「クラウドPBXは電話番号をそのまま使えないって本当?」
「導入で失敗しないためにできることって?」
クラウドPBXは、オフィスに設置する従来のPBXと異なり、インターネット上でサービスを提供する新しいタイプの電話システムです。
コスト削減や柔軟な運用スタイルが魅力な一方、通信品質やセキュリティ面での不安も抱く方が多いのではないでしょうか。
本記事では、クラウドPBXのメリット・デメリットだけでなく、具体的な対策方法や失敗しない選び方など、導入前に知っておきたい情報を網羅しました。
ぜひ、本記事を参考に、自社に最適なPBXシステムを選び、スムーズな導入を実現してください。
目次
▼この記事で紹介している商品
メリットが多い「クラウドPBX」とは?まずは基本を解説

クラウドPBXとは、 インターネットを利用して、場所を選ばずにオフィス電話が使える次世代型のビジネスフォン です。
従来のようにオフィスに物理的な交換機や電話機を設置する必要がなく、社員のスマホから会社の代表番号で電話をかけたり受けたりできます。
外出先やテレワーク中でも、内線通話や転送など、オフィスにいるときと同じように電話業務を行うことが可能です。
そもそも「PBX」とは?
PBXとは、 電話交換機を意味する「Private Branch Exchange」の略称 です。
PBXを設置することで複数の電話回線を集約できるので、「外線と内線との接続」や「内線同士の通話をコントロール」が可能になります。
PBXの主な種類
クラウドPBX | レガシーPBX・ オンプレミス型PBX (アナログPBX・デジタルPBX) |
IP-PBX | |
---|---|---|---|
設置場所 | クラウド上のサーバー | 自社内に設置 | 自社内に設置 |
導入方法 | インターネット環境があれば導入可能 | 専門業者による設置工事が必要 | 専門業者による設置工事が必要 |
拠点数 | ほぼ無制限 | 拠点ごとに設置が必要 | 拠点ごとに設置が必要 |
メリット | 導入・運用が簡単 初期費用が安い 場所を選ばず利用可能 機能の拡張性が高い |
通話品質が安定している セキュリティが高い カスタマイズ性が高い |
柔軟性が高い 機能拡張が容易 音声・データ通信も可能 |
デメリット | ネット回線の品質に依存 セキュリティリスクがある※ベンダーの対策に依存 |
導入・運用コストが高い 機能拡張が難しい 物理的な制約がある |
導入コストが高い 専門知識が必要 初期費用が高い |
レガシーPBX・オンプレミス型PBX(アナログPBX・デジタルPBX)
レガシーPBXには、 アナログとデジタルの2種類 があります。
アナログPBXは、電話回線を利用する従来型の交換機で、通話品質が高く安定しているのが特徴です。一方、デジタルPBXは、内線交換をデジタル化したもので、1980年代に登場しました。
レガシーPBXは導入コストや保守管理コストが高いことから、近年はIP-PBXへ移行する企業が増えています。
IP-PBX
IP-PBXは、 インターネットを利用して電話システムを構築する技術 です。従来のレガシーPBXに比べ、音声だけでなく映像やデータをやり取りでき、柔軟な利用が可能です。
設置場所や運用方法によって、自社内に設置するオンプレミス型と、クラウド型に分けられます。
オンプレミス型は初期費用や保守コストがかかりますが、高度なカスタマイズが可能です。一方、クラウド型は、インターネット環境さえあれば手軽に導入でき、保守管理コストを抑えられます。
ただし、いずれの場合も、通信品質はインターネット回線の状況に左右されます。

編集部
2010年代以降、クラウドPBXが普及。物理的なPBX設備が不要で導入・運用が容易なため、多くの企業で採用されています。


クラウドPBXと従来のビジネスフォンの違い
クラウドPBXと従来のビジネスフォンの違いも 「PBXの設置場所」 にあります。
従来のビジネスフォンは、社内に物理的な主装置を設置し、電話回線で各電話機と接続していました。一方、クラウドPBXは仮想の主装置をクラウド上に構築し、インターネット経由で利用する仕組みです。
これにより、物理的な機器や配線が不要になり、スマホなどの端末を使ってオフィス以外の場所でもビジネスフォンの機能を活用できます。

編集部
クラウドPBXはインターネット回線を、従来のビジネスフォンは電話回線を利用します!
クラウドPBXの主な機能
代表番号の発着信 | すべての電話機で代表番号を使って発着信できる |
---|---|
内線通話 | 社内の電話機同士で、通話料金なしで通話できる |
保留・転送(取次ぎ) | 通話を保留し、別の電話へ転送する |
多様なデバイスの内線化 | スマホやパソコンを内線端末として利用できる |
通話録音 | 通話を録音でき、留守番電話機能としても利用できる |
顧客情報の表示(CTI) | 着信時に顧客情報が自動表示される |
外線の一斉呼び出し | 外線着信を複数の電話機で受け、応答すると他の着信音が停止する |
インターネットFAX | インターネット経由でFAXの送受信が可能 |
クラウドPBXの仕組み

クラウドPBXは、オフィス電話のシステムをインターネット上に移行させた次世代の電話サービス です。
従来のオフィス電話は、社内に物理的な電話交換機(PBX)を設置し、そこから電話線を引き出して各々の電話機につなぐ形式(有線接続)でした。
一方、クラウドPBXでは、電話交換機(PBX)の機能をクラウドサーバーに構築し、インターネット回線を経由して利用します。


クラウドPBXを導入するメリット

業務効率化に関するメリット
外出先でも社員の端末で会社番号を発着信できる
クラウドPBXは、インターネット環境さえあれば、 私用スマホやPCで会社の番号にかかってきた電話に対応したり、会社の番号を使って発信したりできます。
電話対応のためだけに出社する必要が無くなり、在宅ワークの推進に繋がるでしょう。
また、外出先からでも電話対応ができるため、電話の取り逃がしによる機会損失を減らせるほか、電話の取次業務も効率化できます。

編集部
オフィスの外で、スマホやタブレット、パソコンなどの様々な端末を電話機として使えます!
複数の拠点間や社員同士で内線通話できる
クラウドPBXは、インターネット回線に接続できれば、場所を問わずどこででも内線通話が可能です。
そのため、 外出する社員が多い会社や、拠点が複数ある企業でも内線電話にかかる通話料を大幅に抑えられます 。
また社内の電話転送も無料でできるため、通信費の削減にもつながるでしょう。
ビジネスフォンにはない便利機能が豊富
クラウドPBXは、 ビジネスフォンの基本機能に加えて、クラウドサービスならではの便利な機能も備えています 。
具体的には、通話録音機能やCTI機能、IVR機能などが挙げられます。
お客様情報をスムーズに確認でき、お客様の待機時間の短縮されるため、業務効率化と顧客満足度の向上を期待できます。
スマホを複数台持つ必要がない
クラウドPBXは、 専用アプリを入れるだけで業務用と個人用の電話番号を使い分けることが可能 です。
これにより、業務用とプライベート用でスマホを複数台持つ必要がなくなり、利便性が高まるほか、端末の購入費用も削減できます。
さらに、個人の電話番号を仕事で使用せずに済むため、プライバシーの保護にもつながります。
担当者がオフィスに不在でも自動で転送できる
クラウドPBXを導入することで、外出中の社員宛に着信があった場合も、自動で社用携帯に転送できます。
これにより、 担当者の社用番号を伝えてかけ直してもらったり、帰社後に折り返し対応したりする手間が省けます 。
例えば、営業時間外や休業日にかかってきた着信を別の拠点やへ転送したり、特定の部署に電話が集中した際に他部署へ振り分けたりすることで、スムーズな対応が可能になります。
社内の保守担当者の運用負担が軽減される
クラウドPBXは、 ベンダー側がクラウド上でPBXを運用する ため、機器の設置やメンテナンス、ソフトウェアの更新が不要になります。
オンプレミス型PBXの場合、社内の保守担当者がメンテナンスや更新作業を担当する必要がありますが、クラウドPBXではその手間が省け、保守にかかる時間と労力を大幅に削減できます。
これにより、保守費用の削減につながるほか、保守担当者はコア業務に集中できるようになります。
コスト削減に関するメリット
導入時の初期費用を抑えられる
従来のビジネスフォンは、機器の購入や設置工事などに伴い、高額な初期費用がかかっていました。
その点クラウドPBXなら 、社員のスマホにアプリをインストールするだけで利用でき、専用機器の購入や工事は不要 なので、初期費用を大幅に削減できます。
初期投資の内訳 | |
---|---|
オンプレミス型PBX | PBX本体の購入費用+ビジネスフォンの購入費用+工事費用 |
クラウドPBX | サービス契約料(+IP電話機購入費用) |
内製化で通話料を削減できる
従来のビジネスフォンでは、遠隔地にいる社員と連絡を取る際に外線を利用する必要がありました。
一方クラウドPBXなら、 離れた場所にいる社員同士でも内線通話できるため、通話料を大幅に削減 できます。
全国に拠点がある場合や、在宅ワークの社員がいる場合も、コストを抑えて社内連携が図れます。
保守点検、設備メンテナンスのコストを削減できる
クラウドPBXを導入することで、保守点検や設備メンテナンスのコストを削減できます。
オンプレミス型PBXでは、精密機器である交換機の定期的な点検や故障時のサポートが必要で、保守コストがかさみがちでした。
一方、クラウドPBXは、交換機の機能がインターネット経由で提供され、物理的な機器がないため、 ハード面のメンテナンスや点検にかかる費用が不要 です。
さらに、システムのメンテナンスやアップデートは自動で行われ、常に最新バージョンで利用できるため、運用の手間もほとんど発生しません。
その他のメリット
利用端末の増減やオフィスの移設・レイアウト変更が簡単
クラウドPBXは、 設定変更をWebブラウザやアプリ上で簡単に行える ので、オフィスの増設や移設、レイアウト変更にも柔軟に対応できます。
例えば、電話番号や回線数の設定、時間ごとの受信先変更などが可能です。
また、必要に応じてIVRやCRMといった機能だけを選べるのも特徴の一つで、 機能の削除や追加もメーカーに依頼する必要がありません。
テレワーク、在宅ワークで生じる電話業務の課題を解決できる
クラウドPBXを導入することで、 在宅勤務中でも会社宛の着信にスマホやPCから応答でき 、離れた場所にいる社員への取り次ぎもスムーズに行えます。
また、保留転送や通話料金を気にせず、迅速にテレワーク体制を整えることができるため、業務の効率化が進みます。
小規模から大規模まで幅広く対応できる
クラウドPBXを導入することで、 オフィスの規模や業務状況に合わせて、回線数を柔軟に増減できます 。
そのため、個人事業主から大規模コールセンターまで、ニーズに応じて自由にカスタマイズ可能です。
従業員の増減に応じて、システムの調整を簡単に行えるため、コストを最小限に抑えながら無駄なく運用できます。
BYODの導入、働き方改革を推進できる
クラウドPBXを導入することで、BYOD(Bring Your Own Device)の導入が容易になり、働き方改革の推進にもつながります。
従業員が個人のスマホやタブレット、パソコンを業務で使用できるようになるため、 連絡体制が強化され、柔軟な働き方が実現します 。
これにより、効率的な業務遂行と、職場環境の改善が同時に進められます。
サードパーティサービスと連携しやすい
クラウドPBXを導入することで、 CRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)などのサードパーティサービスとスムーズに連携でき 、利便性が向上します。
例えば、着信時に顧客情報を自動表示する機能を活用すれば、スピーディーな対応が可能です。
従来のPBXでは難しかったサービス連携も、クラウドPBXなら容易に実現でき、業務効率化や顧客対応の質の向上につながります。
災害や緊急時に備えるBCP対策に有効
災害時、オフィスに戻れなくても、 クラウドPBXならインターネット環境さえあれば、どこからでも電話の送受信が可能 です。
従来のビジネスフォンは、オフィスに設置された機器に依存するため、オフィスが被災すると電話が使えなくなるリスクがありました。
場所を選ばずに仕事を進められるクラウドPBXであれば、災害時の復旧が早く、ビジネスへの影響を最小限に抑えることができます。

クラウドPBXのデメリットと対策方法

月額制サービスのためランニングコストが発生する
クラウドPBXを導入の多くは月額制サービスであるためランニングコストが発生します。
料金はベンダーによって異なりますが、 基本料金に加え、アカウント数に応じたライセンス料金が発生 し、相場は「3,000〜6,000円」程度です。
特に、オプションなどをつけて長期間運用すると、予想以上にトータルコストがかさむ可能性があるため、事前に計画を立てることが重要です。
対策|料金や機能を比較して、自社に合ったサービスを利用する
クラウドPBXのランニングコストを抑えるためには、コストパフォーマンスが良いサービスを選び、料金体系が自社のニーズに合うものを選ぶことが重要です。
まず、 2〜3社のサービス内容と料金を比較し、機能とコストのバランスが取れたものを選びましょう 。
料金体系には、アカウント数で月額料金が決まるプランや、基本料金とアカウント料金が別々のプランがあるため、自社に最適な契約内容を選ぶことがコスト削減につながります。
インターネットの通信環境によって通信品質(音質)が低下する
クラウドPBXの音質は、 利用するインターネット回線の品質と、ベンダーの技術力 に大きく左右されます。
電波状況が悪い場所や、古いインターネット回線を使用している場合は、ノイズや途切れが発生する可能性があります。
また、サービス会社によって音声の品質に差がある点にも注意が必要です。
対策|サービス選びと通信環境に注意する
クラウドPBXの音質をクリアに保つには、 サービス選びと通信環境の両方に注意が必要 です。
総務省の品質基準で高い評価を得ているベンダーを選び、高速かつ安定したインターネット回線を導入することで、音質の低下を防止できます。
特に、オフィス内のネットワーク環境が不安定な場合は、クラウドPBX導入を機に、回線や機器の見直しも検討しましょう。
提供会社によってセキュリティレベルが異なる
クラウドPBXを導入するデメリットの一つは、サービス提供会社によってセキュリティレベルが異なる点です。
セキュリティレベルが低いと、情報漏洩や機密情報流出のリスクが高まり 、企業の信用に大きな影響を与える恐れがあります。
対策|情報セキュリティ対策をする
クラウドPBXのセキュリティは提供会社に依存するため、導入前に公式サイトでどのような対策が施されているか確認しましょう。
また、 セキュリティソフトの導入など、自社でも対策を行う ことで、より安全性が高まります。
従業員の不注意や軽率な行動が情報漏洩につながることがあるため、 社内教育を通じて情報リテラシーの向上を図ることも効果的な対策 です。
サービスによっては従来の電話番号を引き継げない
クラウドPBXのサービスによっては、電話番号を引き継げない場合があります。
特に、機器を設置せずに利用できる 「完全クラウド型」は柔軟性が高い反面、機能面で制限があり、既存の電話番号を引き継げないケースが多い ため注意が必要です。
一方、「機器設置型」は、導入に時間がかかったり、コストがかさみがちな分、既存の電話番号を引き継げるサービスも多くあります。
対策|電話番号を引き継げるか確認する
クラウドPBXの導入を検討する際、既存の電話番号を引き継ぎたい場合は、 サービス提供会社への事前の確認が必須 です。
ホームページに「引き継ぎ可能」と記載されていても、契約内容や回線種別によっては、引き継げないケースがあります。
特に、NTT以外のプロバイダーから取得した番号や、一部のIP電話サービスの番号は、引き継ぎができない場合が多いため注意が必要です。

電話番号を無料で取得できるアプリ3選を解説!090は有料?
電話番号を無料で取得できるおすすめアプリの紹介に加えて、最安で利用することのできる電話サービスなどについても、わかりやすく解説していきます。
詳しくはこちらFAXが利用できなくなる可能性がある
クラウドPBXはインターネット回線を活用したいサービスなので、移行に伴って従来のFAX機が使えなくなるケースがあります。
対策|継続利用方法やインターネットFAXを活用する
クラウドPBX導入後も引き続きFAXを利用したい場合、 専用アダプターの使用 や、 FAX用に電話回線を残す 、 インターネットFAXを活用する といった方法で対応可能です。
また、インターネットFAXサービスも選択肢の一つです。事前に自社のFAX利用状況を確認し、適した対策を講じることで、業務への影響を最小限に抑えられます。

緊急通報など、一部かけられない電話番号がある
クラウドPBXは、 110番や119番などの緊急通報ができません 。
一般的な固定電話や携帯電話は、緊急通報の発信時に適切な管轄の通信設備を経由して最寄りの緊急機関に接続されます。
しかし、クラウドPBXはIPネットワークを経由するため、発信地域に基づいた正しい緊急通報センターに接続できないことがあります。
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▶クラウドPBXでかけられない番号
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・「110」警察への緊急通報
・「113」設定・トラブルサポート
・「115」電報の申し込み
・「117」時報
・「118」海上事件・事故の緊急通報
・「119」消防・救急への緊急通報
・「144」迷惑電話お断り
・「177」天気予報
・「0570」ナビダイヤル
対策|携帯電話で代用する/警察署や消防署に直接かける
オフィスで緊急事態が発生した場合は、携帯電話を使って通報しましょう 。
もしくは、最寄りの警察署や消防署に直接通報できるよう、あらかじめ電話番号を控えておくことをおすすめします。
すでに設置しているPBXやビジネスフォンを利用する場合コストがかかる
すでに設置しているPBXやビジネスフォンを利用中の場合、期間満了前に解約すると違約金が発生する ことがあります。
また、設置型のPBXを買い取りで使用している場合、クラウドPBXに移行すると減価償却期間中に投資費用が回収できない可能性もあります。
対策|PBX・ビジネスフォンの違約金や残りの契約期間を把握しておく
クラウドPBXの導入を検討する前に、現在利用中のPBXやビジネスフォンの契約内容を確認し、 違約金や残りの契約期間を把握しておくことが重要 です。
また、設置型PBXの設備投資を回収するために、クラウドPBXへの移行を段階的に進める方法もあります。
さらに、契約更新のタイミングを見計らって切り替えることで、余分なコストを避けることができます。
物理設備との連携が難しい
病院内のナースコールや構内放送、構内PHSなどといった設備は、 オンプレミス型PBXの拡張機能として設計されているため、クラウドPBXでは対応できない 場合があります。
対策|あらかじめ連携が必要かどうか確認する
クラウドPBX導入前に、連携が必要な設備を確認し、必要な設備との連携をサポートするクラウドPBXを選ぶか 、 既存設備の活用を優先するか 検討することが重要です。
また連携できない場合は、物理設備の導入を併用したハイブリッド型のシステムを選択することで、業務に支障をきたさないよう対策を講じることができます。
利用中にトラブルが起きたのにサポートが受けられない
クラウドPBXのサービスによっては、利用中にトラブルが起きたのにサポートが受けられないことがあります。
ベンダーよってサポートの対応時間や質は異なり 、24時間対応していない場合や、対応が遅い、満足のいく回答が得られないこともあります。
対策|サポート要件の定義を確かめ、トライアルを利用する
クラウドPBX導入時は、事前にサポート体制が充実しているか確認することが重要です。
サポートが別料金の場合もあるため、必要に応じてオプションを追加検討しましょう。
電話サポートの受付時間や問い合わせ手段も確認し、 24時間対応可能な事業者を選ぶことが望ましい です。
クラウドPBXの選び方

サービスや搭載機能が自社に合うか確認する
クラウドPBXを選ぶ際は、自社に必要な機能が備わっているかを確認しましょう。
メーカーによって機能は異なるため、 保留、転送、留守番電話、内線機能といった基本機能 のほか、 ビデオ通話、チャット、FAX対応 などの有無もチェックが必要です。
ただし、多機能になるほど月額料金が高くなるため、必要な機能を厳選し、コストとのバランスを考慮して選択することが重要です。
トータルコストが希望に沿うか確認する
クラウドPBXは、初期費用に加えて、月額もしくは年額でのランニングコストが発生します。
そのため、 オプション費用や通話料なども加味し、トータルコストが予算内に収まるか想定してサービスを選び ましょう。
なお、ライセンス数が増えれば増えるほどコストがかさむので、規模の大きい企業であれば、オンプレミス型のほうが運用コストを下げられる可能性もあるでしょう。
トライアルで音質や使用感、操作性を確認する
クラウドPBXを選ぶ際、導入前に無料トライアルを利用し、 通話が安定しているか、操作がしやすいかをチェック しましょう。
通話品質はインターネット環境に依存しますが、サービスそのものの品質に左右される部分もあります。
オフィス内だけでなく、外回りやテレワーク中の社員にも試してもらうことで、全社で快適に使用できるクラウドPBXを選定できます。
電話番号がそのまま使えるか確認する
クラウドPBXの導入にあたっては、既存の電話番号を引き継げるサービスを選ぶことを強くおすすめします。
サービスによっては、新規電話番号しか利用できない場合もあり、 取引先や顧客に対する電話番号の変更通知や、登記情報の変更など、余計な手間と時間が発生 します。
既存の電話番号をそのまま利用できれば、顧客への混乱を招くことなく、スムーズな移行が可能となります。
デバイス・キャリアフリーに対応しているか確認する
クラウドPBXを選ぶ際は、デバイスやキャリアの縛りがないかどうかも重要な検討事項です。
スマホやパソコンなど、さまざまなデバイスを内線として利用できる 「デバイスフリー」 対応であれば、従業員は自身の使いやすい端末で自由に業務を行えます。
さらに 「キャリアフリー」 に対応していれば、従業員が利用している携帯キャリアを問わず、私物のスマホを業務用に活用するBYOD環境※を構築することも可能です。
※BYODとは、「Bring Your Own Device」の略で、日本語では「私物デバイスの持ち込み」と訳されます。企業が従業員に対し、個人が所有しているスマホやタブレット、パソコンなどのデバイスを業務で利用することを許可する制度のことです。
拡張性があるか確認する
クラウドPBXの導入を検討する際は、将来的な事業拡大を見据えて、柔軟な拡張性を備えているかどうか確認しましょう。
小規模なスタートアップから大企業まで、幅広い規模の企業に対応できるクラウドPBXであれば、 事業の成長に合わせて、数千、数万台規模へとスムーズにシステムを拡張できます 。
導入前に、ベンダーの拡張性に関する実績や、具体的なプランを詳細に確認することで、将来的なビジネスニーズに柔軟に対応できるシステムを構築できます。
セキュリティが高いか確認する
クラウドPBXの導入を検討する際、セキュリティ対策は最も重要な要素の一つです。
クラウドサービスは、常に外部からの攻撃リスクにさらされており、万が一不正アクセスが発生した場合、機密性の高い企業情報が漏えいする危険性があります。
しかし、自社で完全なセキュリティ対策を施すことは困難なため、信頼できるセキュリティ対策が施されたサービスを選ぶことが不可欠です。
導入前に、 ベンダーのセキュリティポリシーや、過去のセキュリティインシデント発生状況などを詳細に確認 し、自社の情報資産を安全に保護できるサービスを選びましょう。
サポート体制が整っているか確認する
クラウドPBXのサービスは、メーカーによってサポート内容が異なります。
充実したサポートを提供するサービスでは、 回線や電話機に関するコンサルティング や、 トラブル時のカスタマーサポート が整っています。
導入後の拡張性やカスタマイズの必要性に応じて、適切なサポートが受けられるかを確認しましょう。
また、対応時間や24時間対応、緊急時の連絡オプションなど、サポートの品質も選定ポイントです。
導入実績を確認する
クラウドPBXの導入を成功させるためには、豊富な導入実績を持つベンダーを選ぶことが重要です。
特に、 自社と同業種での導入実績があるベンダーは、業界特有の課題やニーズを深く理解 しており、最適なソリューションを提案してくれます。
また、導入実績の多さは、ベンダーのサービス品質やサポート体制の安定性を示す指標にもなります。
クラウドPBXの導入に向いている企業

拠点が多い・敷地が広大な企業
クラウドPBXは、拠点が複数ある企業や広大な敷地を持つ施設に最適です。
病院、学校、工場、ホテルなどでは、地理的な制約を受けずに拠点間を内線でつなげられます。
また、 工場の作業員や病院スタッフが自身のスマホやタブレットで内線通話を利用することも可能 なため、業務の効率化につながります。
離れた拠点同士でもスムーズな連携が可能になり、円滑なコミュニケーションを実現できます。
テレワークや外出の比率が高い企業
クラウドPBXは、テレワークや外出が多い企業に適しています。PCやスマホを使って 会社の代表番号で発着信できるため、場所を問わずスムーズに業務を進められます 。
また、自動転送機能を活用すれば、電話対応の負担を軽減でき、時間を有効活用しやすくなるでしょう。
さらに、社員間の通話は内線扱いとなるため、遠隔地の拠点やテレワーク中の社員とも通話料を抑えて連絡を取ることができ、コスト削減にもつながります。
オペレーター業務が多い企業
コールセンターやカスタマーサポートなど、電話対応が中心の業務において、クラウドPBXは高い効果を発揮します。
人員の増減や呼量の変化に柔軟に対応できるため、回線数が不足して顧客を待たせるといった事態を回避し、常に安定したサービスを提供できます。
高度なセキュリティ対策が施されたサービスであれば、在宅勤務のオペレーターにも安全な環境を提供 し、業務効率化を図ることも可能です。
作業拠点の移動が多い企業
クラウドPBXは、作業拠点が頻繁に変わる企業にも最適です。
イベント会場の設営など、 移動が多い業務でも、配線や機器の設置が不要なため、すぐに通信環境を整えられます 。
現場内での内線通話もスムーズに行え、広範囲の作業エリアでも問題なく活用可能です。
短期的に電話環境を構築したい企業
事業所の新設やプロジェクトの立ち上げなど、迅速に電話環境を構築する必要がある場合、クラウド上で設定が完了するクラウドPBXが最適です。
従来のPBXのように、 回線工事や機器設置といった手間がかかることもなく、必要に応じてスピーディーかつ柔軟に設備を整えられます。
クラウド化によってBCP対策をしたい企業
事業継続計画(BCP)の一環として、通信環境の強化を検討しているのであれば、PBXをクラウド化するソリューションが最適です。
クラウドPBXなら、 インターネット環境さえあれば、社員はどこからでも会社の代表番号で電話の発着信が可能 になります。
これにより、オフィスが被災た場合も業務の中断を最小限に抑え、顧客への対応や社内コミュニケーションの継続を円滑に行えます。
既存システム(オンプレPBX)のサポート・保守期間が終了する企業
オンプレミス型PBXのサポートや保守期間が終了する企業にとって、クラウドPBXへの移行は有効な選択肢です。
オンプレミス型は定期的なメンテナンスが必要で、サポート終了後の運用にはリスクが伴います。
一方、 クラウドPBXなら最新の機能を継続的に利用でき、工事不要でスムーズに移行可能 です。
既存システムと併用できるサービスもあり、段階的な移行も可能なため、コスト削減と運用負荷の軽減につながります。
クラウドPBXの失敗事例

価格だけで選んでしまった
クラウドPBXのよくある失敗例に、価格だけで選んでしまうケースがあります。 コスト削減は重要ですが、必要な機能や利用環境に合わなければ、かえって費用対効果が下がってしまいます。
導入前に利用人数や業務フローを確認し、適したプランを選びましょう。また、トラブル時の対応も重要なポイントです。
サポート体制や対応のスピードを事前に確認し、安心して運用できるサービスを選ぶことが成功のカギとなります。
不安材料を払拭せず導入に至ってしまった
クラウドPBXのよくある失敗例に、不安を解消しないまま導入してしまうケースがあります。
音声品質や使い勝手など、実際に運用しないと分からない点も多いため、 事前の確認が不十分だと予期せぬトラブルに直面することもあります 。
導入前には、無料トライアルを活用し、自社の通信環境で問題なく使えるかをしっかり検証することが重要です。
【比較】クラウドPBXおすすめランキング
ランキング | 1位 CLOUD PHONE |
2位 トビラフォンCloud |
3位 モバビジ |
4位 03plus |
5位 ひかりクラウドPBX |
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初期費用 (税込) |
無料 | 33,300円~(2/ID) | 要問合せ | 5,000円 | (1) 8,250円~(10/ID) (2) 8,250円~(20/ID) (3) 8,250円~(30/ID) |
月額料金 (税込) |
●1アカウント:770円 ●管理システム:7,150円 +えらべる番号料金 ・050番号:330円 ・市街局番:1,100円 ・0120番号:2,200円 |
3,300円~(2/ID) | 要問合せ | (1) 1,078円(1/ID) (2) 2,178円(1/ID) |
(1) 11,000円~(10/ID) (2) 20,900円~(20/ID) (3) 27,500円~(30/ID) |
対応できる 導入規模 |
個人事業主~中小企業 | 個人事業主~中小企業 | 中小企業 | 中小企業~大企業 | 中小企業~大企業 |
利用可能な 電話番号 |
●市外局番 ※全国14都道府県 ●050番号 ●0120番号 |
●市外局番 ●050番号 ●0120番号 |
●0ABJ番号 | ●約46種類の市外局番 ●050番号 ●0120番号 ●0800番号 |
●市外局番 |
通話品質 | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
拡張性 | ○ | ◎ | ○ | ◎ | ◎ |
API連携 | △ | ◎ | △ | ◎ | △ |
セキュリティ | ○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
管理の容易さ | ◎ | ○ | ◎ | ○ | ◎ |
機能 | IVR機能 通話録音機能 複数の番号契約 複数の番号契約 SMSの自動送信 スマホで内線通話 外出先への転送電話 スマホで会社番号受発信 |
ステータス設定 ユーザーの状態表示 電話番号の使い分け ナンバーポータビリティ 発信元の電話番号を特定 迷惑電話フィルタリング 紛失時電話ロックアウト など |
保留転送 着信、発信 着信優先機能 クラウド電話帳 音声ガイダンス テキストチャット など |
内線電話 パーク保留 WEB電話帳 クラウドFAX 通話録音 受付アプリ IVR など |
内線通話 ダイヤルイン 外線の取り次ぎ 複数番号への転送 スマホの内線利用 など |
▶ | CLOUD PHONEの お問い合わせはこちら |
トビラフォンCloudの 公式サイトはこちら |
モバビジの 公式サイトはこちら |
03plusの 公式サイトはこちら |
ひかりクラウドPBXの 公式サイトはこちら |
1位 CLOUD PHONE│格安&スピード発番!
CLOUD PHONE(クラウドフォン)は、 低コストで電話番号をスピード発番できるクラウドPBX です。
従来のPBXと異なり、設備導入費用やメンテナンス費用が不要で、月額料金のみで利用できます。
導入後に発生しがちな移転や電話機の追加といった、プラスアルファの運用費も一切かかりません。
さらに、ビジネスフォンよりも機能が豊富で、スマホやパソコンから会社番号に受発信できるため、外出時やテレワークにも最適です。

CLOUD PHONEとは?機能や料金を徹底解説!
工事費用0円の圧倒的低コストで、電話番号をスピード発番できる「CLOUD PHONE(クラウドフォン)」。機能や料金、導入におすすめな企業を徹底解説します。
詳しくはこちら
2位 トビラフォンCloud|低コストで導入実績が豊富!

トビラフォンCloudは、電話業務の効率化を目指したい企業におすすめのクラウドPBXです。 業務効率化を進めるオプションが豊富に用意されています。
誰が電話対応中か一目でわかる「ステータス管理」や、誰が何件受電対応したかわかる「利用状況の可視化」を使うことで、従業員の管理が簡単に行えます。
導入規模は中小企業から大企業まで幅広く対応しており、最短翌営業日には導入できるので、クラウドPBXを迅速に導入したい場合におすすめです。
公式サイトはこちら
3位 モバビジ|導入時のコスト0円!

モバビジは、 初期費用0円で業界最安値に挑戦しているオフィス電話サービスです。
スマホアプリを使って、どこからでも会社の電話番号で発着信できます。電話機は新品のPanasonic製最新IP電話機がすぐに届きます。
また、機器が届いたらコールセンターに電話するだけですぐに利用開始できる手軽さも魅力です。
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4位 03plus(ゼロサンプラス)│10分かけ放題オプションあり!

03plus(ゼロサンプラス)は、株式会社グラントンが提供する、 コストパフォーマンス抜群のクラウドPBXサービス です。
1ユーザーあたり月額2,178円(税込)で、国内通話10分まで無料(かけ放題プラン)。頻繁に電話を利用する企業様にとって、大幅なコスト削減が期待できます。
30ID以上の法人・自治体には、より高度な機能が充実した「03plus エンタープライズ」が用意されています。
5位 ひかりクラウドPBX(NTT東/西日本)|安心のNTT品質!

ひかりクラウドPBXは、NTT東日本が提供するクラウドPBXです。 導入実績10万件超え と、数多くの企業に選ばれています。
今までのビジネスフォンやPBXと連携できるので、クラウドPBXへの段階的な移行もスムーズに行うことが可能です。
大規模な組織での利用を想定したサービスですが、安定性と信頼性を重視する個人事業主の方にもおすすめです。
公式サイトはこちら

まとめ
クラウドPBXは、コスト削減や柔軟性向上など多くのメリットがある一方で、通話品質の変動やセキュリティ面での懸念など、いくつかのデメリットも存在します。
しかし、インターネット回線の整備や従業員へのセキュリティ教育など、適切な対策を講じることで、これらの課題は十分に克服可能です。
導入を検討される際は、自社のニーズを明確にし、各サービスの特徴を比較検討することが重要です。
クラウドPBXの導入に関するご相談は、Wiz Cloudへお気軽にお問い合わせください。


この記事を書いたライター
Wiz Cloud編集部
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