になる場合もある
クラウドPBXの 通話品質は、インターネット回線の状態に大きく左右されます 。
例えば、混雑時のカフェのWi-Fiのように、不安定な通信環境では音声が途切れたり、遅延が生じたりする可能性があります。
最新の技術では、通信品質の変動を最小限に抑える工夫がなされていますが、導入前に、通信速度やパケットロスなどを確認しておきましょう。

編集部
特に個人事業主の場合、自宅や外出先での利用が多くなるため、安定した通信環境の確保が重要です。
セキュリティに対する不安
最新のクラウドPBXサービスは、 強固なセキュリティ対策が施されているものの、リスクがゼロではありません 。
とはいえ、高度な暗号化技術や多要素認証により、データの安全性が確保されている他、定期的なアップデートで常に最新の脅威にも対応しています。
利用者側でも適切なパスワード管理など、基本的なセキュリティ対策を怠らないことが大切です。
特定の番号に発信できない
クラウドPBXは、110番や119番といった特殊番号に発信できない場合があります。
これは、 クラウドPBXが仮想的な電話システムであるため、物理的な位置情報と紐づいていないことが原因 です。
固定電話や携帯電話との併用、または緊急通報対応機能を持つクラウドPBXの選択を検討しましょう。
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▶クラウドPBXでかけられない番号
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・「110」警察への緊急通報
・「113」設定・トラブルサポート
・「115」電報の申し込み
・「117」時報
・「118」海上事件・事故の緊急通報
・「119」消防・救急への緊急通報
・「144」迷惑電話お断り
・「177」天気予報
・「0570」ナビダイヤル
電話回線とのFAX連携が難しい
クラウドPBXはインターネット回線を活用したいサービスなので、 移行に伴って従来のFAX機が使えなくなるケースがあります 。
クラウドPBX導入後も引き続きFAXを利用したい場合、専用アダプターの使用や、FAX用に電話回線を残す、インターネットFAXを活用するといった方法で対応可能です。
また、インターネットFAXサービスも選択肢の一つです。事前に自社のFAX利用状況を確認し、適した対策を講じることで、業務への影響を最小限に抑えられます。
電話番号が引き継げず、変わる可能性がある
クラウドPBXのサービスによっては、現在の固定電話番号を引き継げない場合があります。
会社の電話番号は取引先や顧客との信頼関係に関わる重要な要素で、変更となると周知や名刺・ホームページの修正に手間がかかります。
導入時には、 番号ポータビリティ対応のサービスを選ぶ か、 早めに新番号の告知を行う など、影響を最小限に抑える対策が必要です。
毎月のコストがかさむ
クラウドPBXは多くの場合、月額制の料金プランが採用されており、継続的にランニングコストが発生します。
料金はメーカーによって異なりますが、 基本料金に加え、アカウント数に応じたライセンス料金が発生 し、相場は3,000〜6,000円程度です。
特に、オプションなどをつけて長期間運用すると、予想以上にトータルコストがかさむ可能性があります。
導入前に、自社の通話量や必要な機能を精査し、コストとメリットのバランスを考えた上で選択しましょう。


個人事業主・小規模企業の失敗しないクラウドPBXの選び方・比較ポイント

トータルコストが予算内であるか確認する
クラウドPBXの導入コストは、メーカーや利用状況によって大きく変動します。
初期費用だけでなく、 月額料金やオプション料金なども考慮し、トータルコストで比較検討することが重要 です。
また、一見安価なプランでも、必要な機能を追加すると高額になる場合があるため、自社の利用状況を顧みて選びましょう。
1ユーザーからの個人事業主向けプランがあるか確認する
クラウドPBXを提供する契約形態は様々です。
1ユーザー単位で契約できる個人事業主向けプランもあれば、 最低利用回線数「5回線以上」のように条件が定められている場合も あります。
無駄な回線数を契約しないためにも、個人事業主や小規模企業の場合は、1ユーザー単位の契約ができ、無駄なコストが発生しにくいプランがおすすめです。
業務に必要な機能が使えるか確認する
クラウドPBXの導入を検討する際は、自社に必要な機能やオプションが利用できるかを事前に確認しましょう。
メーカーによって提供される機能や連携できるサービスは様々なので、 導入後に「使いたい機能がない」という事態を避けることが重要です。
まず、実際にクラウドPBXを使用する従業員にどのような機能が必要かをヒアリングし、その上でメーカーに確認することをおすすめします。
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クラウドPBXに必要な機能の例
- ■基本的な機能
・内線通話: 社内での通話、部門間の連携に不可欠。
・外線通話: 外部との通話、顧客対応に利用する。
・転送: 応答できない場合の転送設定、不在時の対応に役立つ。
・保留: 通話を一時的に保留にする機能。
・留守番電話: 応答できない場合のメッセージ録音機能。
・通話録音: 顧客対応の記録や品質向上に役立つ。
■より高度な機能
・IVR(自動音声応答): 電話自動応答システムで、顧客を適切な担当者に振り分ける。
・CTI(顧客情報表示): 電話着信時に顧客情報を画面に表示し、スムーズな対応を支援。
・会議通話: 多人数での会議を電話で行う機能。
・通話記録: 通話内容を記録し、後から確認できる機能。
・モバイル連携: スマホやタブレットで、オフィスと同じように電話を利用できる機能。
・連携機能: CRMやSFAなどの外部システムとの連携機能。
現在の電話番号を引き継げるか確認する
クラウドPBX導入時は、現在の電話番号を引き継げるか確認することが重要です。
市外局番、050番号、フリーダイヤルといった 一般的な番号は利用できますが、サービスによっては引き継ぎができない 場合があります。
特に「完全クラウド型PBX」では制限があるケースが多いので、利用したい電話番号がそのまま使えるか、必ずメーカーに確認しましょう。

編集部
NTTで取得したアナログ回線やひかり回線の電話番号、またはMNPで移行した番号は、多くの場合引き継ぎが可能です。
クラウドPBXで電話番号をそのまま使う方法
クラウドPBXで電話番号を引き継ぐ方法は、利用中の電話番号の種類や、選択するクラウドPBXサービスによって異なります。
それぞれのケースに合わせた適切な方法を選び、スムーズな移行を進めましょう。
利用中番号 | 電話番号を引き継ぐ方法 |
---|---|
市外局番 | 一般的に、VoIPゲートウェイを設置して、既存の電話回線をクラウドPBXにつなぐ方法が採用されます。ただし、市外局番の種類やクラウドPBXの種類によっては、移行できない場合があります。 |
IP電話番号 | 電話回線を使わないため、クラウドPBXの種類を選びません。ただし、IP電話番号自体が移行できないケースも多いため、事前に確認が必要です。 |
フリー ダイヤル |
クラウドPBXに代表番号を紐づけることで、引き続き利用できます。代表番号も一緒に移行したい場合は、機器設置型のクラウドPBXを選ぶと良いでしょう。 |
通話品質や使用感が問題ないか確認する
クラウドPBXの 通話品質は、メーカーが使ってる技術や通信の状況によって大きな差があります 。
総務省が定めたIP電話の品質基準では、音質が優れた順にA、B、Cの3つのクラスに分類されており、Aクラスが最も高品質です。
契約前に、提供会社の通話品質のランクを確認し、可能であればトライアルで実際に音質を確認することをおすすめします。

編集部
ノイズのないクリアな音声は、お客様との信頼関係を築くために重要です。
別システムとの連携が可能か確認する
クラウドPBXを選ぶ際、別システムとの連携が可能かを確認しましょう。
連携できる機能の幅が広いほど、電話業務の効率化が進みます。例えば、CRMと連携すると、電話番号から顧客情報をポップアップ表示できます。
また、 チャットやSMSと連携すれば、スタッフのステータス変化を自動通知 し、リモートワーク時でも稼働状況を容易に把握できます。
拡張性を確認する
クラウドPBXを選ぶ際は、将来的な事業拡大に対応できる拡張性が備わっているか確認しましょう。
回線数や機能を柔軟に増やせるサービスを選べば、成長に合わせてスムーズに対応できます 。
スモールスタートで無駄なコストを抑えつつ、必要に応じて段階的に機能を追加できるクラウドPBXを選ぶことで、長期的に安定した運用が可能になります。
メーカーによるサポート体制を確認する
個人事業主や中小企業では保守管理に割ける専門の人材がいないことも多いため、メーカーのサポート体制が万全かどうかで、導入の成否が大きく左右されます。
導入前の説明はもちろん、 導入後の操作方法やトラブル対応まで、丁寧なサポートを提供してくれるメーカーを選びましょう 。
具体的には、料金体系の説明がわかりやすい、導入後のサポートが充実している、といった点をチェックすることがおすすめです。
セキュリティレベルを確認する
クラウドPBXはインターネット回線を利用するため、サイバー攻撃や情報漏洩のリスクが伴います。
導入実績が豊富なサービスを選び、 暗号化通信や不正アクセス防止策などの対策が十分かをチェックすることが重要 です。
万が一の情報漏洩は事業継続に大きな影響を与えるため、信頼できるサービスを選びましょう。
【比較表】個人事業主・小規模企業におすすめのクラウドPBX5選
CLOUD PHONE | トビラフォンCloud | ナイセンクラウド | circle | Good Line | |
---|---|---|---|---|---|
初期費用 (税込) |
無料 | 3万3,300円~(2/ID) | 1万1,000円 | 5,500円 | (1) 2万2,000円 (2) 1万1,000円/ID (3) 1万1,000円/ID |
月額料金 (税込) |
■1アカウント:770円 ■管理システム:7,150円 +えらべる番号料金 ・050番号:330円 ・市街局番:1,100円 ・0120番号:2,200円 |
3,300円~(2/ID) | (1) 2,200円(1/ID) (2) 5,500円(2/ID) (3) 1万1,000円(5/ID) |
(1) 3,190円+880円/ID (2) 3,190円+1,100円/ID |
(1) 3,300円 (2) 1,100円+基本料金 (3) 4,400円+基本料金 |
対応できる 導入規模 |
個人事業主~中小企業 | 個人事業主~中小企業 | 個人事業主~大企業 | 個人事業主~大企業 | 中小企業~上場企業 |
利用可能な 電話番号 |
■市外局番 ※全国14都道府県 ■050番号 ■0120番号 |
■市外局番 ■050番号 ■0120番号 |
■050番号 ■0120番号 ■0800番号 ■市外局番 |
■市外局番 ■050番号 ■0120番号 |
■050番号 ■0120番号 ■0800番号 ■市外局番 |
通話品質 | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ |
拡張性 | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
API連携 | △ | ◎ | △ | ◎ | ◎ |
セキュリティ | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
管理の容易さ | ◎ | ○ | ○ | ○ | ○ |
機能 | IVR機能 通話録音機能 複数の番号契約 複数の番号契約 SMSの自動送信 スマホで内線通話 外出先への転送電話 スマホで会社番号受発信 |
ステータス設定 ユーザーの状態表示 電話番号の使い分け ナンバーポータビリティ 発信元の電話番号を特定 迷惑電話フィルタリング 紛失時電話ロックアウト など |
留守電のメール送信 着信ルール設定 特定番号の着信拒否 電話履歴をWebで確認 など |
通信の暗号化 外線接続機能 内線基本機能 転送機能 保留機能 など |
発信番号設定 着信番号設定 通話保留転送 音声ガイダンス IVR(自動音声応答) 混雑中ガイダンス 全通話履歴・検索 クラウド電話帳 など |
CLOUD PHONE(クラウドフォン)|中小企業の導入実績豊富
CLOUD PHONE(クラウドフォン)は、 低コストで電話番号をスピード発番できるクラウドPBX です。
従来のPBXと異なり、設備導入費用やメンテナンス費用が不要で、月額料金のみで利用できます。
導入後に発生しがちな移転や電話機の追加といった、プラスアルファの運用費も一切かかりません。
さらに、ビジネスフォンよりも機能が豊富で、スマホやパソコンから会社番号に受発信できるため、外出時やテレワークにも最適です。

CLOUD PHONEとは?機能や料金を徹底解説!
工事費用0円の圧倒的低コストで、電話番号をスピード発番できる「CLOUD PHONE(クラウドフォン)」。機能や料金、導入におすすめな企業を徹底解説します。
詳しくはこちら
トビラフォンCloud|リモートワークに対応

トビラフォンCloudは、電話業務の効率化を目指したい企業におすすめのクラウドPBXです。 業務効率化を進めるオプションが豊富に用意されています。
誰が電話対応中か一目でわかる「ステータス管理」や、誰が何件受電対応したかわかる「利用状況の可視化」を使うことで、従業員の管理が簡単に行えます。
導入規模は中小企業から大企業まで幅広く対応しており、最短翌営業日には導入できるので、クラウドPBXを迅速に導入したい場合におすすめです。
公式サイトはこちらナイセンクラウド|行政や病院などへの導入実績あり

ナイセンクラウドは、電話の03番号や0120番号はもとより、外出先・拠点・海外、どこでも発信・着信・内線化が可能なクラウド型PBXです。
上場企業から個人事業主様まで、行政や病院などへの導入実績もあります 。
電話機やパソコン、NTTドコモ、au、Softbank、Y!mobile、SIMフリーのスマホにも対応しています。
公式サイトはこちらcircle|セキュリティに強いクラウドPBX

circleは、高音質な通話を実現するクラウドPBXです。市外局番も03・06以外に対応し、既存の固定電話番号を引き継ぐことも可能です。
また、 Salesforceなどのクラウドサービスと連携し、迷惑電話フィルタリング機能も搭載 しています。営業や顧客管理を効率化したい個人事業主に最適です。
さらに、カスタマーデスクはネイティブレベルの日本語と英語で対応してもらえるため、日本の企業様はもちろん、社内言語が英語という外資系企業にもおすすめです。
公式サイトはこちらGood Line|わかりやすい料金プラン

Good Lineは、ロケーションフリーの内線構築が可能な、低価格・高機能のクラウドPBXで利用する会社電話システムです。
業者による工事が不要で、Webから簡単にオフィス電話の設定を変更できます。
また、 シンプルでわかりやすい料金設定なので、自社に合ったプランを選びやすい点も魅力 です。
公式サイトはこちら
個人事業主・小規模企業がクラウドPBXを導入する方法(構築方法)
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STEP.1
サービスを選ぶ
クラウドPBXを導入する際は、まず信頼できるサービスを選ぶことが重要です。
選定時には、機能やコスト、セキュリティなどの比較ポイントを確認しましょう。
特に通話品質は顧客満足度に直結するため、高音質なサービスを選ぶことが大切です。
また、トライアルサービスを提供している業者もあるので、実際に使い勝手を試してから契約すると安心です。 -
STEP.2
書類の用意
一般的には、申し込みの際に身分証明書が必要です。
近年では必要書類が簡素化されており、手続きもスムーズに進められます。
事前に必要な書類を確認し、スムーズな申し込みを目指しましょう。 -
STEP.3
支払い方法の設定
クラウドPBXの利用には、支払い方法の設定が必要です。
一般的には口座引き落としが主流ですが、サービスによっては銀行振込やプリペイド方式も選べます。
企業の運用スタイルや規模に応じて、最適な支払い方法を選択しましょう。 -
STEP.4
申し込み・審査
申し込みが完了すると、審査が開始されます。クラウドPBXの審査は不正利用を防ぐために行われるものです。
自己破産や未返済の借り入れがなければ、基本的に通過できます。
設立間もない法人や利益が少ない事業者でも問題なく利用可能です。 -
STEP.5
契約・導入
審査が完了すると、クラウドPBXの設定や打ち合わせを行い、利用を開始できます。
契約内容や機能をしっかり確認し、不明点があれば事前に解消しましょう。
多くのサービスはブラウザ上で簡単に設定できるため、専門知識がなくても安心して導入できます。 -
STEP.6
スマホ、パソコンなどの端末を準備
クラウドPBXの利用には、スマホやパソコンなどの端末が必要です。
すでに所有している端末を使えるため、新たに購入する必要はありません。従業員の個人端末でも利用可能です。 -
STEP.7
インターネット環境を整える
クラウドPBXを利用するには、光回線やWi-Fi環境の整備が必要です。
すでに光回線を導入している場合は、すぐに利用を開始できます。 -
STEP.8
端末にアプリを入れる
次に、スマホやパソコンに専用アプリをダウンロードしましょう。
多くの場合、メーカーがアプリのダウンロード手順を案内してくれるので、指示に従ってインストールを進めるだけで完了します。 -
STEP.9
従来の電話番号を利用する場合はVoIPゲートウェイを設置
クラウドPBXで従来の電話番号を使用する場合、VoIPゲートウェイを設置する必要があります。
VoIPゲートウェイは、アナログ回線とIP回線を接続する機器で、従来の電話システムとクラウドPBX間での連携を可能にします。
クラウドPBXに関するよくある質問
A
クラウドPBXの申込時には、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類が必要です。
業者によっては開業届や確定申告書が求められる場合もあります。
A
クラウドPBXの審査では、利用意思や不正の有無を確認します。申込書類に不備がなければ通過します。
開業届や確定申告書は事業主確認と反社会的団体のチェックが目的で、売上金額は重要ではありません。
A
クラウドPBX導入で解決できる個人事業主の課題は以下の通りです。
・場所にとらわれない働き方を実現
・顧客対応の迅速化と効率化
・業務プロセスの改善
・事業規模の変化への対応
まとめ
クラウドPBXは、個人事業主の業務効率化と経費削減に大きな可能性を秘めています。
外出先での発着信で顧客対応の機会損失を防げる他、外線・転送に伴うコスト削減にも大きく貢献します。
ただし、導入時には通話品質の変動や、電話番号の引継ぎ問題などには注意が必要です。
詳細な導入方法や具体的な活用例については、お気軽にWiz Cloudへお問い合わせください。


この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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